室谷さん、今日のテーマはNEDOの「ディープテック・スタートアップ支援基金/国際共同研究開発」です。名前からしてもう長いんですけど!
そうなんですよ。正式には2026年度の公募で、プロジェクトコードはP23021 。実施機関は国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構、いわゆるNEDO です。
国際共同研究開発って、海外と一緒に研究するやつですよね?
はい。ディープテック・スタートアップが海外市場への展開を目的として、海外企業と行う共同研究開発が対象です。しかもNEDOと相手国側の研究開発・イノベーション支援機関が並行して 、それぞれ自国企業の研究開発費用の一部を補助する仕組みなんです!
そこが肝で、日本側だけが支援を受ける形では成立しません。相手国側の事業者が相手国側の支援機関から支援を受けることが前提なんです。
そうなんです。しかも相手国側の公募は、応募要件も補助規模も国によって違います。日本の基準だけで組み立てていると、足元をすくわれますよ!
なので相手国を決めたら、その国の支援機関の公募情報を先に開く。これが最初の一歩です。窓口機関は国ごとに分かれています。
今回の対象国は15か国 です。たとえばフランスならBpifrance、ドイツならDLR、英国ならInnovate UK、韓国ならKIAT。相手国側企業は、その窓口に自分で申請します。日本側から代わりに出すことはできません。
はい。2026年度の公募は、Eureka(ユーレカ)の Globalstars スキームを活用した多国間共同公募方式で実施されます。Eurekaは1985年に発足した、欧州を中心とする研究開発・イノベーション支援機関の国際ネットワークで、47か国が加盟しています。
Globalstarsは、Eureka加盟国以外の国、たとえば日本が、複数のEureka加盟国との共同公募を実施できるスキームの一つです。だから一度の公募で複数国の企業と組める、というわけですね。
では次は、いちばん気になる金額の話に行きましょう!
国際共同研究開発の3つの特徴 NEDOと相手国機関が並行支援
相手国側の支援を受けることが前提
相手国企業との共同研究が必須
共同研究契約の締結見込みが必要
補助率3分の2以内・上限1億円
補助対象期間は原則2〜3年
補助率は補助対象費用の3分の2以内 、そして補助金の額の上限は1億円/件 です!
ただし、jGrantsのページでは補助上限額の欄が「-」、補助率の欄も空欄になっています。NEDOの予告ページには1億円/件・3分の2以内と明記されていますので、最終的な数字は必ず公募要領で要確認してください。
項目 内容 制度名 2026年度「ディープテック・スタートアップ支援基金/国際共同研究開発」の公募 プロジェクトコード P23021 実施機関 国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO) 補助率 補助対象費用の3分の2以内 補助金の上限 1億円/件 補助対象期間 交付決定通知書に記載する事業開始日から原則2〜3年 相手国側との配分 補助対象費用全体の割合で3:7あるいは7:3以内が適正 募集期間 2026年10月7日(水)〜2027年1月20日(水) 対象地域 全国 対象業種 学術研究、専門・技術サービス業 従業員数の上限 従業員数の制約なし 利用目的 研究開発・実証事業を行いたい 代理申請 不可 公式URL https://www.jgrants-portal.go.jp/subsidy/a0WJ200000CDeC1MAL
3分の2以内って、経費がいくらだとどうなるんですか?
たとえば補助対象費用が1億5,000万円なら、3分の2はちょうど1億円。上限にもぴったり当たります。
上限があるので、いくら経費がかかっても補助は1億円までです。逆に経費が3,000万円なら3分の2で2,000万円。この掛け算でざっくり見ておくといいですよ!
補助対象期間は交付決定通知書に記載する事業開始日から原則2〜3年です。単年度ではなく複数年のプロジェクトとして設計する必要があります。
さっき「並行支援」と言ってましたけど、金額のバランスってあるんですか?
あります。相手国側企業との補助金額のバランスは、補助対象費用全体の割合で3:7あるいは7:3以内 での配分が適正と認められます。
そういうことです。日本側が9割、相手国側が1割、という組み方は適正と認められません。相手国側にもきちんと役割と予算がある形にする必要があります。
なるほど! たしかに「共同研究」って感じがします。
この配分ルールは、後で話す応募要件や審査のポイントにも直結します。覚えておいてくださいね。
いえ、要件がいくつかあります。まずは日本に登記されている未上場の中小企業であること、そして主要な研究開発拠点を日本国内に有すること。この2つはセットで押さえてください!
未上場であることが要件です。あわせて、提案者の主任研究者は日本の居住者であることも求められます。ここも外せません。
主任研究者って、会社の代表者じゃなくてもいいんですか?
提案者である企業を軸に、その他の企業、研究機関、大学等が委託先または共同研究先として参加することも可能です。なのでチームで組む形も想定されています。
中小企業に該当するかどうかの判定など、細かい定義は公募要領で要確認です。ここは自己判断せずに確認するのが安全ですよ。
あります。原則として設立10年以内 の企業であること、が要件です。
はい。創業時期に関わらず、ベンチャーキャピタル等スタートアップへの投資機能を有する金融機関等の法人から初めて資金調達を行ってから5年以内 のものは対象になります。
古い会社でも、初めてVC等から調達したのが最近なら対象になり得ます。ここは見落としやすいポイントです。
応募要件に「提案者の主任研究者は日本の居住者であること」と明記されています。日本に拠点を置いて研究開発を回す、という前提が読み取れますね。
海外に住んでいる研究者がリードする、はダメなんですね。
要件どおりに読むのが安全です。判断に迷うケースは、NEDOの問い合わせ先に確認するのが確実ですよ。窓口はスタートアップ支援部 国際コファンドチームです。
そうですね。相手国側事業者と国際共同研究開発プロジェクトを実施する見込みであって、当該企業等と共同研究契約(Consortium Agreement )を締結することができること、が要件です。
そして応募に当たっては、共同研究開発の相手国側企業を特定の上 、提案内容について事前に相手国側企業と調整しておく必要があります。ここが実質的な勝負どころです。
しかも相手国側企業は、相手国側の支援機関へ自分で申請します。つまり二国間で同時に動く必要があるんです。
対象技術分野は、経済産業省所管の鉱工業技術であることが条件です!
量子、AI、ロボティクス、半導体、電子機器、エネルギー・環境、バイオテクノロジー、新素材、医療機器、航空宇宙などです。
まさに。ただ「等」と書かれているので、ここに挙がっていない分野でも経済産業省所管の鉱工業技術に該当すれば対象になり得ます。迷ったら公募要領で確認してください。
はい。原子力技術に係るものは除かれます。また、医薬品開発および再生医療等製品に係る開発は原則として対象外です。
そこがややこしいところで、創薬支援技術の開発や、医薬品開発を加速する支援技術の開発、医療機器、医療検査技術など、経済産業省所管の鉱工業技術に係る複合技術の開発は補助対象になります。
あります。オーストリア共和国、ベルギー王国(フランダース地域)、カナダ、エストニア共和国、フランス共和国、ドイツ連邦共和国、イスラエル国、リトアニア共和国、ルクセンブルク大公国、大韓民国、シンガポール共和国、スペイン王国、スイス連邦、トルコ共和国、英国(グレートブリテン及び北アイルランド連合王国)の15か国 です。
欧州が多いですね。カナダやシンガポール、韓国もある。
そうですね。ベルギーは「フランダース地域」と限定されている点も見逃せません。
オーストリアはFFG、ベルギー(フランダース地域)はVLAIO、カナダはNRC、エストニアはEIS、フランスはBpifrance、ドイツはDLR、イスラエルはIIA、リトアニアはResearch Council of Lithuania、ルクセンブルクはLuxinnovation、韓国はKIAT、シンガポールはEnterprise Singapore、スペインはCDTI、スイスはInnosuisse、トルコはTÜBİTAK、英国はInnovate UKです。
全部覚える必要はありません。相手国を決めたら、その国の機関の公募情報をまず開く。これだけで大丈夫です。要件も補助規模も国ごとに違いますから!
補助対象期間は、交付決定通知書に記載する事業開始日から原則2〜3年 です。
ということは、交付決定がいつになるかでスタートが変わるんですね。
そのとおりです。審査を経て交付決定、そこから原則2〜3年。国際共同研究としては、じっくりめの設計だと思います。
そうですね。複数年のプロジェクトとして計画を立てる必要があります。ここは覚悟しておいたほうがいいですよ!
いいところは、上限1億円・補助率3分の2以内という規模で、しかも従業員数の制約がないこと。ディープテックのスタートアップにはありがたい設計です!
一方で注意点は、相手国側企業の特定と事前調整が必須であること、相手国側の応募要件や補助規模が国ごとに異なること、そしてGビズIDの取得に2週間以上かかる場合があることです。
そうなんですよ。しかもjGrants上では代理申請が不可です。自分たちで出す必要があります。ここも含めて、早めに動くのが正解ですね。
この制度のメリットと注意点 上限1億円・補助率3分の2以内 従業員数の制約がない 海外市場への展開を狙うスタートアップ向け × デメリット
相手国企業の特定と事前調整が必須 相手国側の要件や補助規模は国ごとに違う GビズIDの取得に2週間以上かかる場合がある jGrants上では代理申請が不可
最初にやるのはGビズIDの取得です。Jグランツでの応募には、GビズIDプライム またはGビズIDメンバー のアカウントが必要です。
どちらでも応募できます。ただ取得に2週間以上かかる場合もあるので、応募を検討しているなら未取得のうちに、余裕をもって登録手続きを始めてください。
よくある落とし穴です。GビズIDが取れないとJグランツに応募できませんから、ここは最優先で動いてください!
公募要領等の詳細は、公募開始日にNEDO Webサイトに掲載されます。公募開始は**2026年10月7日(水)**です。
NEDOの予告ページが2026年8月21日付で公開されています。ここに事業内容や応募要件、対象国がまとまっているので、10月7日までの準備はこれで進められます!
そしてjGrantsの公式ページもチェックしておきましょう。制度のサマリーが掲載されています。
応募受付はJグランツ上で行う予定です。公募開始日に掲載される公募要領に沿って、Jグランツから応募します。
電子申請です。そしてjGrantsのページでは代理申請が不可となっています。くれぐれも自分たちのアカウントで申請してください。
相手国側企業の特定と、提案内容の事前調整です。相手国側企業は相手国側の支援機関へ申請します。金額配分も3:7あるいは7:3以内に収める必要があります。
だからこそ、公募開始を待たずに動くのが現実的です。2026年10月7日から締切の2027年1月20日(水)まで、約3か月半しかありませんから。
応募までの流れ 1 GビズIDを取得
プライムまたはメンバー。2週間以上かかる場合あり
2 3 公募要領を確認
2026年10月7日にNEDOサイトで公開
4 相手国企業を特定・事前調整
共同研究契約の締結見込みが必要
5
審査基準そのものは公募要領での確認が必要ですが、要件と公募の仕組みから、外せないポイントは見えています!
一つ目は相手国側企業の特定と共同研究契約(Consortium Agreement)の締結見込み。二つ目は相手国側の支援機関からの支援を受けることが前提になること。三つ目は補助対象費用の配分を3:7あるいは7:3以内に収めることです。
そうなんです。ここが整っていないと土俵に上がれません。逆に言えば、ここを固めた提案は強いですよ!
配分バランスは「適正と認められる」範囲が3:7あるいは7:3以内と示されています。極端な偏りは避けましょう。
そして共同研究契約を締結することができることが要件ですから、契約の実現可能性も見せられるようにしておきたいところです。詳しい審査項目や評価の観点は公募要領で要確認してください。
押さえるべき3点
相手国企業の特定と共同研究契約の締結見込み、相手国側の支援機関から支援を受けることが前提であること、補助対象費用の配分を3:7あるいは7:3以内に収めること。この3つが整っていないと土俵に上がれません。
NEDOの予告ページは2026年8月21日 付で公開されています。そして公募開始は2026年10月7日(水) 。ここで公募要領等の詳細がNEDO Webサイトに掲載されます。
事業内容、応募要件、対象技術分野、対象国、補助率と上限、公募期間がまとまっています。予告の時点で公募開始予定日は2026年10月上旬と示されていました。
**2027年1月20日(水)**です。募集期間は2026年10月7日から2027年1月20日まで、約3か月半ですね。
そこですよ(笑)。12月から1月はどこも忙しいので、相手国側との調整は早めに。GビズIDの取得も含めて、11月中に形にしておくのが理想です。
あわせて、公募情報に関するお知らせはNEDO公式X(@nedo_info)で随時配信されています。フォローしておくと見落としが減りますよ。
2026年度公募のスケジュール 2026年8月21日
予告ページ公開
事業内容と応募要件を公表
2026年10月7日(水)
公募開始
NEDOサイトに公募要領を掲載
2027年1月20日(水)
応募締切
Jグランツで受付
日本側事業者はNEDOに応募して、日本側の研究開発費用の一部を補助されます。相手国側事業者は相手国側の支援機関に申請して、その国の制度で支援を受けます。両方が並行して動くのが前提です。
そうです。そしてNEDOは、相手国側事業者が相手国側の研究開発・イノベーション支援機関から支援を受けることを前提として、日本側事業者の研究開発費用の一部を補助します。ここが本事業の肝です!
日本側と相手国側の役割 NEDOに応募 日本側の研究開発費用の一部を補助 主任研究者は日本の居住者 相手国側の支援機関に申請 要件や補助規模は国ごとに異なる 支援を受けることが前提
スタートアップ支援部 国際コファンドチームです。メールは dt.cofund[]ml.nedo.go.jp で、[ ]を@に変えて使います。
よくあるのは、対象経費の細かい内訳や審査基準を予告ページだけで判断してしまうケースです。詳細は公募要領で要確認。10月7日に公開されたら、まずそこを読み込んでくださいね!
問い合わせ先
スタートアップ支援部 国際コファンドチーム。E-mail:dt.cofund[*]ml.nedo.go.jp([*]を@に変えて使用)。公募情報に関するお知らせはNEDO公式X(@nedo_info)でも随時配信されています。
上限1億円、補助率3分の2以内、募集は2026年10月7日から2027年1月20日まで。そして相手国企業との共同研究が前提。この4点をまず押さえておけば大丈夫です!
1 NEDOと相手国機関が並行して支援する国際共同研究開発 2 補助率は補助対象費用の3分の2以内、上限は1億円/件 3 日本に登記された未上場の中小企業で、原則設立10年以内 4 募集期間は2026年10月7日から2027年1月20日まで 5 応募はJグランツ。GビズIDの準備を早めに