室谷さん、最近インバウンドが盛り上がってますよね。外国人旅行者が東京の美容室に行くって話、聞いたことありますか?
ありますよ!ヘアカットやネイル、メイクを目的に来日する外国人旅行者、実は増えてるんです。東京の美容技術って世界的に見ても評価が高くて、「Japan Hair」みたいな形で海外のSNSでも話題になってますよね。
えっ、マジですか!それって東京都も注目してるんですか?
してますよ。だからこそ「多様な体験型観光推進事業補助金」という補助金が令和8年度も続いています。美容体験型観光を提供する都内の事業者さんが、外国人旅行者受け入れのために必要な費用の一部を補助してもらえる制度です。令和6年度は予算額に達するほど人気があって、令和8年度は2026年4月1日から受付が始まっています。
ざっくり言うと、補助対象経費の3分の2、上限が200万円です。経費が300万円かかる場合、200万円が補助金で、残りの100万円が自己負担というイメージですね。
多様な体験型観光推進事業補助金の補助率・概要インフォグラフィック
「美容体験型観光サービス」って具体的にどんなサービスが対象なんですか?
公式の定義では、ヘアカット・ネイル・メイクをはじめとして、ヘアセット、染毛、洗髪、パーマ、顔そり、エクステンション——これらを観光コンテンツとして活用した外国人旅行者向けの体験プログラム全般が対象です。ただし、医療行為やそれに準ずるサービスは含まれません。
これは公式FAQでも出てくる質問なんですが、補助対象のサービスと対象外のサービスが混在する場合、多言語化など区分けが困難な取り組みについては経費全額が補助対象になることもあります。迷ったら個別に問い合わせるのが一番ですね。産業労働局観光部受入環境課(電話番号は03-5320-4802)に相談できます。
できます!これもFAQに明記されていて、都内に住所があって都内で美容体験型観光サービスを提供しているなら対象になります。法人じゃなくても大丈夫というのは、小さな美容室にとってもうれしいポイントですよね。
以下のサービスが「美容体験型観光サービス」として認められます:
- ヘアカット・ヘアセット・染毛・洗髪
- パーマ・顔そり・エクステンション
- ネイル・メイク
複数のサービスを展開している場合は、補助対象外のサービスと混在していても、多言語対応など区分けが困難な取り組みについては全額補助対象になるケースあり
補助額について、もう少し詳しく教えてもらえますか?
計算式はシンプルで、「補助対象経費の3分の2」または「200万円」のいずれか低い方です。消費税や地方消費税は補助対象外です。また、他の補助金や助成金との併用は原則できないので注意が必要です。
| 項目 | 内容 |
|---|
| 補助率 | 補助対象経費の3分の2 |
| 補助上限額 | 200万円 |
| 消費税 | 補助対象外 |
| 他補助金との併用 | 原則不可 |
| 補助対象期間 | 交付決定日から令和9年3月31日まで |
150万円の経費がかかる場合は100万円が出るということですか?
そうです!150万円の3分の2は100万円で、上限の200万円を超えないので100万円が補助されます。もし経費が600万円かかっても、補助金は最大200万円というイメージですね。
- 補助対象経費は300万円以上でも補助額は200万円が上限
- 交付決定前に発注・施工した経費は対象外(先に申請してから工事・購入すること)
- 1事業者につき交付決定は1回限り(再申請不可)
- 予算に達した時点で受付終了(令和6年度は12月26日に締め切り)
メインの条件は「美容体験型観光提供事業者」であることです。具体的には都内に登記上の本店か支店があって、都内で美容室等を運営して、美容体験型観光サービスを提供している事業者が対象です。個人事業主は都内に住所があればOK。
以下のようなケースは申請できません——暴力団関係者であること、事業税の未申告や滞納があること、風俗営業等の規制に関わる事業を行っていること、過去5年以内に刑事罰を受けていること、民事再生や会社更生の手続き中であること、宗教・政治活動が主目的の団体などですね。通常の美容室経営をしている方なら問題ないはずです。
| 申請できる | 申請できない |
|---|
| 都内で美容体験型観光サービスを提供している事業者(法人・個人事業主) | 暴力団関係者 |
| 都内に登記または住所のある事業者 | 事業税の未申告・滞納がある事業者 |
| ヘアカット・ネイル・メイク等を外国人向けに提供している事業者 | 風俗営業等に関わる事業者 |
| 医療行為以外の美容サービスを提供している事業者 | 民事再生・会社更生手続き中の事業者 |
補助対象経費ってどんなものが使えるんですか?具体的に教えてもらえると。
大きく分けると「多言語対応に係る経費」と「文化・習慣対応に係る経費」の2カテゴリです。多言語対応では予約システムの導入費用、自社ホームページの多言語化、自動翻訳機の導入、店内表示やメニューの多言語化など。文化・習慣対応ではメニュー開発、施設整備・改修、外国人旅行者特有のニーズに対応するための備品購入などですね。
公式の経費項目を全部あげると——機器・備品購入費、制作費、印刷製本費、翻訳費、委託費、施設整備費、改修・電気工事費、施工管理委託経費、立ち合い検査・点検費などです!かなり幅広いですよね。
| 補助対象経費 | 主な例 |
|---|
| 機器・備品購入費 | 翻訳機、多言語対応タブレット、施術用備品 |
| 制作費 | 外国人向けプロモーション動画、メニュー表デザイン |
| 印刷製本費 | 多言語メニュー、外国人向けパンフレット |
| 翻訳費 | HP・メニュー・説明書の翻訳 |
| 委託費 | 多言語対応システム開発委託 |
| 施設整備費 | 外国人向け店内環境整備 |
| 改修・電気工事費 | 施設改修に伴う工事 |
リース・レンタルの設備費用、単なる老朽修繕や買い替え(老朽化対応の通常メンテナンス)、保守費用、日本語のみの広報ツール作成費、補助事業に関係のない物品の購入などは対象外です。あと、交付決定前に発注・施工・導入した費用は絶対に対象にならないので、これが一番大事な注意点です。
以下は補助対象になりません:
- リース・レンタルによる設備費用
- 単なる老朽修繕・買い替え(外国人対応でない通常更新)
- 構築したシステムの保守・維持費
- 日本語のみの広報ツール作成費
- 交付決定前に発注・施工・購入した経費(最重要)
- 消費税・地方消費税
Jグランツ(jGrants)という電子申請システムを使って申請します。まず前提として、GビズIDのプライムアカウントが必要なんですよ。
法人・個人事業主が一つのID・パスワードで複数の行政サービスにアクセスできる認証システムです。取得には2〜3週間かかることもあるので、
申請を考えている方は今すぐGビズIDの取得を始めてください。締め切りの直前に慌てることになりますから。
多様な体験型観光推進事業補助金の申請から補助金受取までのフロー図
ブラウザは最新版のChrome・Firefox・Edge・Safariを使ってください。Internet Explorerは使わないこと。ログインから3時間経過すると操作でログアウトされることがあるので、長時間の入力には注意が必要です。あと、書類に不備があると差し戻しのメールが届くので、メールアドレスは正確に登録してください。
主な提出書類は以下です。様式は東京都産業労働局のホームページからダウンロードできます。
| 書類名 | 内容 |
|---|
| 様式第1号 申請書 | 基本情報・申請金額 |
| 様式第1号 申請前確認書 | 申請条件の確認チェック |
| 様式第1号 別紙1(事業計画書) | 事業の目的・内容・スケジュール |
| 様式第1号 別紙2(誓約書) | 条件に関する誓約 |
| 申請に必要な書類一覧 | 添付書類のチェックリスト |
外国人旅行者受け入れのために今どういう状況で、今後どんな体制を作るかを書きます。具体的には店舗内の多言語対応の現状と今後の方向性、外国人向けの広報の計画など。「何のためにこのお金を使うのか」が明確に伝わるようにすることが重要です。ホームページの多言語化だけを申請する場合でも、外国人旅行者受け入れの全体像を記載しないといけません。
令和6年度は予算額に達して早々に締め切られたので、かなりの競争率だったと思います。審査内容は公表されていませんが、事業計画の具体性と実現可能性が重視されると思います。
いくつかポイントがあります!まず外国人旅行者の実際のニーズに即した計画を書くこと。たとえば「英語圏だけでなく東南アジア・欧州からの旅行者向けに多言語予約システムを導入する」など具体的に書くほど良いですね。次に、経費の積算根拠を明確にすること。「翻訳費○○円(翻訳会社への委託、〇〇ページ分)」のように具体的な積算を示すことで審査が通りやすくなります。
外国人旅行者の受け入れ体制の整備(多言語対応の現状と課題を明確に)
申請経費の詳細な積算根拠(見積書の添付が望ましい)
外国人向け広報活動の具体的な計画(SNS、予約サイトの活用など)
補助事業実施後の継続性(外国人旅行者の定期的な誘客につながるか)
経費の補助対象経費との明確な紐付き(何のためにどう使うかを明確に)
書類の不備で受け付けられなかったら、申請し直せるんですか?
締め切り前であればJグランツ上で差し戻しになって、修正して再提出できます。でも締め切り後の差し戻しは受け付けられません。「不備で受け付けられない」という最悪のケースを避けるために、余裕を持って提出してください。提出後も予算額に達した時点で受付終了になるので、早めの申請が絶対に有利です。
事業を完了して実績報告書を提出し、審査が通ってから補助金の額が確定します。確定通知を受け取ったら請求書を出して、指定口座に振り込まれます。つまり後払いなんですよ。一時的に全額を立て替えておく必要があります。
東京都の中小企業向け融資制度を活用する方法があります。補助金と融資の組み合わせで資金を手当てすることが多いです。また、東京都中小企業振興公社の無料相談窓口でアドバイスをもらうのも有効ですね。令和9年3月31日までに経費の支払いを完了する必要があるので、スケジュール管理も重要です。
まとめますね。申請を検討している方はまずこの表から確認してください。
| 項目 | 内容 |
|---|
| 補助金名 | 令和8年度多様な体験型観光推進事業補助金 |
| 実施機関 | 東京都産業労働局観光部受入環境課 |
| 対象者 | 都内の美容体験型観光提供事業者(法人・個人事業主) |
| 補助率 | 補助対象経費の3分の2 |
| 補助上限額 | 200万円 |
| 申請期間 | 2026年4月1日〜2026年11月30日(必着・予算額到達次第終了) |
| 補助対象期間 | 交付決定日〜令和9年3月31日 |
| 申請方法 | Jグランツ(電子申請) |
| 問い合わせ先 | 産業労働局観光部受入環境課(代表)03-5320-4802 |
| 公式ページ | 東京都産業労働局 |
東京都が実施している類似の観光関連補助金がいくつかあります。今回の美容特化型と比較してみましょう。
自然体験型の補助金は補助率が5分の4でもっと高いんですね!
そうなんです。自然体験型は障害者向けのアクセシブル・ツーリズムに特化しているので補助率が高いんです。今回の美容系は一般の美容体験型観光を対象にしているので補助率は3分の2になっています。業態によって適した補助金が違うので、自分のサービス内容にどれが合うか確認してみてください。
まず「個人事業主でも申請できますか?」という質問。
できます。都内に住所があって都内で美容体験型観光サービスを提供していれば対象です。登記がなくてもOKです。
ネイルは対象です!ヘアカット・ネイル・メイク等がサービスの範囲に明記されています。「等」にはヘアセット、染毛、洗髪、パーマ、顔そり、エクステンションも含まれます。
「ホームページの多言語化だけでも申請できますか?」
申請経費としてはホームページの多言語化だけでも構いません。ただし事業計画書には、外国人旅行者向けの受け入れ体制の全体像(多言語対応の状況や今後の広報の方向性)を記載する必要があります。申請経費はHP多言語化のみでも、外国人旅行者への実際のサービス提供を目的とした計画が必要です。
「翻訳機器の購入と店舗改修を両方申請したい場合は?」
合算して申請できます。複数の経費項目をまとめて申請できますが、それぞれの積算根拠を事業計画書に明記してください。ただし総額の3分の2、上限200万円の範囲内です。
交付決定通知を受け取るまで発注・施工・購入してはいけません。これが最大の注意点です。また取得財産(50万円以上)は耐用年数内に勝手に処分・売却・貸与できないので、事前に確認しておいてください。関係書類は事業完了後5年間保存する義務もあります。
- 交付決定前の発注禁止(最重要)
- 関係書類(契約書・領収書・振込履歴等)を全て保存
- 取得財産(50万円以上)の無断処分・売却・転用は事前申請が必要
- 事業完了から30日以内に実績報告書を提出
- 関係書類の保存期間は事業完了年度終了後5年間
そもそも、なぜ東京都がここまで美容体験型観光に力を入れているんでしょうか?
背景にはインバウンド需要の急増があります。2025年以降、訪日外国人数が大幅に増加していて、東京への来訪者も過去最高水準で推移しています。その中で「体験型観光」への需要が高まっていて、観光地を回るだけじゃなく、日本ならではの体験をしたいという旅行者が増えてきました。
美容が観光になるというのは、世界でも珍しいですよね?
珍しいんですが、実は日本の美容技術は海外から高く評価されているんです。「Japan Hair」タグで海外SNSに投稿される動画は数百万再生を超えるものも出てきていて、「東京で髪を切りたい」という海外からのコメントが溢れています。ネイルやメイクも同様で、日本の美容師の丁寧な施術や技術の高さが口コミで広まっています。
そうなんです!でも課題は「受け入れ体制」なんですよ。言語の壁があって、外国人旅行者が美容室に入りづらいという問題があります。予約の仕方がわからない、要望を伝えられない、という声が多くて。そこで東京都が「多言語対応や外国人向けのサービス体制を作るための費用を補助しますよ」という施策を打ち出したわけです。
なるほど!だから補助対象経費に「予約システムの導入」や「翻訳費」が含まれるんですね。
まさにそうです!制度の背景を理解すると、事業計画書に何を書けばいいかも見えてきます。「外国人旅行者の集客から美容体験型観光サービスの提供まで、一連の受入体制が整備されること」が補助対象の要件として明記されています。つまり東京都が求めているのは、単なる設備購入じゃなくて、外国人が安心して利用できる完結したサービス体制を作ることなんです。
申請を考えている方は、今から何を準備すればいいですか?
優先順位をつけると、まずGビズIDの取得が最初のステップです。登記情報をもとに申請するので、時間がかかります。次に自店舗の現状を整理すること——現在の外国人旅行者の受け入れ状況、多言語対応の課題、改善したいことを書き出してみてください。
そうです。さらに見積もりを取り始めてください。翻訳会社に問い合わせる、予約システムの料金を調べる、改修の場合は工事業者に見積もりを依頼するなど。具体的な金額が見えてくると、申請書類に書ける内容が格段に充実します。
GビズIDのプライムアカウント取得開始(法務局登記情報が必要)
自店舗の外国人対応の現状と課題を整理(メモレベルでOK)
導入したいシステム・サービスの見積もり収集(予約システム・翻訳ツール等)
募集要領をダウンロードして読み込む(東京都産業労働局公式サイト)
事業計画書の下書きを作成する(どんな取り組みをするか箇条書きで)
令和6年度は早期に締め切られたとのことですが、いつごろに申請するのが理想ですか?
受付開始の2026年4月1日から申請できるので、書類が揃い次第すぐに出すのがベストです。令和6年度の実績を見ると、12月末に予算額に達していますが、次回は早い段階で締め切られる可能性もゼロじゃないです。審査に3週間かかることを考えると、10月上旬までには申請を終えておくのが安全ラインです。令和9年3月31日までに事業完了・経費支払いも必要なので、逆算するとそれ以上遅れると事業実施期間が短くなってしまいます。
そうですね!東京都の観光施策として注目されているこの補助金、美容室などで外国人旅行者向けサービスを検討している都内事業者にとって最大200万円の支援は大きな後押しになります。申請締め切りは2026年11月30日ですが、予算額に達した時点で受付終了となるため、令和6年度のように年内に締め切られる可能性もあります。GビズIDの取得から始めて、早めに準備を進めてみてください。東京都内の補助金をもっと探したい方は
東京都の補助金一覧もご確認ください。