室谷さん、「高額医療・高額介護合算療養費制度」って、名前が長くてなんか難しそうですよね。これ、どんな制度なんですか?
ざっくり言うと、医療費と介護費の両方が高額になったとき、国がその負担を軽くしてくれる制度です! 1年間の医療費と介護費を合算して、一定の限度額を超えたら、超えた分が戻ってくる仕組みですね。
えっ、医療費と介護費を「合算」するんですか! それは知らなかったです。
そうなんです。医療費だけなら「高額療養費」、介護費だけなら「高額介護サービス費」という制度がありますよね。でも、両方を使っている世帯は、どちらか一方の制度だけでは負担が追いつかないことがあります。その「すき間」を埋めるのが、この制度です!
なるほど! 高齢のご両親が病院にも介護施設にも通っている、みたいな世帯向けなんですね。
まさに。計算期間は毎年8月1日から翌年7月31日までの1年間で、その間の医療費と介護費の自己負担額を世帯でまとめて計算します。高額療養費や高額介護サービス費として既に支給された分は除いた上での計算です。
そうです。食費・居住費・差額ベッド代などは合算の対象外です。あくまで医療や介護の自己負担部分だけが対象。細かいですが、覚えておいてほしいポイントですね。
自己負担限度額一覧テーブル
同一世帯で医療保険と介護保険の両方に自己負担がある方が対象です。「どちらか一方しか使っていない」という世帯は残念ながら対象外になります。
じゃあ、お父さんが医療費、お母さんが介護費、みたいなケースはどうですか?
そこがポイントなんですよ! 基準日(原則毎年7月31日)に同じ医療保険に加入していることが条件です。たとえばお父さんが後期高齢者医療制度、お母さんが国民健康保険に加入しているケースだと、同じ世帯でも「異なる医療保険」なので、それぞれ別に計算されます。
えっ、同じ家族なのに別計算になるんですか! それは気をつけないといけないですね。
そうなんです。77歳のAさんが後期高齢者医療制度、74歳のBさんが国民健康保険、という例で考えると、同じ世帯でも別計算になるので、それぞれの限度額に届かないケースもあります。これ、よく誤解されるポイントなので要注意です!
70歳未満の方は21,000円以上の自己負担額のみ合算対象となります。70歳以上の方は全額合算できます。世代によってルールが違うので、ご自身の年齢に合わせて確認してくださいね。
- 両方必須: 医療保険と介護保険の両方に自己負担がある世帯
- 同一保険: 基準日(7月31日)時点で同じ医療保険に加入していること
- 70歳未満: 21,000円以上の自己負担額のみ合算対象
- 計算期間: 毎年8月1日から翌年7月31日まで
対象者はわかりました。じゃあ実際にいくら戻ってくるんですか?
これは世帯の所得区分によって変わります。具体的な自己負担限度額は下の表をご覧ください!
| 世帯の区分 | 自己負担限度額 |
|---|
| 現役並みIII(課税所得690万円以上) | 212万円 |
| 現役並みII(課税所得380万円以上) | 141万円 |
| 現役並みI(課税所得145万円以上) | 67万円 |
| 一般世帯(70歳以上) | 56万円 |
| 市民税非課税世帯(区分II) | 31万円 |
| 市民税非課税世帯(区分I) | 19万円 |
一般世帯で56万円ですか。じゃあ、1年間の医療費と介護費の自己負担合計が60万円だったら、4万円戻ってくる感じ?
正確にはその通りです! 医療費と介護費の合算が56万円を超えた分、つまり4万円が支給されます。支給額は医療保険と介護保険それぞれの負担額に応じて按分されて支給されるので、医療保険からも介護保険からも別々に支払われます。
医療保険と介護保険の両方から戻ってくるんですね! なるほど。
そうです。支給の窓口も申請の窓口も基本的に医療保険側です。介護保険へ別途申請する必要はありませんよ。手続きが1本で済むのは助かりますね!
- 計算対象: 医療費自己負担額 + 介護費自己負担額(高額療養費・高額介護サービス費として支給された分は除く)
- 支給額: 合算額 - 自己負担限度額 = 支給される金額
- 支給方法: 医療保険と介護保険から按分で別々に支給
申請の流れフローチャート
申請の方法を教えてください! 自分で手続きに行く必要があるんですか?
基本的に対象者には計算期間の翌年3月以降に案内と申請書が自動的に届きます。プッシュ型の制度なので、自分から窓口に出向く必要は原則ありません!
ただし、計算期間内に他の医療保険から転入してきた方など、一部のケースでは案内が届かないことがあります。そういう場合は窓口に問い合わせてみてください。
届いた申請書1枚を記入して返送するだけでOKです。計算期間内に他の市町村の国保・介護、社会保険等に加入していた場合は、申請書への記載が必要ですが、特別な添付書類は基本的に不要です。
| 項目 | 内容 |
|---|
| 必要書類 | 高額医療・高額介護合算療養費支給申請書 |
| 申請先 | 基準日時点で加入している医療保険者 |
| 申請方法 | 同封の返信用封筒で郵送 |
| 介護保険への申請 | 不要 |
介護保険への申請が不要というのは助かりますね。では、申請期限はあるんですか?
明確な期限については案内に記載がありますが、一般的に高額療養費の申請権は2年間です。だからといって後回しにせず、案内が届いたらすぐに手続きするのが賢明です。忘れると損ですよ!
計算期間内に他の医療保険から京都市国保に転入した場合など、案内が届かないことがあります。「自分は該当するはずなのに案内が来ない」という方は、京都市国保・後期医療給付事務センターに問い合わせてみてください。
金額がわかったところで、どうやって計算するのか教えてもらえますか? ちょっと複雑そうで。
計算の手順はこうです。まず1年間(8月から翌年7月)の医療費自己負担額と介護費自己負担額を世帯でまとめます。ただし、高額療養費や高額介護サービス費として既に受け取った分は差し引きます。
例を挙げると、Aさんの医療費自己負担が40万円(うち高額療養費として10万円受給済み)、介護費自己負担が30万円(うち高額介護サービス費として5万円受給済み)の場合。計算すると(40万円 - 10万円)+(30万円 - 5万円)= 55万円。これが合算額です。一般世帯の限度額は56万円なので、この例では残念ながら対象外になりますね。
じゃあ、合算が56万円を超えなかったら支給はゼロ?
そうです。限度額を超えた分だけが支給されます。計算結果が限度額以下であれば支給はありません。ただ、非課税世帯の方は限度額が31万円や19万円と低いので、該当しやすいケースもあります。
所得の低い世帯ほど限度額が低く設定されているので、同じ医療費・介護費でも支給を受けやすくなっています。年収が低い高齢世帯にとっては心強い制度ですよ。
| 世帯区分 | 特徴 |
|---|
| 現役並みIII(212万円) | 高所得者。限度額高め |
| 現役並みII(141万円) | 課税所得380万円以上 |
| 現役並みI(67万円) | 課税所得145万円以上 |
| 一般世帯(56万円) | 多くの70歳以上が該当 |
| 非課税II(31万円) | 市民税非課税世帯 |
| 非課税I(19万円) | 最も低い限度額。低所得者向け |
申請についてもう少し詳しく聞かせてください。夫婦で後期高齢者医療と国保に分かれている場合は?
その場合はそれぞれの医療保険ごとに別に計算されます。夫婦で異なる医療保険に加入していると、合算できないので注意が必要です。この点、誤解が多いんですよ。
なんとなく「夫婦で合算できる」と思い込んでいる人が多そうですね。
そうなんです。基準日(7月31日)時点で同じ医療保険に加入していることが絶対条件です。異なる保険では合算できません。ただし、計算期間中に保険が変わった場合など、複雑なケースは個別に問い合わせた方が確実です!
70歳未満の家族が同居している場合はどう計算されますか?
70歳未満の方は、21,000円以上の自己負担額だけが合算の対象になります。70歳以上の方の自己負担額と合算して計算されますが、最初に70歳以上の方の限度額を適用した上で計算する仕組みです。少し複雑ですが、実務では申請書に記載するだけなので、自分で計算する必要はありません!
高額医療・高額介護合算療養費に関連して、不審な電話や書類が届くことがあります。以下の点をご確認ください。
- ATMで手続きする給付金は存在しません
- 個人情報(口座番号や暗証番号)を電話で聞かれたら詐欺を疑ってください
- 公式の申請書は行政機関から送付されます。自分から個人情報を提供する必要はありません
- 不審な場合は、京都市国保・後期医療給付事務センターに直接お問い合わせください
基準日時点で加入している医療保険によって窓口が変わります。
- 国民健康保険の方: 京都市国保・後期医療給付事務センター(電話 075-606-8929、受付 午前9時から午後5時まで、土日祝・年末年始除く)
- 後期高齢者医療制度の方: 後期高齢者医療広域連合
- 社会保険の方: 各健康保険組合等
- 郵便番号 612-8518 宛に郵送申請が可能(専用郵便番号)
そうです。お住まいの市区町村の国民健康保険担当窓口が基本の問い合わせ先になります。京都市の場合は上記のとおりですが、他の市区町村にお住まいの方は、お住まいの自治体にお問い合わせください。
ここまでいろいろ聞きましたが、改めて制度の基本情報をまとめてもらえますか?
もちろんです! ポイントをまとめると以下の通りです。
| 項目 | 内容 |
|---|
| 制度名 | 高額医療・高額介護合算療養費制度 |
| 対象者 | 同一世帯で医療保険・介護保険の両方に自己負担がある方 |
| 計算期間 | 毎年8月1日から翌年7月31日まで |
| 基準日 | 原則毎年7月31日 |
| 一般世帯の限度額 | 56万円(70歳以上) |
| 申請方法 | 翌年3月以降に届く申請書を返送 |
| 公式情報(京都市) | 京都市公式ページ |
この制度と合わせて、他にも知っておくべき給付金ってありますか?
関連する制度としては「高額療養費制度」「高額介護サービス費」があります。また、介護保険料の減免制度や医療費助成なども地域によって使えることがあります。ぜひ他の給付金もチェックしてみてください!