高額介護合算療養費って、どんな制度なんですか?

佐藤
編集長
室谷さん、「高額介護合算療養費」という制度があるって聞いたんですが、名前が難しくて何のことかさっぱりで!

室谷
代表取締役
あー、これはかなり使えるのに知られてない制度なんですよ! 簡単に言うと、1年間の医療費と介護費用を合算して、高くなりすぎた分を国が払い戻してくれる仕組みです。

佐藤
編集長
合算、ですか。医療費と介護費を一緒に計算するってことですか?

室谷
代表取締役
そうなんです。お父さんが入院して医療費がかかって、同時にお母さんが介護施設に入っていて介護費もかかる、みたいな世帯ってあるじゃないですか。そういう場合に両方の費用を足し算して、限度額を超えた分を返してもらえるんです。

佐藤
編集長
ほんとに? そんな制度があるんですね!

室谷
代表取締役
高額療養費制度は医療費だけが対象ですよね。でも医療費が高額な世帯って、介護費もかかってることが多い。だから2008年から導入されたのが高額介護合算療養費制度なんです。医療保険と介護保険を横断した珍しい仕組みなんですよ。

佐藤
編集長
なるほど! 2つの制度をまたぐ、ということか。じゃあ誰でも申請できるんですか?

室谷
代表取締役
対象者の条件をちゃんと確認しましょう。次で解説しますね。
誰がもらえる? 対象者と条件


佐藤
編集長
どんな人が対象になるんですか?

室谷
代表取締役
大きく2つの条件があります。まず医療保険と介護保険の両方に自己負担額がある世帯であること。医療費だけ、介護費だけという場合はこの制度は使えないんです。

佐藤
編集長
両方ないとダメなんですね。

室谷
代表取締役
そうです。たとえば70代のご夫婦で、どちらかが病院に通っていて、どちらかがデイサービスを使っている、という世帯がまさに典型的な対象者です。

佐藤
編集長
なるほど。もう1つの条件は?

室谷
代表取締役
1年間(毎年8月1日から翌年7月31日)の医療費と介護費の合算額が、年齢・所得区分ごとの自己負担限度額を超えることです。限度額は上の表を見てもらえるとわかりやすいんですが、たとえば70歳以上の一般的な方は年間56万円が限度額で、それを超えた分が戻ってくるんです。

佐藤
編集長
56万円! けっこう高いですね。

室谷
代表取締役
そうなんですが、たとえば医療費だけで年30万円、介護費で年30万円かかったとすると合計60万円。56万円を4万円オーバーしているので、4万円が戻ってくる、という計算になります。

佐藤
編集長
あ、意外と身近な計算ですね! 住民税非課税の方は違うんですか?

室谷
代表取締役
低所得の方ほど限度額が低く設定されていて手厚い仕組みになっています。70歳以上の低所得者2(住民税非課税世帯)は年31万円、低所得者1(年金収入80万円以下等)に至っては年19万円が上限なので、超えやすいんですよ。
対象者チェックリスト
以下を全て満たす世帯が対象です
- 同一の医療保険(国民健康保険、健康保険組合など)に加入している世帯
- 世帯内に医療保険の自己負担額がある方がいる
- 世帯内に介護保険の自己負担額がある方がいる
- 1年間(8月1日〜翌年7月31日)の合算額が自己負担限度額を超えている

佐藤
編集長
では70歳未満の人も使えますか?

室谷
代表取締役
使えます! ただし70歳未満の場合は計算方法が少し違って、1回の診療で21,000円以上の自己負担があったレセプトのみが合算対象になります。ここが70歳以上との大きな違いですね。

佐藤
編集長
21,000円未満はカウントされないんですか!

室谷
代表取締役
そうなんです。これ、けっこう見落としがちなポイントで。外来で毎月少額ずつ払っている場合は合算対象にならないこともあるんで、注意が必要です。
支給額はいくら? 限度額の詳細

佐藤
編集長
具体的にいくら返ってくるかを知りたいんですが、限度額の表を詳しく教えてもらえますか?

室谷
代表取締役
限度額は年齢と所得で細かく分かれています。まず70歳以上から見ていきましょう。
| 所得区分 | 自己負担限度額(年額) |
|---|---|
| 現役並み所得者3(課税所得690万円以上) | 212万円 |
| 現役並み所得者2(課税所得380万円以上690万円未満) | 141万円 |
| 現役並み所得者1(課税所得145万円以上380万円未満) | 67万円 |
| 一般(下記以外) | 56万円 |
| 低所得者2(住民税非課税世帯) | 31万円 |
| 低所得者1(年金収入80万円以下等) | 19万円 |

佐藤
編集長
19万円超えたら全部戻ってくる! それはありがたいですね。

室谷
代表取締役
70歳未満はこちらです。
| 所得区分 | 自己負担限度額(年額) |
|---|---|
| 旧ただし書所得901万円超 | 212万円 |
| 旧ただし書所得600万円超901万円以下 | 141万円 |
| 旧ただし書所得210万円超600万円以下 | 67万円 |
| 旧ただし書所得210万円以下(一般) | 60万円 |
| 住民税非課税世帯 | 34万円 |

佐藤
編集長
旧ただし書所得って何ですか?

室谷
代表取締役
住民税の計算で使われる概念で、ざっくり言うと前年の所得から基礎控除43万円を引いた額です。ご自分の所得区分がわからない場合は、市区町村の窓口で確認してもらうのが一番確実ですよ。

佐藤
編集長
高額療養費や高額介護サービス費をすでに受け取っている場合はどうなるんですか?

室谷
代表取締役
すでに高額療養費や高額介護サービス費が支給された後の残りの自己負担額で計算します。これが大事なポイントで! 高額療養費で医療費が月額上限に抑えられた後、それでもまだかかっている分と介護費を合算して計算するんです。

佐藤
編集長
二重取りじゃなくて、あくまで残った分を合算するんですね!

室谷
代表取締役
そうです。制度の構造をまとめると、高額療養費(月単位の医療費上限)→ 高額介護サービス費(月単位の介護費上限)→ 高額介護合算療養費(年単位の医療+介護の合算上限)という3段階のセーフティネットになっているんです。
3段階のセーフティネット
- 第1段階 高額療養費(月単位・医療費のみ)
- 第2段階 高額介護サービス費(月単位・介護費のみ)
- 第3段階 高額介護合算療養費(年単位・医療+介護の合算)

佐藤
編集長
なるほど! 3段構えになってるんですね。それなら申請方法を教えてもらえますか?
申請方法と必要書類


佐藤
編集長
申請はどこでするんですか?

室谷
代表取締役
お住まいの市区町村の国民健康保険担当窓口が基本の申請先です。ただし、会社の健康保険組合に加入している方は、勤務先の健康保険組合または協会けんぽへの申請になります。

佐藤
編集長
会社員と自営業で窓口が違うんですね。

室谷
代表取締役
そうなんです。後期高齢者医療制度に加入している方(75歳以上)は、各都道府県の後期高齢者医療広域連合が窓口になります。
1対象期間(8月1日〜翌年7月31日)が終了してから申請できます
2申請書を市区町村の国民健康保険担当窓口でもらう、または公式ウェブサイトからダウンロードします
3自己負担額証明書を取得します(介護保険の自己負担がある市区町村の介護保険窓口でもらえます。別の市区町村に住む家族分も必要な場合は、その市区町村に別途申請します)
4申請書・被保険者証・自己負担額証明書などを窓口に提出します
5支給額が医療保険と介護保険の自己負担比率に応じて按分され、それぞれの保険から振り込まれます
問い合わせ先
- 国民健康保険加入者: お住まいの市区町村の国民健康保険担当窓口
- 会社の健康保険組合加入者: 勤務先の健康保険組合または協会けんぽ
- 後期高齢者医療制度加入者(75歳以上): 各都道府県の後期高齢者医療広域連合

佐藤
編集長
自己負担額証明書ってどこでもらえるんですか?

室谷
代表取締役
介護保険の担当窓口(市区町村)に申請すると発行してもらえます。家族が別々の市区町村に住んでいる場合は、それぞれの自治体で証明書を発行してもらう必要があります。これがちょっと手間なんですが!

佐藤
編集長
家族の分もいるんですね。

室谷
代表取締役
そうなんです。同じ医療保険に加入している世帯全員の自己負担を合算するので、離れて住む家族の分も集めないといけないんですよ。
| 申請に必要なもの | 詳細 |
|---|---|
| 申請書 | 窓口またはウェブサイトで取得 |
| 被保険者証 | 医療保険の保険証 |
| 自己負担額証明書 | 介護保険担当窓口で取得 |
| 印鑑(必要な場合) | 自治体によって異なる |
| 振込口座の情報 | 通帳など |

佐藤
編集長
申請期限はいつまでですか?

室谷
代表取締役
時効は2年間です。たとえば2024年7月31日が対象期間の終わりなら、2026年7月31日まで申請できます。ただし、早めに申請したほうが確実ですよ。

佐藤
編集長
2年もあるんですね! でも忘れてしまう前に早めに動いたほうがよさそうですね。申請の話はわかりました。次は気になる点をいくつか聞いてもいいですか?
よくある質問

佐藤
編集長
70歳未満と70歳以上が同じ世帯にいる場合はどう計算するんですか?

室谷
代表取締役
これが二段階計算になっていて少し複雑なんですが、まず70歳以上の方だけの合算額に70歳以上の限度額を適用します。そしてそこで残った負担額と、70歳未満の方の負担額(21,000円以上のレセプトのみ)を合計して、70歳未満の限度額を適用する、という流れです。

佐藤
編集長
えっ、2回計算するんですか!

室谷
代表取締役
そうなんです(笑)。市区町村の窓口に申請すれば向こうが計算してくれるので、自分で全部計算する必要はないですよ。

佐藤
編集長
良かった! 世帯を分けていたらどうなりますか?

室谷
代表取締役
世帯が別の場合は合算できません。ただし、同じ医療保険に加入していれば、住民票上の世帯が異なっていても合算対象になることがあります。国民健康保険は世帯単位なので世帯が違うと別々になりますが、会社の健康保険組合は被保険者の家族(扶養家族)なら別居でも合算対象になることがあります。

佐藤
編集長
国保と会社の保険で違うんですね。複雑だ!

室谷
代表取締役
そうなんですよ。だから、状況を窓口で相談するのが一番確実です。

佐藤
編集長
生活保護を受けている方は?

室谷
代表取締役
生活保護受給者は医療費や介護費が公費で賄われているので、自己負担がなく、この制度の対象外になります。
申請忘れに注意! プッシュ通知がない制度です
高額介護合算療養費は申請してはじめて支給されます。自動的に振り込まれることはありません。時効2年を過ぎると請求できなくなるので、毎年8月の対象期間終了後に忘れずに確認しましょう。
自治体によっては申請のご案内が届く場合もありますが、届かない場合も多いため、積極的に窓口に問い合わせることをおすすめします。

佐藤
編集長
自動じゃないんですね! それは知らなかった人多そうです。

室谷
代表取締役
そうなんですよ! 実際に知らずに時効で消えてしまったケースも多いと思います。年に一度、対象期間が終わった8月以降に必ずチェックする習慣をつけてもらいたいですね。
詐欺・なりすましに注意
給付金詐欺にご注意ください
高額介護合算療養費を装った詐欺が発生する場合があります。
- 市区町村や保険者がATMの操作を依頼することは絶対にありません
- 電話で銀行口座番号・暗証番号・マイナンバーを聞くことはありません
- 「手続き費用が必要」と言ってお金を振り込ませることは絶対にありません
- 不審な電話・訪問があったら、すぐに最寄りの警察(110番)または消費者ホットライン(188)に相談してください

佐藤
編集長
詐欺も気をつけないといけないですね。

室谷
代表取締役
特に高齢の方が狙われやすいので、家族みんなで「ATMは使わない」「電話でお金の話が来たら一人で決めない」というルールを共有しておくといいですよ。
まとめ・基本情報

佐藤
編集長
制度の内容がよくわかりました! 最後に全体をまとめてもらえますか?

室谷
代表取締役
この制度の大事なポイントをおさらいしましょう。対象期間の1年間で医療費と介護費が合わさって高額になった世帯が、年間限度額を超えた分を取り戻せる国の制度です。申請しないと支給されないので、毎年8月以降に市区町村窓口に確認してください。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象者 | 医療保険と介護保険の両方に自己負担がある世帯 |
| 対象期間 | 毎年8月1日〜翌年7月31日(1年間) |
| 限度額(70歳以上・一般) | 年56万円 |
| 限度額(低所得者1) | 年19万円 |
| 申請先 | お住まいの市区町村の国民健康保険担当窓口等 |
| 申請期限 | 対象期間終了後2年以内 |
| 公式ページ | 東京都保健医療局(参考) |

佐藤
編集長
ありがとうございます! 高齢のご両親がいる家庭はぜひチェックしてほしいですね。

室谷
代表取締役
そうですね。この制度と組み合わせて活用したい関連制度も合わせて確認しておくといいですよ。
関連する制度・給付金

佐藤
編集長
関連する制度も教えてもらえますか?

室谷
代表取締役
介護・医療費の負担軽減に使える制度は他にもいくつかあります!
| 制度名 | 概要 | リンク |
|---|---|---|
| 高額介護サービス費 | 1ヶ月の介護費が上限を超えた場合に支給 | 詳細を見る |
| 高額介護(介護予防)サービス費 | 介護予防サービスの費用上限超過分を支給 | 詳細を見る |
| 高額医療・高額介護合算療養費制度 | 合算制度の詳細版 | 詳細を見る |
| 介護保険高額介護サービス費 | 市区町村による介護費上限制度 | 詳細を見る |

佐藤
編集長
組み合わせることで、さらに負担を減らせる可能性があるんですね!

室谷
代表取締役
そうなんです。高齢者のいる世帯は、まず高額療養費・高額介護サービス費を活用して、それでも医療費と介護費の合計が年間限度額を超えていたらこの制度を申請する、という順番で確認するといいですよ。

佐藤
編集長
一つひとつ確認していくのが大事ですね。今日はわかりやすく解説してもらってありがとうございました!

室谷
代表取締役
ぜひ周りの方にも教えてあげてください! 特にご両親が介護サービスと医療の両方を使っている方は、毎年8月以降に市区町村窓口で確認することをおすすめします。

室谷
代表取締役
お住まいの都道府県の給付金・補助金情報は以下から検索できます。東京都の給付金一覧を見る