ポスト5G時代を支える先端半導体開発とは?

佐藤

佐藤

補助金エージェント編集長

「ポスト5G情報通信システム基盤強化研究開発事業」って、名前だけ聞くとかなり難しそうですね。これ、どんな事業なんですか?
室谷

室谷

代表取締役

ざっくり言うと、ポスト5G・Beyond 5G時代に必要な先端半導体の製造技術を、国がNEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)を通じて開発する国家プロジェクトです。経済安全保障上の重要物資に位置づけられた半導体を、日本国内で設計・製造できる技術を確立するのが目的です。
佐藤

佐藤

補助金エージェント編集長

なるほど。「ポスト5G」って今の5Gの次、ということですか?
室谷

室谷

代表取締役

その通りです。現行の5Gは既に各国で商用サービスが始まっていますが、「ポスト5G」はさらに超低遅延・多数同時接続といった機能を強化したもので、工場や自動車など多様な産業用途への活用が期待されています。そのポスト5Gを支えるハードウェアの核が「先端半導体」なんですが、日本はこの分野での国際競争力確保が急務になっています。
佐藤

佐藤

補助金エージェント編集長

「委託」という形態が入ってますよね。「補助金」とは違うんですか?
室谷

室谷

代表取締役

「委託」はNEDOが研究開発を委託する形態で、研究開発費は原則としてNEDOが全額負担します。つまり、採択された企業・機関の自己負担が基本的にゼロです。一方で同じ事業名で「補助」形態の公募も並行していて、そちらは経費の一部をNEDOが補助する形式なので事業者側に自己負担が生じます。基礎研究や長期的な技術開発テーマに取り組む場合は、委託のほうが取り組みやすい支援形態です。
佐藤

佐藤

補助金エージェント編集長

自己負担ゼロって、かなり手厚いですね!

今回の公募で対象になる研究テーマ

先端半導体製造技術の開発 対象4テーマ
先端半導体製造技術の開発 対象4テーマ
佐藤

佐藤

補助金エージェント編集長

具体的にどんな研究開発が対象になるんですか?
室谷

室谷

代表取締役

今回の公募(プロジェクトコード P20017)の対象は、「先端半導体製造技術の開発」のうち、(d)国際連携による次世代半導体製造技術開発に位置付けられるテーマです。具体的には以下の2つが今回の公募に含まれています。
公募テーマ内容
(d7)次世代半導体を活用した医療分野における高速画像処理システムの開発【GX】医療分野への先端半導体応用、グリーントランスフォーメーション関連
(d8)光チップレット実装技術による半導体デバイスの製造技術開発光通信技術とチップレット技術を組み合わせた製造技術開発
佐藤

佐藤

補助金エージェント編集長

d7とd8ですか。「GX」ってのはグリーントランスフォーメーションのことですよね。
室谷

室谷

代表取締役

そうです。医療分野の高速画像処理は、MRIやCTスキャンなど大量のデータをリアルタイムで処理するためにエネルギー効率の高い先端半導体が不可欠です。一方のd8は光チップレット、つまり光通信の技術を使って半導体間のデータ転送を電気ではなく光で行う革新的な技術の製造プロセス開発です。どちらも次世代半導体の製造技術において世界最先端を争う研究テーマです。
佐藤

佐藤

補助金エージェント編集長

幅広い対象範囲ですね。半導体メーカーだけじゃなくて、大学や研究機関も応募できるんですか?
室谷

室谷

代表取締役

はい。NEDO公募要領(委託)では、対象者は「企業(団体等を含む)、大学等」となっています。企業単独はもちろん、大学・研究機関単独、あるいは産学連携コンソーシアムでの応募も可能です。

対象者・申請資格の詳細

佐藤

佐藤

補助金エージェント編集長

どんな組織なら応募できるか、もう少し具体的に教えてもらえますか?
室谷

室谷

代表取締役

大きく3つのポイントがあります。

応募資格の3つの必須要件

要件1: 先端半導体製造技術の研究開発能力

先端半導体(微細プロセス技術、新材料、先端パッケージング、製造装置・材料、設計・シミュレーション等)に関する高度な研究開発能力を有していること。過去の実績(論文、特許、製品開発等)で技術力を証明できることが重要です。

要件2: 国内に研究開発拠点

日本国内に研究開発拠点(ラボ、開発センター等)を有する企業・法人・研究機関であること。

要件3: NEDOとの委託契約に対応できる体制

プロジェクト管理・経費管理・成果報告に対応できる研究運営体制を有していること。大型プロジェクトの管理経験があると評価に有利です。

佐藤

佐藤

補助金エージェント編集長

中小企業でも応募できますか?
室谷

室谷

代表取締役

応募資格としては、中小企業でも可能です。ただし実際のところ、本事業は高度な技術力と研究体制が求められるプロジェクトです。中小企業が単独で応募する場合は技術力のアピールが極めて重要になります。現実的な選択肢としては、大手企業や大学・研究機関と連携したコンソーシアム型での応募が採択されやすい傾向にあります。
佐藤

佐藤

補助金エージェント編集長

産学連携のほうが有利なんですね。それで資格の話はわかりました。申請の手順を教えてもらえますか?

申請の流れ(ステップ別解説)

NEDO委託事業 応募から採択までの流れ
NEDO委託事業 応募から採択までの流れ
佐藤

佐藤

補助金エージェント編集長

実際の申請手順を教えてもらえますか?
室谷

室谷

代表取締役

全部で5つのステップに分けると理解しやすいです。
佐藤

佐藤

補助金エージェント編集長

申請期限が2026年4月27日正午なんですね!公募開始が2026年3月26日だから、約1ヶ月の期間ですね。
室谷

室谷

代表取締役

そうなんです。提案書の準備には相当な時間がかかるため、早期着手が絶対条件です。NEDO側で説明会も開催されており(2026年4月2日にオンライン開催済み)、説明会資料はNEDO HPで確認できます。

申請期限 要注意

応募期限は2026年4月27日(月)正午です。余裕をもって提出してください。NEDOは「応募状況等により公募期間を延長する場合があります」としていますが、延長を前提とした計画は立てないようにしてください。持参・郵送・FAX・メールによる提出は原則受け付けられません。

審査のポイントと採択への攻略法

佐藤

佐藤

補助金エージェント編集長

採択されるためにどこをアピールすればいいんでしょう?審査はどんな観点でされるんですか?
室谷

室谷

代表取締役

NEDO委託事業の審査は補助事業より厳格です。大きく3つの軸で評価されます。
評価軸主な確認ポイント重要度
技術的インパクト国際的な技術動向を踏まえた新規性・優位性、日本の半導体産業への貢献特に重要
実施体制の信頼性過去のNEDO等大型プロジェクトの実績、各機関の研究実績、プロジェクト管理体制特に重要
社会実装ロードマップ基礎研究から量産技術への展開見通し、事業化計画の具体性重要
佐藤

佐藤

補助金エージェント編集長

NEDOプロジェクトの実績がない場合はどうすればいいですか?
室谷

室谷

代表取締役

NEDOプロジェクトの実績は必須要件ではありません。ただし、採択審査では実施体制の信頼性が重視されるため、論文・特許・製品開発など先端半導体分野での研究実績を具体的に示すことが重要です。NEDO実績がない場合は、技術力の高さを他の客観的実績で補完し、プロジェクト管理体制の具体性を提案書に明記してください。

採択率を上げる3つのアプローチ

アプローチ1: 国際連携を明示する

公募テーマが「(d)国際連携による次世代半導体製造技術開発」である点に着目。海外の先端研究機関や企業との連携実績・計画を具体的に記載すると評価に有利です。

アプローチ2: GX・カーボンニュートラルとの親和性を示す

d7は【GX】ラベルがついており、グリーントランスフォーメーションへの貢献を評価軸に含みます。省エネルギー化・低炭素化への技術的貢献を定量的に示してください。

アプローチ3: 事業化計画書(別添4)を充実させる

提案書の記載内容だけでなく、別添4の「研究開発成果の事業化計画書」は審査で重点的に見られます。採択後60ヶ月間の研究計画と、その先の社会実装見通しを具体的に書きましょう。

対象経費と費用管理の基本

佐藤

佐藤

補助金エージェント編集長

委託事業でNEDOが全額負担してくれるとして、どんな経費が対象になるんですか?
室谷

室谷

代表取締役

委託事業の対象経費は以下のように整理できます。
経費区分主な対象経費
人件費研究者・技術者の直接人件費、プロジェクトマネージャーの人件費、研究補助者の人件費
設備費研究開発用設備・装置の購入・リース費、半導体製造評価装置の導入費、クリーンルーム設備の整備費
材料費研究用半導体材料・ウェハー費、試薬・化学薬品費、試作用部品・部材費
旅費国内出張旅費(研究打合せ)、学会・技術会議への参加費、連携機関との協議旅費
外注費分析・評価の外部委託費、試作加工の外部委託費、技術コンサルティング費
その他経費知的財産権の出願・維持費、学会発表・論文投稿費、研究成果普及活動費
佐藤

佐藤

補助金エージェント編集長

逆に、対象にならない経費はどんなものですか?
室谷

室谷

代表取締役

土地・建物の取得費、汎用的な事務機器・備品、研究開発に直接関連しない管理費、飲食・接待費、消費税などは対象外です。また複数プロジェクトで共用する設備の全額計上もNGです。委託事業はNEDO全額負担である分、経費管理の精度が厳しく求められます。

委託費管理の注意点

委託事業では、定められた費目・金額に従った経費執行が求められます。費目間の流用にはNEDOの事前承認が必要です。不適切な経費執行は返還を求められるケースがあるため、採択後は経理担当者をプロジェクトに配置し、適切な経費管理体制を構築してください。委託費の管理・報告は補助事業よりも厳格です。

佐藤

佐藤

補助金エージェント編集長

費用管理もしっかり考えないといけないんですね。ちなみに、この事業での知的財産はどうなるんですか?
室谷

室谷

代表取締役

NEDO委託事業で得られた知的財産権は、日本版バイ・ドール条項に基づき原則として実施者に帰属します。ただしNEDOへの報告義務、正当な理由なく実施しない場合のNEDOからの第三者への実施許諾要請などの条件が付されます。複数機関が参画する場合は、事前に知的財産の帰属・利用に関する取り決めを明確にしておくことが必須です。

委託と補助の違い・他の支援制度との組み合わせ

佐藤

佐藤

補助金エージェント編集長

同じ事業名で「補助」形態もあると言っていましたが、どちらを選べばいいんでしょうか?
室谷

室谷

代表取締役

委託と補助の違いを表にまとめてみます。
比較ポイント委託(今回の公募)補助
費用負担NEDOが原則全額負担事業者が一部負担(補助率による)
向いている研究基礎研究・長期的な技術開発応用開発・事業化に近い研究
管理の厳格さ高い(NEDOの管理下)比較的柔軟
知的財産実施者帰属(条件付き)実施者帰属(条件付き)
自社戦略との整合国策テーマへの合致が重要自社の事業戦略との連動が評価される
佐藤

佐藤

補助金エージェント編集長

他の補助金や支援策と組み合わせることはできますか?
室谷

室谷

代表取締役

同一の研究開発経費について他の国の補助金・委託費との重複受給はできません。ただし、研究開発の異なるフェーズや異なる経費項目について別の支援制度を活用することは可能です。例えば、JSTの研究助成で基盤的な研究を実施し、応用開発・実証段階を本NEDO委託事業で行うといった段階的な活用が考えられます。また、半導体製造設備の投資については経済産業省の半導体関連設備投資支援策との棲み分けを確認してください。他の研究資金との間で知財条件が矛盾しないよう事前に整理することが重要です。
佐藤

佐藤

補助金エージェント編集長

関連するNEDOの公募として他にも何かありますか?
室谷

室谷

代表取締役

はい、NEDOでは関連する複数の公募があります。例えば「NEDO先導研究プログラム/エネルギー・環境新技術先導研究プログラム」(ID: 65780)「2026年度NEDO先導研究プログラム/未踏チャレンジ」(ID: 65781)などが並行して公募されています。「NEDO先導研究プログラム/フロンティア育成事業」(ID: 2106)も基礎研究支援として有力な選択肢です。自社の研究ステージに合わせて複数の制度を戦略的に活用することを検討してください。

よくある質問(FAQ)

佐藤

佐藤

補助金エージェント編集長

最後に、よくある疑問点をまとめて教えてもらえますか?
室谷

室谷

代表取締役

問い合わせが多い質問をまとめます。
佐藤

佐藤

補助金エージェント編集長

まず「応募書類はどれを揃えればいいですか?」という質問が多そうですよね。
室谷

室谷

代表取締役

必要書類は主に以下の通りです。jGrantsの電子申請システムから提出します。
書類内容
別添1:提案書研究開発計画の中心文書(WORD形式)
別添2:研究経歴書・職務経歴書研究開発統括責任者等の経歴(WORD形式)
別添3:提案者情報組織・法人に関する情報(EXCEL形式)
別添4:研究開発成果の事業化計画書採択後の事業化ロードマップ(EXCEL形式)
別添5:ワーク・ライフ・バランス等推進企業認定状況認定等がある場合は記載(WORD形式)
別添6:NEDO事業遂行上の情報管理体制確認票セキュリティ管理体制(WORD形式)
別添7:提案概要説明資料プレゼン用の概要資料(PowerPoint形式)
別添8:GXに係る取組申告書GX関連テーマの場合は必須(WORD形式)
様式:積算用総括表経費の総括表(EXCEL形式)
チェックリスト提出書類の確認用(WORD形式)
佐藤

佐藤

補助金エージェント編集長

書類が多いですね!事前に全部把握しておかないといけない。
室谷

室谷

代表取締役

そうなんです!提案書だけで相当なボリュームになるので、公募開始直後から取り組み始めることをおすすめします。説明会(2026年4月2日開催済み)の資料はNEDO HPで確認できるので、そちらも参照してください。
佐藤

佐藤

補助金エージェント編集長

研究開発期間は最長5年というのが、すごく大きいですよね。5年間の長期計画が必要なわけですか?
室谷

室谷

代表取締役

そうです。委託事業であるNEDOのプロジェクトは研究開発開始から原則5年(60ヶ月)以内という長期スパンでの研究開発が可能です。これは短期的な補助金では取り組めないような基礎研究・長期的な技術開発テーマに適した支援形態と言えます。ただし、毎年度の研究計画・予算・成果を報告する義務があり、NEDOによる評価(中間評価・事後評価)も行われます。

問い合わせ先・公式情報

佐藤

佐藤

補助金エージェント編集長

詳しく聞きたい場合の問い合わせ先を教えてください。
室谷

室谷

代表取締役

NEDO側の担当窓口は以下です。
項目内容
担当部署NEDO 半導体・情報インフラ部 ポスト5G室
担当者久保田、青柳、東、小村、鈴木
連絡先メールpost5G_koubo7[アットマーク]ml.nedo.go.jp
公式HPNEDOポスト5G公募ページ
jGrantsページ電子申請ページ
佐藤

佐藤

補助金エージェント編集長

経産省側にも問い合わせ先があるんですよね?
室谷

室谷

代表取締役

はい。経済産業省側の担当は商務情報政策局 情報産業課(電話: 03-3501-6944)で、デバイス・半導体戦略室の清水室長、西嶋・牧野・岩佐担当者が対応しています。公募に関する技術的な詳細はNEDO側、政策・制度全般については経産省側にお問い合わせください。
佐藤

佐藤

補助金エージェント編集長

ありがとうございます!先端半導体の研究開発に取り組む研究機関・企業の方には、絶対に押さえておくべき公募ですね。
室谷

室谷

代表取締役

まさにそうです。自己負担なく大規模な先端半導体研究開発に取り組める数少ない機会です。経済安全保障上の最重要課題である半導体製造技術の確立に貢献しながら、自社・自機関の技術力向上も図れる貴重なプロジェクトです。ただし提案書の準備には時間がかかるため、ぜひ早めに動き出してください!

基本情報まとめ

項目内容
事業名ポスト5G情報通信システム基盤強化研究開発事業/先端半導体製造技術の開発(委託)
実施機関国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)
上位政策機関経済産業省
プロジェクトコードP20017
支援形態委託(NEDO全額負担)
事業期間研究開発開始から原則5年(60ヶ月)以内
公募期間2026年3月26日〜2026年4月27日正午
対象者企業(団体等含む)・大学等
対象分野先端半導体製造技術(微細化・パッケージング・新材料・装置・設計等)
申請方法jGrants電子申請(持参・郵送・FAX・メール不可)
公式ページNEDO公募ページ
佐藤

佐藤

補助金エージェント編集長

全国対象で、大学も企業もどちらも応募できる、本当に貴重な支援制度ですね。今日はたくさん教えてくれてありがとうございました!
室谷

室谷

代表取締役

こちらこそ。先端半導体の研究開発に取り組む方は、公募要領を隅々まで確認した上で、ぜひ積極的に応募してみてください。国内の半導体産業の競争力を高めるためにも、このプロジェクトへの優れた提案を期待しています!

室谷

室谷

代表取締役

都道府県別の補助金・支援制度情報は、東京都の補助金一覧大阪府の補助金一覧愛知県の補助金一覧からもご確認いただけます。