室谷さん、今日はNEDOのちょっと変わった公募を見つけてきたんですよ。「EBPM」って言葉がタイトルに入っているんですけど、これって補助金なんですか?
いいところに目をつけましたね、佐藤さん。これはNEDO──国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構が、実施者を広く一般に募集する「調査等」の公募です。jGrants上の事業分類も「調査等」と記されています。なので「設備を買うためのお金を配る」というより、「この調査を担ってくれる相手を探している」という性格が強いんですよ。
なるほど、相手探し。でもjGrantsに載っているってことは、お金の話もあるんですよね?
あります。ただ、そこがこの公募のややこしいところで、補助上限額は「-」、補助率の記載もなしなんです。代わりに公募ページには、調査ごとの予算規模として「総額2000万円以内」という数字が出ています。
お、2000万円! でもそれが上限なのか総額なのか、ちゃんと区別して伝えないといけないやつですね。
そう、まさにそこです。あくまで「予算規模」なので、これを補助上限額として扱うと誤解を生みます。この記事でもその区別は最後まで崩さずにいきますね。
公式の概要によると、NEDOは2004年度以降、プロジェクト終了後を対象にした追跡調査・評価を続けてきたんです。追跡アンケート調査、インタビュー、ケーススタディといった手法ですね。
へえ、2004年度から。かなり息の長い取り組みなんですね。
そうなんです。ただ、終了後のデータを貯めるだけでは、研究開発特有の遅効的なアウトカムやインパクトは見えても、機動的に施策を打つための因果関係の特定や、マネジメントへの還元・利用が難しい側面がある。これが公式ページに書かれている課題認識です。
そういうことです。だから今回は、プロジェクトの企画から実施中に着目して、モニタリング指標の設計とデータ取得のあり方を検討する。ここが新しいところなんです。
うーん、まだ輪郭がぼんやりしてるので、特徴を整理してもらえますか?
いいですよ。ポイントは4つです。事業分類は調査等で、実施者を広く一般に募集していること。調査〔1〕と調査〔2〕という2本立てであること。着目するのは終了後ではなく企画から実施中であること。そして対象者が企業・大学等・研究者チームまで広がっていることです。
ここまでが全体像です。では次は、いちばん気になるお金の話、予算規模と調査〔1〕〔2〕の違いを見ていきましょう。
この公募の特徴調査等の公募
事業分類は調査等。実施者を広く一般に募集
2本立ての調査
調査〔1〕と調査〔2〕を独立した調査として公募
企画~実施中に着目
終了後の追跡ではなく研究開発プロセスに注目
企業も大学も研究者も
対象者は企業(団体等を含む)、大学等、研究者・研究チーム
さっき「調査ごとの予算規模」って言いましたよね。複数あるんですか?
はい、2つあります。調査〔1〕が「NEDOマネジメントから見た研究開発プロセスのロジックモデルの検討」、調査〔2〕が「社会実装観点から見た研究開発プロセスのロジックモデルの検討」です。
ロジックモデル、ロジックモデル……同じ言葉が並んでますね。
そう、入り口が違うんです。片方はNEDOのマネジメント側からの視点、もう片方は社会実装の観点からの視点。同じ「研究開発プロセスのロジックモデル」でも、立っている場所が違うわけですね。
細かい中身は仕様書_調査〔1〕と仕様書_調査〔2〕という別々の資料に分かれています。公募ページからダウンロードできますので、応募する側は自分の応募する方の仕様書を読むことになります。
公募ページによると、調査〔1〕も調査〔2〕も、予算規模は総額2000万円以内。実施期間は両方とも**2026年度~2027年度(2027年6月30日まで)**です。
同じ金額、同じ期間。じゃあ両方応募すると合計4000万円……なんて単純に足しちゃダメなやつですね。
そのとおりです。これは「調査〔1〕に2000万円以内」「調査〔2〕に2000万円以内」というそれぞれの枠の話。合算してひとつの数字として扱うのはやめましょう。あくまで独立した2つの調査です。
できます。公式には「いずれか一方の調査のみへの応募、又は両調査への応募のいずれも可能」と明記されています。ただし、応募を希望する調査ごとに提案書を作成する必要があります。
でもさっき、補助上限額は「-」って言いましたよね。予算規模はあるのに上限がないって、どういうことですか?
これはjGrants上の項目として、補助上限額が「-」、補助率も記載なしになっている、という意味です。だから「いくらもらえるのか」を確定させるには、公募要領で要確認なんですよ。
書けるのは「予算規模 総額2000万円以内」という表現までです。それを「補助上限2000万円」と言い換えてしまうのは正確じゃありません。そこは丁寧にいきましょう。
了解です。読者さんにもそこは誤解してほしくないなあ。では次は、誰が応募できるのかを見ていきましょう。
調査〔1〕と調査〔2〕の比較| 項目 | 調査〔1〕 | 調査〔2〕 |
|---|
| テーマ | NEDOマネジメントから見た研究開発プロセスのロジックモデルの検討 | 社会実装観点から見た研究開発プロセスのロジックモデルの検討 |
| 予算規模 | 総額2000万円以内 | 総額2000万円以内 |
| 実施期間 | 2026年度~2027年度(2027年6月30日まで) | 2026年度~2027年度(2027年6月30日まで) |
| 応募の単位 | 独立した調査として公募 | 独立した調査として公募 |
ここからは、うちの読者さんが一番気にするところです。誰が応募できるんですか?
公募ページの対象者は「企業(団体等を含む)、大学等、研究者・研究チーム」と書かれています。企業だけでなく大学等も、研究者チームも対象に入っているのがポイントですね。
jGrants側では対象業種として「学術研究、専門・技術サービス業」が挙がっています。ここは自分の業種が当てはまるかを必ず確認してください。
なるほど。調査やコンサル系の会社はイメージしやすそうですね。
そうした業種の方は具体的に想像しやすいと思います。ただ最終的な判断は公募要領で確認をお願いします。
jGrantsの情報では「従業員数の制約なし」となっています。ここは人数で足切りされるタイプではないんですね。
じゃあ中小企業でも大企業でも、大学の研究室でも同じ土俵?
そういう書きぶりになっています。ただし繰り返しになりますが、応募資格の細かいところは公募要領で要確認です。応募前に必ず一次情報にあたってください。
うちの読者さんからよく聞かれるんですけど、代行で出してもらうことはできますか?
jGrants上では「当サイトの代理申請:不可」と明示されています。ですから、自分で申請する必要があります。持参、郵送、FAX、Eメールによる提出も原則受け付けません。
えっ、郵送もダメなんですか!? それは知らないと痛いなあ。
そうなんですよ。応募はJグランツ上の申請フォームから、と決められています。「紙で出せばいいや」と思っていると詰みます。
こわいこわい。じゃあ次は、いつまでに何をすればいいのか、スケジュールを確認しましょう!
応募できるかどうかの確認業種は学術研究、専門・技術サービス業に当てはまる?
はい対象者(企業・大学等・研究者チーム)に当てはまれば応募を検討
従業員数の制約はなし
公募期間は2026年9月25日から2026年10月16日まで。応募期限は2026年10月16日(金)正午までです。
そこが落とし穴です。しかも公式には「応募状況等により、公募期間を延長する場合があります」と書かれているので、締切は必ず最新のページで確認してください。
延長されることもある、と。でも延長される前提で油断は禁物ですね。
そのとおりです。余裕をもって提出してください、と公式にも書かれています。
あります。2026年10月2日(金)15時00分から16時00分まで、Microsoft Teamsを使ったオンラインで開催されます。申込期限は2026年10月2日(金)正午です。申し込むと、会議URLが登録したメールアドレスに送られてきます。
当日の正午までに申し込めばいいんですね。説明は日本語ですか?
はい、説明は日本語で行うと記載されています。応募予定の方は可能な限り出席してください、というアナウンスですね。
はい。事業内容や公募手続き、留意事項について説明があると書かれていますから、行けるなら行く価値はあります。
ところで、この公募って2026年9月25日が起点なんですか?
いえ、実はそれより前から動いています。2026年7月3日に予告が出ていて、情報提供依頼、いわゆるRFIと、事前説明会の案内が掲載されていたんです。
そうです。調査内容が成立するかどうか、検討範囲はどうか、といった観点で情報提供を募っていたんですね。受付期限は8月20日(木)正午。事前説明会は2026年7月15日(水)15時00分から16時00分までで、こちらもオンラインでした。予告段階では公募開始予定日は2026年9月上旬とされていました。
へえー、そこから9月25日の公募開始につながったわけだ。段取りが見えると面白いですね。
そうなんですよ。では次は、実際の応募手続きの流れを見ていきましょう。ここが山場です。
ここまでのスケジュール2026年7月3日
予告を公開
RFIと事前説明会の案内を掲載
2026年7月15日
事前説明会
15時00分~16時00分/オンライン
2026年8月20日
RFI受付期限
正午締め切り
2026年9月25日
公募開始
公募要領・仕様書などを公開
2026年10月2日
説明会
15時00分~16時00分/申込期限は正午
2026年10月16日
応募期限
正午まで/Jグランツで申請
実際の応募手順を教えてください。何から始めればいいですか?
まずGビズIDです。Jグランツでの応募には、GビズIDプライムまたはGビズIDメンバーのアカウントが必要なんですよ。
えっ、何それ。聞いたことはあるような、ないような。
公式の予告ページには、取得には2週間以上かかる場合もあると書かれています。しかも「余裕をもって登録手続きを行ってください」とわざわざ注意書きがあるんです。
2週間以上!? 締切直前で気づいたら完全に詰むやつだ。
まさにそういう設計です。公募期間が2026年9月25日から10月16日までなので、期間内に駆け込みでIDを取るのはかなり危険です。
公募ページの資料欄から必要な書類をダウンロードして、Jグランツ上で応募申請します。応募を希望する調査ごとに提案書を作って、申請フォームから送る流れです。
はい、原則受け付けません。提出はJグランツ経由、これだけです。調査〔1〕と〔2〕の両方に応募する場合は、それぞれの提案書を用意して、それぞれ申請する形になります。
そうなりますね。だからこそ、どちらに注力するかは早めに決めた方がいいと思います。
公募ページの資料として、公募要領、仕様書_調査〔1〕、仕様書_調査〔2〕、提案書チェックリスト、別添1_提案書、別添2_提案書情報、別添3_NEDO事業遂行上に係る情報管理体制の確認票、別添4_秘密情報等の管理に係る特別約款が並んでいます。
どれを提出するか、どの様式に何を書くかは公募要領で要確認です。ただ、提案書と提案書情報の様式が別添で用意されているので、そこに沿って書くのは間違いありません。
チェックリストがあるのはありがたい。提出前の見直しに使えそうです。
そうですね。抜け漏れチェックに使ってください。では次は、審査を突破するためのポイントを見ていきましょう!
応募の流れ- 1
公募要領と仕様書を確認
調査〔1〕と調査〔2〕で仕様書が分かれている
- 2
GビズIDを準備
プライムまたはメンバー。取得に2週間以上かかる場合あり
- 3
説明会に申し込む
2026年10月2日(金)正午まで
- 4
- 5
Jグランツで申請
2026年10月16日(金)正午まで
まず大前提として、公募要領と、自分の応募する方の仕様書を読み込むことです。調査〔1〕と〔2〕で仕様書が分かれているので、混ぜて読むとズレます。
片方だけ読んで「だいたい同じだろう」で書くと危ない、と。
危ないですね。テーマの入り口が「NEDOマネジメント」と「社会実装観点」で違うので、提案の切り口も変わってくるはずです。あとは提案書チェックリストを活用すること。提出前に必ず通しましょう。
公式ページに書かれている本調査の狙いははっきりしています。「NEDOのプロジェクトマネジメントにおける、研究開発活動へのフィードバック機能の高度化」に向けて、プロジェクト企画から実施中に着目したモニタリング指標の設計とデータ取得のあり方を検討する、というものでした。
そう。だから提案書も、この狙いからずれていないかを自分の目で確認する。終了後ではなく、企画から実施中、というところに重心があることを外さないでください。
終了後データの話ばかり書いちゃうと、ズレる可能性があるわけですね。
そういうことです。公募要領の記載と照らし合わせて、そこは丁寧に詰めてください。
公式には「応募を希望する調査ごとに提案書を作成し」と書かれています。だから基本的には、それぞれの調査に合わせた提案書を用意する形になります。
そう読むのが自然ですね。調査〔1〕用、調査〔2〕用と、資料も仕様書も分かれているので、セットで管理するのがおすすめです。
ファイル名とかも整理しておかないと、提出時にぐちゃぐちゃになりそう。
そこが一番もったいないミスになります。では次は、契約や情報管理まわりで気をつける点を見ていきましょう。
お金の話で気になるんですが、これは普通の補助金と同じ感覚でいいんですか?
違います。公募ページには「契約手続きについて」というセクションがあって、委託事業・補助・助成事業の契約手続きに関する情報が別途掲載されているんです。つまり、契約の手順を確認しておく必要があるんですね。
はい。公募ページには「公募参加にあたっては、契約約款をご確認ください」とも書かれています。応募の前に一通り目を通しておくべきものです。
さっきの資料リストに「情報管理体制の確認票」ってありましたよね。あれは何なんですか?
別添3が「NEDO事業遂行上に係る情報管理体制の確認票」、別添4が「秘密情報等の管理に係る特別約款」です。情報の扱いについて確認を求められる資料が、ちゃんと用意されているんですね。
研究開発のデータを扱う調査だから、そこは厳しそう。
そうですね。どんな内容をどう書くかは公募要領で要確認ですが、応募する以上は避けて通れない書類です。早めに開いて、何を求められているかを確認しておくのが安全です。
予告のページにこう書かれています。本事業は政府予算に基づき実施するため、予算案等の審議状況や政府方針の変更等により、事業や公募の内容等が変更されることがあります、と。
あり得る、という注記ですね。だからこそ、申し込む直前にもう一度公式ページを開いて、最新の内容を確認する。これが一番大事な心構えだと思います。
締切や要件が変わってないか、こまめにチェックですね。
そういうことです。では最後に、基本情報とよくある質問をまとめて確認しましょう!
応募のメリットと注意点- 対象地域は全国
- 従業員数の制約なし
- 企業・大学等・研究者チームが対象
- 一方の調査だけでも両方でも応募できる
×デメリット
- Jグランツ応募にはGビズIDが必要で取得に2週間以上かかる場合がある
- 代理申請は不可
- 持参・郵送・FAX・Eメールでの提出は原則不可
- 補助上限額・補助率は記載がなく公募要領で要確認
- 政府予算の審議状況などで内容が変更されることがある
NEDO事業統括部 追跡調査・評価課です。担当者は柳田さん、立花さん、小山さん。メールアドレスは tsuiseki_koubo[]nedo.go.jp で、[]の部分を@に変えて使います。
あ、そこ変換するんですね。うっかりそのままコピーしちゃいそう。
そこはよくある引っかかりポイントです(笑)。あと、公募情報のお知らせはNEDO公式X(@nedo_info)で随時配信されていると書かれています。
いいですよ。制度名、実施機関、募集期間、対象地域、対象業種、対象者、従業員数、補助上限額、補助率、予算規模、実施期間、代理申請、公式URLを一気に並べます。
そうですね。ただし補助上限額と補助率は記載がないので、そこは公募要領で要確認としてあります。
| 項目 | 内容 |
|---|
| 制度名 | 研究開発プロセスを起点とした動的なEBPMのための指標設計及びデータ活用戦略の策定に係る調査 |
| 実施機関 | 国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO) |
| 事業分類 | 調査等 |
| 募集期間 | 2026年9月25日~2026年10月16日(応募期限:2026年10月16日(金)正午) |
| 対象地域 | 全国 |
| 対象業種 | 学術研究、専門・技術サービス業 |
| 対象者 | 企業(団体等を含む)、大学等、研究者・研究チーム |
| 従業員数 | 制約なし |
| 補助上限額 | -(記載なし/公募要領で要確認) |
| 補助率 | 記載なし(公募要領で要確認) |
| 予算規模 | 調査〔1〕総額2000万円以内/調査〔2〕総額2000万円以内 |
| 実施期間 | 2026年度~2027年度(2027年6月30日まで) |
| 代理申請 | 不可 |
| 公式URL | https://www.jgrants-portal.go.jp/subsidy/a0WfQ000003F3K1UAK |
ありがとうございました。最後に今日のポイントを一言でお願いします!
募集期間が短く、GビズIDの準備に2週間以上かかる場合がある。だから「興味がある」と思った時点で動き出すのが一番大事、ということです。
たしかに。締切だけ見て後回しにすると、ID取得で詰みますもんね。
そうなんですよ。予算規模は総額2000万円以内で、調査〔1〕〔2〕それぞれの枠。対象者は企業・大学等・研究者チームで、業種は学術研究、専門・技術サービス業です。ここを押さえて、公募要領と仕様書をしっかり読んでください。