佐藤

佐藤

編集長

室谷さん、東京都の金融業や保険業の事業者向けに、補助金がいくつかあると聞きました。どんな制度があるのか教えてください。
室谷

室谷

代表取締役

そうですね、東京都は「国際金融都市」構想を掲げていて、特にフィンテックやデジタル証券、サステナビリティ経営支援など、金融セクターに特化した補助金を複数用意しています。他の都道府県ではなかなか見られない特徴ですね。今日は、代表的なものをいくつかピックアップしてご紹介します。

東京都が金融業界に特化した補助金を揃える背景

佐藤

佐藤

編集長

なぜ東京都はこんなに金融系の補助金に力を入れているんですか?
室谷

室谷

代表取締役

大きな理由は、東京都が「国際金融都市・東京」の実現を目指しているからです。例えば、フィンテック産業における協業基盤整備支援事業補助金は、フィンテック企業と金融事業者の協業を促進するために、ガバナンスやセキュリティのノウハウをまとめた解説集を作る取り組みを支援します。補助率1/2、上限1,000万円で、締切は2026年7月17日です。都内に本店または支店がある事業者が対象です。また、令和7年度フィンテック企業に対する海外進出支援事業補助金は、海外進出のフィジビリティ調査や展示会出展を支援し、上限300万円・補助率1/2。これは「国際金融都市」構想の一環で、都内フィンテック企業のグローバル展開を後押しするものです。締切は2025年12月26日までと長期にわたっています。

フィンテック企業向け:協業と実証実験を支援する補助金

佐藤

佐藤

編集長

フィンテック企業向けの補助金はどれくらいあるんですか?
室谷

室谷

代表取締役

いくつかあります。まず、先ほどの協業基盤整備支援事業に加えて、令和6年度フィンテック企業等に対するイノベーション支援事業(金融サービス事業化支援補助金)は、フィンテック企業と金融事業者が協働で行う実証実験の費用を補助します。上限300万円、補助率2/3と手厚く、クラウドサービス利用費や委託・外注費、専門家相談費などが対象。締切は2025年1月30日です。この補助金の特徴は、海外のフィンテック企業との協働も対象になる点ですね。
佐藤

佐藤

編集長

似たような補助金で「フィンテック企業等に対するイノベーション支援事業(事業化支援)補助金」というのも過去にありましたよね?
室谷

室谷

代表取締役

はい、以前は第1期(締切2022年7月15日)や第2期(締切2022年10月14日)が実施されましたが、令和6年度版は前述の1156番が該当します。また、同名称の別年度の事業化支援補助金(締切2024年2月29日)もあり、いずれも上限300万円・補助率2/3で、フィンテック企業の事業化を後押しする内容です。ただ、これらは既に締切が過ぎているので、最新の公募情報を東京都のサイトでチェックする必要があります。

デジタル証券(STO)の発行を促進する補助金

佐藤

佐藤

編集長

最近、デジタル証券(セキュリティトークン)の話をよく聞きますが、東京都では補助金があるんですか?
室谷

室谷

代表取締役

あります。主に2つです。

1つ目は、令和6年度デジタル証券(セキュリティトークン)市場拡大促進事業補助金。ブロックチェーン技術を使ったセキュリティトークンの発行に必要なプラットフォーム利用料やシステム開発費などを支援します。上限750万円で、補助率は1/2または2/3(条件により異なる)。締切は2025年1月30日です。

2つ目は、デジタル証券(セキュリティトークン)発行支援事業補助金。こちらは上限500万円、補助率1/2で、締切は2024年2月28日でした。こちらは既に終了していますが、参考までに。
佐藤

佐藤

編集長

STOの組成を検討している場合、どちらを狙えばいいですか?
室谷

室谷

代表取締役

現時点で使えるのは1155番の補助金です。ただし、すでに締切が過ぎているので、今後の公募を待つことになります。東京都のスタートアップ・国際金融都市推進本部のサイトを定期的に確認することをおすすめします。

海外展開やサステナビリティ経営の支援策

佐藤

佐藤

編集長

海外進出の支援や、サステナビリティに関する補助金もあるんですか?
室谷

室谷

代表取締役

はい。海外進出では、先ほど紹介した令和7年度フィンテック企業に対する海外進出支援事業補助金があります。フィジビリティ調査や海外展示会出展に使えて、上限300万円・補助率1/2。締切は2025年12月26日までと余裕があるので、現在準備中の企業にもおすすめです。

サステナビリティ関連では、令和6年度金融機関と連携したサステナビリティ経営促進事業(SLL/PIF)があります。サステナビリティ・リンク・ローンやポジティブ・インパクト・ファイナンスの実行に必要な外部評価・コンサル費用を補助します。上限100万円、補助率1/2。締切は2025年3月22日です(すでに終了している可能性がありますが、同様の事業が令和7年度以降も継続されるか注目です)。

さらに、令和6年度SDGs債発行支援事業補助金(ソーシャルボンド)は、ソーシャルボンドの発行に必要な外部レビュー費用を補助。上限400万円、補助率8/10(個人向け発行なら10/10)。締切は2025年3月14日。そしてトランジションボンド等は、上限500万円、補助率1/10(個人向けなら7/10)で、脱炭素移行に資する債券発行を支援します。こちらも締切は2025年3月14日です。
佐藤

佐藤

編集長

これらの補助金を活用すれば、資金調達の手段としての債券発行のハードルが下がりそうですね。

執行団体向けの大型公募や全国規模の補助金も

佐藤

佐藤

編集長

東京都以外が実施する補助金でも、金融業に関係するものはありますか?
室谷

室谷

代表取締役

あります。例えば、経済産業省のグローバルサウス未来志向型共創等事業費補助金(大型実証 非ASEAN加盟国)は、上限40億円という超大型補助金です。補助率は大企業1/2、中小企業2/3以内で、グローバルサウス諸国での大型実証事業を支援します。締切は2026年1月23日。金融業の事業者が直接応募するケースは稀かもしれませんが、インフラ案件に金融面で関わる場合など、可能性はあります。

また、産業車両等の脱炭素化促進事業のうち、空港におけるEV・FCV型車両導入事業など、環境省の補助金は空港や港湾の事業者向けですが、金融業の会社が車両を導入する場合にも使える可能性があります。

相談窓口と申請のポイント

佐藤

佐藤

編集長

これらの補助金に申し込む際、どこに相談すればいいですか?
室谷

室谷

代表取締役

東京都の金融系補助金全般については、東京都スタートアップ・国際金融都市推進本部のウェブサイト( https://www.startupandglobalfinancialcity.metro.tokyo.lg.jp/ )や、東京都産業労働局の金融系補助金一覧ページ( https://www.sangyo-rodo.metro.tokyo.lg.jp/gfct/ )で最新情報を確認するのが確実です。また、各補助金の公募要領をよく読み、要件を満たしているか事前にチェックしましょう。
佐藤

佐藤

編集長

フィンテック企業向け補助金は何度でも申請できますか?
室谷

室谷

代表取締役

補助金によって異なりますが、多くの場合、同一事業者に対する年度内の申請回数に制限があったり、採択は1回限りというケースが一般的です。ただし、別の年度に別の事業で応募できる場合もあります。必ず公募要領で確認してください。

まとめ

佐藤

佐藤

編集長

東京都には金融業向けの補助金が本当に多いんですね。
室谷

室谷

代表取締役

そうですね。フィンテック協業、デジタル証券、海外進出、サステナビリティ経営と、幅広いニーズに対応した制度がそろっています。特に東京都独自の金融特化型補助金は他の都道府県にはない強みです。自社の事業フェーズに合ったものを選び、締切を逃さずに申請することが重要です。また、補助金の利用を検討する際は、専門家や中小企業支援センターのアドバイスを受けるのも有効です。
佐藤

佐藤

編集長

本日はありがとうございました。とても参考になりました!