新潟県 人材育成に使える補助金・助成金 3系統比較
新潟の経営者の方からよく聞くんですが、「人を採っても育てる余裕がない」「研修費が出せない」って話、最近増えてますよね。
ほんとですよね。製造業や農業の多い新潟は、職人の技術継承とか、若手の定着率とか、課題が複合的なんです。だからこそ補助金や助成金を使いこなすことが、他の地域以上に重要になってきます。
大きく分けると「研修・訓練費の助成(人材開発系)」「働き方改革を通じた人材定着支援(働き方改革系)」「採用・定着支援(UIターン含む)」の3系統があります。国の制度が太い柱になって、新潟県や各市区町村の独自制度が上乗せで乗ってくるイメージです。
なるほど、全国制度と地域独自で分けて考えるんですね。
そうです。国の制度は申請額が大きくて、億単位の支援を出している制度もある。でも競争率も高い。そこに新潟県や市町村の独自補助を組み合わせると、資金調達の厚みが全然変わってきます。
| 系統 | 主な補助金・助成金 | 上限額の目安 |
|---|
| 人材開発・研修支援 | 人材開発支援助成金(特定訓練・一般訓練コース) | 経費の75〜90% |
| 働き方改革支援 | 働き方改革推進支援助成金(各コース) | 最大1,270万円 |
| 最低賃金引上げ連動 | 業務改善助成金 | 最大600万円 |
| 産学連携・高度人材育成 | 高等教育機関共同講座創造支援事業費補助金 | 最大3,000万円 |
| UIターン・地域人材確保 | 地域戦略人材確保等実証事業 | 最大1,300万円 |
| 副業・兼業活用 | 副業・兼業支援補助金 | 上限250万円(受入型) |
最初に「働き方改革系」を詳しく聞いていいですか?現場がきつくて若い人が辞めていく、という話がとにかく多くて。
それはほんとうに深刻な問題ですよね。そこにズバリ刺さるのが働き方改革推進支援助成金のシリーズです。厚生労働省が中小企業向けに複数コースを用意していて、新潟の中小企業さんも積極的に活用しています。
主要なのは4つです。「労働時間短縮・年休促進支援コース」「勤務間インターバル導入コース」「業種別課題対応コース」「団体推進コース」。それぞれ対象や上限額が違うので、自社の状況に合わせて選ぶのが大事です。
「団体推進コース以外」で最大1,270万円、「業種別課題対応コース」で最大1,000万円、「労働時間短縮・年休促進支援コース」で最大730万円、「勤務間インターバル導入コース」で最大600万円です。補助率はどのコースも3/4なので、400〜900万円の投資をする場合の自己負担がざっくり1/4に抑えられます。
えっ、最大1,270万円で補助率3/4はかなり手厚い!
そうなんです(笑)。しかも建設業・運送業・医療業は2024年4月から時間外労働の上限規制が本格適用されたので、今まさに動いている企業が多い。「業種別課題対応コース」は特にこれらの業種向けですよ。
- 労働時間短縮・年休促進支援コース: 上限730万円・補助率3/4〜4/5。勤怠管理システム導入・36協定見直し等
- 勤務間インターバル導入コース: 上限600万円・補助率3/4〜4/5。始業〜終業間のインターバル確保が要件
- 業種別課題対応コース: 上限1,000万円・補助率3/4〜4/5。建設・運送・医療業に特に有効
- 団体推進コース: 上限1,000万円・定額補助。事業主団体が傘下企業をまとめて申請するコース
- 詳細は 働き方改革推進支援助成金(労働時間短縮・年休促進支援コース) / 業種別課題対応コース / 勤務間インターバル導入コース
「就業規則の変更」を実際に行うことが条件なんですよね。設備を買うだけじゃなくて、制度を整備して実際に運用する、という流れが求められます。コンサルを使うのが一番確実ですが、費用もその助成対象になっていることが多いので、先に相談する価値は十分あります。
研修費用の補助はどうですか?「外部研修を受けさせたいけど費用が…」という声も聞きます。
人材開発支援助成金は厚生労働省のド定番ですね。特定訓練コースと一般訓練コースが二本柱で、OJT(職場内訓練)とOFF-JT(職場外訓練)に対して訓練費の70〜90%が助成されます。新潟労働局に手続きの様式が揃っているので、ハローワーク経由で相談できます。
業務に直結する技能訓練や資格取得が基本です。「特定訓練コース」は認定実習併用職業訓練など高度なものが対象で、助成率が高め。「一般訓練コース」は社内外の研修全般が対象です。デジタルスキルの習得やIT関連も含まれるので、DX推進の文脈でも使いやすいです。
製造業の金型技術や食品加工技術の後継者育成に使っているケースをよく聞きます。あと農業と加工業を兼ねる6次産業化の場合も、食品衛生の資格取得とか、マーケティング研修とかに当てはまります。
なるほど、産業構造に合わせた活用ができるんですね!
そうです。新潟は製造業・食品・農業が三本柱なので、そこに紐づく技術系訓練は特に使いやすい。国の資料では助成率は最大90%とも書かれていて、訓練経費と一部賃金も対象になります(笑)。
ハローワーク(新潟労働局)に事前相談(訓練開始の1ヶ月前まで)
審査・支給決定(支給まで数ヶ月かかることもあるので資金繰りに注意)
最近「賃上げしないと人が集まらない」と言っている経営者が多いんですが、賃上げ自体の支援ってあるんですか?
これがあるんですよ!業務改善助成金は、事業場内の最低賃金を30円以上引き上げた事業者が、生産性向上のための設備投資等を行った場合に、費用の3/4〜9/10が助成される制度です。上限は最大600万円。
そうです。「人件費を上げるお金がない」という場合に、設備投資で生産性を上げつつ賃金も上げる、という一石二鳥の構造です。対象は機械設備、POSシステム、業務効率化ソフト、店舗の動線改善工事なんかも入ります。
事業場内最低賃金が
950円未満だと助成率が9/10に上がります。都市圏と比べると新潟の賃金水準はまだ低い事業所も多いので、この優遇が効いてくる会社が多いです。詳細は
業務改善助成金の詳細ページ を参照してください。
- 申請できるのは「就業規則等で事業場内最低賃金を引き上げた後」
- 設備購入「前」に申請するのが基本(先払いは要注意)
- 機械設備の単純購入だけでなく「賃金引上げとセット」である点が必須条件
- 申請窓口は各都道府県の労働局(新潟は新潟労働局)
次は規模の大きい話を聞かせてください。「大学と連携して人材育成したい」という企業向けには何かありますか?
企業が大学・高専に「共同講座」を設置して、自社に必要な人材を育成する費用を補助してくれる制度があります。経済産業省の「高等教育機関における共同講座創造支援事業費補助金」です。上限3,000万円で、補助率1/2〜10/10と幅広い。
上限3,000万円はすごいですね!どんな企業が対象ですか?
製造業・IT・DX・脱炭素分野が中心ですね。自社が必要とする専門性を持つカリキュラムを、大学と一緒に設計する形です。「自社の採用パイプラインを大学に作る」という感覚で活用している企業もいます。詳細は
高等教育機関共同講座創造支援事業費補助金 で確認できます。
新潟大学とか新潟工科大学とかと組むイメージですかね。
まさにそうです。令和5年度の公募では定額(10/10)補助で最大約3.5億円という大型のものも出ています(
令和5年度版はこちら)。自社単独では難しい高度人材育成を、産学連携で実現できる点が魅力です。
新潟って人口流出が課題じゃないですか。若い人を地元に引き留めたい、都市圏から連れてきたい、という需要も大きそうで。
そうなんですよ。そこに正面から向き合っているのが、経済産業省の「地域戦略人材確保等実証事業」です。地域の複数企業が連携して「地域の人事部」のような機能を作り、人材確保・育成・定着を一体的に支援する取組に補助が出ます。
補助事業者向けには上限1,300万円(補助率1/2〜2/3)、執行団体向けには最大4億円(定額補助)という大型のものもあります。複数の地域企業が連携する分、一社単独より大きな効果が期待できます。詳細は
地域戦略人材確保等実証事業(補助事業者向け) をご確認ください。
あります!たとえば魚沼市では、市外から来てUIターン就職した人に20万円の奨励金を出しています。阿賀野市は社員研修のDX化を含む費用を補助する「中小企業人材育成支援事業補助金」があります。こうした地域独自の制度は、市の産業振興担当に問い合わせると一覧でもらえることも多いです。
基本的には組み合わせ可能です。ただし同じ経費に対して二重取りはできないので、「A補助金は研修費に充当、B市の補助は採用費に充当」のように使途を分けるのがポイントです。
採用以外で人手を確保する方法ってありますか?副業人材を使う、みたいな話を最近聞いて。
まさに副業・兼業の活用を後押しする補助金があります。経済産業省の副業・兼業支援補助金で、外部から副業人材を受け入れる「受入型」では1人当たり最大50万円、1事業者最大250万円(5人まで)の補助が出ます。
DXの知見がある都市圏のIT人材を副業で受け入れる製造業、というのがよくある活用例ですね。フルタイム採用するほどの予算はないけど、週1〜2日でアドバイスをもらいたい、という需要に合っています。
逆に「うちの社員を他社に副業として出す」という使い方も?
はい、「送り出し型」という類型があって、社員が他社で副業することで経験を積み、戻ってきたときに社内で新しい知見を活かしてもらう仕組みです。こちらは上限100万円(補助率1/2)です。詳細は
副業・兼業支援補助事業 をご覧ください。
| 補助金名 | 上限額 | 補助率 | 対象 | 申請窓口 |
|---|
| 働き方改革推進支援助成金(業種別課題対応) | 1,000万円 | 3/4〜4/5 | 中小企業 | 新潟労働局 |
| 働き方改革推進支援助成金(団体推進コース以外) | 1,270万円 | 3/4 | 中小企業 | 新潟労働局 |
| 業務改善助成金 | 600万円 | 3/4〜9/10 | 中小・小規模事業者 | 新潟労働局 |
| 高等教育機関共同講座創造支援事業費補助金 | 3,000万円 | 1/2〜定額 | 企業・団体 | 経産省公募 |
| 地域戦略人材確保等実証事業(補助事業者) | 1,300万円 | 1/2〜2/3 | 企業・団体 | 経産省公募 |
| 副業・兼業支援補助金(受入型) | 250万円 | 1/2 | 全業種・全規模 | 経産省公募 |
| 人材開発支援助成金(一般訓練) | 経費の70〜90% | 割合で算定 | 雇用保険適用事業主 | ハローワーク |
人材育成補助金 申請の流れ(新潟県版)
申請でつまずく会社が多いポイントを教えてもらえますか?
まず一番多いのが「公募期間を見逃す」ですね。人材開発系の補助金は年度ごとに公募スケジュールが変わりますし、予算消化で早期締め切りになることもある。スケジュール管理が命です。
「要件を満たしていると思っていたけど実は違った」というケースも多いです。たとえば業務改善助成金は「就業規則に最低賃金の引上げを明記する」という書類整備が先。それをやらずに設備を発注すると、後から申請できなくなる。
そうです。新潟県内には新潟労働局のほか、にいがた産業創造機構(NICO)という県の産業支援機関があって、無料で補助金相談を受けています。NICOに相談してから申請のロードマップを作るのが、新潟の中小企業さんには一番おすすめの入り口です。
- 従業員数・資本金が「中小企業」の要件を満たしているか確認
- 雇用保険に加入しているか(人材開発系助成金の前提条件)
- 就業規則が整備されているか(要件として問われることが多い)
- GビズIDの取得(多くの補助金申請はオンライン申請になっている)
- 事業計画書の骨格を作る(採択審査がある制度は事前準備が重要)
法人・個人事業主が1つのアカウントで複数の行政サービスにアクセスできるID制度です。補助金申請のオンライン化に伴って、ほぼ必須になってきています。発行に2〜3週間かかることがあるので、補助金に取り組もうと思ったら最初に申請しておくといいです。
多くの補助金は「先に事業者が費用を払い、後から補助金を受け取る」後払い方式です。
補助金を受け取るまで数ヶ月〜1年かかることも。自己資金や融資で一時的に立て替える必要があります。
大型補助金を狙う場合は、事前に金融機関や信用保証協会に相談して、資金繰り計画を立てておくことが重要です。
いやー、人材育成の補助金ってこんなに種類があるんですね。
国だけで100件以上、市区町村まで含めると新潟県内にはかなりの数があります。大事なのは「自社の課題」から逆算することです。「社員を育てたい」なら人材開発支援助成金、「残業を減らして定着率を上げたい」なら働き方改革系、「賃上げの体力が欲しい」なら業務改善助成金、という順番で考えると迷いにくくなります。
特に新潟の場合、NICOという頼れる機関があるのは大きいですよ。補助金申請は「書類仕事」でもあるので、専門家の力を借りながら進めるのが最終的に効率的です。申請を通すことよりも、補助金を通じて「会社が本当に強くなること」を目標にしてほしいと思っています。
具体的な数字と申請のコツを教えていただいて、ありがとうございました!新潟の中小企業さんが積極的に活用できる内容でした。
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