室谷さん、最近「うちもSDGsに取り組まないと」って言ってる経営者が多いじゃないですか。でも実際に岡山県でエコやSDGs系の補助金ってどれくらいあるんですか?
かなり多いですよ!国の補助金だけでも環境省・経済産業省から毎年大量に出てるし、岡山県の独自補助金も令和8年度に新しく2本が出ました。脱炭素・省エネ・再エネと切り口がいくつかあって、業種や規模で使えるものが違うんですよね。
大きく3つです。1つ目が「省エネ設備更新」、2つ目が「再生可能エネルギー導入」、3つ目が「脱炭素経営の認証・認定取得」。この3軸で補助金を選んでいく感じです。
| 切り口 | 代表的な補助金 | 対象 |
|---|
| 省エネ設備更新 | 岡山県中小企業省エネ設備更新支援補助金 / SHIFT事業 | 中小企業全業種 |
| 再エネ導入 | 晴れの国おかやまサンサンパワー活用事業 / 太陽光蓄電池導入支援 | 事業者・法人 |
| 脱炭素認証 | エコアクション21認証取得支援 / GX人材育成事業 | 中小・中堅企業 |
| プラスチック循環 | 省CO2型プラスチック高度リサイクル設備導入事業 | 製造業・物流業 |
| 大規模プロセス転換 | GX製造プロセス転換支援事業 | 鉄鋼・化学・紙パルプ等 |
岡山県は「晴れの国」と言われるくらい日射量が多いので、太陽光発電の補助金は特に相性がいいんですよ。
確かに!岡山って晴れの日が多いイメージあります(笑)
岡山県エコ・SDGs補助金 比較図
岡山県が令和8年度に新しく出した補助金って何があるんですか?
2本あります。1本目が岡山県中小企業省エネ設備更新支援補助金で、県内の中小企業が省エネ設備に更新するための費用を半額補助してくれます。上限500万円、下限50万円で、5月1日から5月29日が受付期間でした。
1本50万円から500万円ってかなり幅広いですね。どんな設備が対象なんですか?
「生産設備やサービスを提供するために必要な省エネ設備」なので、工場の機械、空調、照明LED化など幅広いですよ。既存設備の更新が条件で、新築への設備設置は対象外です。補助率は1/2以内なので、たとえば1,000万円の設備更新なら最大500万円もらえる計算です。
2本目が自家消費型太陽光発電設備の導入補助金、通称「晴れの国おかやまサンサンパワー活用事業」です。5万円/kWで上限800万円。事業所の屋根や未利用地に太陽光パネルを設置して、発電電力の50%以上を自家消費する事業者が対象です。
800万円は大きいですね。これは個人事業主でも使えるんですか?
使えます!県内に事業所がある法人と、青色申告をしている個人事業主が対象です。ただし、津山市内(49kW以下)と瀬戸内市内の事業は対象外なので注意が必要です。
令和8年6月12日が締め切りでした。年度によって変わるので、岡山県脱炭素社会推進課のサイトで最新情報を確認してください。
省エネ設備更新支援: 上限500万円、補助率1/2、令和8年5月1日〜5月29日受付(令和8年度分)
自家消費型太陽光発電支援: 5万円/kW、上限800万円、令和8年6月12日締切(令和8年度分)
問い合わせ先: 省エネ設備→岡山県中小企業団体中央会(TEL:086-237-8770)、太陽光→岡山県脱炭素社会推進課(TEL:086-226-7298)
国の補助金はどれが岡山の中小企業に向いているんですか?
一番使い勝手がいいのがSHIFT事業ですね。環境省が実施している「脱炭素技術等による工場・事業場の省CO2化加速事業」です。
SHIFT事業の詳細はこちらで確認できます。
工場や事業場のCO2排出を減らすための設備導入を支援する補助金です。単なる省エネ補助にとどまらず、事業場全体のエネルギー管理体制の構築も一緒に支援してくれます。製造業・化学・窯業・紙パルプ等のエネルギー多消費型産業はとくに費用対効果が高いです。
そう、DXとエコを同時に進められる会社には特においしい設計です(笑)。申請前に専門家によるエネルギー診断が必要なので、まず診断から入ると申請の精度が上がります。
申請フロー図
ZEBってよく聞くんですけど、どういうものですか?
Net Zero Energy Buildingの略で、建物のエネルギー消費をゼロに近づけるっていう考え方です。環境省の「建築物等のZEB化・省CO2化普及加速事業」は令和8年度も継続されていて、既存建築物の大幅な省エネ改修や、ZEBモデルの新築・改修に対して補助が出ます。
事業者・団体・地方公共団体など業種制限はないんですが、対象は大規模建築物です。新築なら床面積10,000㎡以上、既存建築物の改修なら2,000㎡以上が目安です。
ZEB実証事業の詳細はこちら。補助率は最大2/3以内、上限10億円です。
10億円!中小企業が申請できる規模じゃないですね(笑)
そうなんです(笑)。ZEB補助金は大規模商業施設や工場、医療・介護施設を持つ法人向けですね。ただ「環境省のR8年度ZEB化普及加速事業」は詳細条件が公募要領に依存するので、自社ビルや工場の改修を検討中の方は
詳細をこちらで確認してみてください。
大規模建築物が対象(新築10,000㎡以上、改修2,000㎡以上が目安)
補助金の交付決定前に工事を始めると対象外になる
計画設計から工事完了まで1〜2年かかるため、早めに相談を
もっと小さな規模の中小企業でも使いやすい補助金はありますか?
あります!「中小企業等エネルギー利用最適化推進事業費(省エネ診断拡充事業)」ですね。これは経済産業省が登録した専門の診断機関が、工場・店舗・オフィスなどを訪問してエネルギーの使い方を分析し、無料で具体的な改善提案をしてくれる事業です。
詳細はこちら。
診断を受ける事業者側の費用負担はゼロです。補助率10/10で国が全額負担しています。診断後に設備投資が必要と判断されれば、その設備投資に対する補助金を別途申請する流れになります。
そうなんです。岡山では商工会議所や金融機関経由で相談窓口が整備されているので、まずそこに問い合わせるのがスムーズです。岡山商工会議所(TEL:086-232-2266)や、岡山中小企業団体中央会が一次窓口になっています。
令和7年度先進的省エネルギー投資促進支援事業費ってのも聞いたことあるんですが、これはどうなんですか?
これは補助上限が40億円の大型事業です。ただ「間接補助」型で、個別企業が直接申請するんじゃなく、補助事業者(執行団体)を公募して、その執行団体が中小企業に補助を行う仕組みです。
詳細はこちら。なので個別申請の案内は執行団体経由で出てくることが多いです。
どれを選べばいいか迷いそうです。整理してもらえますか?
| 補助金名 | 補助上限 | 補助率 | 主な対象 | 実施主体 |
|---|
| 岡山県中小企業省エネ設備更新支援 | 500万円 | 1/2 | 県内中小企業全業種 | 岡山県 |
| 晴れの国おかやまサンサンパワー活用事業 | 800万円 | 定額5万円/kW | 県内事業者・法人 | 岡山県 |
| SHIFT事業(省CO2化加速) | 5,000万円〜 | 1/2 | 全業種・全国 | 環境省 |
| DX型CO2削減対策実行支援 | 200万円 | 3/4 | 中小企業(法人)全業種 | 環境省 |
| ZEB実証事業(大規模建物) | 10億円 | 2/3 | 大規模建築物保有者 | 環境省 |
| 省エネ診断拡充事業(無料診断) | 負担ゼロ | 10/10 | 中小企業全業種 | 経産省 |
| 省CO2型プラスチックリサイクル設備 | 30億円(3,000百万円) | 中小1/2、大企業1/3 | 製造業・物流業 | 環境省 |
岡山県の補助金は「速い・小さい・確実」で、国の補助金は「大きい・複雑・競争率がある」という感じですかね。
うまい表現(笑)。そうです。まず岡山県の補助金でクイックに省エネ投資を回収して、それをベースに大型の国補助金へ挑戦するっていう順番が実務的にはおすすめです。
1省エネ診断を受ける(無料)
まず「中小企業等エネルギー利用最適化推進事業費(省エネ診断)」で現状を把握。岡山中小企業団体中央会か岡山商工会議所に相談を。
2岡山県の補助金で省エネ設備を更新
診断結果を踏まえて、岡山県中小企業省エネ設備更新支援補助金(上限500万円・補助率1/2)を申請。令和8年度は5月1日〜29日が受付期間。
3太陽光発電で光熱費をさらに削減
「晴れの国おかやまサンサンパワー活用事業」で自家消費型太陽光を導入(5万円/kW・上限800万円)。省エネと再エネを組み合わせることでカーボンニュートラルに近づける。
4国の大型補助金へチャレンジ
SHIFT事業やZEB補助金など、国の補助金は書類が多く採択率も低めだが、補助額が大きい。実績を積んだ段階で挑戦すると採択率が上がりやすい。
5SDGsブランディングで取引先へアピール
省エネ・脱炭素の取り組みはサプライチェーン全体で評価される時代。取引先からESG調達の要請が来る前に、自発的に取り組んでおくことが差別化につながる。
5ステップで整理されると、どこから始めればいいかがわかりますね。
まず「無料診断を受ける」ことから始めるのが一番リスクゼロです。診断を受けると、どの設備を更新すればどれくらいコストが下がるか数字が出てくるので、補助金申請の根拠データにもなります。
そうです!「エネルギーコストが年間○○万円削減できる」という試算が出れば、経営判断もしやすくなりますよね。
岡山には製造業も多いと思うんですけど、大規模な企業向けのSDGs補助金はどうですか?
製造業向けで大きいのが「省CO2型プラスチック高度リサイクル設備導入事業」です。プラスチックのリサイクルプロセス全体のCO2削減を支援するもので、補助上限が最大30億円(3,000百万円)、中小企業は補助率1/2が適用されます。
詳細はこちら。
製造業にとっては大きな投資になる設備更新に使えるんですね。
あと鉄鋼・化学・紙パルプ系の大企業なら「GX製造プロセス転換支援事業(排出削減が困難な産業)」という超大型補助金があります。令和8年度は最大1,179億円の予算です。
詳細はこちら。岡山は製紙・化学系の工場も多いので、該当する企業はチェックしておいてほしいです。
1,179億円って規模が違いすぎて実感が湧かない(笑)
そうですよね(笑)。ただこれは個別企業が直接申請するものではなく、執行団体を通じた間接補助型です。GX関連の業界団体や商社経由で案内が届くことが多いです。
まず岡山県の補助金は岡山中小企業団体中央会(TEL:086-237-8770)が一次窓口です。省エネ設備更新支援補助金の申請フォームも中央会が管理しています。
国の補助金はSHIFT事業なら「環境省指定の省エネ診断機関」か「地球温暖化防止活動推進センター」が窓口です。岡山県には「岡山県地球温暖化防止活動推進センター(岡山県環境文化部が管轄)」があって、SHIFT事業の一次相談に対応しています。
GビズIDって最近よく聞くんですけど、準備しておいた方がいいですか?
ぜったい取っておいた方がいいですよ。jGrantsというオンライン申請システムが国の補助金申請の主流になっていて、そこにはGビズIDが必要です。取得に2〜3週間かかるので、補助金申請を考え始めたらすぐに申請してほしいです。
GビズIDの取得: jGrants申請には必須。取得に2〜3週間かかる。gBiz ID申請サイトから申請
省エネ診断の実施: SHIFT事業系の申請には無料診断結果が必要な場合が多い
交付決定前の工事は厳禁: 補助金の交付決定が出る前に設備購入・工事を開始すると対象外になる(全補助金共通の絶対ルール)
省エネ設備の更新であること: 新設備の新規設置は対象外(既存設備の更新が条件)
今日の話をまとめると、どういう戦略で動けばいいですか?
3段階で考えるといいですよ。第1段階は「まず無料診断でコスト削減余地を把握する」。第2段階は「岡山県の補助金(省エネ設備・太陽光)でクイックに投資回収する」。第3段階は「SHIFT事業などの国補助金で大規模脱炭素化を推進する」。
段階的に進めることで、リスクが小さく始められるわけですね。
そう。岡山県は晴れの日が多い分、太陽光発電の投資回収年数が他県より短い傾向があります。再エネ補助金と組み合わせると、実質的な自己負担はかなり小さくできますよ。
「晴れの国岡山」の強みがSDGsでも活きてくるんですね!
まさに(笑)。岡山の事業者さん、ぜひ活用してください。まず無料診断から始めましょう。