B型肝炎感染者救済制度とは何か

佐藤
編集長
室谷さん、「特定B型肝炎ウイルス感染者給付金」って、名前からして重たいんですけど、これって一体どんな制度なんですか?

室谷
代表取締役
これはね、かなり特殊な国の制度で、昭和の時代に集団予防接種を受けた際に注射器の使い回しが原因でB型肝炎に感染してしまった方を救済するものなんです。最大で3,600万円の給付金が受け取れる制度ですよ。

佐藤
編集長
えっ!3,600万円!?それはすごい金額ですね!

室谷
代表取締役
はい。この感染は国の責任とされていて、2011年(平成23年)に国と原告側で「基本合意書」が締結されました。それを受けて法律が作られ、和解した方に給付金を払うという仕組みが成立したんです。

佐藤
編集長
じゃあ、これは国が認めた責任として支払ってるってことですか?

室谷
代表取締役
そうです。昭和23年7月1日から昭和63年1月27日の間、集団予防接種の際に一本の注射器を複数人に使い回していたことで、多くの子どもたちがB型肝炎ウイルスに感染してしまった。それについて国が賠償責任を認めた、という背景があります。

佐藤
編集長
昭和63年というと1988年ですね。かなり長い間そういう状況があったんですね。

室谷
代表取締役
そうなんです。被害を受けた方は今も多く存在して、訴訟が続いています。ただ、令和9年3月31日が提訴期限として設けられているので、心当たりのある方はできるだけ早く動いてほしいですね。じゃあ次は、具体的に誰がもらえるのか見ていきましょう。
対象者は誰か


佐藤
編集長
対象者についてもう少し詳しく教えてもらえますか?「自分が対象かどうか」わかるポイントはどこですか?

室谷
代表取締役
大きく分けると2つのケースがあります。1つ目は、本人がB型肝炎ウイルスに感染した方。2つ目は、そのお母さんや感染した方から生まれた子ども、つまり母子感染した方です。

佐藤
編集長
じゃあ、「昭和の予防接種で感染した人」と「その親から感染した人」の両方が対象なんですね。

室谷
代表取締役
正確に言うと、集団予防接種の際に感染した本人だけじゃなく、母子感染した方も含まれます。そしてもし本人がすでに亡くなっている場合も、相続人が代わりに請求できます。

佐藤
編集長
それは知らない人が多そうですね!亡くなった親がB型肝炎だったというご家族の方も対象になり得るわけですか?

室谷
代表取締役
そうです。しかも相続人として請求できるのは、配偶者・子・父母・祖父母・孫・兄弟姉妹の順番で認められています。
対象者チェックリスト
以下の項目に当てはまる方は対象の可能性があります
- 昭和23年7月1日〜昭和63年1月27日の間に、7歳になるまでに集団予防接種を受けた
- 現在またはかつてB型肝炎ウイルスキャリア(持続感染者)と診断された
- B型肝炎と診断された母親から生まれた
- 上記に当てはまる方が亡くなっており、その相続人である

佐藤
編集長
なるほど。自分が感染したかどうかも知らないまま過ごしている方もいそうですね。

室谷
代表取締役
B型肝炎は無症状のまま長年過ごすケースもあります。気になる方はまず血液検査でHBs抗原を調べてみるのが第一歩です。対象者かどうかわかったところで、次は肝心の給付金額を見ていきましょうか。
いくらもらえる?病態別の給付金額

佐藤
編集長
いよいよお金の話ですね!病態によって金額が変わるって聞きましたが、どうなってるんですか?

室谷
代表取締役
給付金の額は病態の深刻さで段階的に決まっています。一番重い「死亡・肝がん・肝硬変(重度)」の場合は3,600万円、軽度の肝硬変なら2,500万円という感じです。
| 病態区分 | 給付金額 |
|---|---|
| 死亡・肝がん・肝硬変(重度) | 3,600万円 |
| 肝硬変(軽度) | 2,500万円 |
| 慢性肝炎 | 1,250万円 |
| 無症候性持続感染者(感染後20年超) | 600万円 |
| 無症候性持続感染者(感染後20年以内) | 300万円 |
| 母子感染防止・世帯内感染防止等のみ | 50万円 |

佐藤
編集長
「無症候性持続感染者」って、症状が出ていない感染者のことですか?

室谷
代表取締役
そうです。ウイルスを持ち続けているけれど、肝炎として発症していない状態のことです。この場合も300万〜600万円の給付金が受け取れます。発症していないから対象外、ということはありません!

佐藤
編集長
ほんとに?それは知らなかったです!

室谷
代表取締役
それだけじゃなくて、弁護士費用として給付金額の4%相当額が訴訟手当金として別途支給されます。しかも無症候性持続感染者の方は、定期検査の費用や母子感染防止のための医療費なども支給対象になります。

佐藤
編集長
弁護士費用まで国が出してくれるんですか!それは助かりますね。

室谷
代表取締役
和解後に病態が悪化した場合も心配いりません。追加給付金として差額分を請求できます。たとえば最初に慢性肝炎として1,250万円をもらった方が、後で肝硬変と診断された場合は、差額の1,250万円(または1,350万円)を追加請求できます。
| 無症候性持続感染者への追加給付(参考) |
|---|
| 定期検査費 |
| 母子感染防止医療費 |
| 世帯内感染防止医療費 |
| 定期検査手当 |

佐藤
編集長
病態が進んでも追加でもらえるなら、長期的なサポートがあるんですね。じゃあ、申請の手続きを教えてもらえますか?
申請方法と手続きの流れ


佐藤
編集長
さて、具体的にどうやって申請するんですか?「裁判所に訴訟を提起する」って、なかなかハードル高そうですが…。

室谷
代表取締役
そうですよね。でも弁護士に依頼すれば、実務のほとんどをお任せできます。費用も給付金から差し引かれる形で国が負担してくれるので、初期費用はほぼかからないケースが多いです。
1弁護士に相談する(厚生労働省の「B型肝炎訴訟の手引き」も参考に)
2医療記録・接種記録・診断書など証拠資料を収集する
3国を被告として裁判所に国家賠償請求訴訟を提起する
4裁判所の仲介のもとで和解協議を行う
5支給対象者として認定・和解成立
6社会保険診療報酬支払基金に給付金の支給を請求する
7給付金を受領する

佐藤
編集長
弁護士なしでも訴訟できますか?

室谷
代表取締役
法律上は本人訴訟も可能です。ただ、医療記録の収集から訴状作成、裁判所への出廷まで必要なので、専門家に頼んだほうが現実的ですね。弁護士費用は国が4%負担してくれますし。

佐藤
編集長
提訴できる裁判所はどこでもいいんですか?

室谷
代表取締役
現在お住まいの地域を管轄する裁判所、または集団予防接種を受けた場所を管轄する裁判所に提訴できます。東京・札幌・大阪・福岡など複数の地裁でも対応しているので、居住地から遠い場合も相談してみてください。

佐藤
編集長
必要な書類はどんなものがいりますか?

室谷
代表取締役
主に3種類です。医療記録などの証拠資料、接種痕の有無を確認するための医師の意見書、そして現在の病態に関する診断書です。昔の予防接種記録が手元にない場合は、接種を受けた市区町村の役所に問い合わせてみましょう。
必要書類まとめ
申請に必要な3種類の書類
- 医療記録などの証拠資料(過去の検査結果・カルテ等)
- 接種痕の有無の確認に係る意見書(医師に依頼)
- 病態に係る診断書(現在の病状を証明するもの)

佐藤
編集長
書類集めが大変そうですが、弁護士と一緒に進められるなら安心ですね。申請期限についても教えてください。
申請期限について

佐藤
編集長
令和9年3月31日が期限って聞きましたが、これは絶対に守らないといけないんですよね?

室谷
代表取締役
はい、令和9年3月31日(2027年3月31日)までに裁判所への提訴が必要です。この期限は何度か延長されてきた経緯があるんですが、今のところこの日付が確定しています。

佐藤
編集長
「延長されてきた」ということは、また延びる可能性もありますか?

室谷
代表取締役
過去の経緯から完全に否定はできませんが、期待して動かない、というのは絶対に避けてほしいです。特に高齢の方や体調が優れない方は、早めに動いた方が確実です。

佐藤
編集長
和解の後は、何か手続きが必要ですか?

室谷
代表取締役
和解が成立したら、社会保険診療報酬支払基金(以下、支払基金)に給付金の支給申請をします。支払基金の相談窓口が無料で対応してくれるので、和解後の手続きでわからないことがあれば気軽に電話してみてください。
期限に関する重要な注意点
令和9年3月31日(2027年3月31日)は提訴の期限です。この日までに裁判所へ訴訟を提起しないと、給付金を受け取れなくなる可能性があります。「まだ時間がある」と思わず、早めに弁護士や相談窓口に連絡することをお勧めします。

佐藤
編集長
わかりました。次は詐欺への注意も教えてもらえますか?
詐欺被害への注意
給付金詐欺にご注意ください
B型肝炎給付金に関連した詐欺被害が報告されています。以下のことは絶対にありません。
- 国や支払基金の職員がATMの操作を求めることはありません
- 電話で口座番号や個人情報を聞くことはありません
- 給付金を受け取るために手数料を事前に支払う必要はありません
不審な電話や郵便物を受け取った場合は、すぐに厚生労働省または支払基金の公式窓口に確認してください。

佐藤
編集長
そうですよね、こういう大きな給付金制度があると、詐欺師も狙ってきそうで怖いですね。

室谷
代表取締役
残念ながらそういう事例は実際にあります。「給付金の手続きをしてあげる」と言って不審な業者が接触してくるケースがあるので、弁護士会や法テラス(0570-078374)などの公的機関を通じて動くのが安全です。

佐藤
編集長
公的な相談先を使うのが基本なんですね。では最後に、問い合わせ先を教えてください。
問い合わせ先・基本情報まとめ

佐藤
編集長
実際に相談したい場合、どこに連絡すればいいですか?

室谷
代表取締役
大きく2つの窓口があります。制度全体の説明や手引きの取り寄せは厚生労働省へ、和解後の給付金の支給請求は社会保険診療報酬支払基金への連絡がメインになります。
問い合わせ窓口
| 問い合わせ先 | 電話番号 | 対応時間 |
|---|---|---|
| 厚生労働省 電話相談窓口 | 03-3595-2252 | 平日9時〜17時 |
| 支払基金 給付金等支給相談窓口 | 0120-918-027(無料) | 平日9時〜17時 |

佐藤
編集長
フリーダイヤルがあるんですね!それは嬉しいですね。

室谷
代表取締役
基本情報を表でまとめておきますね。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象者 | 昭和23年7月1日〜昭和63年1月27日の間に集団予防接種等でB型肝炎ウイルスに感染した方・母子感染した方・相続人 |
| 給付金額 | 50万円〜3,600万円(病態に応じて)+弁護士費用4% |
| 提訴期限 | 令和9年3月31日(2027年3月31日)まで |
| 申請先 | 裁判所(訴訟提起)→社会保険診療報酬支払基金(給付金請求) |
| 公式サイト | https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/b-kanen/index.html |

佐藤
編集長
ありがとうございます!この制度は自分には関係ないかも…と思っていた方でも、昭和の予防接種を受けた方は一度確認してみる価値がありそうですね。

室谷
代表取締役
そうです!無症状でも対象になる可能性があるし、亡くなった家族の代わりに相続人が請求できるケースもあります。もし「自分かもしれない」と感じたら、まず厚生労働省の相談窓口か弁護士に相談してみてください。
関連する給付金・支援制度

佐藤
編集長
B型肝炎以外で、医療費の助成や健康に関連した給付金って他にもありますか?

室谷
代表取締役
はい、難病や障害に関連した給付金制度がいくつかあります。
関連する給付金・支援制度
- 特定医療費(指定難病)助成制度 — 難病指定を受けた方の医療費を助成
- 特定障害者に対する特別障害給付金(鹿児島市) — 障害年金を受給できない方への給付
- 年金生活者支援給付金制度 — 年金額が低い方への上乗せ給付
- 特別児童扶養手当 — 障害のある子どもを育てる保護者への手当

佐藤
編集長
いろんな制度があるんですね。自分に当てはまるものを探してみます!