室谷さん、今日のお題は成田空港の奨学金返還支援の補助金ですね。まず全体像を数字で見せてもらえますか?
はい、まずは基本情報を表でドンと置いておきましょう。ここだけ押さえれば迷子になりません。
なるほど。補助率が2分の1で、上限が月額8,000円。ここが出発点ですね。
そうなんです。金額のイメージが先に固まると、あとの要件がスラスラ入ってきますよ。
この制度、名前が長いですけど中身はどういうものなんですか?
成田国際空港の区域で働く若者を雇用し、その人の奨学金返還を支援した会社に対して、支援額の一部を補助する制度です。会社が負担した分の一部が後から戻ってくるイメージですね。
近いです。会社が従業員の奨学金返還を支援すると、その額の2分の1が補助されます。対象は成田空港で働く人なので、地域をぐっと絞った制度なんです。
対象地域の表示は全国ですが、要件は「成田国際空港の区域において現に事業を営んでいること」。実質は、空港で働く人を抱える会社のための制度です。
この制度の3つの特徴対象は空港で働く若者
成田国際空港の区域が主たる就業の場所であることが条件
補助率は2分の1
支援額の半分を補助、1人につき月額8,000円が上限
会社と従業員の両方が要件を満たす
勤務地・居住地・年齢・雇用時期をひとつずつ確認
目的は3つあります。奨学金返還支援を行う会社を増やすこと、会社の採用力を強めること、そして若者の経済的負担を軽くすることです。
成田空港への就労と定着、そして成田市への移住・定住を促すこと。だから「空港で働く」と「成田市に住む」がセットで要件になっているんですね。
なるほど! 会社のためだけじゃなく、街に人を呼びたいわけだ。
そういうことです。若者は返済が軽くなり、会社は採用で有利になり、街には人が残る。三方よしを狙った設計ですね。
募集期間は2026年9月30日から2026年11月30日まで。令和8年度の補助対象期間は令和8年4月1日から令和8年9月30日までです。
そう見えますよね。ここは動きが独特なので、応募前に成田市のページと公募要領を必ず突き合わせてください。
会社がその人に行った奨学金返還支援額の2分の1です。手当として支給した額、または代理返還で貸与機関へ送金した額がベースになります。
単純計算なら5,000円です。ただし上限があるので、そこは次の小見出しで詳しく見ていきます。
はい。多くの会社がぶつかる壁なので、しっかり確認しておきましょう。
支援対象者1人につき月額8,000円です。会社が月2万円を支援していても、補助は8,000円で頭打ちになります。
もうひとつ、算定した補助金額に1,000円未満の端数がある場合は切り捨てになります。たとえば支援額が月7,500円なら半分は3,750円。ここから1,000円未満を切って、補助額は3,000円です。
3,750円が3,000円になっちゃうんですか。細かい!(笑)
そういうルールなので、応募前に一度電卓を叩いておくのがおすすめです。
1人につき、会社がその人の奨学金返還支援を始めた月から最大60か月。5年間です。
1事業者につき新規で5人まで。すでに継続支援対象者がいる場合は、その人数に5人を加えた人数まで対象になります。
新規と継続は別枠なんですね。ここは見落としにくい!
そうなんです。では次に、申請する側=会社の条件を見ていきましょうか。
まず大前提が「成田国際空港の区域において現に事業を営んでいること」。そして従業員に対する奨学金返還支援制度を設けていることです。
はい。制度がなければスタートラインに立てません。ここは準備に時間がかかるポイントです。
制度の中身が分かる形になっている必要があるので、社内の整備を先に進めておきましょう。
2通りあります。従業員に奨学金返還に要する金額に相当する額を手当として支給する「手当支給」と、従業員に代わって会社から奨学金貸与機関へ直接送金する「代理返還」です。
どちらでも対象です。会社の経理のやり方に合わせて選べるのがポイントですね。
そうですね。では続いて、対象外になるパターンを見ておきましょう。
手当支給と代理返還の違い- 奨学金返還に要する額を手当として支給する方法
- 従業員に支給する形
- 会社から奨学金貸与機関へ直接送金する方法
- 従業員に代わって返す形
国や地方公共団体その他これらに準ずる者から出資を受けている者、奨学金返還支援について他の補助金や交付金などの財政的支援を受けている者は対象外です。
そのほか、暴力団員等と認められる役員がいる者、政治活動や宗教的活動を目的とする者、市税を滞納している者、市長が不適当と認める者も対象外です。
はい。ここまでが会社側の条件。次は従業員側の条件に入ります。
まず正社員であること。そして令和8年4月1日から令和8年9月30日までに雇用された方、または前年度以前からこの補助金による支援を受けている継続支援対象者です。
正社員として雇用された日において29歳以下であること。ここは厳格に見られます。
それと、過去にこの補助金に係る奨学金返還支援を受けていないことも要件です。ただし継続支援対象者は除きます。
補助対象期間中、成田国際空港の区域を主たる就業の場所として勤務していることが必要です。雇用契約書や労働条件通知書に就業の場所として書かれた場所、業務を始めたり終えたりする場所、つまり主として業務に携わる場所を指します。
成田市内に居住し、成田市の住民基本台帳に記録されていること。勤務先と住まいの両方が成田に寄っている必要があります。
働くのも住むのも成田縛りなんですね。ここがこの制度の肝か。
そうなんです。次は奨学金そのものの条件を見ていきます。
支援対象者の要件をチェック成田国際空港の区域が主たる就業の場所で、成田市内に居住している?
はい年齢と雇用時期の要件を確認
雇用保険・市税もチェック
独立行政法人日本学生支援機構が貸与する奨学金、地方公共団体・大学・公益法人・民間企業等が貸与する奨学金、その他市長が特に必要と認めるものです。
返還を免除される奨学金は対象外です。それと成田市が貸与する奨学金も対象になりません。
返している最中のものだけが対象、ということですね。
はい。補助対象期間中に、貸与された奨学金を主たる債務者として実際に返還していることが必要です。会社による代理返還も含みます。
雇用保険の被保険者であること、市税を滞納していないことも要件になります。
そうですね。それと、奨学金返還について国や地方公共団体等から他の補助金や交付金などの財政的支援を受けていないことも条件です。
はい。会社と従業員の両方で確認が必要です。次は、対象になるお金と、ならないお金を整理しましょう。
会社が行った奨学金返還支援の額です。手当支給なら手当として支給した額、代理返還なら貸与機関へ直接送金した額が対象になります。
いえ、補助されるのはその2分の1で、1人につき月額8,000円が上限。この2つはセットで覚えておきましょう。
支援額を増やせばその分戻る、というわけではないんですね。
上限があるので、そこは割り切って考える必要があります。
返還を免除される奨学金は対象外です。あわせて、成田市が貸与する奨学金も対象になりません。
奨学金返還支援について国や地方公共団体等から他の補助金、交付金その他の財政的支援を受けている場合、会社も従業員も対象外になります。
そうなんです。次は実際の申請の流れに入りましょう。
補助の対象になるもの・ならないもの- 手当として支給した額
- 代理返還で貸与機関へ送金した額
×デメリット
- 返還を免除される奨学金
- 成田市が貸与する奨学金
- 他の補助金・交付金などによる支援を受けている分
まず社内で奨学金返還支援制度を整え、対象になる従業員を確認する。そして必要書類をそろえて、Jグランツで電子申請する流れです。
申請はJグランツによる電子申請で受け付けます。なので事前にGビズIDの準備が必要です。
持っていないと申請そのものができません。取得に時間がかかるので、いちばん最初に手を付けてください。
申請までの流れ- 1
GビズIDを取得
電子申請に必須。時間がかかるので最初に着手
- 2
社内の奨学金返還支援制度を整備
手当支給か代理返還かを決める
- 3
対象になる従業員を洗い出す
年齢・雇用時期・勤務地・居住地を確認
- 4
必要書類をそろえる
雇用契約書や雇用保険関係書類など
- 5
Jグランツで電子申請
募集期間は2026年9月30日から11月30日まで
交付申請書と事業報告書、それに雇用契約書または労働条件通知書、雇用保険関係書類、奨学金の返還状況や会社の支援実績を確認できる書類などです。
必要書類や各要件の詳細は成田市のホームページで確認してください。似た名前の書類が並ぶので、チェックリストを作るのがおすすめです。
まずは勤務先と住まい。成田国際空港の区域が主たる就業の場所で、成田市内に住んでいること。この2つがずれていると対象から外れます。
もうひとつは年齢と雇用時期。29歳以下で、令和8年4月1日から9月30日までに正社員として雇用された方が軸になります。
はい。新規5人に加えて継続支援対象者が枠に入るので、自社に誰が該当するかを先に洗い出しておきましょう。
募集は2026年9月30日から11月30日まで。逆算すると、GビズIDの取得と社内制度の整備を先に済ませ、対象者の洗い出しと書類集めを並行して進める形になります。
そうですね。補助対象期間が令和8年4月1日から9月30日までなので、その期間中の支援実績をまとめる作業も必要です。
令和8年度のスケジュール令和8年4月1日
補助対象期間スタート
この日から9月30日までの支援が対象
令和8年9月30日
補助対象期間の終了・募集開始
募集期間がスタート
令和8年11月30日
募集締切
Jグランツでの電子申請を完了させる
奨学金返還支援について国や地方公共団体等から他の補助金、交付金その他の財政的支援を受けている場合、会社も従業員も対象外になります。併給は考えないほうが安全です。
はい。自社が今どんな支援を受けているかを確認してから応募しましょう。
そうです。要件の細部は公募要領で要確認。成田市のページと公式URLもあわせて確認してください。
成田国際空港の区域で働く若者を雇用し、その人の奨学金返還を支援した会社に、支援額の2分の1を補助。1人につき月額8,000円が上限で、最大60か月、新規は5人までです。
そのぶん、条件が合えばしっかり使える制度です。まずは自社の従業員が要件を満たすかどうか、確認から始めてみてください。