今回の公募はどんな研究開発なの?
「経済安全保障重要技術育成プログラム」の研究開発項目〔3〕って何?

佐藤
編集長
室谷さん、今日のお題、名前だけで肺活量が試されますよ。
室谷: ある意味トレーニングですね(笑)。正式名称は「経済安全保障重要技術育成プログラム/航空機エンジン向け先進材料技術の開発・実証/研究開発項目〔3〕「国産ニッケル基超合金における評価システム基盤整備」の公募」です。
佐藤: えっ、これ、ひとつの補助金の名前ですか?
室谷: そうなんです。国の経済安全保障重要技術育成プログラムの中の、研究開発項目〔3〕を対象にした公募ですよ。
佐藤: 大きいプログラムがあって、その一部として募集がかかっているわけですね。
室谷: その通りです。NEDOが2023年度から実施している「航空機エンジン向け先進材料技術の開発・実証」の流れを受けて、今回は特に「国産ニッケル基超合金」に絞った研究開発になります。
佐藤: なるほど。航空機エンジン向けの材料を、国産で育てていこうという話なんですね。
室谷: しかも、ただ材料を作るだけでなく、その材料を評価するための仕組みまで整えることが今回のミッションです。
国産ニッケル基超合金って何に使うの?

佐藤
編集長
そもそもニッケル基超合金って、どういう場面で使う材料なんですか?
室谷: 航空機エンジンの中で、高温・高圧にさらされる動的部品への適用が想定されています。
佐藤: 動的部品って、エンジンの中で動く部品ですよね。すごく過酷な環境ですね。
室谷: だからこそ、材料そのものが強いだけでは足りません。実際の部品に使うには、認証を取る必要があります。
佐藤: 認証って、航空機関連の安全基準みたいなものですか。
室谷: 今回の公募では、認証取得を念頭に置いて、量産工程に基づく材料物性データの取得とデータベースの整備を実施することが事業内容として示されています。
佐藤: つまり、材料を作っただけで満足せず、量産を意識してデータを集め、きちんと評価できる状態にするまでが研究開発の範囲なんですね。
室谷: その理解で大丈夫です。ものづくりとデータベースづくりの両方が求められているのが特徴ですね。
研究開発期間はどのくらい?

佐藤
編集長
この事業に採択されたら、どのくらいの期間で研究開発を進めるんですか?
室谷: 公募情報によると、事業期間は2026年度から2028年度までです。
佐藤: 3年度にわたって動く計画を立てる必要があるわけですね。
室谷: そうです。単年度でパッと終わらせる研究ではなく、航空機エンジン向け材料の評価システム基盤を数年かけて育てていくイメージです。
佐藤: 国策として腰を据えて取り組む事業だというのが伝わってきます。
ここまでの内容を図にすると、こんなイメージです。
ここまでの内容を図にすると、こんなイメージです。
航空機エンジン向け
2023年度から続く研究開発プロジェクトの一部
高温・高圧の環境
動的部品への適用を目指す
認証取得を念頭に
量産工程に基づくデータが必要
評価システム基盤整備
データベースの構築までが対象

佐藤
編集長
なるほど。今回のテーマ、けっこう深いですね。
室谷: 深いです。でも国のプログラムだけあって、研究開発の意義は大きいですよ。
補助金額・補助率はいくら?
上限額が「—」ってどういうこと?

佐藤
編集長
いよいよ金額の話です。今回、いくらもらえるんですか?
室谷: ここは正直にお伝えしなければならないんですが、jGrantsの画面では補助上限額が「—」、補助率は「記載なし」なんです。
佐藤: えっ、マジですか? 公募なのに金額が出ていないんですか?
室谷: 現時点では、そうなっています。あくまでjGrantsの公開情報の時点で、上限額も補助率も「未公表」と見るのが正確です。
佐藤: それじゃあ、どのぐらいの費用がかけられるか分からないまま応募するんですか?
室谷: いえ、公募を検討するなら、NEDOの公式サイトで公募要領を確認するのが鉄則です。金額に関する細かい条件も、まずはそこで確認してください。
金額まわりを整理すると、こんな感じです。
金額まわりを整理すると、こんな感じです。
| 項目 | 公開情報 |
|---|---|
| 補助上限額 | —(公募要領で要確認) |
| 補助率 | 記載なし(公募要領で要確認) |
| 事業分類 | 研究(委託、共同研究、補助) |
| 応募方法 | Jグランツによる電子申請 |

佐藤
編集長
なるほど、数字だけ見ると情報が少ないんですね。
室谷: ただ、これは「制度が曖昧」という意味ではありません。公募要領や交付関係の資料に、必要なことがまとまっているはずです。
金額の細かい情報はどこを見ればいい?

佐藤
編集長
具体的な金額条件を調べるには、どこにアクセスすればいいですか?
室谷: NEDOの公募ページです。ページ内に**公募要領(578KB)や提案書に関する資料(716KB)**が置かれています。
佐藤: 資料をダウンロードして確認する流れですね。
室谷: その通りです。ほかにも知財マネジメント基本方針やデータマネジメント基本方針、特別約款など、公募参加にあたって押さえておきたい資料が公開されています。
佐藤: 書類が多そうですけど、研究開発型の公募はそれだけチェック項目も多いんですね。
室谷: とはいえ、最初から全部を完璧に読むより、まず「補助上限額」「補助率」「対象経費」の3つを探すつもりで目を通すと早いですよ。

佐藤
編集長
分かりました。数字が出ていないからと言って、勝手に「低そうだ」と決めつけないようにします。
室谷: それでいいと思います。正確な情報を正確に確認することが、一番の近道ですから。
誰が応募できる?対象者と対象業種は?
応募できるのは企業だけ?

佐藤
編集長
こういう公募って、やっぱり企業じゃないと応募できないんですか?
室谷: NEDOの公募情報では、対象者が「企業(団体等を含む)、大学等、研究者・研究チーム」と示されています。
佐藤: 大学の研究室でも応募の可能性があるんですね。
室谷: はい。企業だけでなく、大学や研究チームも対象になり得ます。
佐藤: 研究者個人でも名乗りをあげられる余地があると。
室谷: ここは軽率に「個人事業主なら大丈夫」とは言えません。個人で応募する場合も、事業実施体制や実施場所などを公募要領で確認しながら進めてください。
佐藤: 確かに、研究開発と言っても設備や人員の確保が必要ですからね。
室谷: 自社や自分の所属が想定対象に当てはまるかは、応募前に一度クリアにしておきたいところです。
対象業種「学術研究、専門・技術サービス業」ってどう見る?

佐藤
編集長
jGrantsの一覧を見ると、対象業種が「学術研究、専門・技術サービス業」になっていました。材料開発なのに製造業は入っていないんですか?
室谷: ここは多くの方が引っかかりそうなポイントです。私も最初、「あれ?」と思いました。
佐藤: ですよね。合金をつくることがテーマなんだから製造業っぽいのに、なぜ学術研究や専門・技術サービスなんだろう、と。
室谷: ただ、NEDOの公募要項では「企業(団体等を含む)、大学等、研究者・研究チーム」が対象者とされています。
佐藤: ということは、jGrantsの業種タグだけを見て判断するのは危ない?
室谷: ええ。じっくり見ると、今回の事業は材料自体の大量生産というより、材料を評価するデータを取得し、データベースを整備する研究開発です。だから「学術研究」や「専門・技術サービス業」という分類が出ているのかもしれません。
佐藤: なるほど。それなら納得できます。
室谷: ただし、あくまで私の読み方です。自社の業種登録が異なる場合は、公募要領を確認するか、問い合わせ先に確認してください。
佐藤: 申請してから「対象外でした」では悲しいですからね。
室谷: そう。応募前にしっかり確認するのが安全です。
応募までの流れと注意点は?
第一関門は「GビズID」の準備

佐藤
編集長
応募するときの手続きはどうなっているんですか?
室谷: 公募の受付はJグランツで行われます。応募にはGビズIDプライムまたはGビズIDメンバーのアカウントが必要です。
佐藤: えっ、また新しいIDの話ですか。
室谷: GビズIDを持っていない場合、取得に2週間以上かかるケースもあるとNEDOの予告でも案内されていました。
佐藤: じゃあ、今から考え始めても、全然早すぎることはないですね。
室谷: そう。むしろ募集期間に入ってから準備すると、締切に間に合わない恐れがあります。
佐藤: 申請だけなら、誰かに代行してもらえるんですか?
室谷: jGrants上では、この制度は代理申請が不可と表示されています。本人がログインして申請する形になります。
説明会は9月10日11時から12時

佐藤
編集長
公募内容の説明会とかは開かれるんですか?
室谷: NEDOがオンライン説明会を開催します。日時は2026年9月10日(木)11時〜12時です。
佐藤: Teamsで開催されるんですね。
室谷: 説明会への出席は必須ではないものの、参加が推奨されています。説明会の申込期限は2026年9月9日(水)正午です。
佐藤: 前日までに申し込めばいいんですね。
室谷: 説明会では、公募内容や契約手続き、提出書類の説明があります。余裕があれば参加しておくと、応募書類のイメージがつかみやすくなりますよ。
佐藤: じゃあ、まず申し込むところから動き始めます。
書類はメールや郵送では出せない?

佐藤
編集長
提出方法はJグランツだけですか?
室谷: その通りです。NEDOの公募案内には、持参、郵送、FAX、E-mailによる提出は原則受け付けないと明記されています。
佐藤: 意外と厳しいんですね。
室谷: だからこそ、事前の準備が大事です。公募要領や提案書に関する資料をダウンロードし、締切に余裕をもって申請してください。
佐藤: 締切の時刻も確認しておきます。
室谷: 受付期間は2026年9月4日(金)から2026年10月5日(月)正午までです。正午締切なので、午前中からシステムが混み合う可能性も考えておきましょう。
申請フローをまとめると、次のステップになります。
申請フローをまとめると、次のステップになります。
- 1GビズIDを取得Jグランツ申請に必要。2週間以上かかる場合も
- 2NEDOの公募ページを確認公募要領と提案書資料をダウンロード
- 3オンライン説明会に参加必須ではないが参加推奨。事前申込が必要
- 4Jグランツで応募2026年10月5日正午までに電子申請

佐藤
編集長
流れだけ見ると、そこまで難しくはないですね。
室谷: ただ、やることが並んでいるので「あとでいいや」と先延ばしにすると詰みます。特にGビズIDは時間がかかる可能性があるので、最優先です。
採択される提案にするためのヒントは?
公募の要旨にある“キーワード”を外さない

佐藤
編集長
いざ応募するとなると、どんな提案書を書けばいいか気になります。
室谷: まず公募ページに書かれている事業内容を丁寧に読み込むことが大事です。
佐藤: 今回で言うと、「国産ニッケル基超合金」「高温・高圧」「動的部品」「認証取得」「量産工程」「材料物性データ」「データベース」あたりがキーワードですね。
室谷: ぴったりです。特に今回は認証取得を念頭に置くと言い切られているのが特徴です。
佐藤: 材料としての品質だけでなく、認証に耐え得るデータをそろえる視点が求められているんですね。
室谷: その通りです。提案書でも「どうやって認証を見据えたデータを取るのか」を語れるかが大きなポイントになりそうです。
「量産工程に基づくデータ」という表現をどう読む?

佐藤
編集長
「量産工程に基づく材料物性データ」という表現が気になっています。
室谷: いいところに目をつけましたね。材料研究は、実験室レベルでうまくいった、で終わりにしないことが大事です。
佐藤: 実際に量産することを考えたとき、同じ材料でも品質や特性にばらつきが出そうですもんね。
室谷: だからこそ、量産工程を意識した材料データの取得が求められています。提案書では、実験室のデータだけではなく、量産を見据えた工程設計に触れると説得力が出るでしょう。
佐藤: なるほど。研究テーマの深掘りが、そのまま採択への近道になりそうですね。
データベース整備まで視野に入れる

佐藤
編集長
この事業ではデータベースの整備も含まれていますよね。
室谷: はい。材料の物性データをただ取得するだけでなく、それを整理して使える状態にするところまでが事業範囲です。
佐藤: データを取って、ためて、評価できる形にする。きれいな流れですね。
室谷: だから研究開発の成果物を「材料サンプル」で終わらせるのではなく、「材料とデータのセット」で出すイメージです。
佐藤: 審査で見られているのは、やはり事業目的と提案内容の一致度なんですかね。
室谷: 審査の詳細な評価項目は公募要領に示されているはずです。最終的にはそちらを確認してください。ただ、公式の事業説明に出ている言葉は、すべて提案書の軸にできると考えて間違いないですよ。

佐藤
編集長
公募要領を読み込むのが、結局一番の近道なんですね。
室谷: そうなんです。公式の言葉を使いこなすと、提案書の軸がブレにくくなりますよ。
研究開発に使える経費の範囲は?
使途は「研究開発・実証事業を行いたい」

佐藤
編集長
応募が通ったら、何に経費を使えるんでしょうか。
室谷: jGrantsの利用目的には「研究開発・実証事業を行いたい」とあります。つまり、普通に考えると研究開発や実証に必要な費用が中心になるはずです。
佐藤: たとえば材料の試作費とか、評価試験の費用とかですか。
室谷: そのような費用が想定されそうですね。ただ、具体的な費目については公募要領や交付要綱で確認していただく必要があります。
佐藤: ということは、まだ「この備品はOK」みたいなリストは出ていない?
室谷: 公開されている範囲では、経費の分類表までは確認できませんでした。事業の性格から「材料物性データの取得」「データベースの整備」に関わる費用は検討対象になりそうですが、最終判断は必ず公募要領で行ってください。
対象外経費はどうやって調べる?

佐藤
編集長
逆に、これは経費にできないよ、という線引きはどこで分かりますか?
室谷: ここも公募要領で確認するのが基本です。
佐藤: やっぱりそうなりますよね(笑)。
室谷: 研究開発系の公募では、設備費、人件費、消耗品費、外注費などが分類されますが、どの費目が対象になるかは制度ごとに違います。
佐藤: 自己判断で「これ、経費にできますよね」と申告するのは怖いですね。
室谷: 応募前の質問期間や説明会で確認できる場合もあるので、早めに書類を読んで不明点を洗い出しておくのがおすすめです。
メリット
- 研究開発・実証事業の実施が利用目的の柱
- 材料物性データの取得やデータベース整備が事業内容として明示
- 委託・共同研究・補助の枠組みで実施される
×デメリット
- 現時点では経費科目の一覧が公開情報にない
- 上限額・補助率も未公表
- 使途の可否は公募要領で確認する必要がある

佐藤
編集長
要するに「楽観的に決めつけない」ことが大事ですね。
室谷: 補助金は「多めに申請しておけば通る」ものではないですから、根拠のある計画を組み立ててください。
スケジュールと基本情報まとめ
応募までのタイムライン

佐藤
編集長
締切までの動き方をもう一度整理したいです。
室谷: まず公募受付開始は2026年9月4日(金)です。この日にNEDOのページで公募要領が確認できます。
佐藤: それから説明会の申込が9月9日まで、説明会が9月10日ですね。
室谷: 応募の締切は2026年10月5日(月)正午です。ここから逆算して、書類準備と社内調整を進めましょう。
佐藤: 説明会を聞いてから応募書類を仕上げるので、実質3週間ちょっとですね。
室谷: ちょうどいいタイミングです。先に公募要領へ目を通し、説明会では重要な変更点を確認するという使い方がいいと思います。
- 2026年9月4日(金)公募受付開始NEDOサイトで要領を確認
- 2026年9月9日(水)正午説明会申込締切オンライン開催
- 2026年9月10日(木)11時〜12時オンライン説明会Teamsで開催、日本語
- 2026年10月5日(月)正午申請締切Jグランツで電子申請
基本情報をまとめてチェック

佐藤
編集長
最後に、今回の基本情報をサッと確認できる表があると助かります。
室谷: では、ここで一気にまとめましょう。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 制度名 | 経済安全保障重要技術育成プログラム |
| 対象事業 | 航空機エンジン向け先進材料技術の開発・実証/研究開発項目〔3〕「国産ニッケル基超合金における評価システム基盤整備」 |
| 実施機関 | 国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO) |
| 事業期間 | 2026年度〜2028年度 |
| 公募期間 | 2026年9月4日(金)〜2026年10月5日(月)正午 |
| 対象地域 | 全国 |
| 対象業種 | 学術研究、専門・技術サービス業 |
| 対象者 | 企業(団体等を含む)、大学等、研究者・研究チーム |
| 事業分類 | 研究(委託、共同研究、補助) |
| 応募方法 | Jグランツで電子申請 |
| 公式URL | https://www.jgrants-portal.go.jp/subsidy/a0WJ200000CDdonMAD |

佐藤
編集長
ざっと見ても、確認すべきポイントが整理されていますね。
室谷: 特に重要なのは、公募期間と事業期間です。応募するなら、まずこの2つをカレンダーにいれてください。
問い合わせ先と最後の注意

佐藤
編集長
どうしても分からないことがあったら、どこに聞けばいいですか?
室谷: NEDOの航空・宇宙部が担当です。担当者は井手口さんと高津さん。E-mailは「aircraft_engine_materials[]nedo.go.jp」で、[]を@に変えて連絡します。
佐藤: メールアドレスがそのまま載っていないのがセキュリティ対策ですね。
室谷: そういうことです。もちろん、問い合わせの前に公募要領や関連資料はひととおり確認しておきましょう。

佐藤
編集長
一番の早業は、GビズIDを確認するところからですね。
室谷: そうですね。情報収集と並行して、IDの準備を始めましょう。補助金申請は「知っていたのに間に合わなかった」が一番もったいないですから。
佐藤: 確かに。締切は2026年10月5日正午。ここを目標に動きます!
室谷: 応募を考えている方は、ぜひ今回の記事を出発点に、公式情報へアクセスしてみてください。