募集終了全国対象
やや難しい
準備期間の目安: 約30

令和3年度深地層の研究施設を使用した試験研究成果に基づく当該施設の理解促進事業費補助金

基本情報

補助金額
3.2億円
補助率: 10/10
0円3.2億円
募集期間
2021-02-04 〜 2021-03-06
対象地域日本全国

この補助金のまとめ

本補助金は、経済産業省資源エネルギー庁が実施する深地層研究施設を活用した調査研究の理解促進事業である。岐阜県瑞浪市と北海道幌延町に所在する深地層研究施設において、地下環境(地下水流動、岩盤力学、地震影響、微生物生態系等)に関する試験研究の成果を基盤として、当該施設や深地層研究に対する国民・地域住民の理解を促進することを目的とする。上限3.2億円、補助率10/10(全額補助)という手厚い支援が特徴だ。高レベル放射性廃棄物の地層処分に関する技術基盤の整備という国策に直結する事業であり、地層処分の安全性に対する国民的議論の醸成を支える重要な施策に位置づけられている。令和3年度の公募期間は2021年2月4日から3月6日までの約1ヶ月間で、深地層研究の専門性と地域コミュニケーションの両方の能力が求められる。

この補助金の特徴

1

補助率10/10の全額補助

本事業は補助率10/10であり、補助対象経費の全額が国費で賄われる。上限3.2億円という予算規模も含め、国策としての高レベル放射性廃棄物地層処分に対する国の強いコミットメントを示している。自己負担なしで研究成果の理解促進活動を実施できるため、研究機関や地域団体にとって魅力的な制度設計だ。

2

2つの深地層研究施設の活用

岐阜県瑞浪市の超深地層研究所(結晶質岩)と北海道幌延町の幌延深地層研究センター(堆積岩)という、地質条件の異なる2つの研究施設の成果を活用する。異なる地質環境での知見を組み合わせることで、地層処分の安全性に関する包括的な理解を促進できる。

3

多分野にわたる研究テーマ

地下水流動、岩盤力学、地震・断層影響、地下微生物、地球化学等、多岐にわたる分野の研究成果が対象となる。単なる原子力分野ではなく、地球科学の幅広い知見が集約されている点が特徴的だ。

4

地域理解促進と国民的議論の醸成

深地層研究の科学的成果を一般国民や地域住民に分かりやすく伝えることが事業の核心。施設見学会、市民向けセミナー、教育プログラム、広報資料作成等の幅広い理解促進活動が想定される。

ポイント

全額補助かつ3.2億円という規模は、国がこの分野の理解促進を最優先課題と位置づけている証拠だ。ただし高レベル放射性廃棄物という国民感情に敏感なテーマであるため、科学的正確性と中立的な情報発信のバランスが極めて重要。一方的なプロモーションと受け取られないコミュニケーション設計が採択の鍵。

対象者・申請資格

申請対象者

  • 法人格を有する団体であること
  • 深地層研究に関する専門的知見を有すること
  • 理解促進事業の企画・運営能力を有すること

専門性要件

  • 深地層の研究施設における試験研究の成果を理解・活用できること
  • 地質学、水文学、岩盤工学等の関連分野の知見を有すること
  • 研究成果を一般向けに翻訳・解説する能力があること

理解促進能力

  • 国民・地域住民とのコミュニケーション事業の実績があること
  • 科学技術の一般向け普及活動の経験があること
  • 広報資料作成、イベント企画・運営の能力を有すること

ポイント

深地層研究の「科学的専門性」と「一般向けコミュニケーション力」の両方が求められるため、応募可能な団体は実質的に限られる。JAEA(日本原子力研究開発機構)や関連する研究機関、地域のNPO法人等が主な候補。科学コミュニケーションの専門家との連携体制がないと採択は難しい。

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申請ガイド

1

ステップ1:深地層研究施設の成果把握

瑞浪と幌延の両施設における最新の試験研究成果を把握する。公表されている研究報告書、学術論文、プレスリリース等を網羅的に確認し、理解促進に活用できるテーマを選定する。

2

ステップ2:理解促進事業の企画立案

研究成果を一般向けに伝えるための事業計画を策定する。施設見学会、市民向けセミナー、出前授業、広報資料・動画制作、ウェブコンテンツ作成等の活動メニューを設計する。

3

ステップ3:実施体制の構築

研究者、科学コミュニケーター、広報専門家、地域連携担当者等の人材を確保し、事業実施体制を構築する。施設所在地域との連携体制も重要。

4

ステップ4:申請書類の作成・提出

事業計画書、実施体制図、収支計画書等の申請書類を作成し、公募期間内に資源エネルギー庁に提出する。

5

ステップ5:審査・採択・事業実施

書類審査およびヒアリング審査を経て採択される。採択後は計画に基づき理解促進事業を実施し、成果を報告する。

ポイント

高レベル放射性廃棄物の地層処分は社会的に敏感なテーマのため、事業計画には「中立性」と「科学的正確性」を明確に示すことが不可欠。推進一辺倒ではなく、課題やリスクも含めたバランスの取れた情報提供を計画に盛り込むと審査での評価が高まる。

審査と成功のコツ

科学的正確性と分かりやすさの両立
研究成果を正確に伝えつつ、専門知識のない一般市民にも理解できる表現や視覚的な資料を用意する。過度な簡略化による誤解を避けながらも、専門用語を排した平易な解説を心がける。
地域住民との信頼関係構築
施設所在地の瑞浪市・幌延町の住民との信頼関係が事業成功の基盤。一方的な情報発信ではなく、対話型のイベントやワークショップを通じて住民の疑問に丁寧に応える姿勢を示す。
多様なターゲット層への対応
小中学生向けの教育プログラム、一般市民向けのセミナー、専門家向けの技術講演など、ターゲット層に応じた多層的なプログラム設計が求められる。次世代教育の観点は特に高く評価される。
成果の可視化と効果測定
理解促進事業の効果を定量的に測定する手法(参加者アンケート、認知度調査等)を計画に組み込む。事業の有効性を客観的に示すことで、次年度以降の継続につながる。

ポイント

最も重要なのは「信頼されるコミュニケーター」としての立場を確立することだ。原子力関連テーマでは推進派と反対派の分断が根深いため、どちらかに偏った情報発信は逆効果。科学的事実に基づく中立的な情報提供と双方向対話が成功の鍵。

対象経費

対象となる経費

研究成果の分析・整理費(3件)
  • 研究成果の調査・分析費用
  • 一般向け解説資料の作成費
  • 専門家への委託調査費
理解促進イベント費(3件)
  • 施設見学会の企画・運営費
  • 市民向けセミナーの開催費
  • 出前授業・教育プログラムの実施費
広報・コンテンツ制作費(3件)
  • パンフレット・リーフレットの制作費
  • 動画コンテンツの制作費
  • ウェブサイトの構築・運用費
人件費・旅費(3件)
  • 事業従事者の人件費
  • 施設所在地への出張旅費
  • 外部講師・専門家の招聘費

対象外の経費

対象外の経費一覧(6件)
  • 深地層研究そのものの研究費用
  • 研究施設の建設・改修費用
  • 理解促進に直接関係しない一般管理費
  • 政策的立場の表明を伴う広告宣伝費
  • 飲食費・接待費(セミナー等の軽食を除く)
  • 汎用性のある備品・設備の購入費

よくある質問

Q深地層研究施設とは具体的にどこにありますか?
A

深地層研究施設は日本に2カ所あります。一つは岐阜県瑞浪市にある超深地層研究所で、結晶質岩(花崗岩)を対象とした研究を行っています。もう一つは北海道幌延町にある幌延深地層研究センターで、堆積岩を対象としています。両施設とも日本原子力研究開発機構(JAEA)が運営しており、地下数百メートルの深さに研究坑道が掘削されています。異なる地質条件での研究成果を蓄積することで、日本の多様な地質環境での地層処分の安全性を包括的に評価しています。

Qこの補助金は原子力推進のためのプロパガンダ費用ですか?
A

本事業は特定の政策立場を推進するためのものではなく、深地層研究の科学的成果を国民に正確に伝えることが目的です。研究施設で得られた地下水流動、岩盤力学、地下微生物等の科学的知見を、一般の方にも分かりやすく解説し、地層処分に関する議論の基盤となる正確な情報を提供します。事業の実施にあたっては、科学的中立性と正確性が求められ、課題やリスクも含めたバランスの取れた情報発信が重要とされています。

Q補助率10/10ということは自己負担なしですか?
A

はい、本事業は補助率10/10のため、補助対象経費の全額が国費で賄われます。上限は3.2億円です。自己負担がないため、採択された団体は事業内容に集中できるメリットがあります。ただし、全額補助であるがゆえに、経費の使途に対する国の監査・検査は厳格に行われます。不適切な経費使用があった場合は補助金の返還を求められる可能性があります。予算の適切な執行と成果の説明責任が求められます。

Qどのような団体が申請できますか?
A

法人格を有する団体で、深地層研究に関する専門的知見と理解促進事業の企画・運営能力を有することが求められます。実質的には、日本原子力研究開発機構(JAEA)やその関連団体、地球科学・地質学の研究機関、科学技術コミュニケーションに実績のあるNPO法人、施設所在地域の関連団体等が主な候補となります。深地層研究の専門性と一般向けコミュニケーション能力の両方が求められるため、複数団体の連携による申請も有効な手段です。

Q研究費用もこの補助金でカバーされますか?
A

本補助金は深地層研究そのものの研究費用を対象としていません。あくまで既に実施された試験研究の「成果に基づく理解促進」が事業目的です。したがって、新たな実験・調査の費用、研究設備の購入費、研究者の研究活動に係る経費等は対象外です。対象となるのは、研究成果の分析・整理、一般向け解説資料の作成、見学会・セミナーの開催、広報コンテンツの制作等、理解促進活動に直接要する経費です。

Q地域住民以外の一般国民も対象ですか?
A

はい、施設所在地の地域住民だけでなく、広く一般国民を対象とした理解促進が求められます。ただし、施設の所在する瑞浪市や幌延町の住民は研究施設と日常的に接しているため、特に丁寧な対応が必要とされます。事業計画では、地域住民向けの対話集会、全国の一般市民向けのオンラインセミナー、学校教育向けの出前授業など、ターゲット層に応じた多層的なプログラムを設計することが推奨されます。全国への情報発信にはウェブ・動画コンテンツの活用が効果的です。

Q他の補助金・助成金と併用できますか?
A

本補助金は補助率10/10の全額補助であるため、同一事業に対する他の補助金との併用は原則として認められない。ただし、事業目的が明確に異なる別の事業と組み合わせることは可能だ。例えば、文部科学省の科学技術コミュニケーション関連事業との連携により、理解促進の手法開発やコミュニケーター人材育成を補完することが考えられる。また、自治体の地域振興関連事業と連携し、施設見学と地域観光を組み合わせたプログラムを開発することで、より幅広い層への理解促進を図ることも可能だ。さらに、日本学術振興会の科研費による関連研究と連携し、研究成果の社会実装という観点で相乗効果を狙う戦略もある。ただし、全額補助の性質上、経費の二重計上が厳しくチェックされるため、併用する場合は経費区分を明確に分離する必要がある。

詳細説明

深地層研究施設とは

日本には、高レベル放射性廃棄物の地層処分に関する技術基盤を整備するための深地層研究施設が2カ所存在する。岐阜県瑞浪市の超深地層研究所は結晶質岩(花崗岩)を対象とし、北海道幌延町の幌延深地層研究センターは堆積岩を対象としている。両施設では、地下数百メートルの深さに研究坑道を掘削し、地下環境に関する多様な試験研究が行われている。

試験研究の主な成果

深地層研究施設では、以下のような分野の研究成果が蓄積されている。

  • 地下水流動:深部地下水の流動特性、地下水と岩盤の相互作用の解明
  • 岩盤力学:大深度での岩盤の力学的挙動、坑道の長期安定性の評価
  • 地震・断層影響:地震動の深度による減衰特性、断層活動の評価手法
  • 地下微生物:大深度に生息する微生物の生態系と物質循環への影響
  • 地球化学:地下水の化学組成、放射性核種の移行挙動

理解促進事業の背景

高レベル放射性廃棄物の地層処分は、原子力発電に伴い不可避的に発生する廃棄物の最終処分方法として国際的に認められている手法である。しかし、日本では処分場の選定が進んでおらず、国民的な理解と合意形成が大きな課題となっている。本事業は、深地層研究の科学的成果を広く発信し、地層処分に関する国民的議論の基盤を整備することを目的としている。

事業の具体的な活動内容

理解促進事業では、以下のような活動が想定される。

  • 施設公開・見学会:一般市民や学校団体を対象とした研究施設の公開・見学イベント
  • 出前授業・教育プログラム:小中高校向けの地学・環境教育プログラムの実施
  • 市民セミナー・対話集会:研究成果に関する講演と質疑応答の場の提供
  • 広報資料・動画制作:研究成果を分かりやすく解説するパンフレット、動画等の制作
  • ウェブ発信:研究成果や施設情報を発信するウェブサイトの運営

補助率10/10の意義

全額補助という制度設計は、エネルギー政策上の最重要課題である高レベル放射性廃棄物の処分問題に対する国の強いコミットメントを示している。理解促進活動には中立性が求められるため、民間企業の資金に依存しない独立した財源が必要であり、全額国費による支援がその独立性を担保している。

今後の展望

2020年に北海道の寿都町と神恵内村が文献調査に応募し、地層処分に対する社会的関心が高まっている。今後、概要調査・精密調査と段階が進むにつれ、深地層研究の成果に基づく科学的な情報提供の重要性はさらに増すことが予想される。本事業は、そうした将来の社会的議論を支える基盤づくりとして極めて重要な位置づけにある。

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