室谷さん、埼玉県から「CO₂排出削減設備導入補助金(緊急対策枠)」ってやつが出てるらしいんですけど、これって製造業の中小企業とかに使えるやつですか?
使えます!(笑)しかもかなりお得な内容で、補助率1/2・補助上限額500万円という設計になってるんですよ。空調設備を高効率タイプに替えたり、太陽光発電を導入したりする経費の半額を埼玉県が負担してくれる制度です。
えっ、半額!それは大きいですね。申請期間はいつまでですか?
2026年4月27日に申請受付が始まっていて、2027年3月31日まで受け付けています。ただし予算額に達したら打ち切りになるので、実質的には早めに動くほど安心です。初回枠の予算が11億円、リピーター枠が9億円と用意されていますよ。
かなり長い期間受け付けてるんですね。でも先着順なんでしょ?
そうなんです。電子申請で先着順なので、「来月でいいか」ってのんびりしてると枠がなくなるリスクがあります。特に2026年夏ごろ以降は冷房関連の設備更新を考える事業者が一気に申請してくることも想定されるので、早期申請が安全策ですよ。
初回枠・リピーター枠の補助内容比較
大きく3つのパターンがあります。まず1つ目は高効率設備への更新。空調設備、ボイラー、コンプレッサー、変圧器、冷凍冷蔵庫設備などを最新の高効率タイプに替える設備投資が対象です。ただし条件があって、「既存設備が製造から15年以上経過している」ことが必須なんですよ。
15年以上か。古い設備を替える事業者にはピッタリですね。2つ目は?
2つ目は再生可能エネルギーの利用設備です。太陽光発電、バイオマス発電、小水力発電、それから再エネ設備と組み合わせた蓄電池の設置が対象になります。ここで注意点があって、太陽光発電の場合は蓄電池を同時に導入することが要件なんですよ。
そうです!太陽光発電単体だと補助の対象外になります。さらに年間想定発電量の65%程度を自家消費することが要件なので、余剰売電型の大型設置より、事業所の電力使用量に見合ったサイズで入れることが重要です。
3つ目は「CO₂排出量の少ない燃料等を使用した設備への更新等」で、重油焚きボイラーを都市ガスやLPGに転換したり、ヒートポンプ化やコジェネレーション設備を導入したりするケースが含まれます。燃料転換で一気にCO₂を減らせる事業者には有力な選択肢です。
| 補助対象パターン | 代表設備例 | 特記条件 |
|---|
| 高効率設備への更新 | 空調・ボイラー・コンプレッサー・変圧器・冷凍冷蔵庫 | 既存設備が製造15年以上 |
| 再エネ利用設備 | 太陽光発電+蓄電池・バイオマス発電 | 太陽光は蓄電池同時設置必須・自家消費65%以上 |
| 燃料転換・コジェネ | 重油→ガス転換ボイラー・ヒートポンプ・コジェネ | 高効率設備要件を満たすこと |
照明設備は対象外って聞きましたが、どうしてですか?
この補助金は「主要動力設備の効率化とCO₂削減」にフォーカスを絞った設計になってるんです。照明のLED化も省エネ効果はありますが、この制度の対象外として明記されています。LED化を検討する場合は、別の省エネ補助金(経産省所管)を調べてみてください。
- 照明設備のLED化(明記されて対象外)
- 能力増強を主目的とする更新(既存より大型・台数増は原則NG)
- 住居兼事業所の住居部分にかかる経費
- 交付決定前に発注・契約した設備費
- 土地・建物の取得費・撤去費・処分費
対象者の条件も気になります。誰でも申請できるわけじゃないですよね?
ポイントは3つです。まず埼玉県内で1年以上事業活動を営んでいること。2番目に、会社(株式会社・合同会社等)の場合は中小企業基本法上の「中小企業者」に限られます。3番目に、申請する事業所が1年以上稼働していること(再エネ設備を設置する場合は1か月以上)です。
そうなんです。製造業・建設業・運輸業は資本金3億円以下または従業員300人以下。卸売業は資本金1億円以下または従業員100人以下。サービス業は資本金5000万円以下または従業員100人以下。小売業は資本金5000万円以下または従業員50人以下。どちらかの要件を満たせば中小企業者に該当しますよ。
個人事業主は中小企業者の縛りがなく、埼玉県内で1年以上事業活動を営んでいれば対象です。医療・福祉・飲食・宿泊・生活関連サービスなど幅広い業種の方が使える設計になっています。
| 業種 | 資本金要件 | 従業員数要件 |
|---|
| 製造業・建設業・運輸業・その他 | 3億円以下 | 300人以下 |
| 卸売業 | 1億円以下 | 100人以下 |
| サービス業 | 5000万円以下 | 100人以下 |
| 小売業 | 5000万円以下 | 50人以下 |
令和8年度予算による「スマートCO₂排出削減設備導入補助金」を受給した、または受給予定の事業者は本補助金の対象外となります。両制度は対象設備が重なるため、どちらを選ぶか事前に比較検討することが必要です。
なるほど、まず自分が中小企業者に該当するかを確認して、スマートCO₂補助金との兼ね合いも見なきゃいけないということですね。申請の実際の流れも教えてもらえますか?
申請から補助金受取までのフロー図
流れを把握してれば大丈夫ですよ。ちなみにこの補助金はJグランツでは申請できないので注意してください。公式ホームページから電子申請する形になります。
1埼玉県公式HPで最新情報を確認する
公式ページから最新の募集要領・申請様式を入手。Jグランツでは申請不可。
2既存設備の状況確認とCO₂削減効果試算
高効率設備更新の場合は機器銘板で製造年月日を確認し15年以上であることを証明できる準備をする。更新前後のエネルギー使用量・CO₂排出量を試算する。
3複数見積を取得する
設備業者から複数の見積を取得し、補助対象経費の合計が60万円以上になることを確認。高効率設備の要件(確認用フロー図で判定)を満たすか業者と確認する。
4申請書類を作成する
補助金交付申請書(様式第1号)・CO₂削減量算定シート・設備仕様書・見積書・CO₂削減効果計算書・事業所の所有または賃貸借を証する書類などを準備。
6交付決定後に設備を発注・設置する
交付決定通知書が届いてから初めて発注・契約を行う。交付決定前の発注は補助対象外になるため絶対に注意すること。
7実績報告と補助金受取
設備設置完了後に実績報告書・領収書・設置写真等を提出し精算。補助金額が確定して入金される。
ステップ6の「交付決定前の発注NG」っていうのがよく聞く落とし穴ですよね。
これは本当にやってしまう方が多くて。設備業者に「今なら在庫あるよ」と言われて先走って発注してしまうんです。交付決定通知書を受け取るまでは絶対に動かないというルールを業者側にも共有しておくことが大事ですね。
この補助金は先着順なので「審査で落ちる」というよりも「予算切れで申請できない」というリスクの方が大きいですが、書類が不備で差し戻されることはあります。
- 設備の製造年月日を確認: 高効率設備更新は既存設備が15年以上必須。機器銘板や購入記録で確認し証拠書類を用意する
- CO₂削減量の定量計算: 更新前後のエネルギー使用量差から削減CO₂量を算定シートで計算。設備業者と協力して根拠のある数字を作る
- 補助対象経費60万円の確認: 設備費+必要不可欠な付属機器+工事費(労務費・設計費・材料費など)の合計が60万円以上か確認する
- 再エネは自家消費率を試算: 太陽光発電の年間想定発電量の65%が自家消費できる規模かを電力使用量データで確認する
- スマートCO₂補助金との関係を整理: 令和8年度スマートCO₂補助金との重複不可を念頭に、どちらが有利か事前に比較する
実は設備業者が試算を手伝ってくれることが多いですよ。電力会社の月別電気使用量のデータを業者に見せて、「この電力使用量に合わせた発電容量はどのくらいか」を逆算してもらうのが一般的なやり方です。蓄電池を同時設置すれば自家消費率を高められるので、セット設計が現実的ですね。
埼玉県が「CO₂削減量算定シート」というExcelを公式に配布しています。設備種別ごとのシートに数値を入力する設計になっているので、業者と一緒に記入すれば対応できますよ。2026年4月21日に冷凍冷蔵庫向けのシートが差し替えになったばかりなので、最新版の算定シートを公式HPからダウンロードすることも重要なポイントです。
経費の詳細をもう少し詳しく教えてもらえますか?どこまで補助対象になるんですか?
設備費と工事費の2区分です。設備費は「設備本体と必要不可欠な付属機器」。工事費は「労務費・設計費・材料費・消耗品費・雑材料費・直接管理費・試験調整費・法律等に基づく立会検査費・機器搬入費」が含まれます。
| 補助対象経費の区分 | 含まれるもの |
|---|
| 設備費 | 高効率空調・高効率ボイラー・コンプレッサー・変圧器・冷凍冷蔵庫・太陽光パネル・蓄電池・付属機器 |
| 工事費 | 労務費・設計費・材料費・消耗品費・機器搬入費・試験調整費など |
撤去費・移設費・処分費は対象外です。古い設備を取り除く費用は補助されないんですよ。あとは通信費・光熱水費・旅費も対象外。消費税も補助対象外なので、消費税分は自己負担になります。中古設備の購入費も対象外ですね。
- 能力増強に係る経費(既存より大型・台数増の部分)
- 撤去費・移設費・処分費
- 通信費・光熱水費・旅費
- 消費税および地方消費税
- 居住用途に係る設備の導入経費
- 中古設備の購入費
- 交付決定前に契約・発注した経費
1事業所あたり上限500万円なので、埼玉県内に複数の事業所がある場合は事業所単位で別々に申請できます。2か所で申請すれば最大1000万円の補助を受けられる可能性があります。それぞれの事業所が要件を満たすかの確認は必要ですけどね。
この補助金以外にも似たような省エネ系補助金ってありましたよね?どう使い分ければいいんですか?
まず絶対に押さえておくべきがスマートCO₂排出削減設備導入補助金との関係です。令和8年度予算のスマートCO₂補助金と本補助金は重複受給が禁止されていますので、どちらか一方を選ぶ必要があります。
ざっくり言うと、緊急対策枠は「今すぐある古い設備を替えたい」方向け。スマートCO₂補助金は令和8年度予算なので次年度以降の申請になります。今年度中に動きたいなら今回の緊急対策枠が選択肢です。ただし両制度の詳細条件が変わることもあるので、申請前に埼玉県の担当部署に確認するのが確実ですね。また、全国規模の省エネ投資補助金としては
令和5年度先進的省エネルギー投資促進支援事業費補助金も参考になります。
| 比較項目 | 本補助金(緊急対策枠) | スマートCO₂補助金(令和8年度) |
|---|
| 補助率 | 1/2 | 別途確認要 |
| 上限額 | 500万円 | 別途確認要 |
| 予算 | 初回枠11億円・リピーター枠9億円 | 令和8年度予算 |
| 申請開始 | 2026年4月27日開始済み | 令和8年度以降 |
| 重複可否 | 相互に重複受給不可 | 相互に重複受給不可 |
まず「Jグランツから申請できますか?」という質問ですが、本補助金はJグランツでは申請受付をしていません。埼玉県の公式HPに電子申請の入口があり、そこから申請します。
「既存設備が15年未満の場合は対象外?」という質問も多いです。高効率設備更新カテゴリでは15年以上が必須なので対象外ですが、再生可能エネルギー設備(太陽光発電+蓄電池など)の新規導入は既存設備の年数要件がないので、そちらを検討する余地がありますよ。
住居部分は補助対象外です。エネルギーのメーターが事業所と住居で分かれていない場合や、設置する設備が事業所と住居が混在するエリアにある場合はNG。事業所部分が明確に分離できていて、エネルギー使用量も独立して計測できる体制であれば申請できる可能性がありますが、事前に埼玉県の担当部署に確認することを強くお勧めします。
なるほど。最後に、この補助金の基本情報をまとめて教えてもらえますか?
| 項目 | 内容 |
|---|
| 制度名 | 令和7年度埼玉県民間事業者CO₂排出削減設備導入補助金(緊急対策枠) |
| 補助率 | 補助対象経費の1/2 |
| 補助上限額 | 500万円(1事業所あたり) |
| 補助対象経費最低額 | 60万円以上 |
| 申請開始日 | 2026年4月27日 |
| 申請期限 | 2027年3月31日(予算額到達次第終了) |
| 対象地域 | 埼玉県内 |
| 対象事業者 | 埼玉県内で1年以上事業活動を営む中小企業者・個人事業主 |
| 申請方法 | 電子申請(先着順)・郵送等不可 |
| 事務局 | 株式会社日本旅行(委託先) |
| 電話番号 | 050-1871-2800(土日祝除く9時から17時まで) |
| 公式ページ | 埼玉県公式HP |
- 埼玉県内で1年以上事業活動をしているか
- 中小企業者の定義(資本金・従業員数)を確認したか
- 既存設備の製造年月日を機器銘板で確認したか(高効率設備更新の場合)
- CO₂削減量算定シート(最新版)をダウンロードしたか
- 補助対象経費の合計が60万円以上になるか見積を取ったか
- 交付決定前に発注しないことを業者と共有したか
- スマートCO₂補助金との重複に問題がないか確認したか
これだけ詳しく教えていただくと、実際に動けそうな気がしてきました!埼玉県内で設備が老朽化してる事業者には本当に使い勝手が良さそうですね。