群馬県建設業の補助金カテゴリ全体像
室谷さん、うちの取引先に群馬で工務店をやってる社長がいるんですけど、「補助金って大手しか使えないんじゃないの」ってずっと思ってたみたいで。実際どうなんですか?
いや、完全に逆ですよ(笑)。建設業って今めちゃくちゃ補助金が厚くて、国の大型制度から群馬県の独自制度まで、ざっくり80件以上の補助金が狙える状況なんです。むしろ大手は使えない制度が多くて、中小が得する仕組みになってます。
建設業って「2024年問題」とか「2050年カーボンニュートラル」とか、政策課題の震源地みたいな業種なんですよ。だから国が補助金を使ってでも変えようとしている。それが建設業者にとっては追い風になってます。
なるほど。じゃあ具体的にどんな補助金があるか、教えてもらえますか?
大きく4つのカテゴリに分けると整理しやすいですよ。設備・DX投資系、GX・脱炭素系、人材・雇用系、それから群馬県独自の補助金。順番に解説しますね。
まず設備やDXから聞かせてください。建設業で使えるものって、具体的にどんな補助金がありますか?
建設業のDX補助金のド本命は建築BIM加速化事業ですね。国土交通省が推している制度で、設計から施工まで複数の事業者がBIMデータで連携するプロジェクトに対して、設計費・工事費を補助してくれます。
BIMって最近よく聞きますね。導入してる建設会社はまだ少ない印象ですが。
だから今が狙い目なんです(笑)。
建築BIM加速化事業は複数回の公募が実施されていて、設計者・施工者・MEP事業者が連携する案件が対象。補助率も高くて、BIM導入を検討してる工務店や建設会社には絶好のタイミングです。
そこが建築GX・DX推進事業の面白いところで、BIMデータ作成とLCA(ライフサイクルアセスメント)を組み合わせた場合に、設計費・工事費・LCA算定費が一括で補助されます。
建築GX・DX推進事業(令和7年度版)は令和8年度も継続が見込まれていて、脱炭素とデジタル化を同時に進める建設会社には使い勝手が抜群です。
2つが合わさってるんですね。申請のハードルは高いですか?
複数事業者が連携するプロジェクトが要件なので、元請け・設計・MEPがバラバラに動いてる会社は事前準備が必要ですね。ただ、採択されると工事費の補助が入るので、受注金額が同じでも実質コストが下がる。競合優位性が作れます。
- 建築BIM加速化事業: 設計・施工・MEPの複数事業者が連携してBIMデータを活用するプロジェクトが対象
- 建築GX・DX推進事業: BIM+LCA算定を組み合わせた建築プロジェクトに設計費・工事費を補助
- 両制度とも国土交通省が推進。複数事業者との連携体制を先に組んでから申請するのがコツ
では建設機械の新型投資はどうですか?GX建機って補助金ありますか?
あります!
建設機械の電動化促進事業は国土交通省の制度で、GX建設機械(電動ショベルや電動ホイールローダーなど)の導入費の2/3を補助。しかも上限なしなんですよね。
ただし国土交通省が認定した機種に限られるので、「どの機械が対象か」は公募要領で確認必須です。電動建機のラインナップが最近一気に増えてきたので、令和8年度版も要注目ですね。環境省版の
商用車等の電動化促進事業(建設機械)も令和7年度補正で出ていて、従来型との価格差を補助する仕組みです。
建機の電動化が補助されるなら、燃料コスト削減にもなりますね。
そこが長期的な投資対効果のポイントですよ。補助金で初期投資を抑えて、ランニングコストも下がる。2050年カーボンニュートラルに向けて、早めに電動建機を持っている会社のほうが入札でも有利になっていく可能性があります。
補助金申請の流れ(建設業向け)
GX・脱炭素系の補助金、建設業って使えるものがめちゃくちゃ多そうですが、どれが一番インパクト大きいですか?
規模でいうと
ZEB実証事業ですね。
令和7年度ZEB実証事業は補助上限が10億円で、補助率が2/3以内。環境省の制度で、新築1万平米以上か既存2,000平米以上の大規模建築物が対象です。建設会社というより、ビルオーナーや大規模施設の工事を受注する建設会社向けですが、採択されれば工事金額が大きく動きます。
もう少し手が届きやすいのが
ZEB普及促進支援事業で、こちらは最大3億円、補助率は1/4〜2/3とZEBランクで変わります。業務用建築物の新築・既存改修が対象で、ZEB化に必要な省エネ設備の費用を支援してくれます。
ZEB、Nearly ZEB、ZEB Ready、ZEB Orientedの4段階です。新築でZEBを達成するのは難しいですが、Nearly ZEBや ZEB Readyなら設計次第で狙えます。補助率もZEBほど高くはないですが、工事費に補助が入るのは大きいですよ。
できます!
業務用建築物の脱炭素改修加速化事業(令和8年度版)は既存建物のZEB化改修に特化した補助金です。断熱窓や断熱材、高効率設備の導入費用が補助されて、補助上限も最大3億円。建設会社が改修工事の受注と同時に施主にこの補助金を提案できれば、受注確率が上がりますよね。
| 補助金名 | 最大補助額 | 補助率 | 主な対象 |
|---|
| ZEB実証事業 | 10億円 | 2/3以内 | 大規模建築物 |
| ZEB普及促進支援事業 | 3億円 | 1/4〜2/3 | 業務用建築物 |
| 業務用建築物脱炭素改修加速化 | 3億円 | 公募要領参照 | 既存建物改修 |
| SHIFT事業 | 5,000万円 | 1/2 | 工場・事業場 |
| LCCO2削減型ZEB支援事業 | 5億円 | 1/3〜3/5 | 新築ZEB建築 |
住宅系はどうですか?工務店でも使えるZEH系の補助金ってありますか?
建設業って人手不足が深刻ですよね。採用・育成系の助成金はどんなものがありますか?
建設業に特有の制度で、まず知ってほしいのが人材開発支援助成金(建設労働者技能実習コース)ですね。建設業労働災害防止協会(建災防)の群馬支部が窓口になっていて、技能講習の費用と賃金の一部が助成されます。
そうです。具体的には、技能講習の実費が最大90%助成されます(20人以下の中小建設事業主で生産性要件を満たした場合)。賃金助成も1日あたり最大1万1,500円、最長20日間出るので、職人さんの資格取得コストをかなり回収できます。
それは大きいですね!資格取得に費用がかかるのが建設業の悩みですもんね。
もう一つ、
業務改善助成金も建設業には相性いいです。最低賃金を30円以上引き上げたうえで設備投資やIT導入をした場合、最大600万円が助成される。補助率は3/4〜4/5と高くて、現場のICTツールや施工管理アプリ導入に使えます。
そこがポイントで、「賃上げするからお金が出ない」という悩みを補助金で解決する仕組みなんですよ。「賃上げして採用力を上げる→補助金で費用を回収する」という流れが作れます。
使えます!令和8年度版で最大137万円。2024年から残業時間の上限規制が建設業にも適用されたので、勤怠管理システムや工程管理ツールの導入費用を助成してもらうケースが増えています。業種別課題対応コースは建設業専用の枠があるので、要チェックです。
- 建設業の時間外労働上限規制(月45時間、年360時間)は2024年4月から適用済み
- 違反した場合、罰則(6ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金)あり
- 働き方改革推進支援助成金は「適用に向けた取り組みへの支援」なので、違反してからでは遅い。今すぐ申請を検討すること
サイバーセキュリティ対策の助成金は建設業でも使えるんですか?
建設業もBIMやクラウド施工管理を使う会社が増えてきたので、
サイバーセキュリティ対策促進助成金は注目度が上がってますよ。関東エリア(群馬含む)の中小企業が対象で、最大1,500万円、補助率1/2。UTMやEDRなどセキュリティ機器の導入費用を支援してもらえます。
群馬県ならではの補助金って、建設業に使えるものありますか?
群馬県の建設業向けで注目なのが
ぐんま技術革新チャレンジ補助金ですね。令和8年度の申請期間は2026年4月1日〜5月15日で、補助上限80万円・補助率1/2(小規模事業者は4/5)です。
ものづくりやサービスに係る新技術・新製品の開発が対象で、建設業だと「デジタル技術を活用した施工管理システムの開発」とか「地域の建設需要に応えるための新工法開発」といった案件が該当します。デジタル技術を組み込んだ案件には審査で加点評価があるのも特徴です。
そうです。事業所または開発拠点が「共同実施市町村」内にある中小企業者が対象で、前橋・高崎・桐生・伊勢崎・太田・沼田・館林など主要市が参加しています。本社が参加市町村外でも、開発拠点があればOKなので、広めに当たってみてください。
80万円って小さく感じるかもしれないですが、小規模だと補助率4/5なんですね。
実質20%の自己負担で新技術開発ができるんですよ(笑)。こういう少額でも高補助率の制度は、最初の補助金経験として最適です。「jGrantsで申請する」「交付申請・実績報告の流れを掴む」練習になる。
- ぐんま技術革新チャレンジ補助金: 2026年4月1日〜5月15日申請。最大80万円・補助率4/5(小規模)
- 建設機械の電動化促進事業: GX建機購入に補助率2/3。次回公募に備えGビズID取得を今すぐ
- 業務改善助成金: 最低賃金引上げ+設備投資で最大600万円。申請タイミングは設備発注前が必須
群馬県で建設業の補助金相談ができる窓口ってどこですか?
群馬県内には補助金相談の窓口がいくつかあって、それぞれ得意分野が違うので使い分けると効果的ですよ。
- 群馬県建設業協会: 教育訓練系の助成金案内を実施
- 群馬県よろず支援拠点: 幅広い補助金の無料相談に対応
- 中小機構 関東本部(さいたま): 事業計画書作成支援も可能
jGrantsでの申請にGビズIDが必要なんですが、取得に行政書士への書類提出とか郵送確認が入って2〜3週間かかるんですよ。公募が始まってから取り始めると締切に間に合わないことがある。だから「補助金を申請するかどうか決める前に、GビズIDだけ取っておく」のが鉄則です。
申請を検討してる建設業者さんへ、最後にアドバイスをお願いします!
建設業は今が補助金の「黄金期」ですよ。2024年問題対応、電動建機、BIM・DX、ZEB化...政策トレンドが全部建設業に向いてる。自社の事業計画と紐付けやすい補助金が必ず見つかるはずなので、諦めずに探してみてください。群馬の建設業者さんなら、まずぐんま技術革新チャレンジ補助金と働き方改革推進支援助成金の2本から手をつけるのが入りやすいと思います。