室谷さん、大阪の建設業界は万博関連の工事需要が続く一方で、2024年問題(時間外労働規制)への対応も迫られていますよね。中小の建設業者にとって、設備投資や人件費の両面で厳しい判断を迫られていると聞きます。そんな中で活用できる補助金について教えてください。
そうですね、大阪の建設業者はまさに今、大きなチャンスと課題に直面しています。国としても建設業の脱炭素化やDX化を強力に推進していて、まとまった補助金が複数用意されています。投資目的ごとに使い分ければ、自己負担を大きく減らせますよ。
具体的にどんな補助金があるんですか?まずは大規模なものから教えてください。
まず最大級のものとして、
省CO2型システムへの改修支援事業があります。これは環境省のSHIFT事業の一環で、工場や事業場の省CO2型システムへの改修を支援するものです。補助上限は
5億円(50,000万円)、補助率は3分の1。対象は民間企業のほか、独立行政法人や大学、医療法人、協同組合など幅広く、建設業ももちろん含まれます。電化や燃料転換、熱回収といった脱炭素に向けた大型設備投資に使えます。
5億円は大きいですね。ただし補助率3分の1だと自己負担もそれなりに必要ですね。
その通りです。ただ、大規模な改修であれば投資効果は大きいです。次に、建設業のデジタル化に特化した
建築GX・DX推進事業(締切2025-06-30)と、その
代表事業者登録(締切2026-02-13)があります。こちらは建築物のライフサイクルカーボン削減とBIM普及を一体的に支援するもので、複数事業者が連携してBIMデータ作成やLCA算定を行う場合に設計費や建設工事費の一部を補助します。補助率の詳細は公募要領で確認が必要ですが、建設業のDX推進としては非常に重要な制度です。
はい。
建築BIM加速化事業(締切2025-02-14)とその
代表事業者登録(締切2024-12-24)は、新築プロジェクトで複数事業者が連携してBIMデータを作成・活用する場合に補助が受けられます。設計者や施工者が代表となって申請する仕組みで、建築業界のDX推進を後押しします。補助率の記載はありませんが、実務的な制度です。
また、建設機械の電動化を支援する
令和6年度_建設機械の電動化促進事業(締切2024-11-28)は、GX建設機械(電動ショベルなど)の導入経費に対し、補助対象経費の
2/3を補助します。予算規模は約2.1億円、上限は20,933万円。充電設備も合わせて補助対象です。大阪の建設現場でも電動化の流れは加速しています。さらに、
【環境省】【R7補正】商用車等の電動化促進事業(建設機械)(締切2025-12-15)もあり、こちらは予算枠が1兆円と非常に大きく、電動建設機械の導入を幅広くカバーします。
電動化は環境面でも良いですし、ランニングコスト削減にもつながりますね。ただ、補助金の締切が迫っているものも多いですね。
ビルやマンションなど大規模な物件を手掛ける建設業者向けの補助金はありますか?
2024年問題への対応に使える補助金はありますか?
今回の記事では給付金の具体的な情報は掲載していません。ただし、建設労働者確保育成助成金や業務改善助成金など、厚生労働省管轄の助成金が活用できる場合があります。詳しくは
大阪労働局や
業務改善助成金のページを確認してください。
最後に、大阪の建設業者が今すぐできるアクションを教えてください。
まずは自社の投資計画を整理することです。脱炭素化(GX)なら
省CO2型システム改修や
ZEB実証事業、DXなら
建築BIM加速化事業、電動化なら
建設機械の電動化促進事業といった具合に、目的に合った補助金を選びましょう。締切が近いものもあるので、早めに公募要領を取り寄せて要件を確認してください。
大阪の建設業は、万博後もベイエリア開発が続くため、長期的な需要が見込まれます。補助金をうまく活用して、2024年問題を乗り越え、競争力を高めていきましょう。