室谷さん、2025年度から「高校生等臨時支援金制度」というのが始まったって聞いたんですが、これ、正直あまり知られていないですよね。
そうなんですよ!知らない人が本当に多くて、損している家庭が全国にかなりいると思います。ざっくり言うと「高校の授業料が無料になる仕組みから外れてしまっていた世帯のための救済措置」なんです。
本来は「高等学校等就学支援金」という制度で、所得に応じて授業料が支援される仕組みがあります。でも、世帯年収の目安が約910万円以上の高所得世帯は、この就学支援金の「所得制限」に引っかかって対象外になっていたんです。
ほんとに?年収910万円って、世帯収入だと意外と届く家庭もありますよね!
そうです!共働きで合算するとそこに届くケースって珍しくないんです。で、「高収入だからお金はあるだろう」って思いきや、実際には子どもの教育費、住宅ローン、老後の備えで手一杯、という家庭もある。そこで国が令和7年度(2025年度)限りで「臨時的に」授業料を支援する制度を作ったのが、この高校生等臨時支援金制度です。
えっ、1年限り?ちょっとびっくりしました。来年はなくなっちゃうんですか?
令和7年度(2025年度)限りの制度です。令和8年度(2026年度)以降は、今度は就学支援金制度自体が改正されて所得制限が撤廃される方向で動いています。令和8年3月に法律が成立したので、令和8年度以降は就学支援金の新制度で対応されることになります。
なるほど!じゃあ今在学中で対象になりそうな方は、令和7年度中に申請しないと間に合わないんですね。
そういうことになります。「どうせ対象外だろう」と思って申請していない方がいたら、今すぐ学校に確認することをおすすめします!
高校生等臨時支援金 対象者判定フロー
具体的に、「誰が対象か」をもう少し詳しく教えてもらえますか?
まず対象は公立高等学校等に在籍している生徒です。「等」がついているので、公立高校だけじゃなくて、公立の中等教育学校後期課程も含まれます。
私立高校の生徒は別制度(私立高等学校等就学支援金)があるので、この臨時支援金の対象ではありません。ただし「高校生等臨時支援金(私立)」という別の制度があります!公立と私立で制度が分かれているんです。
細かく言うと、以下の要件を全部満たす必要があります。
- 生徒本人が日本国内に住所を有すること
- 高等学校等を卒業または修了していないこと
- 高等学校等の在学期間が通算で36月(定時制・通信制は48月)を超えていないこと
- 保護者等の所得が就学支援金制度の所得基準額以上で、審査結果が不認定、または令和6年7月の審査が未審査であること
3番目の「在学期間が36月を超えていないこと」って、どういう意味ですか?
高校は通常3年(36月)ですが、留年や休学があると在学期間が延びますよね。その場合、通算で36月を超えると対象外になるということです。定時制や通信制は4年かかることが多いから48月(4年)まで認められています。
所得制限以外の理由で就学支援金がもらえない方はどうなるんですか?
在籍期間超過等、所得制限以外の理由で就学支援金の受給資格がない方は、この臨時支援金の対象外です。ここは勘違いしやすいポイントなので注意が必要です。
- 就学支援金をすでに受給している方(所得が低い方)→ 就学支援金をそのまま受給
- 在籍期間超過(36月超)等、所得制限以外の理由で受給資格がない方
- 私立高校に在籍している方(→私立版の臨時支援金へ)
- 国立高等学校の生徒(→学校に直接問い合わせ)
わかりました!ざっくり「年収が高くて就学支援金を受けられなかった公立高生」がターゲットなんですね。
そうです!「うちは年収が高いから補助なんて無縁」と思っていた方にこそ届けたい制度です。
高校生等臨時支援金 支給額一覧
まず大前提として、支援金は「直接保護者の口座に振り込まれる」ものではないんです。
学校設置者が生徒に代わって支援金を受け取り、その分の授業料に充てるという仕組みなんです。つまり「授業料の請求が来なくなる」あるいは「授業料から支援金分が差し引かれる」という形になります。
そういうことです!金額は学校の種別によって違います。
| 学校の区分 | 月額支給額 |
|---|
| 公立高等学校(全日制) | 月額 9,900円 |
| 公立高等学校(定時制・単位制) | 1単位あたり 1,740円 |
| 公立高等学校(通信制) | 1単位あたり 330円 |
| 公立中等教育学校(後期課程) | 月額 9,900円 |
全日制だと月9,900円、年間だとざっくり11万8,800円ですか!
そうです。年間で最大118,800円の授業料相当額が支援される計算になります。定時制の単位制は1単位1,740円なので、1年間で何単位取るかによって変わります。
これを「支援金として現金でもらえる」と勘違いして、学校に問い合わせが来るケースもあるんですか?
ありますね(笑)。仕組みとしては授業料が「かからなくなる」ので、お金が手元に入るわけじゃないんです。でも実質的な経済効果は同じですよね。
申請はどうやってするんですか?書類を書いて窓口に持っていく感じですか?
基本的にはオンラインです!e-Shien(高等学校等就学支援金オンライン申請システム)を使って申請します。
文部科学省が運営する就学支援金の申請システムです。就学支援金の申請と臨時支援金の申請はセットで行う形になっています。
在籍している学校から申請の案内を受け取る(学校が指定する期間内に)
e-Shien(https
//www.e-shien.mext.go.jp/)にログインする
まず「高等学校等就学支援金」の申請手続き(継続意向確認または受給資格認定申請)を行う
就学支援金の手続き完了後、「臨時支援金申請」のボタンが表示されるので申請する
認定後、授業料から支援金分が差し引かれる(学校が代理受領)
就学支援金の申請と臨時支援金の申請って、別々にやるんですか?
そうなんです!就学支援金の手続きをした後に、続けて臨時支援金のボタンを押す必要があります。ここで一旦ログアウトしてしまうと申請画面に戻れなくなる場合があるので要注意です。千葉県のページにも「ログアウトしてしまった場合は学校に連絡してください」と書かれているくらい、トラブルが多いポイントです。
それは知らなかった!途中でやめたら詰む可能性があるんですね。
まとまった時間を確保して、一気に申請することをおすすめします。スマホでもPCでも申請できますよ。
その場合は在籍する学校に連絡して、紙の申請書を受け取ることができます。就学支援金と臨時支援金、それぞれの申請書に必要事項を記入して学校に提出する形です。
在校生で6月末まで就学支援金を受給していた方は、継続意向確認→収入状況届出→臨時支援金申請の順に手続きします。
6月末まで就学支援金を受給していなかった方は、意向登録→受給資格認定申請→臨時支援金申請の順に手続きします。
令和7年度(2025年度)の7月以降から申請受付が始まっています。毎年7月に就学支援金の継続申請の季節があるので、そのタイミングに合わせて臨時支援金も申請します。
今(2026年4月時点)はもう期間が終わっているんですか?
2025年7月以降に申請した場合、最長で令和7年4月(2025年4月)〜令和8年3月(2026年3月)の1年間分の認定が可能です。令和8年3月末が令和7年度の終わりなので、今まさに制度の適用期間内です。ただし、申請期間は学校によって異なり、多くは2025年8月下旬〜9月中旬に設定されていました。
新入生で令和7年4月の就学支援金の申請をしていなかった場合、4月〜6月の3か月分が認定できないケースがあります。必ず学校に連絡して確認することをおすすめします。今からでも手続きできる場合があるので、諦めずに相談してみてください。
| スケジュール | 内容 |
|---|
| 令和7年4月(2025年4月) | 新入生 - 就学支援金申請スタート |
| 令和7年7月(2025年7月)〜 | 在校生 - 継続審査 + 臨時支援金申請受付開始 |
| 2025年8月下旬〜9月中旬(学校により異なる) | 申請期間(各学校が指定) |
| 令和8年3月(2026年3月) | 令和7年度終了・制度終了 |
読者の方から「自分が対象かどうかわからない」という声が多そうですが、どうやって確認すればいいですか?
一番確実なのは在籍している学校に直接確認することです。学校は就学支援金の審査結果を把握しているので、「臨時支援金の対象になりますか?」と聞けば教えてもらえます。
就学支援金の審査で「不認定」になった通知書を持っていれば、それが証明になるんですか?
そうです!就学支援金の審査で「不認定」だった方が、この制度のターゲットです。e-Shienで申請した結果が不認定だった方は、そのまま臨時支援金の申請に進めます。
申請したけど認定されなかった場合はどうなりますか?
要件を満たしていれば必ず認定されます。認定されない場合は、在学期間超過など他の要件を満たしていない可能性が高いので、学校に理由を確認してみてください。
支援金の金額は毎月の授業料から自動的に引かれるイメージですか?
そうです。認定されると、認定期間中の授業料から支援金相当額が差し引かれます。保護者が別途手続きをする必要はありません。
国立高等学校の場合は、この制度の窓口が千葉県などの都道府県ではなく、学校に直接問い合わせる形になります。国立は設置者が国(文部科学省)なので、手続きが少し異なります。
高校生等臨時支援金に関する詐欺が発生しています。
- 「支援金を振り込むために口座情報を教えてほしい」という電話は詐欺です
- ATMを操作して手続きを求められた場合は詐欺です
- 申請は在籍する学校経由で行います。不審な連絡は学校や警察に相談してください
最後に、この制度の基本情報をまとめてもらえますか?
| 項目 | 内容 |
|---|
| 制度名 | 高校生等臨時支援金制度(公立) |
| 対象者 | 所得制限(世帯年収目安約910万円以上)により就学支援金の対象外となった公立高校等の生徒 |
| 支給額(全日制) | 月額9,900円(年間最大118,800円) |
| 支給額(定時制・単位制) | 1単位あたり1,740円 |
| 支給方法 | 学校が代理受領し授業料に充当(直接振込なし) |
| 申請先 | 在籍する学校(e-Shien経由または紙書類) |
| 対象年度 | 令和7年度(2025年度)限り |
| 問い合わせ先 | 在学する学校 |
支援金の受け取り方が「学校経由」というのが独特ですね。でも実質的に授業料がタダになるのは大きい!
そうなんです。年間ざっくり12万円近くの負担軽減ができます。「高収入だから支援はない」と思い込んでいる方ほど、ぜひ学校に確認してみてください。
同じような修学支援の制度として「高等学校等就学支援金」があります。こちらは所得制限の対象にならない(年収910万円未満の目安)世帯向けの制度です。また、授業料以外の教育費を支援する「高校生等奨学給付金」という別の制度もあります。
関連する給付金を探している方向けに、リンクも貼っておきましょう!