室谷さん、今日は「プラスチック等資源循環システム構築実証事業」の三次公募を取り上げます。まず、この補助金の名前がめちゃくちゃ長いんですが、ざっくり何をするための事業なんですか?
一言で言うと、プラスチックなどの化石由来資源を減らして、バイオマス由来の素材やリサイクル技術に切り替える「実証」を国がお金でサポートする事業です。環境省が進める「脱炭素型循環経済システム構築促進事業」のうちの1本で、実際の公募や審査は一般社団法人日本有機資源協会が担当しています。
なるほど。つまり、環境省が作った大きな枠組みがあって、その中の「プラスチック等資源循環システム構築実証事業」に申し込むという形ですね。
その通りです。正式名称は「令和8年度 二酸化炭素排出抑制対策事業費等補助金 脱炭素型循環経済システム構築促進事業(うち、プラスチック等資源循環システム構築実証事業)」なんですけど、現場では「プラスチック等資源循環システム構築実証事業」と呼ぶのが普通です。
そうですね。化石由来資源をバイオプラスチック等の再生可能資源に転換したり、リサイクルが難しいプラスチックの再利用プロセスを新しく作ったりすることで、エネルギー起源のCO2排出を抑えるのが目的です。社会実装に向けた「技術的な課題の解決」にフォーカスしているのがポイントですね。
全部で4つに分かれています。1つ目は、化石資源由来プラスチックをバイオマスプラスチックなどに置き換える「代替素材事業」。2つ目は、今はリサイクルが難しいプラスチックの処理プロセスを開発する「リサイクル事業」です。
3つ目が、廃食用油や非食用米、古紙などの廃棄物系バイオマスからジェット燃料を作る「代替ジェット燃料等事業」。4つ目が、廃溶剤や廃潤滑油など、いまリサイクルが進んでいない廃油を再生する「廃油リサイクル事業」です。それぞれ技術的課題を解決する「実証」が対象になっています。
そうなんです。この事業は、研究だけでもなく、完全に商業化した事業でもなく、「社会実装に向けて技術的な課題がある事業の技術実証」を対象にしています。だから、実証終了後にどうやって社会に広げるかまで考えていないと厳しいですよ。
制度の特徴 技術実証に特化
社会実装に向けた技術的課題の解決を支援
4つの対象事業
代替素材・リサイクル・SAF等・廃油リサイクル
補助率は1/3~1/2
実証に必要な経費の一部を補助
どの事業も、環境省が掲げる脱炭素の流れに沿っているわけですね。では、次は気になるお金の話を聞かせてください!
実証に必要な経費の1/3から1/2を上限に補助されます。jGrantsの基本情報には「1/2以内、または1/3以内(公募要領参照)」と書かれていて、要するに経費の半分まで、あるいは3分の1まで国が持ってくれるケースがある、ということです。
半分まで来ると大きいですね。でも、なぜ1/2と1/3の違いがあるんですか?
そこが「公募要領参照」になっている部分で、事業の内容や規模によって補助率が変わる可能性があります。公式ページにも「実証に必要な経費の1/3~1/2を上限に補助します」とだけ記載されていて、どちらに該当するかは公募要領で確認する必要があります。
そうです。あくまで上限が1/2か1/3で、実際の採択額は審査を経て決まります。ここは誤解しないようにしてください。
驚くべきことに、一事業者あたりの補助金額上限はありません 。公式のQ&A的な記載にも「採択額は補助金上限の内数になります」とあり、事業ごとの個別の上限額は設定されていないんですね。
えっ、マジですか? 上限なしってすごくないですか?
ただし、注意が必要です。「補助金上限の内数」ということは、予算の範囲内で採択額が決まるということです。予算が無限にあるわけではないので、大規模な事業ほど、しっかり計画を詰めておかないと採択額が圧縮される可能性はあります。
なるほど。上限がないからといって無制限に申請していいわけじゃないんですね。
そういうことです。補助事業の期間は最大2年以内で、交付決定は年度ごとに行われます。だから、2年計画の事業を組む場合は、1年目と2年目でそれぞれ精算する流れになりますよ。
項目 内容 補助率 実証に必要な経費の1/3~1/2を上限 補助金上限額 一事業者あたりの上限なし(採択額は補助金上限の内数) 補助事業の期間 最大2年以内(交付決定は年度毎) 対象地域 全国
大きく分けて7つの類型があります。民間企業、独立行政法人、一般社団法人・一般財団法人、公益社団法人・公益財団法人、大学、国立または独立行政法人の研究開発機関、地方公共団体の研究開発機関、そしてその他に環境大臣の承認を経て協会が認める者です。
民間企業が真っ先に来てますね。個人事業主は対象外ですか?
公募要領では「民間企業」とされているので、個人事業主として応募できるかどうかは、要領の定義を確認しないと断言できません。ただ、対象業種のリストには「農業、林業」「漁業」「建設業」などがあり、幅広い事業者が想定されています。
ありません。jGrantsの基本情報には「従業員数の制約なし」と明記されています。中小企業だから無理、ということはないですね。
それは嬉しいですね。でも、何か条件はあるんですか?
重要な条件が2つあります。1つ目は、設立から1年以上経過していること 。2つ目は、GビズIDプライムアカウントが必要 ということです。
GビズIDプライムアカウントって、よく聞きますけど何ですか?
国が運営する法人用のIDで、補助金申請システム「jGrants」にログインするために必須です。注意したいのが、取得に2~3週間かかる場合がある と公式ページに明記されている点です。
2〜3週間! それなら締切ギリギリに気づいたら終わっちゃいますね。
そうなんですよ。ですから、まだプライムアカウントを持っていない場合は、今すぐ取得手続きを始めてください 。特に今回は三次公募で、募集期間が2026年8月7日から9月15日までと1ヶ月強しかありません。アカウント取得から逆算すると、相当早めの行動が必要です。
ちなみに、複数社で共同事業として応募することはできますか?
できますよ。複数の事業者が参画する共同事業でも申請可能で、その場合は代表事業者を決めて、その代表事業者が補助金の交付対象になります。代表事業者も設立から1年以上経過している必要があります。
申請資格の基本イメージ 設立から1年以上 GビズIDプライム必須 4つの対象事業に該当
なるほど。では、どんなお金に使えるのか、経費の話を詳しく聞きたいです!
環境省の公募資料には、「当該実証事業に必要となる設備費、業務費等の費用」とあります。つまり、実証のための設備導入費や、実証を行うために必要な業務を外注する費用などが対象になると考えられます。
設備費はイメージしやすいですね。実験装置とか、パイロットプラントとか。
そうですね。ただし、あくまで「実証に必要な経費」なので、実証と関係ない通常の事業運営費や、単なる設備投資は対象外になる可能性が高いです。判断に迷う経費は、公募要領とよくある質問を確認するのが鉄則です。
今回の提示資料には明記されていません。ですから、「これは対象になるの?」と思った経費は、必ず公募要領で確認してください 。勝手に「これは入るだろう」と思い込んで申請すると、後で精算時にトラブルになることがあります。
経費の考え方 実証に必要な設備費・業務費等が対象 補助率1/3~1/2で自己負担を軽減 × デメリット
対象外経費の判断は要領で要確認 精算は年度ごとに行われる
jGrantsのページには「販路拡大・海外展開をしたい」「研究開発・実証事業を行いたい」など、いろいろな利用目的が並んでいますよね。
はい。あれは補助金を探すときの分類用のタグです。実際にこの事業で重要なのは、4つの対象事業のいずれかに該当すること と、技術的課題の解決に向けた実証であること です。
つまり、タグがたくさん付いていても、中身が「実証」でなければダメだと。
まさにその通り。特に「イベント・事業運営支援がほしい」とか「まちづくり・地域振興支援がほしい」というタグもありますが、この事業ではメインの目的にはなりにくいでしょう。あくまでプラスチックや廃油、バイオマスに関する資源循環システムの実証が中心です。
そうですね。ここは結構大事なポイントで、公募要領には対象事業の「基本的要件」という資料もあります。応募する前に必ず読んで、自分の事業が本当に対象になるか確認してください。
申請の流れを教えてください。まず何から始めればいいですか?
最初のステップは、GビズIDプライムアカウントの取得 です。これはもう絶対条件なので、なければ最初に動きましょう。次に、公募要領を読んで、自社の事業が対象かどうかを確認します。
jGrantsの申請ページからダウンロードできます。公募要領のPDFのほか、申請様式や審査基準、交付規程なども一式そろっています。とにかく応募期間が短いので、初動が命ですね。
その前に、重要なものを忘れてはいけません。それが**「事業応募申請事前連絡票(様式1)」**です。これは本申請の前に、2026年9月4日(火)13:00までに、事務局のメールアドレスへ提出する 必要があります。
えっ、本申請の締切が9月15日なのに、事前連絡票は9月4日? かなり早いですね!
そうなんです。しかも「原則として」と書かれていますが、これを出していないと申請の正確性の確認ができないので、実質必須だと考えてください。メールの件名に事業区分を記載するルールもあります。
件名には「代替素材事業」「リサイクル事業」「代替ジェット燃料等事業」「廃油リサイクル事業」のいずれかを書いて、事業専用アドレス
pla2026@jora.jp に送ります。この辺りの細かい指定は漏れやすいので要注意です。
申請の流れ 1 2 3 事前連絡票を提出
9月4日13:00までにメール送信
4 5 jGrantsで申請
9月15日16:00までに送信
結論から言うと、説明会に参加しなくても事業採択に影響はありません 。公式にも明記されています。ただ、実際には申請方法の細かい解説や質疑応答の機会があるので、できるだけ参加したほうが得策です。
令和8年8月20日に「三次公募説明会」が開催される予定です。日時や申込方法の詳細は、日本有機資源協会のホームページに掲載されます。参加任意ですが、疑問をその場で解消できるチャンスですから、ぜひチェックしてみてください。
そうですね。そして、申請書類はjGrantsのフォームから提出します。提出書類には、応募申請書(様式2)、実施計画書(様式3)、経費内訳(様式4)、事業概要スライド、資金調達計画書などがあります。
三次公募のスケジュール 2026年8月7日
三次公募開始
応募申請受付スタート
2026年8月20日
三次公募説明会
参加任意・申込は要確認
2026年9月4日
事前連絡票締切
13:00までにメール送信
2026年9月15日
応募締切
16:00までにjGrantsで申請
書類が多いですね。特に実施計画書は、採択に直結しそうで緊張します。
あとで審査のポイントも話しますが、まずはスケジュールの全体感をつかんで、逆算して動き出すことが大切です。
採択されるために、どんなところを見られているんでしょう?
公募要領や対象事業の要件から読み解くと、大きく3つの観点があると思います。1つ目は、国内のエネルギー起源CO2排出量の削減に資する事業かどうか 。2つ目は、技術的課題の解決につながる実証かどうか 。3つ目が、実証終了後にどう社会実装・普及させるかが明確かどうか です。
そうなんです。例えば代替素材事業では「実証終了後に代替素材をどのような用途で普及を図るかが明確である事業」であることが要件に入っています。つまり、技術がうまくいきました、で終わりではなく、その後どう売っていくかまで考えておく必要があります。
じゃあ、技術者目線だけじゃなくて、ビジネス目線も必要ですね。
まさにその通り。リサイクル事業でも「実証終了後に実証したリサイクルをどのように実施していくかが明確である事業」とされています。廃油リサイクル事業や代替ジェット燃料等事業でも同様に、実用化への道筋が問われます。
なるほど。やっぱり「実証で終わり」ではなく、その先を見せられるかどうかが勝負ですね。
そうです。あと、熱回収(サーマルリカバリー)が主たる目的のものは対象外と明記されています。リサイクル事業は材料や化学原料としての利用が主目的でないといけません。このあたりの線引きも、申請前にしっかり確認しておきましょう。
採択のカギ
CO2削減効果・技術的課題の解決・実証後の社会実装計画の3点を、具体的な数値とスケジュールで示せるかが勝負。特に「実証後にどう広げるか」の具体性がないと、どんなに良い技術でも評価が下がると考えて準備しよう。
事前連絡票を出した後、申請までにやることは決まっていますが、時間的に結構タイトですね。
本当にそうですね。公募要領を読んで、必要書類をそろえて、社内で承認を取って、申請書類を仕上げるのは、軽く2週間は見ておいたほうがいいです。9月4日の事前連絡票提出までに、アカウント取得と事業計画の骨子を固めておきましょう。
4つの事業タイプが併記されていますが、自社の事業がどこに当てはまるか迷うことも多いんじゃないですか?
そうですね。特に「リサイクル事業」と「廃油リサイクル事業」は似ているように見えて、対象が違います。リサイクル事業は複合素材プラスチックなどリサイクル困難なプラスチックが中心。廃油リサイクル事業は廃溶剤や廃潤滑油など、いまリサイクルが進んでいない廃油が中心です。
代替ジェット燃料等事業は、SAFという言葉がニュースでもよく出てきますね。
そうですね。廃食用油や非食用米、古紙などの廃棄物系バイオマスを使って、ジェット燃料やその原料を製造し、社会実装する事業が対象です。こちらはプラスチックというより燃料系なので、事業の性格が明確に違います。
なるほど。代替素材事業はバイオプラスチック中心ですか?
はい。化石資源由来プラスチックを、バイオマスに切り替えたプラスチックや、紙・セルロースなどの再生可能資源素材に置き換える事業です。原料をバイオマスに切り替えたプラスチックの割合を増やす取り組みも対象に含まれます。
4つの対象事業の違い 視点 代替素材事業 リサイクル事業 代替ジェット燃料等事業 廃油リサイクル事業 対象 バイオプラスチック等への転換 リサイクル困難なプラスチック 廃棄物等バイオマス由来のSAF等 廃溶剤・廃潤滑油などの廃油 共通の考え方 CO2削減 CO2削減 CO2削減 CO2削減 補助率 1/3~1/2 1/3~1/2 1/3~1/2 1/3~1/2
どの事業でもCO2削減が軸になっているんですね。じゃあ、自分の会社がプラスチックの成形メーカーだったら、まず「代替素材事業」を検討する感じですか?
使っている原料が化石由来プラスチックで、それをバイオマス素材に切り替えて社会実装したいのであれば、十分候補になります。ただし、単に「原料を切り替えます」ではなく、その際の技術的課題と実証計画を具体的に示せることが条件です。
なるほど。どのタイプに該当するかで、問い合わせ先の事業区分の書き方も変わってきますよね。
そうです。メールの件名に「代替素材事業」「リサイクル事業」「代替ジェット燃料等事業」「廃油リサイクル事業」のいずれかを書くルールなので、まず自分がどこに該当するかを整理してから連絡しましょう。
制度の正式名称は「令和8年度 二酸化炭素排出抑制対策事業費等補助金 脱炭素型循環経済システム構築促進事業(うち、プラスチック等資源循環システム構築実証事業)」です。実施機関は一般社団法人日本有機資源協会。補助率は経費の1/3~1/2以内、補助期間は最大2年以内です。
2026年8月7日から2026年9月15日16:00まで。事前連絡票の提出期限は2026年9月4日13:00です。対象地域は全国で、従業員数の制約もありません。
一般社団法人日本有機資源協会の事務局です。担当は菅原さん、森田さん、本山さん、藤井さん。電話は03-3297-5618、メールは
pla2026@jora.jp 。件名に事業区分を書いて送ってください。
問い合わせ先
一般社団法人日本有機資源協会 事務局(菅原、森田、本山、藤井)
TEL: 03-3297-5618
E-mail: pla2026@jora.jp
件名に「代替素材事業」「リサイクル事業」「代替ジェット燃料等事業」「廃油リサイクル事業」のいずれかを記載
あと、公募説明会に参加しないと不利、ということはないんでしたっけ?
公式に「本説明会に参加しなくても事業採択に影響はありません」と書かれています。ただ、日時や申込方法は公募要領や協会のホームページで確認できるので、都合がつくなら参加したほうが安心です。
最後に、申請を検討している事業者がよく迷いそうなポイントを、軽くまとめておきましょう。
良いですね。まず「GビズIDプライムアカウントがないけどまだ間に合いますか?」という質問ですが、取得に2~3週間かかる可能性があるので、ギリギリだと間に合いません。9月15日締切に対して、今すぐ申し込むのが答えです。
「補助金の上限額はいくらですか?」という質問もありそうですね。
一事業者あたりの補助金額上限はありません。ただし、採択額は補助金上限の内数になるので、予算の範囲内で決まります。金額ありきではなく、事業計画をしっかり固めましょう。
「赤字でも申請できますか?」みたいな質問はどうでしょう?
公募要領に財務要件として明記されているかは、要領の確認が必要です。ただ、補助対象事業者になるためには設立から1年以上の実績が求められるので、ある程度の事業実績があることは前提になります。
「研究開発だけの段階でもいいですか?」という質問には?
「社会実装に向けて技術的な課題がある事業の技術実証」が対象です。純粋な基礎研究だけだと、実証後の社会実装計画を示せない可能性が高いので、対象に該当するかどうかは公募要領で確認してください。
なるほど。細かいところはやはり公募要領が最終確認事項ですね。
そうですね。公募要領のほか、対象事業の基本的要件や審査基準もPDFで公開されています。応募前に必ず一通り目を通すことをおすすめします。
1 補助率は実証経費の1/3~1/2以内 2 一事業者あたりの補助金額上限はなし 3 募集締切は2026年9月15日16:00 4 事前連絡票は2026年9月4日13:00まで 5 GビズIDプライムは2~3週間かかる場合あり 6 対象事業は4類型。実証後の社会実装計画がカギ
室谷さん、今日はありがとうございました。改めて、期限が9月4日と9月15日にあることを肝に銘じて、早めに動きたいと思います!
ぜひそうしてください。アカウント取得から始めて、事前連絡票を出して、本申請の準備をする。この流れを1日でも早く始めた人が有利ですよ(笑)。
わかりました! それでは、プラスチック等資源循環システム構築実証事業の三次公募を検討中の方は、まず今日中に公募要領をチェックしましょう!