やまぐち自動車産業電動化イノベーション等促進補助金とは

佐藤

佐藤

補助金エージェント編集長

今回取り上げるのが「やまぐち自動車産業電動化イノベーション等促進補助金(電動化関連枠)」なんですけど、名前が長くてちょっと構えちゃいますね(笑)
室谷

室谷

代表取締役

名前は長いですけど、要は山口県が自動車産業の電動化研究開発を最大3000万円支援する補助金です。カーボンニュートラルに向けて生産車両がどんどんEVになっていく中で、山口県内の企業が新技術・新製品を開発して自動車産業に参入・拡大するのを後押しするのが狙いですね。
佐藤

佐藤

補助金エージェント編集長

3000万円!!それはすごい。でも研究開発ってハードル高そう…
室谷

室谷

代表取締役

意外とそうでもないんですよ。EV(電気自動車)や燃料電池車、プラグインハイブリッド車、ハイブリッド車の部品開発が中心ですけど、モーター・バッテリー・インバーターといった車両構成部品だけじゃなく、電動化で需要増加が見込まれる高機能素材・原材料の開発も対象に含まれるんです。素材メーカーにもチャンスがある。
佐藤

佐藤

補助金エージェント編集長

ほんとに?じゃあ自動車部品メーカーじゃなくても関係してくるってことですか。
室谷

室谷

代表取締役

そうなんです。電動化にともなって素材の需要がかなり変わってきてますから、山口県は川上産業の育成も視野に入れてると思います。

2つの枠の違いを一目でわかる比較表
2つの枠の違いを一目でわかる比較表

電動化関連枠と脱炭素関連枠の違い

佐藤

佐藤

補助金エージェント編集長

ちなみにこの補助金、同じ名前で補助金ID 103704という別のレコードもあるって聞いたんですけど…
室谷

室谷

代表取締役

それが「脱炭素関連枠」ですね。同じ補助金の制度の中に2つの枠が設けられているんです。それぞれ目的も補助金額も対象者もかなり違う。
佐藤

佐藤

補助金エージェント編集長

どう違うんですか?
室谷

室谷

代表取締役

こういう感じで整理できます。
項目電動化関連枠(本記事)脱炭素関連枠
対象事業EV向け新技術・新製品の先導的・先進的研究開発・実証試験自動車のライフサイクル低炭素化に資する設備等の導入
補助上限額3,000万円(年間)1,000万円(年間)
補助下限額1,000万円超(年間)なし
補助率1/2以内1/2以内
対象者山口県内に事業所を置く企業(大企業含む)山口県内に事業所を置く中小企業のみ
採択件数目安1件程度2件程度
事業期間交付決定日〜令和9年2月末交付決定日〜令和9年3月末
佐藤

佐藤

補助金エージェント編集長

なるほど!電動化関連枠のほうが金額が大きくて、しかも中小企業じゃなくていいんですね。逆に下限が1,000万円超ってのは…
室谷

室谷

代表取締役

そうなんです、補助金申請額が年間1,000万円を超えることが条件になってる。本格的な研究開発を想定してるから、それなりの規模の投資が前提になってる。小規模な実験だと要件を満たせないですよね。
佐藤

佐藤

補助金エージェント編集長

じゃあ申請する側はまず「どちらの枠に当てはまるか」を整理する必要があるわけですね。
室谷

室谷

代表取締役

正確にはそうです。研究開発・実証試験をやりたいなら電動化関連枠、設備導入で低炭素化したいなら脱炭素関連枠、という棲み分けですね。

補助対象者・申請資格

佐藤

佐藤

補助金エージェント編集長

電動化関連枠は「大企業でも申請できる」って言ってましたけど、具体的にどんな会社がOKなんですか?
室谷

室谷

代表取締役

条件としては大きく2つで、「山口県内に事業所(登記上の主たる事務所・工場・研究所等)を置く企業」か、「山口県内の貸研究室・インキュベーション施設で研究開発を実施する企業」のどちらかに該当すれば申請できます。
佐藤

佐藤

補助金エージェント編集長

インキュベーション施設もOKなんですね!これは意外。
室谷

室谷

代表取締役

スタートアップや大学発ベンチャーも想定してるんだと思います。自社工場がなくても山口県のインキュベーション施設に入居して研究してれば対象になる。ただし、個人事業主は対象外で法人格が必要です。
佐藤

佐藤

補助金エージェント編集長

企業規模の制限はないんですか?
室谷

室谷

代表取締役

電動化関連枠には従業員数・資本金の上限制限はないです。大企業でも申請OK。ただし、以下の3つの要件は全て満たす必要があります。

申請前に確認必須の3要件

  1. 山口県税を滞納していないこと
  2. 暴力団等、法令で定める反社会的勢力に該当しないこと
  3. 役員等に反社会的勢力関係者がいないこと
佐藤

佐藤

補助金エージェント編集長

まあ、これは普通の企業なら問題ないですよね。
室谷

室谷

代表取締役

はい、通常の事業活動をしてる企業なら引っかかるものじゃないです。次に、実際に補助対象になる経費を見ていきましょう。

補助対象経費の詳細

佐藤

佐藤

補助金エージェント編集長

研究開発の補助金なんで、使い道がいろいろありそうですね。
室谷

室谷

代表取締役

電動化関連枠は研究開発型なので、かなり幅広い経費が対象になってますよ。公募要領で明記されているのはこれらです。
経費区分具体的な内容
人件費補助事業に直接従事する者の直接作業時間への給料・手当
補助員人件費(賃金)補助事業補助員の直接作業時間に対する賃金
機械器具設置費試験・分析・研究用の機械器具の購入・設置費
共同研究費研究開発グループ構成員(大学・企業等)への経費配分
委託料試験・分析・調査等の委託
謝金専門家から技術指導を受ける際の専門家謝金
旅費専門家旅費・研究者旅費
研修費自動車関連分野の専門知識習得・技術向上のための研修
役務費機械装置の保守・データ通信等
原材料費主要原料・材料・副資材・実験分析用材料
使用料及び賃借料機器・装置の使用料、会場借料
外注費直接実施できない業務の外注
消耗品費研究開発等に必要な備品に属さないもの(使用可能期間1年未満または取得価額10万円未満)
特許出願等経費特許・実用新案・意匠・商標の出願手数料・弁理士費用
佐藤

佐藤

補助金エージェント編集長

特許出願費用まで出るんですね!これはありがたい。
室谷

室谷

代表取締役

研究開発の成果を権利化するところまで支援するってことですね。大学との共同研究費も出るので、研究機関を巻き込んだプロジェクトにも対応してます。
佐藤

佐藤

補助金エージェント編集長

逆に対象にならない経費って何があります?
室谷

室谷

代表取締役

これが重要なポイントで、以下のものは絶対に対象外になります。

補助対象外になる経費(要注意)

  • 交付決定日に発生した経費(発注も含む)
  • 事業終了日までに支払が完了していない経費
  • 消費税及び地方消費税(一部例外あり)
  • パソコン・プリンタ等汎用性の高いもの
  • 事務所の家賃・保証金・敷金・仲介手数料
  • 飲食に係る経費
  • 公費負担人件費(大学研究者等、公費が充当されている人件費)
佐藤

佐藤

補助金エージェント編集長

交付決定前の経費がNGって大事ですね。先走って発注しちゃったらアウトなんだ。
室谷

室谷

代表取締役

そこは絶対に気をつけてほしいポイントです。採択されたからといって、採択通知が即・交付決定通知になるわけじゃない。交付決定の通知が届くまで発注してはいけない。

審査のポイント・採択を勝ち取る戦略

佐藤

佐藤

補助金エージェント編集長

ちなみに、採択件数が1件程度って書いてあって、かなり競争が激しそうで…
室谷

室谷

代表取締役

正直、採択件数1件程度というのは相当厳しい倍率が想定されます。だからこそ審査の採点基準を理解して事業計画書を書くことが重要です。
佐藤

佐藤

補助金エージェント編集長

どんな審査項目があるんですか?
室谷

室谷

代表取締役

公募要領に審査項目と配点が明記されてます。

審査項目と配点(合計60点)
審査項目と配点(合計60点)
審査項目配点主な審査基準
研究開発体制等10点開発体制・人員配置、研究推進方法の妥当性、過去の研究実績、財政健全性
研究開発内容の先導性・先進性20点研究テーマ・解決手法の先導性、基礎研究の成果検証、ビジネスの新規性・優位性
事業化の見通し20点実現性のある事業化見通し、事業化戦略・工程の明確さ、市場動向分析、メーカー・サプライヤーとの連携
波及効果等10点県内における新たな設備投資・雇用見込み、県内企業の新事業展開見込み
合計60点
佐藤

佐藤

補助金エージェント編集長

「先導性・先進性」と「事業化の見通し」が各20点で最重要なんですね。
室谷

室谷

代表取締役

そうなんです。ここが合計40点で全体の2/3を占める。「めっちゃ先進的な研究をしたい」だけじゃなくて、「その研究が実際にビジネスになるか」というところを同じ比重で見てる。

採択を勝ち取る3つの重要ポイント

  • ポイント1: メーカー・サプライヤーとの連携を明示する 事業化の見通しの審査基準に「自動車に関連するメーカー・サプライヤー等との事業化に向けた連携」が明示されています。既存の取引先・協業先との連携計画を具体的に書くことで大幅な加点が見込まれます。

  • ポイント2: 先導性・先進性を競合技術との差分で説明する 「先進的か」という評価は相対評価です。既存の技術・製品との違いを客観的なデータで示し、「なぜこの技術が他にないのか」を説明することが重要です。

  • ポイント3: 複数年計画での申請を検討する 最長3年間(令和10年度まで)継続可能です。初年度で基礎研究、2年目で実証試験という段階的な計画を示すと、長期的な事業化の確実性をアピールできます。

佐藤

佐藤

補助金エージェント編集長

プレゼンテーションもあるんですよね?
室谷

室谷

代表取締役

そうです。令和8年6月頃に申請者あてに連絡が来て、プレゼンテーションに基づく審査が行われる予定です。書類審査だけじゃなく対面(またはオンライン)での審査がある。書類の質と同じくらいプレゼンの準備も重要です。

申請から補助金受取までの流れ

佐藤

佐藤

補助金エージェント編集長

じゃあ実際の手続きはどうすればいいんですか?順を追って教えてほしいです。
室谷

室谷

代表取締役

スケジュールは令和8年度のものが公表されていて、こんな流れになってます。
佐藤

佐藤

補助金エージェント編集長

GビズIDは必要ですか?
室谷

室谷

代表取締役

Jグランツ経由で申請する場合はGビズIDが必要です。取得まで2〜3週間かかることがあるので、まだ持っていない会社は今すぐ申請しておくほうがいいです。公募期間が6月5日までと2ヶ月弱しかないので。

GビズID未取得の企業は今すぐ申請!

GビズIDの新規取得には審査に数週間かかる場合があります。公募締切(令和8年6月5日 17時15分)に間に合わせるため、Jグランツ経由で申請予定の企業は早急にGビズIDの申請を進めてください。電子メール申請の場合はGビズIDは不要ですが、各種提出書類の準備に時間がかかります。

補助金額・補助率の詳細

佐藤

佐藤

補助金エージェント編集長

補助率1/2以内で最大3,000万円ということは、研究開発費を年間6,000万円以上使う計画が必要ってことですか?
室谷

室谷

代表取締役

そうなりますね。補助上限3,000万円で補助率1/2なので、総事業費は6,000万円以上を想定した計画が必要です。また補助下限が1,000万円超なので、受け取る補助金額が少なくとも1,000万円を超えなければならない。つまり自己負担は最低でも1,000万円超という規模感。
佐藤

佐藤

補助金エージェント編集長

なかなか大きな事業ですね。
室谷

室谷

代表取締役

これは「本格的な研究開発を後押しする」というコンセプトから来てると思います。ちょっとした試作レベルじゃなく、実際にビジネスに結びつく可能性のある本格研究を想定してる。
項目金額・条件
補助上限額3,000万円(年間)
補助下限額1,000万円超(年間)※複数年の場合はいずれかの年度で超えていればOK
補助率1/2以内
自己負担率1/2以上
複数年継続最長3年間(令和10年度まで)継続可能
実証試験期間最長1年間(実証試験のみの公募は不可)
佐藤

佐藤

補助金エージェント編集長

複数年継続できるのは大きいですね。研究って1年じゃ終わらないものが多いですし。
室谷

室谷

代表取締役

研究開発等の期間が長期にわたる等、特に必要と認められる場合は最長3年間継続できます。ただし毎年度審査があって、前年度の実績評価が低い場合は次年度の補助金が減額・不交付になる可能性があります。継続して採択され続けるためには毎年の成果報告が重要です。

基本情報まとめ

佐藤

佐藤

補助金エージェント編集長

一通り聞いたところで、基本情報を整理してもらえますか?
室谷

室谷

代表取締役

はい、こうなります。
項目内容
補助金名やまぐち自動車産業電動化イノベーション等促進補助金(電動化関連枠)
対象地域山口県
対象業種製造業(電動車関連部品・素材の研究開発)
公募期間令和8年4月27日〜令和8年6月5日(金曜日)17時15分まで
補助上限額3,000万円(年間)
補助率1/2以内
採択件数目安1件程度
実施機関山口県産業労働部産業脱炭素化推進室
問い合わせ先山口県産業労働部産業脱炭素化推進室(担当:倉光、福田)Tel:083-933-2474
公式URL山口県公式ページ
JグランツIDa0WJ200000CDYdnMAH

電動化関連枠に似た山口県の補助金

佐藤

佐藤

補助金エージェント編集長

電動化関連枠に当てはまらない場合、他に使えそうな補助金はありますか?
室谷

室谷

代表取締役

山口県には他にもいくつか関連する補助金があります。まず同じ補助金の脱炭素関連枠(中小企業向け・補助上限1,000万円)は先ほど話した通りです。中小企業で設備投資による低炭素化を検討しているならこちらの選択肢になります。また、海外市場を狙うなら山口県海外展開支援補助金(補助上限300万円)も活用できますよ。
佐藤

佐藤

補助金エージェント編集長

同じ制度の中で2つの枠があるってのが面白い仕組みですね。
室谷

室谷

代表取締役

山口県としては「大企業の先進研究」と「中小企業の設備投資」を両方支援したいんだと思います。電動化という大きなテーマの中で、それぞれのフェーズ・規模感に合った支援ができる設計になってる。

よくある質問

佐藤

佐藤

補助金エージェント編集長

最後によくある質問も教えてほしいです。
室谷

室谷

代表取締役

問い合わせが多そうな点を整理しますね。
佐藤

佐藤

補助金エージェント編集長

まず「採択されたら即、事業を始めていいですか?」って聞かれそう。
室谷

室谷

代表取締役

絶対ダメです。採択通知と交付決定通知は別物で、交付決定の通知を受けるまで発注・支出は不可です。採択後も交付申請の手続きが必要で、それが承認されて初めて事業を開始できる。先走った経費は全額自己負担になります。
佐藤

佐藤

補助金エージェント編集長

「複数の公的補助金との併用はできますか?」という点は?
室谷

室谷

代表取締役

実質的に同一内容の事業について他の公的補助金と重複受給することは禁止されています。ただし全く別の事業・研究テーマであれば複数の補助金を活用することは可能です。申請前に確認が必要ですね。
佐藤

佐藤

補助金エージェント編集長

消費税は補助対象に含まれますか?
室谷

室谷

代表取締役

原則として消費税は補助対象外ですが、免税事業者・簡易課税事業者・課税売上割合が低い場合など一定の条件に該当する場合は含めることができます。会計担当者と確認してください。
佐藤

佐藤

補助金エージェント編集長

大学との共同研究の場合、大学側の経費は補助対象になりますか?
室谷

室谷

代表取締役

大学研究者等で公費が充当されている人件費は補助対象外です。ただし共同研究費として申請者が一括経理処理(申請者が発注・支払)する場合、または申請者と大学間で契約を締結して共同研究費として配分する場合は、適切な経費処理をすれば対象となります。公募要領に詳細な手順が記載されているので確認してください。

申請前のチェックリスト

  • 山口県内に事業所・研究施設があるか(インキュベーション施設入居も可)
  • 個人事業主でなく法人格があるか
  • 山口県税の滞納がないか
  • GビズIDを取得済みか(Jグランツ申請の場合)
  • 補助申請額が年間1,000万円超になる計画があるか
  • 自動車メーカー・サプライヤーとの事業化連携計画があるか
  • 研究テーマの先導性・先進性を説明できるか
佐藤

佐藤

補助金エージェント編集長

これだけの準備をしないといけないから、6月5日の締切まで結構タイトですね。
室谷

室谷

代表取締役

そうですね。今からでも間に合いますが、事業計画書の作成・審査委員会向けのプレゼン準備・財務計画の整理と、やることは多い。早めに公式の公募要領PDFを読んで、不明点は山口県産業脱炭素化推進室(電話 083-933-2474)に直接問い合わせることをお勧めします。
室谷

室谷

代表取締役

山口県の補助金情報は山口県の補助金一覧ページで他にも確認できますよ。