青森県の建設業向け補助金カテゴリー別一覧(2026年)
室谷さん、青森の建設会社の知り合いが「補助金を使いたいんだけど何からはじめたらいいかわからない」って言ってたんですよ。建設業ってやっぱり補助金の種類が多いんですか?
多いです(笑)。ざっくり言うと、建設業は「建てる側」と「建てられる側」の両方に補助金が絡んでくる珍しい業種なんですよね。自社の設備投資、雇用、GX対応はもちろん、施主に売る断熱リフォームや ZEB 建築の補助金も自分たちの営業ツールになる。
青森県の場合、国の制度だけでも建設業に関係するのが常時 80 件前後あります。そこに青森県独自の支援制度、市町村の創業系補助金なんかが乗ってきます。カテゴリーで分けると、①省エネ・ZEB 化、②電動建設機械・DX、③人材育成・採用、④脱炭素改修の 4 本柱ですね。
4 本柱! 全部追いかけるのは大変そうですが、どこから手をつければいいですか?
まず自社が「建てる側」か「建物を持つ事業者」かで絞れます。建設会社なら設備投資系と人材系が最優先。建物のオーナー兼建設業者なら脱炭素改修系も見逃せないです。
じゃあまず建設業者が使える補助金から教えてください。
大きな枠から紹介しますね。まず建設業者にとって一番ボリューム感があるのが、ZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)関連の補助金です。
ZEB 実証事業は令和 7 年度の公募で補助上限が 10 億円、補助率は対象経費の 2 分の 1 から 3 分の 2 という規模感でした。
10 億円ってすごい規模ですね! どんな会社が使えるんですか?
民間の大規模建築物を建てる建設業者や建築主が対象で、新築は 1 万平米以上、既存建物の改修だと 2,000 平米以上が目安です。青森の中堅建設会社でもプロジェクト規模が大きければ射程に入ります。設計から施工まで一括で受注している会社に特に向いていますね。
ZEB だけじゃなくて、
LCCO2 削減型の新築 ZEB 支援事業というのもあって、こちらは建物のライフサイクル全体での CO2 削減に取り組む場合に補助率 3 分の 1 から 5 分の 3 が出ます。補助上限 5 億円。建物を建てるときに「将来の解体・廃棄時の CO2 まで計算してますよ」というプロジェクトが対象です。
そうですね。
建築 GX・DX 推進事業はその典型で、BIM(Building Information Modeling)でデジタル設計データを作りながら、ライフサイクルカーボンの算定も同時に行うプロジェクトを支援しています。BIM の普及と脱炭素を一気にやる、という感じです。
BIM って設計の 3D データですよね。青森の建設会社でも導入進んでるんですか?
徐々に進んでますが、まだ「やらなきゃとは思ってるけど…」という会社が多い印象です。でもこの補助金を使えば、複数の事業者が連携して BIM データを作るプロジェクトで設計費や建設工事費の一部が出るので、導入の踏み台にしやすいんですよ。
建設機械の脱炭素化に使える補助金もあります。
建設機械の電動化促進事業は令和 6 年度の実績で補助率が対象経費の 3 分の 2、上限なしという太っ腹な制度でした。電動ショベルや電動ホイールローダーを買うときに使えます。令和 7 年補正でも
同様の電動建設機械補助が出ていて、これも補助上限の設定なし。
国土交通省が「GX 建設機械」として認定しているものがリスト化されていて、そこから選ぶ形です。まだ機種は限られていますが、毎年増えています。青森の現場って積雪期の稼働が難しいという特性もあるので、電動機の使い方に工夫が要りますね。
補助制度自体は全国共通なので特に優遇はないんですが、青森の業者さんは「東北の寒冷地での電動機運用ノウハウ」を蓄積できれば、それ自体が競争力になりますよね(笑)。
| 補助金名 | 補助上限 | 補助率 | 対象 |
|---|
| ZEB 実証事業(令和 7 年度) | 10 億円 | 2/3 以内 | 大規模建築物(新築 1 万平米以上) |
| LCCO2 削減型新築 ZEB 支援 | 5 億円 | 1/3〜3/5 | 業務用建築物(LCCO2 算定必須) |
| ZEB 普及促進支援事業(令和 6 年度補正) | 3〜5 億円 | 1/4〜2/3 | 新築・既存の業務用建築物 |
| 業務用建築物脱炭素改修加速化 | 上限大(要確認) | 要公募要領確認 | 既存業務用建築物オーナー |
| 省 CO2 型システムへの改修支援 | 5 億円 | 1/3 | 工場・事業場 |
| 建築物等の ZEB 化・省 CO2 化普及加速(R7 補正) | 上限大(要確認) | 要公募要領確認 | 業務用・住宅用建築物 |
上限が「要確認」になってるのはどういうことですか?
一部の補助金は執行団体が個別の申請者に補助額を決める仕組みなので、環境省の公募段階では上限を明示していないんです。実際に自分のプロジェクトに当てはめて計算しないと最終金額がわからない、という制度設計ですね。問い合わせてみると意外と通りやすいことが多いです。
人材確保の補助金も建設業に使えるものはありますか? 建設業って慢性的に人手不足ですよね。
そうなんです。特に注目なのが
洋上風力発電人材育成事業費補助金です。令和 8 年度事務局公募で最大 5 億 6,900 万円という規模。青森県は八戸沖の洋上風力プロジェクトが進んでいるので、この補助金は地域的に相性がいい。
大ありです! 洋上風力の建設・メンテナンスには、海洋土木や鉄骨建設の技術者が必要なんですよ。この補助金のカテゴリーに「専門作業員(建設・メンテナンス)」が明示されているので、建設業者が自社の技術者向け研修を企画するときに使えます。
青森に洋上風力プロジェクトが来たら、地元の建設会社が潤うということですね。
まさに。雇用関連では
働き方改革推進支援助成金(厚生労働省)も建設業は使いやすい制度です。残業時間の削減や年次有給休暇の取得促進に取り組む中小建設業者向けで、補助率は 4 分の 3 から 5 分の 4、最大 290 万円。工事現場での長時間労働を見直すきっかけにもなりますよ。
建設業の 2024 年問題(時間外労働の上限規制)もありましたし、これは必須ですね。
2024 年 4 月から上限規制が建設業にも適用されましたからね。生産性を上げながら労働時間を減らす取り組みをしている会社に使いやすい制度です。
建設業者が補助金を申請するステップ(2026年版)
断熱リフォーム関連の補助金は、建設会社が施主に「こんな補助金がありますよ」と紹介する形で使えるんですよね?
そうです。これが建設業者の営業ツールとして超強力なんです。
既存住宅の断熱リフォーム支援事業(環境省)は、住宅の窓・壁・天井・床などの断熱改修工事費を支援する制度で、個人宅の住宅オーナーに「この補助を使えば断熱工事の自己負担が減りますよ」と提案できる。
営業の話がしやすくなりますよね、補助金があると(笑)。
断然しやすくなります(笑)。青森って冬の暖房費が本州より全然高いじゃないですか。断熱性能を上げたいというニーズはすごく高いんですよ。
断熱窓への改修促進事業も令和 7 年補正で走っていて、窓の断熱改修に特化した補助です。
窓は断熱効果が高い割に工事期間が短くて単価も出やすいので、建設会社にとって受注しやすい工事なんです。「窓リノベ」という通称でも知られています。
ZEH 化支援事業(環境省)も活用すると、新築住宅をゼロエネ住宅として販売するときの補助になります。
業務用建築物向けには
業務用建築物の脱炭素改修加速化事業もあります。事務所や商業施設などのオーナーが自社ビルの省エネ改修をするときに使えて、ZEB 基準水準を目指す工事が対象です。
建物のオーナーと建設会社が一緒に補助金を活用するイメージですね。
まさに。建設会社が「補助金の活用も含めてお手伝いします」と提案できると、受注確度が上がりますよね。認定支援機関(商工会議所や金融機関など)と組んで申請書作成をサポートできると最強です。
青森県レベルの建設業専用補助金は現時点では件数が少ないんですが、21 あおもり産業総合支援センターが中小企業全般向けに経営相談や補助金申請サポートをしています。建設業者も相談できます。
かなり使いやすいです。特に申請書作成で詰まったときに相談すると、認定支援機関としてのチェックもしてもらえます。青森市なら商工会議所も強力で、小規模事業者持続化補助金の申請サポートをしてくれます。
使えます! ホームページリニューアル、チラシ制作、展示会出展など、販路開拓に使う費用が対象で、上限 50 万円〜(条件によっては 200 万円)。小規模の建設会社が地元での営業強化に使うケースが多いですね。
青森市・弘前市・八戸市など主要な市では、創業支援補助金や空き店舗・空き工場の活用補助があります。建設業者が事業所を移転・新設するときに使える場合があります。ただし対象条件が業種ではなく「地域への貢献」が軸になっていることが多いので、事前確認が必要ですね。
- 21あおもり産業総合支援センター(青森市中央 4 丁目): 経営相談・補助金申請サポート全般
- 青森商工会議所(青森市): 持続化補助金・ものづくり補助金のサポート
- 青森県商工会連合会: 商工会地区の小規模事業者向け
- 青森労働局: 厚生労働省系の雇用・助成金相談
- 東北経済産業局: 国の産業補助金の相談窓口
実際に申請するときに気をつけることって何ですか? 建設業者が失敗しやすいポイントを教えてください。
一番多い失敗が「交付決定前に着手してしまう」ことです。補助金は基本的に、交付決定通知が届いてから工事や設備購入を始めないといけない。建設業者は工期が決まっているので「補助金申請中だから着工を待って」とはいいにくいことが多いんですが、ここは絶対に守らないといけないルールです。
けっこうあります。補助金が採択されると思って先に着工してしまったら、そのプロジェクトの費用は補助対象外になります。スケジュールは余裕を持って逆算することが大切です。
- 交付決定前の着工・発注: 補助対象外になる最大の失敗
- GビズID未取得: jGrants での電子申請に必須。取得まで 2〜3 週間かかる
- 公募期間の見落とし: 建設系補助金は公募期間が短い(1〜2 週間)ことがある
- 経費の区分ミス: 補助対象外経費が混入していると減額の原因に
- 実績報告の遅延: 工事完了後に報告義務がある。期限内に提出しないと返還請求も
国の補助金の電子申請システム「jGrants(Jグランツ)」にログインするための事業者 ID です。法人代表者や個人事業主が取得するもので、法務局で確認が入るため 2〜3 週間かかります。「補助金に応募しよう!」と思ってからでは間に合わないことが多いので、今すぐ GビズID を取得しておくことが最優先です。
そうです。あと、建設業者特有の注意点として、建設業許可の有効期限を確認しておくことも大事です。補助金申請時に建設業許可証のコピーを求められるケースが多くて、更新が切れていると申請できないことがあります。
あとは採択率の話ですが、ZEB 実証事業クラスの大型補助金は採択率が 50〜70% と比較的高めです。でも事業計画書の書き方で差がつきます。「なぜこの省エネ技術が必要なのか」「削減できる CO2 量はどのくらいか」という具体的な数字を入れると評価が上がります。認定支援機関に計算してもらうのが一番確実ですね。
GビズIDを事前取得(申請の 1 ヶ月前が目安。法務局確認に時間がかかる)
jGrants で補助金を検索(「建設業」や「省エネ」で絞り込み、公募期間を確認)
認定支援機関に相談(商工会議所や金融機関。事業計画書のチェックをしてもらう)
公募期間内に電子申請(PDF 添付ファイルは期限に余裕を持って準備)
交付決定を待ってから着工・発注(これが最重要ルール!!)
完了後に実績報告(工事完了から報告期限まで短いことが多い)
改めてまとめると、青森の建設業者が今使える補助金って何があって、何から始めればいいですか?
今すぐ取れるアクションを 3 つ言うと、①GビズID を取得する、② jGrants で「建設業」タグの補助金を一覧で確認する、③21あおもり産業総合支援センターか商工会議所に相談の予約を入れる、です。
補助金は情報収集と事前準備がほぼすべてです。公募が始まってから動くと間に合わないことが多いので、今の時期に準備しておくと次の公募サイクルで一歩リードできます。
ZEB 系、電動建設機械、断熱リフォーム、洋上風力の人材育成、それと働き方改革の助成金と、意外と多いですね。
青森の建設業は厳しい冬の環境と人手不足という課題がありますが、その分だけ国が力を入れている分野とも重なっています。洋上風力も本格化してくるので、今から補助金を使って技術力・設備を整えておくと 5 年後に大きく変わりますよ。
冬の厳しさが逆にビジネスチャンスになるわけですね(笑)。室谷さん、今日は本当に勉強になりました!
ありがとうございます。青森の建設業者さん、ぜひ活用してください。まずはコーヒーでも飲みながら GビズID の申請フォームを開いてみてください(笑)。
青森県の建設業向け補助金について、都道府県全体の最新情報は青森県の補助金一覧ページでも確認できます。また、建設業向けの全国制度をまとめた建設業の補助金・助成金一覧もあわせてご覧ください。