室谷さん、浅草や谷中あたりの商店街に自分のお店を出したいと思ってる人って多いですよね。でも開業直後って売上が安定しないから、毎月の家賃が一番怖くて。
そうなんですよ!実は台東区にはそういう不安をぐっと減らしてくれる制度があって、「商店街空き店舗活用支援(事業者支援)事業」の賃借料補助金というやつです。商店街の空き店舗で新規出店する事業者に対して、月額5万円を上限に最長3年間の家賃補助が受けられるんですよ。
3年間で合計すると最大180万円の家賃支援になります。それだけじゃなくて、同じプログラムに改修費補助金(上限200万円)もあるので、両方を活用すれば出店に関わるコストを最大380万円も圧縮できるんです。
えーっ!改修費と家賃、両方もらえるんですか!それはもう出ない理由がないですね(笑)
ただし、それぞれ申請件数に上限がありますよ。改修費補助・賃借料補助それぞれ年間5件というかなり狭き門なんで、早めに動くことが大事です。
じゃあまず基本的な補助内容を教えてください。月額5万円と言いましたが、実際の家賃が5万円以上だったらどうなるんですか?
上限が月額5万円なので、月10万円の家賃だったら5万円が補助されて自己負担5万円という計算になります。逆に月3万円の家賃なら、家賃の2分の1の1万5千円が補助される仕組みです。補助率は「家賃(敷金・礼金を除く)の2分の1」ですね。
なるほど。家賃5万円以下の物件なら半額出るということですね。
そうです。それと重要なのが、家賃補助と改修費補助はセットで設計されている点。同じ台東区の
改修費補助金(最大200万円)と組み合わせることで、開業時の初期費用(内装改修費)と毎月の固定費(家賃)の両方をカバーできるんですよ。
| 補助種別 | 補助内容 | 補助率 | 上限額 | 期間 |
|---|
| 賃借料補助金(本制度) | 月額家賃(敷金・礼金除く) | 家賃の1/2 | 月額5万円 | 最長3年間(令和9〜11年度) |
| 改修費補助金 | 開店に必要な改修工事費 | 工事費の1/2 | 200万円 | 当年度中 |
| 両方合算 | 初期費用 + 固定費 | — | 最大380万円 | 3年間 |
同じ産業振興課商店街担当が窓口で、申請期間も同じ4月〜6月が目安です。ただし別々の申請書類が必要なので、セットで準備して一緒に窓口に持っていくのが効率的です。
台東区商店街空き店舗活用支援 家賃補助と改修費補助の比較図
どんな物件が対象になるか教えてもらえますか?商店街ならどこでもOKなんでしょうか。
いくつか条件があります。まず物件の条件から言うと、台東区内の近隣型商店街の区域内にある空き店舗であること。それから、概ね3か月以上空き店舗として経過していること。そして空き店舗の所有者または管理者が3親等内の親族でないことです。
3親等内の親族NGというのは、たとえば親の空き店舗を借りてもダメということですね。
そうです。本当に空き店舗の活用を促進するための制度なので、親族間の賃貸はカウントされません。あと物件の契約時期も重要で、令和7年(2025年)4月1日以降に契約した物件であることが条件です。
すでに契約済みの物件でも対象になる場合があるということですか?
令和7年4月1日以降の契約なら対象になりますよ。2025年4月以降に新たに借りた物件、あるいはこれから契約する物件が対象です。
業種の制限は比較的少なくて、飲食業・小売業・サービス業・医療・福祉など幅広い業種が対象です。ただ、風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律の適用を受ける業種は対象外です。一般的なカフェや居酒屋、雑貨店、美容院、整体院などは全く問題ありません。
- 物件条件: 台東区内の近隣型商店街区域内の空き店舗
- 空き店舗歴: 概ね3か月以上の空き店舗状態
- 親族除外: 所有者・管理者が3親等内の親族でない
- 契約時期: 令和7年(2025年)4月1日以降に契約
- 事業開始: 補助決定後3か月以内または申請年度内に事業開始
- 業種条件: 風俗営業法の適用を受けない業種
- 経営診断: 申請時および令和9〜11年度の3年間(年1回)受診
- 商店街加入: 出店後に商店街等に加入し活性化に協力
この8項目全部満たす必要があるんですね。事業者の規模に制限はありますか?個人事業主でもOKですか?
公式の補助条件には中小企業者またはNPO法人と定められていますが、個人事業主も中小企業基本法上の中小企業者に含まれるケースがあります。自分が対象かどうかは事前に台東区産業振興課に確認するのが一番確実ですよ。
申請はどうやってするんですか?GビズIDとか必要ですか?
この補助金はJグランツ(電子申請)ではなく、書類を持参して窓口に申請する方式です。GビズIDは不要ですよ。郵送も不可で、必ず来庁が必要です。
えっ、持参のみなんですね。ちょっと手間がかかりますね。
台東区商店街空き店舗活用支援 賃借料補助金 申請フロー図
申請に必要な書類はどんなものがありますか?かなりたくさんありそうで不安で。
書類は多めですが、台東区のHP(
公式ページ)からWord・Excel・PDFでダウンロードできるので安心してください。
| 書類 | 形式 | 備考 |
|---|
| チェックシート | Excel/PDF | 全書類の確認に使用 |
| (1) 交付申請書 | Word/PDF | 区のHPからダウンロード |
| (2) 事業計画書 | Excel/PDF | 売上・利益計画を含む |
| (3) 収支予算書(賃借料版) | Excel/PDF | 賃借料用を選択 |
| (4) 収支計画書 | Excel/PDF | 3年間の計画 |
| (5) 出店計画書及び出店確認書 | Excel/PDF | 商店街会長等の署名・押印要 |
| (6) 最新の決算報告書 | — | 既存事業者の場合 |
| (7) 納税証明書または領収書の写し | — | — |
| (8) 消費税取扱い確認書 | Word/PDF | 区HPよりDL |
| (9) 履歴事項全部証明書または開業届出書の写し | — | — |
| (10) 開業店舗の位置図 | — | — |
| (11) 賃貸借契約書の写し | — | 令和7年4月1日以降の契約 |
けっこうありますね。でも書式がダウンロードできるなら助かります。出店計画書に商店街会長の署名が必要というのが意外でした。
商店街の一員として迎え入れてもらうための確認ですね。補助申請前に商店街会長等に出店計画を説明して、了解をもらっておくことが必要です。商店街会長の連絡先は台東区産業振興課に問い合わせると教えてもらえます。
3年間の経営診断というのが特徴的ですよね。具体的にどんなことをするんですか?
商工相談員というプロの中小企業診断士や経営コンサルタントが、事業の経営状況を確認してアドバイスをしてくれます。年1回の面談形式で、売上・利益データや決算書をもとに経営課題を分析してくれるんですよ。
無料でプロの経営アドバイスが3年間受けられるということですか?それはすごい。
義務と捉えると負担に感じるかもしれませんが、通常なら数万円かかる経営コンサルティングが無料で受けられる機会です。集客戦略、価格設定、資金繰り改善など、開業後に必ず直面する課題について専門家の意見が聞けます。
たしかに。開業後って相談できる人が少ないから、心強いですよね。経営診断はどこで受けるんですか?
台東区中小企業振興センター(旧小島小学校。台東区小島2丁目9番18号)で実施しています。申請時の経営診断に加えて、令和9〜11年度の3年間、各年1回ずつ受けることが必要です。
- 経営診断は義務: 申請時と令和9〜11年度の各年1回が必須
- 商店街加入も義務: 出店後は商店街等に必ず加入すること
- 事業継続が前提: 補助期間中に廃業した場合は補助金返還を求められる可能性あり
- 困ったら即相談: 経営が厳しくなった場合は経営診断の場で早期に相談を
審査会でプレゼンが必要というのが他の補助金と違いますよね。どんなことを審査されるんでしょうか。
審査会は8月上旬頃の予定で、補助件数が5件なので書類審査を通過した申請者がプレゼンで競います。審査のポイントは主に3つあって、事業計画の具体性、商店街への貢献度、財務計画の現実性ですね。
事業計画が大事なんですね。どう書けば通りやすいですか?
一番重要なのが「なぜその商店街で開業するのか」という地域との結びつきです。単に空き店舗が安かったからではなく、その商店街の特性や来街客に合った業種・業態であることを具体的に説明できると評価されやすいです。
- 地域密着性: その商店街の客層・特性に合った業種・サービス内容
- 具体的な数値計画: 月次売上予測、損益分岐点の明示
- 3年後の自立経営イメージ: 補助終了後も家賃を自己負担できる収益構造
- 商店街活動への参加計画: イベント参加、他店との連携等
- 開業準備の進捗: 物件確保状況、資金計画、仕入れ先確保等
3年後に補助なしで経営できる見通しも見せる必要があるんですね。
そこが一番大事なところです。この制度の趣旨は商店街の長期的なにぎわい創出なので、3年間の「育成期間」を経て自立できる事業者を支援したいという台東区の意図があります。補助金ありきではなく、補助金を足がかりに成長するビジョンを語れるといいですよ。
さっきも少し話が出ましたが、改修費補助と組み合わせると具体的にどうなるか教えてもらえますか?
同じ台東区の
改修費補助金(最大200万円)との組み合わせが最強パターンです。改修費補助は工事費の2分の1・上限200万円なので、400万円の工事をすれば200万円が出てきます。そこに家賃補助の月5万円×36か月(3年間)が加わると、最大180万円の追加支援。合計で
最大380万円の支援が受けられます。
400万円の改修工事をして200万円補助、さらに3年間で180万円の家賃補助。これって実質的に出店コストがほぼ半額になるということですよね?
そう言っても過言じゃないですよ(笑)。もちろん審査件数は限られているので全員が受けられるわけではないですが、うまく活用できれば商店街出店のハードルを大幅に下げることができます。
| 支援の組み合わせ | 効果 |
|---|
| 改修費補助のみ | 内装工事費を最大200万円圧縮 |
| 家賃補助のみ(本制度) | 3年間の家賃を最大180万円圧縮 |
| 両方活用 | 出店コスト合計を最大380万円圧縮 |
改修費補助の申請期間は同じ4〜6月ですが、改修費の方は令和8年(2026年)4月1日以降に工事開始が条件です。家賃補助は令和7年(2025年)4月1日以降の契約であれば対象。契約はもう済んでいるが改修はこれからという方は、家賃補助だけ先に申請して、改修費補助は翌年度に申請するというパターンも考えられます。
台東区の補助金以外に組み合わせられる制度はありますか?
開業時に使える国や都の補助金はいくつかあります。ただし同一経費への二重申請は認められないので、経費の使途を整理して申請することが大切です。
| 制度名 | 対象 | 補助内容 |
|---|
| 小規模事業者持続化補助金 | 小規模事業者 | 販促費・設備費等に最大200万円 |
| 東京都創業助成金 | 創業後5年未満 | 経費の2/3・最大400万円 |
| ものづくり補助金 | 中小企業 | 設備投資等に最大4,000万円(製造業等) |
家賃補助は他の制度と経費が重ならないのでほぼ問題ないですね。
そうなんです。家賃は他の補助金の対象経費と重複しにくいので、台東区の家賃補助を活用しながら販促費は持続化補助金で、という併用がやりやすいです。ただし、各制度に「同一経費への二重申請禁止」という条件があるので、申請前に必ず各担当窓口に確認してください。
今から準備を始めるなら十分間に合いますよ。まとめますね。
| 項目 | 内容 |
|---|
| 制度名 | 台東区商店街空き店舗活用支援(事業者支援)事業 賃借料補助金 |
| 補助上限 | 月額5万円(3年間・最大180万円) |
| 補助率 | 家賃(敷金・礼金除く)の1/2 |
| 募集期間 | 2026年4月5日〜2026年6月30日 |
| 助成件数 | 5件 |
| 対象地域 | 東京都台東区内の近隣型商店街 |
| 実施機関 | 台東区文化産業観光部産業振興課商店街担当 |
| 問い合わせ | 電話 03-5246-1142(平日) |
| 公式URL | 台東区HP 商店街に関する支援 |
5件というのがやっぱり狭き門ですね。競争率が高そう。
倍率は年度によりますが、丁寧な事業計画書とプレゼン準備が合否を分けます。今すぐ物件を探しながら、事業計画書を練り始めることをおすすめしますよ。
最後にFAQをまとめてください。よく聞かれそうな疑問点を。
できます。たとえば月10万円の家賃でも申請可能で、補助額は上限の月5万円です。自己負担は月5万円になります。
令和7年(2025年)4月1日以降に契約した物件であれば、すでに入居中でも対象になる可能性があります。ただし事業を開始する前に申請・補助決定を受けることが前提です。詳細は区の窓口に確認を。
個人事業主も中小企業基本法上の中小企業者に該当する場合は対象です。ただし確認が必要なので、必ず事前に窓口に相談してください。
補助決定後、事業を開始してから申請できます。通常は後払い(精算払い)方式なので、まず自己資金で家賃を支払い、実績報告後に補助金が交付されます。最初の数か月分の家賃は自己資金で準備しておきましょう。
途中で閉店した場合、補助金を返還する必要がありますか?
補助条件に違反した場合は返還を求められる可能性があります。詳細は交付要綱に定められているので、申請時に確認してください。やむを得ない事情がある場合は早めに区に相談を。
できます。改修費補助と賃借料補助金はそれぞれ別申請ですが、同じ窓口に同時に持参して申請することが可能です。ただし改修費補助は令和8年(2026年)4月1日以降の工事開始が条件なので、既に改修済みの場合は翌年度の申請となります。
これだけ情報があれば準備できそうです!台東区の商店街で夢を叶えたい方はぜひ活用してほしいですね。
申請件数5件という狭き門ですが、しっかり事業計画を練って、地域との結びつきを前面に出せば十分勝機はあります。令和8年(2026年)6月30日が申請締め切りなので、今すぐ動き始めてください!
- 申請期間: 2026年4月5日〜6月30日(期間外は受付不可)
- 来庁予約必須: 郵送不可・予約なし来庁不可
- 5件限定: 審査会プレゼンで競争あり(8月上旬予定)
- 商店街会長の署名: 出店計画書への事前署名・押印が必要
- 風俗営業法対象業種は不可: 申請前に業種確認を