室谷さん、今日は「東京都若者世代職場定着促進助成金」について伺いたいんですけど、まずこれ、どういう制度なんでしょう?名前だけ見ると、若者を雇ったらお金がもらえるってことですか?
おお、佐藤さん、その直球ど真ん中の質問、大好きですよ(笑)。まあ、半分正解で半分違うって感じかな。確かに若者を雇うことが前提なんだけど、ただ雇えばOKってわけじゃなくて、ちゃんと育成計画を立てて、職場に定着させる仕組みを作った事業主さんにお金を出すっていう制度なんです。
なるほど。つまり「採用して終わり」じゃダメで、その後のケアまでセットでやれってことですね。
そうそう。東京都が令和8年度に新たに始めたこの制度、補助率なんと100%で上限126万円!これはデカいっしょ?
えっ、100%!?つまり自己負担ゼロってこと?マジですか?
マジマジ。ただし、使えるお金にはちゃんと上限があるし、要件も細かいから、そこはしっかり押さえなきゃいけないんだけどね。
じゃあ具体的に、どういう企業が対象になるんですか?業種とか従業員数とか、縛りはありそうですか?
業種はね、なんとめちゃくちゃ広いんだよ。漁業、建設業、製造業、情報通信業、サービス業…ざっと数えて18業種!農業や林業、鉱業だって入ってる。要は、東京に事業所がある中小企業なら、ほぼ全部の業種が対象って思っていい。
へえ、それならウチの会社もいけるかも。でも「中小企業」ってどういう定義?従業員数とか資本金の制限はあるんですか?
ここがポイントでね、従業員数の制約なし!これ、かなり珍しいんだよ。普通、中小企業向けの補助金って「常時使用する従業員が○○人以下」って条件があるんだけど、この制度はそんなの一切なし。中小企業であれば、社員数に関係なく申し込める。
ええっ、じゃあ従業員3人の小さな町工場でも、100人のIT企業でも、同じ条件で申請できるってこと?
その通り!ただし、東京労働局管内に雇用保険適用事業所があることが絶対条件だから、東京にオフィスがないとダメだよ。
補助率100%って聞いてテンション上がったんですが、具体的な金額の内訳を教えてください!最大126万円って聞きましたけど、どうやったら126万円もらえるんですか?
よし、ここはしっかり説明するよ。基本は対象労働者1人あたり20万円なんだけど、これに色んな加算がくっつくんだ。
うん、加算は4種類ある。まず退職金制度整備加算が10万円、結婚・育児支援制度整備加算が10万円、介護支援制度整備加算が10万円、そして賃上げ加算が対象労働者1人あたり12万円。
つまり、基本の20万円×3人=60万円に、4つの加算を全部盛り込むと…いくらになるんですか?
計算してみよう。基本の3人分で60万円。退職金加算10万、結婚・育児加算10万、介護加算10万、賃上げ加算が3人分で36万円。全部足すと…126万円!そう、これが上限の126万円ってわけ。
おお、パズルみたいで面白い!でも、加算を全部受けるには条件があるんですよね?
そうそう。例えば退職金制度整備加算は、新たに退職金制度を整備して、就業規則を労働基準監督署に届け出る必要がある。結婚・育児支援制度加算も、新しく制度を作らなきゃいけない。そして介護支援制度加算は、なんと令和8年度から新しく加わったんだよ。
なるほど。これらの加算は「事業主1回限り」って書いてありますけど、どういう意味ですか?
つまり、1つの事業所で1回しか申請できないってこと。仮に今年、退職金制度を作って加算を受けたら、同じ事業所で翌年また退職金制度を作っても、2回目の加算はもらえないってわけ。慎重に計画しないとね。
賃上げ加算の12万円は、対象労働者1人につきって書いてありますけど、どれくらい給料を上げないといけないんですか?
条件は時間単価を60円以上アップすること。しかも、上げた後の賃金が東京都の最低賃金より60円以上高い必要がある。つまり、最低賃金が仮に1,000円だとしたら、1,060円以上にしないと加算対象にならないんだ。
60円アップって、時給換算だと月にどのくらいの負担になるんですか?
月160時間働くとして、60円×160時間=9,600円の賃上げ。でも補助金で12万円もらえるから、実質的には3ヶ月分以上の賃上げコストをカバーできる計算になる。
そう。支援期間は令和8年9月1日から11月30日までの3ヶ月間。この期間中に実際に賃上げを実施して、実績報告で証明する必要がある。
ここからは対象者の条件を詳しく見ていきましょう。まず、中小企業って言いましたけど、具体的な定義はあるんですか?
はい。この制度では、中小企業基本法に基づく中小企業者が対象。ただし、従業員数の制限はないから、業種ごとの資本金基準だけで判断されると思っていいよ。
もちろん!個人事業主も中小企業者に含まれるからね。でも、東京労働局管内に雇用保険適用事業所があることが絶対条件だから、東京で事業をやっている個人事業主じゃないとダメ。
じゃあ、正社員として雇う人にも条件があるんですか?
あるある、これが結構細かいんだ。まず、都が実施する就職支援事業の利用者であることが必須。具体的には「ものづくり産業人材確保支援事業」「成長産業人材雇用支援事業」「キャリアチェンジ再就職支援事業」の3つの事業の利用者じゃないといけない。
えっ、普通にハローワークから採用した人じゃダメなんですか?
残念ながらダメ(笑)。この制度は、都の就職支援事業を利用して採用した人に限定されてる。だから、事前に東京しごと財団が運営する事業に登録して、そこから紹介された人を雇うって流れが必要。
ああ、だから「若者世代」って名前なんですね。これらの事業って確か34歳以下が対象ですよね?
その通り!34歳以下の利用者が対象。ものづくり産業人材確保支援事業も34歳以下、成長産業人材雇用支援事業も同様。そして、令和6年4月1日以降に正規雇用された人じゃないとダメって要件もある。
そうなるね。あと、6ヶ月未満の非正規雇用を経て正規雇用に転換した人も対象になる。つまり、いったん契約社員で雇って、3ヶ月後に正社員にしたってケースでもOKってこと。
補助金で何に使えるのか、教えてください。例えば、パソコンを買うとか、研修に使うとか、そんなイメージですか?
うーん、ここがこの制度の面白いところで、設備や備品を買うためのお金じゃないんだよ。助成金の使途は、あくまで人材育成と労働環境整備に限定される。
じゃあ具体的にどんなものに使えるんですか?例えば、社員研修の費用とか?
そうそう。まず、指導育成計画の策定っていうのが基本。3年間の育成計画を作って、それに基づいて研修を実施する。その研修にかかる費用とか、チューター(指導役)を選任して指導したことに対する対価とか、そういう人件費的なものが対象になる。
残念ながら、この助成金は「特定の経費を補助する」タイプじゃないんだよ。どちらかというと、取組に対して定額で支給されるタイプ。つまり、20万円の基本助成は、指導育成計画を策定して研修を実施したこと自体に対して支払われる。
ああ、そういうことか。じゃあ、実際にかかった費用がいくらだろうと関係ないんですね。
そうそう。補助率100%って言ったけど、それは「取組を実施したら定額がもらえる」っていう意味での100%。実際には、20万円に対して経費が25万円かかったとしても、もらえるのは20万円。逆に15万円しかかからなくても、20万円もらえる(笑)。
加算の方はどうなんですか?退職金制度を作るって、具体的にお金がかかるイメージがあまりないんですけど。
確かに。退職金制度の整備って、就業規則を作り直したり、中退共(中小企業退職金共済)に加入したりする手間はかかるけど、直接的な支出は少ないかもしれない。でも、この助成金は「制度を作ったこと」に対して10万円支給するんだ。
結婚・育児支援制度も同じですね。制度を作ったことに対して10万円。
そう。そしてこの加算を取るためには、実際に就業規則を労働基準監督署に届け出る必要がある。ただ作っただけじゃダメで、ちゃんと労基署に提出して受理されないと認められない。
申請のスケジュールを教えてください。令和8年度の第3回申請って、いつからいつまでなんですか?
令和8年度は1回から6回まで申請期間が分かれてるんだけど、第3回は令和8年7月1日から7月31日まで。ちょうど1ヶ月間の受付期間だね。
意外と短い!7月1日って、もうすぐじゃないですか?
だから余裕を持って準備しないとね。支援期間は9月1日から11月30日までの3ヶ月間。そして実績報告は12月1日から12月25日まで。このタイムラインをしっかり把握しておかないと、せっかく支援期間中に頑張っても報告できなかったらお金がもらえない。
申請方法は電子申請と郵送があるんですよね?どっちがおすすめですか?
断然電子申請をおすすめするよ。理由は、書類の不備がその場でチェックしやすいし、何より早い。でも、電子申請するにはGビズIDプライムっていうアカウントが必要なんだ。
そう、それ。法人共通認証基盤っていって、国や都の補助金を電子申請する時に使うID。でも、これを取得するのに審査に時間がかかるから、今すぐ準備したほうがいいよ。
ケースバイケースだけど、1週間から2週間は見ておいたほうがいい。申請書類を提出する前にIDを取得して、さらにJグランツにログインできる状態にしておく必要がある。
郵送の場合は、書類を全部印刷して、レターパックなどの追跡可能な方法で送る必要がある。メール便や宅配便は信書扱いで使えないから注意。あと、消印有効だから、期間最終日7月31日の消印があればセーフ。
結構多いよ。まず事業実施計画書兼交付申請書、それに誓約書、同意書、支払金口座振替依頼書。そしてセルフチェックリストも必要。これらを全部、TOKYOはたらくネットからダウンロードして記入する。
手間がかかりそうですね…。でも、実績報告時にも書類が必要なんですよね?
そう。実績報告時には実績報告書、指導育成計画書、チューター選任・指導報告書、研修実施報告書。さらに加算を受ける場合は、結婚・育児支援制度なら様式13号、介護支援制度なら様式14号、賃上げなら様式12号が必要。
結構な量ですね。でも、ちゃんと計画して準備すれば大丈夫そう。
審査ってどんな基準で行われるんですか?やっぱり書類がきちんと揃っているかどうか?
基本的には書類審査だけど、ポイントは大きく3つある。1つ目は対象労働者の要件を満たしているか。都の就職支援事業の利用者かどうか、正規雇用日が令和6年4月1日以降かどうか。
そう。2つ目は指導育成計画の内容。3年間の計画がちゃんと作られているか、チューターが選任されているか、研修が実施されているか。これらが実績報告で確認される。
3つ目は加算の要件を満たしているか。例えば退職金制度なら、就業規則を労基署に届け出ているか。結婚・育児支援制度なら、実際に有給休暇や一時金の制度ができているか。書類だけでなく、実際の運用が伴っているかが見られる。
よくあるのが、対象労働者の条件を勘違いしているケース。例えば、普通に求人広告で採用した人を申請しようとしてしまうとか。必ず都の就職支援事業を経由して採用した人でないとダメ。
うん。特にセルフチェックリストの記入漏れ。これ、結構細かい項目があって、全部チェックしないと受付してもらえない。あと、電子申請の場合、Jグランツの操作ミスで提出できていないパターンも多い。
なるほど。じゃあ、余裕を持って準備することが大事ですね。
そうそう。申請期間は1ヶ月しかないから、その前にGビズIDを取得して、書類を準備して、さらに都の就職支援事業の利用者を確保しておく必要がある。
この制度自体は、東京都の他の助成金と併用できるケースがある。特に、東京都中小企業制度融資の「働き方改革支援」 とセットで使うと、信用保証料の補助が受けられる。ただし、国レベルの補助金との併用は要確認。
一言で言えば、「若者を雇って、ちゃんと育てる仕組みを作ったら、最大126万円もらえる都の制度」 ってこと。補助率100%で自己負担ゼロ、業種や従業員数に制限がないから、チャンスは大きい。
「申請は1年度に何回できるんですか?」っていう質問が多いね。答えは、1年度に1事業所で3人まで。しかも撤回届を出した場合は、年度内の申請回数にカウントされるから、むやみに出したり取り消したりできないんだ。
そう。撤回届提出期限後は、対象労働者の変更や追加もできないし、事業を中止した場合も年度内の申請回数にカウントされる。だから、計画は慎重に立てる必要がある。
「加算は同じ事業所で何回も取れますか?」って質問。答えは各加算は1事業主あたり1回のみ。だから、今年退職金加算を取ったら、来年はもう取れない。
そうそう。あとは「実績報告が間に合わなかったらどうなりますか?」って質問。実績報告受付期間に報告しないと、助成金は受けられない。支援期間中にちゃんと取組を実施して、期間内に報告書を提出する必要がある。
厳しいですね。でも、それを守れば確実にもらえるってことですよね?
そう。特にこの制度は補助率100%で、予算の範囲内であれば採択される可能性が高い。ちゃんと要件を満たしていれば、落ちることはまずないと思っていい。
もしわからないことがあったら、どこに聞けばいいですか?
東京都正規雇用化推進窓口に電話しよう。電話番号は03-6205-6730。受付時間は平日の午前8時30分から午後5時15分まで。あと、詳細な手引きはTOKYOはたらくネットからダウンロードできるから、まずはそれを確認するのが早い。
うん。申請様式も全部そこからダウンロードできる。手引きもPDFで用意されてるから、印刷してじっくり読むといいよ。
申請の流れ- 1
GビズIDプライムを取得
事前にデジタル庁のGビズID運用センターでアカウント申請。審査に1〜2週間かかるため、早めに行動。
- 2
都の就職支援事業で採用
ものづくり産業人材確保支援事業などの利用者を正規雇用。採用日は令和6年4月1日以降。
- 3
交付申請書類を準備
TOKYOはたらくネットから様式をダウンロード。事業実施計画書兼交付申請書を記入。
- 4
交付申請(7月1日〜7月31日)
電子申請または郵送で提出。電子申請の場合はJグランツからログイン。
- 5
支援期間(9月1日〜11月30日)
指導育成計画に基づいてチューター指導や研修を実施。加算対象制度を整備。
- 6
実績報告(12月1日〜12月25日)
実績報告書と必要書類を提出。期間を過ぎると助成金が受け取れないため注意。
令和8年度 第3回 スケジュール2026年7月1日
交付申請受付開始
午前8時30分から電子申請と郵送受付開始
2026年7月31日
交付申請受付終了
午後5時15分まで。郵送は同日消印有効
2026年9月1日
支援期間開始
育成計画の実施や制度整備を3ヶ月間で行う
2026年11月30日
支援期間終了
この日までに全取組を完了
2026年12月1日
実績報告受付開始
午前8時30分から受付
2026年12月25日
実績報告受付終了
午後5時15分まで。以降の報告は無効