愛媛県 設備投資・IT導入 補助金比較
室谷さん、うちの取引先の愛媛の製造業の社長から「設備を入れ替えたいけど、補助金が多すぎてどれから調べたらいいかわからない」って相談を受けまして。
ありますね、そのパターン(笑)。愛媛って実は補助金の層が厚い県なんですよ。県独自の制度が2本走っていて、国の制度も複数あって。初めて調べると確かに迷う。
2本走ってるんですか!それはどういう組み合わせなんですか?
令和8年度(2026年度)でいうと、愛媛県独自のものが「生産性向上設備等投資支援補助金」と「中小企業者収益力強化補助金」の2本あります。規模感と目的がちょっと違うので、どっちが自分向けかで使い分ける感じです。
生産性向上設備等投資支援補助金の方が上限が大きくて、1,000万円。収益力強化補助金は上限が200万円です。ざっくり言うと、大きめの設備投資には前者、比較的小規模な生産性改善や新事業展開には後者が向いている。
両方とも通常は2分の1なんですが、生産性向上の方は賃上げを宣言すると3分の2に上がる賃上げ枠があります。収益力強化補助金は、小規模事業者だと最初から3分の2です。
まず愛媛独自の方から詳しく聞かせてください。生産性向上設備等投資支援補助金って、IT関係の投資も対象になるんですか?
なるんですよ、これが。機械装置費だけじゃなくて、ソフトウェア導入費とクラウドサービス利用料も補助対象になっています。だからITシステムの導入でも使えるし、POSレジとか生産管理システムの導入にも使える。
ただ注意点があって、事業費総額が補助対象経費400万円(税抜)以上という縛りがあります。少額の投資だと対象外になっちゃう。そういう場合は収益力強化補助金の方が向いています。
上限200万円で補助率2分の1、小規模事業者なら3分の2。こちらは機械装置・システム導入費、設計費、付帯工事費が対象です。令和8年5月29日が商工会・商工会議所への提出締切なので、今動いていれば間に合います。経営計画書が必要なので、地元の商工会に相談しながら作るのが現実的ですね。
愛媛の製造業の会社に設備投資の補助金でどっちが向いているか聞かれたら、どう整理すればいいですか?
まず投資規模で判断します。400万円以上の設備投資なら生産性向上設備等投資支援補助金、それ以下または50〜200万円の範囲なら収益力強化補助金。あと、賃上げも考えている企業は生産性向上の賃上げ枠で補助率が上がるので、そこは経営者と話し合う価値がある。
- 生産性向上設備等投資支援補助金: 上限1,000万円、補助率1/2(賃上げ枠で2/3)、対象経費400万円以上が目安。機械装置・ソフトウェア・クラウド利用料OK
- 収益力強化補助金: 上限200万円、補助率1/2(小規模2/3)、令和8年5月29日締切。商工会・商工会議所経由で申請
国の制度の話もしてください。IT導入補助金って2026年から名前が変わったって聞きましたが。
そうなんです。2026年度から「デジタル化・AI導入補助金2026」に生まれ変わりました。旧IT導入補助金の後継です。最大450万円、補助率1/2〜4/5という内容で、クラウドサービスの利用料を最大2年分まで補助できるのが特徴です。
使えます!名前に「AI導入」が入っているくらいで、業務プロセスの改善に役立つITツールとAIツールが広く対象です。5つの申請枠があって、通常枠のほかに、インボイス対応枠、セキュリティ対策推進枠なんかもある。
愛媛の商工会連合会がこの補助金の「複数社連携デジタル化・AI導入枠」の公募をしていましたよね。
そうそう(笑)。複数社連携枠は、商店街とか複数の中小企業が一緒に取り組む場合に使えます。1次締切が令和8年6月15日17時、2次締切が令和8年8月25日17時です。これは愛媛の商工会の呼びかけで動いているのでハードルが低い。1社での申請じゃなくて、地元の仲間と一緒に申請できる仕組みです。
なるほど。申請にはgBizIDプライムが必要っていうのを聞いたことがありますが。
必要です。これ、取得に2〜4週間かかることがあるので、補助金を申請しようと思い立ったら最初にやること。マイナンバーカードがあればオンラインで比較的早く取れますよ。デジタル化・AI導入補助金については、IT導入支援事業者(登録ITベンダー)を通じて申請するので、まず身近なITベンダーに相談してみてください。
愛媛って造船・製造業が多いじゃないですか。そういう企業向けには何かありますか?
ものづくり補助金ですね。正式名称「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」。最大1,250万円、補助率は中小企業で1/2、小規模事業者は2/3です。革新的なサービス開発や試作品開発、生産プロセスの改善が対象で、機械装置・システム構築費・技術導入費なんかが補助される。
今治のタオルメーカーとか新居浜の化学系企業とか、ものづくりの企業にはぴったりですね。
そう、愛媛の基幹産業にドンピシャです。ただ採択率が近年は30%台前後まで落ちてきているので、認定経営革新等支援機関(認定支援機関)と一緒に事業計画書を磨く必要があります。付加価値額を年率3%以上向上させる計画を書かないといけない。
ものづくり補助金の詳細はこちらで確認できます。
採択率が3割台というのは、3人に1人しか通らないってことですよね。差がつくポイントはどこですか?
革新性と具体性ですね。「設備が古いので更新したい」じゃ弱い。「この設備を導入することで、生産リードタイムを30%短縮し、年間〇〇万円のコスト削減と売上増加を実現する」くらい具体的に書く必要があります。愛媛のよろず支援拠点でも相談に乗ってもらえますよ。
補助金のほかに、設備投資に使える助成金もあるんですか?
業務改善助成金というのがあります。最低賃金を引き上げた中小企業が、生産性向上のための設備投資をした場合に助成される制度です。最大600万円、助成率は3/4〜4/5という内容です。令和8年度から3コース制(50円・70円・90円コース)に改定されました。
3コース制に変わったんですか!それはどう違うんですか?
賃上げ額で3コースに分かれていて、上げる金額が多いほど助成上限も上がる仕組みです。助成率は事業場内最低賃金が1,050円未満なら4/5、1,050円以上なら3/4になります。愛媛県はさらに「えひめ業務改善応援金」というものを独自に設けていて、国の業務改善助成金の上乗せ補助をしてくれる。賃上げを考えている企業は国と県のダブル活用ができるんです。
国と県のダブル活用できるんですね!これはあまり知られてない情報な気がします。
今治市の設備投資奨励金っていうのがあると聞いたのですが、市町村単位のものもあるんですか?
あります!今治市は
今治市設備投資奨励金というものがあって、工場や事業所の設備を更新した場合に、固定資産税の収納額相当を最大3年間交付してくれます。最大1,000万円。今治は造船と造船関連の会社が多いので、そういった企業向けに手厚い。
そうです。松山市とか新居浜市とかにも独自の制度があります。自分の会社がある市町村の公式サイトか、商工会議所に問い合わせると一覧がもらえますよ。
| 制度名 | 主な対象 | 補助率 | 上限額 | 申請先 |
|---|
| 生産性向上設備等投資支援補助金 | 愛媛県内中小企業 | 1/2〜2/3 | 1,000万円 | 愛媛県中小企業団体中央会 |
| 収益力強化補助金 | 愛媛県内中小・小規模 | 1/2〜2/3 | 200万円 | 各商工会・商工会議所 |
| デジタル化・AI導入補助金2026 | 全国中小企業 | 1/2〜4/5 | 450万円 | IT導入支援事業者経由 |
| ものづくり補助金 | 全国中小企業 | 1/2〜2/3 | 1,250万円 | 電子申請 |
| 業務改善助成金 | 全国中小企業 | 3/4〜4/5 | 600万円 | 都道府県労働局 |
| 今治市設備投資奨励金 | 今治市内事業者 | 固定資産税相当 | 1,000万円 | 今治市 |
そうなんですよ。用途・規模・場所によって全然違う。だから「設備投資で補助金を使いたい」と決めた後に、自分の状況に合った制度を絞り込むプロセスが大事です。
設備投資・IT補助金 申請の流れ(愛媛県版)
まず補助金によって全然違うので、先に制度を決めてから動く必要があります。国の制度(デジタル化・AI導入補助金、ものづくり補助金など)はgBizIDプライムが必要なので、それを取得するところから始める。
gBizIDの取得に2〜4週間かかるっていうのは、準備しとかないといけないですね。
そうです。公募が開始されてから「さあ申請しよう」と思っても間に合わない場合があります。「いつか設備投資しようと思ってる」くらいの段階からgBizIDは取っておくべきです。マイナンバーカードがあればオンラインで完了します。
CONNECTえひめが一番のおすすめです。愛媛県が設置している総合経営支援拠点で、補助金の相談からデジタル化支援まで無料で相談に乗ってもらえます。松山市久米窪田町にある「テクノプラザ愛媛別館1階」で、電話番号は089-960-1291です。
できるものとできないものがあります。同一の事業・設備に対して複数の補助金を重複して申請するのは基本NGです。でも、例えば「設備A」に生産性向上設備等投資支援補助金を使って、「システムB」にデジタル化・AI導入補助金を使うといった分け方はありです。補助対象の事業をきちんと分ける必要がありますが。
- 補助金は原則「後払い」。設備投資の費用を先に自分で支払い、後から補助金が振り込まれる
- 資金繰りに余裕がない企業は注意が必要。金融機関と事前に相談を
- 採択後でも、申請内容から外れる費用は補助対象外になる
- 補助事業の実施期間内に設備を取得・導入しないと補助金が受け取れない
事業者支援のDXってどういう方向で考えればいいですか?愛媛の場合、リスキリング系の補助金もありましたよね。
愛媛県に地域産業リスキリング実践支援補助金というのがあって、DXを推進できる社内人材を育成する研修費用を補助してくれます。設備やシステムを入れるだけじゃなくて、使いこなす人材も育てないと意味がないので、セットで考えると効果が出やすい。
CONNECTえひめに電話する、これだけです(笑)。自分でどの補助金が合うか悩む前に、相談してしまえばいいんです。令和8年5月末の収益力強化補助金の締切も迫っていますし、動けるならすぐ動く。
gBizIDプライムを取得(マイナンバーカードでオンライン申請)
CONNECTえひめ(089-960-1291)に電話して状況を相談
今日のポイントを一言でいうと、愛媛の設備投資・IT補助金は国と県の組み合わせで考えるのがポイントですね。
そうです。愛媛独自の2本(生産性向上設備等投資支援補助金・収益力強化補助金)を足がかりにして、国の制度(デジタル化・AI導入補助金、ものづくり補助金)を組み合わせる。これで対応できる投資規模が全然変わってきます。まず相談窓口に動いてみてください!
今治・新居浜・松山それぞれの産業特性によって、補助金の使い方も変わりそうですね。ありがとうございました!
愛媛県全体の補助金・助成金をもっと詳しく調べたい場合は
愛媛県の補助金・助成金一覧も合わせて確認してみてください。設備投資・IT導入に関連する全国の補助金も一緒に探せますよ。