北区に住んでいる障害者世帯やひとり親世帯が「立ち退き」を迫られたとき、引っ越し費用を助成してくれる制度があるって聞いたんですけど、本当ですか?
本当です! これは東京都北区が独自に設けている「障害者世帯及びひとり親世帯転居費用助成」という制度で、家主から立ち退きを求められてやむを得ず転居したときに、礼金と仲介手数料を上限15万円まで補助してくれるんです。
えっ、15万円! そんな手厚い制度があったんですね! でも「立ち退き」って結構ひどい話じゃないですか。
そうなんですよ。建物の老朽化による取り壊し、家主都合による退去要請など、借りている人が何も悪くないのに「出ていってください」と言われるケースが少なくなくて。障害がある方やひとり親家庭は新しい住まいを探すのも特に大変だから、北区がこうした支援制度を設けているんです。
対象者チェック図 - 障害者世帯とひとり親世帯の対象要件
次の2パターンのうち、どちらかに該当するかまず確認してください。
パターンA: 障害者世帯
- 身体障害者手帳1〜4級の方がいる世帯
- 愛の手帳1〜3度の方がいる世帯
- 精神科の医療機関に継続通院し、北区が自立に向けた支援を行っている方がいる世帯
パターンB: ひとり親世帯
- 18歳未満の子どもを扶養しているひとり親の方(子どもが18歳に達する年度の末日まで申請できます)
さらに、以下の共通条件も全て満たす必要があります。
- 申請日現在、北区内に住所があり1年以上住民登録している
- 区内の民間賃貸住宅から区内の民間賃貸住宅に転居した
- 自分の責任によらない「立ち退きの求め」を受けて転居した
- 世帯の総所得金額が所得基準以内
- 住民税・直近6ヶ月の家賃を滞納していない
- 公的住宅扶助(生活保護等)を受けていない
「立ち退きの求め」というのが具体的にどういう状況なのか、もう少し教えてもらえますか?
公式には「自己の責任によらない事由により立ち退きの求めを受けて転居したこと」とされています。たとえば建物の老朽化による取り壊し、耐震補強工事のための退去依頼、家主都合での用途変更などが該当します。自分から「もっといい部屋に引っ越したい」という自発的な転居は対象外ですね。申請時には「立ち退き証明書」を提出する必要があって、これは指定用紙に家主が記入するものです。
なるほど、家主が証明書を書いてくれる状況が前提なんですね。それじゃあ対象外になるパターンも教えてほしいです。
はい。まず住宅の種類について、公営住宅(都営・区営)、UR都市機構の賃貸住宅、公社住宅からの転居は対象外です。社宅や従業員寮も対象外。それから転居前も転居後も、どちらも民間賃貸住宅でないといけません。「区内から区内」の転居限定なので、他の区や他県への引っ越しは対象外になります。
所得基準があるということですが、どのくらいの収入までが対象なんですか?
世帯の総所得金額で判断します。世帯人数によって基準が異なりますが、こちらをご覧ください。
| 世帯人数 | 総所得金額の上限 |
|---|
| 1人世帯 | 584万4,000円 |
| 2人世帯 | 622万4,000円 |
| 3人世帯 | 660万4,000円 |
| 4人以上 | 3人世帯の基準額に1人増えるごとに38万円加算 |
ざっくり言うと、1人世帯で約584万円、2人で622万円くらいが目安なんですね。これは給与収入ですか?
これは「総所得金額」なので、給与所得控除などを差し引いた後の金額です。たとえば給与収入だと、2人世帯の場合おおよそ年収800万円台くらいが目安になります。ただし計算が複雑なので、不安な方は北区役所の住宅課に直接相談するのが確実です。
助成金額のことをもう少し詳しく教えてください。15万円が上限ということですが、どんな費用が対象ですか?
対象になるのは礼金と仲介手数料の合算額です。上限が15万円なので、たとえば礼金が5万円、仲介手数料が8万円なら合計13万円が助成されます。もし合算が15万円を超えていても、助成は上限の15万円までです。
そうなんです。運送会社への引っ越し費用は対象外で、あくまで礼金と仲介手数料に限られます。ただでさえ急な転居を迫られた方の初期費用を少しでも軽くする、という趣旨の制度ですね。
いい質問です! 家主から立ち退き料を受け取った場合は、礼金と仲介手数料の実費から立ち退き料に相当する額を差し引いた金額が助成されます。たとえば礼金・仲介手数料が合計12万円で、立ち退き料を4万円もらっていた場合、助成額は12万円から4万円を引いた8万円になるんです。
なるほど、二重取りにならないようになっているわけですね。
そうです。ちなみに過去にこの助成を受けたことがある場合でも、前の転居日から2年が経過していれば再度申請できます。一生に1回しか使えないわけではないので、そこは安心してください。
申請から振込までのフローチャート
北区役所の住宅課窓口に直接持参するだけです。郵送での申請はできないので注意が必要です。申請できるのは申請者本人か、3親等以内の親族です。
住民基本台帳上の転居日から1年以内です。「引っ越ししてから1年経ったから使えない」とならないよう、転居後なるべく早めに動くことをおすすめします。
必要書類はどんなものが必要ですか? たくさんありそうですね。
申請書(指定用紙。住宅課窓口で入手または北区公式サイトからダウンロード可)
転居前・転居後の賃貸借契約書のコピー(転居前は最新のもの。物件住所・貸主借主の署名捺印・契約日・面積・家賃が記載されているか確認)
礼金と仲介手数料の領収証のコピー(領収証がない場合は請求書等と振込明細書の組み合わせ)
転居前の家賃支払い状況を証明する書類(直近6ヶ月分。通帳・家賃帳・振込明細書等)
身体障害者手帳または愛の手帳のコピー(障害者世帯のみ)
世帯全員の住民票(転居後のもの。条件を満たせば省略可)
収入を証明する書類(課税証明書。条件を満たせば省略可)
住民税納税証明書または非課税証明書(条件を満たせば省略可)
住民票や収入証明は「省略可」ってどういうことですか?
令和8年1月1日時点(所得確認の基準日)および令和7年1月1日時点(納税状況確認の基準日)で北区に住民登録があれば、申請書の「資格確認同意欄」に世帯全員が署名することで省略できるんです。北区が住民基本台帳で直接確認してくれるので、わざわざ証明書を取り寄せなくていい、ということです。
それは助かりますね。転居後に忙しい中、書類集めの負担が減るのはありがたいです。
書類を受け付けてもらってから、約2〜3週間後に審査結果が郵送で届きます。そして承認の通知が届いてからさらに約2〜4週間で、指定した口座に振り込まれます。
合計すると最長で2ヶ月くらいかかることもあるんですね。
そうですね。申請から振込まで早くて1ヶ月、遅いと2ヶ月くらいかかることがあります。急いで資金が必要な場合は、先に
住居確保給付金(転居費用補助)も確認してみてください。こちらは失業等を機に転居する方向けの別制度ですが、一時的な生活支援も視野に入れられます。
- 郵送での申請は受け付けていません
- 申請者本人または3親等以内の親族が窓口に持参する必要があります
- 書類が揃っていない状態では受付されません。窓口に行く前に必要書類リストを確認しましょう
- 不明な点は事前に住宅課(電話 03-3908-9203)に問い合わせると確実です
ここまでで疑問点をまとめてもらえますか?「UR住宅から引っ越した場合は?」とか「離婚してひとり親になった場合は?」とか聞きたいことがいくつかあります。
まとめてお答えしますね。UR都市機構や公営住宅(都営・区営等)からの転居は対象外です。これは制度の対象が「民間賃貸住宅から民間賃貸住宅への転居」に限られているためです。
離婚してひとり親になった場合はどうですか? 転居前は夫婦名義の契約だったりしますよね。
それは柔軟に対応してもらえます! 転居前後に離婚や死別があって申請日現在ひとり親世帯になった場合、転居前の賃貸借契約者や家賃支払い者が元配偶者であっても対象になります。同様に障害者世帯の場合も、転居前後に同居する親族に変更があった場合は、転居前の契約者が障害者本人と同一世帯の者であれば対象です。
それは助かる! 家族構成が変わるタイミングで転居するケースも多いですよね。
そうなんです。「自分の状況が複雑だから対象にならないかも」と諦める前に、まず住宅課に相談することをおすすめします。窓口か電話でざっくり状況を話せば、対象になるかどうか教えてもらえます。
過去に同じ助成を受けたことがある場合はどうですか?
前の転居日から2年を経過していれば再申請可能です。ただし「ファミリー世帯転居費用助成」「高齢者住み替え支援助成」などの同種の助成を受けている場合は対象外になります。
| 項目 | 内容 |
|---|
| 対象者 | 障害者世帯(身体障害者手帳1〜4級、愛の手帳1〜3度、精神科継続通院・北区支援あり)またはひとり親世帯(18歳未満扶養) |
| 居住要件 | 申請日現在北区内に1年以上住民登録 |
| 転居要件 | 区内民間賃貸→区内民間賃貸、自己責任によらない立ち退き |
| 助成額 | 礼金と仲介手数料の合算額、上限15万円 |
| 所得基準 | 1人世帯584万4,000円以下、2人世帯622万4,000円以下 |
| 申請期限 | 転居日から1年以内 |
| 申請方法 | 北区役所 住宅課窓口への持参(郵送不可) |
| 申請窓口 | 北区まちづくり部住宅課住宅支援係 |
| 電話番号 | 03-3908-9203 |
| 窓口所在地 | 東京都北区王子本町1-2-11 北区役所第二庁舎3階10番 |
| 公式ページ | 北区公式サイト |
- 担当部署: 北区まちづくり部 住宅課 住宅支援係
- 電話: 03-3908-9203
- 場所: 東京都北区王子本町1-2-11 北区役所第二庁舎3階10番
- 申請期限: 住民基本台帳上の転居日から1年以内
- 受付方法: 窓口持参のみ(郵送不可)
- 北区役所がATMや電話で振込先口座を指定したり、手数料の支払いを求めることはありません
- 「助成金を受け取るため」と称した電話での個人情報収集や、前払い金の要求は詐欺の可能性があります
- 不審な連絡があった場合は、北区役所(03-3908-9203)に直接確認してください
他にも北区や東京都で利用できる支援制度はありますか?
いくつかありますよ! まず生活が厳しくなっている方向けに
住居確保給付金(家賃補助)という制度があります。こちらは離職や廃業などで家賃を払えなくなった方に家賃相当額を補助する制度です。また
住居確保給付金(転居費用補助)は転居費用そのものを補助する制度です。また転居に関連する制度として
次世代育成転居助成も確認してみてください。こちらは転居後の家賃差額や引越し費用を助成する東京都の制度です。
住居に関わる支援が充実しているんですね。自分に合う制度を選んで活用したいですね。
そうです! 一つの制度で全部まかなえなくても、複数の制度を組み合わせることで生活をより安定させられます。わからないことは窓口で何でも聞いてみてください。北区は相談を歓迎していますので、一人で抱え込まないのが大切です。
最後に、北区で他にどんな給付金があるか探せる場所はありますか?