室谷さん、最近「やまぐち自動車産業電動化イノベーション等促進補助金」っていう補助金が話題になってるんですが、これってどんな制度なんですか?
あ、これは山口県が令和8年度(2026年度)から公募を始めた補助金で、自動車産業の電動化に取り組む企業を支援するためのものです!カーボンニュートラルの実現に向けて、EVシフトに対応できるよう県内企業を後押しするんですよ。
えっ、山口県って自動車産業が盛んなんですか?意外な感じがするんですが。
それが、山口県は実は自動車関連の製造業が多いんです!マツダのサプライチェーンに組み込まれている中小企業も結構いて、そういった企業が電動化の波に乗り遅れないように、県がこういう補助金を整備したんですよね。
なるほど!それで補助金の中身はどうなってるんですか?
大きく2つの枠があるのが特徴的です。「電動化関連枠」と「脱炭素関連枠」の2本立てで、それぞれ補助額も対象事業も違います。ざっくり言うと、電動化関連枠は最大3,000万円の研究開発向け、脱炭素関連枠は最大1,000万円の設備投資向けって感じです!
ほんとに?2つの枠があるんですね。
やまぐち自動車産業電動化補助金 2枠比較表
電動化関連枠と脱炭素関連枠、もっと詳しく教えてもらえますか?
そうですね、2枠の違いをざっくりまとめるとこうなります。
| 区分 | 電動化関連枠 | 脱炭素関連枠 |
|---|
| 対象事業 | 研究開発・実証試験 | 設備等の導入 |
| 補助上限額 | 3,000万円/年(年間) | 1,000万円/年(年間) |
| 補助下限額 | 1,000万円超/年 | なし |
| 補助率 | 1/2以内 | 1/2以内 |
| 補助対象者 | 県内企業(規模問わず) | 県内中小企業のみ |
| 採択件数目安 | 1件程度 | 2件程度 |
| 事業期間 | 最長3年間(令和10年度まで) | 令和9年3月末まで |
なるほど!電動化関連枠のほうが金額も大きいけど、下限額があるんですね。研究開発だから規模が大きい前提ってことかな。
その通りです!電動化関連枠は「先導的・先進的な研究開発・実証試験」が対象なので、ある程度本格的な取り組みを想定しています。だから補助下限額が1,000万円超という設定になっているんです。一方、脱炭素関連枠は製造ラインにCO2削減設備を入れるとか、エネルギー可視化システムを導入するといった設備投資が対象で、下限額はありませんよ。
そうですね。中小企業にとっては脱炭素関連枠のほうが取り組みやすいです。設備投資の1/2を最大1,000万円まで補助してくれるので、2,000万円の設備を導入するなら1,000万円の補助が受けられるイメージです。次のセクションで対象になる企業の要件を詳しく見ていきましょう。
まず両枠共通の条件として、山口県内に事業所を置いていることが必要です。「事業所」は登記上の主たる事務所、工場、研究所などが対象です。それから県内の貸研究室やインキュベーション施設で研究開発している企業も対象になりますよ。
電動化関連枠は「県内企業」で、脱炭素関連枠は「県内中小企業」って違いがありましたよね。
はい!電動化関連枠は企業規模の制限なく県内企業なら申請できますが、脱炭素関連枠は中小企業に限られます。その「中小企業」の定義はこうなっています。
| 業種 | 資本金 | 従業員数 |
|---|
| 製造業・建設業・運輸業など | 3億円以下 | 300人以下 |
| 卸売業 | 1億円以下 | 100人以下 |
| サービス業 | 5,000万円以下 | 100人以下 |
| 小売業 | 5,000万円以下 | 50人以下 |
資本金と従業員数の両方を満たさないといけないんですか?
いい質問です!これ、どちらか一方を満たせばOKなんです。たとえば資本金が3億円以下でも従業員が300人超えていたら対象外ですが、資本金は3億円超でも従業員300人以下なら対象になるという考え方です。
以下に該当する場合は中小企業でも対象外になります。
- 発行済株式の2分の1以上が同一の大企業に所有されている
- 発行済株式の3分の2以上が複数の大企業に所有されている
- 大企業の役員・職員が役員総数の2分の1以上を占めている
大企業系列の子会社などは注意が必要です。
親会社が大企業の場合は注意が必要なんですね!他に気をつける点はありますか?
山口県税の滞納がないことも必須条件です。申請前に確認しておきましょう。次は実際にどんな経費が対象になるのか見ていきますね。
枠によって対象経費が異なります。まず電動化関連枠から説明しますね。
- 人件費: 事業に直接従事する者の人件費、補助員の賃金
- 機器設備費: 機械装置・工具器具の購入・試作・改良・据付・借用・修繕
- 共同研究費: 研究開発グループ構成員への支払い経費
- 委託費: 外部事業者への委託費(補助対象経費の1/2以内)
- 謝金: 専門家からの技術指導に係る謝金
- 旅費: 専門家・研究者の旅費
- 研修費: 自動車関連分野の専門知識習得のための研修費
- 役務費: 機械装置保守、データ通信費など
- 原材料費: 研究開発に必要な原材料・消耗品
- 使用料及び賃借料: 設備の借料、施設使用料
- 外注費: 試作・実験の一部外注費
- 特許出願等経費: 知的財産取得に係る費用
そうです!研究開発型の補助金は人件費が対象になるのがポイントで、専任スタッフを充てられるのが大きいですよ。一方、脱炭素関連枠はもう少しシンプルです。
- 機器設備費: CO2削減に資する設備・機器の購入・設置費
- 使用料及び賃借料: 対象設備のリース・レンタル費用
- 外注費: 設備設置工事等の外注費
- その他: 事業遂行に直接必要な経費
対象設備の条件: 「生産性向上を伴いつつCO2排出量削減に資する設備」または「エネルギー使用量を可視化する設備」のいずれか
脱炭素関連枠はどんな設備が対象になるか、具体例を教えてもらえますか?
例えばですが、省エネ型の工作機械への更新(CO2削減+生産性向上を両立)、工場内のエネルギー管理システム(EMS)の導入、排熱回収システムの設置などが考えられます!製造工程全体でCO2を減らしつつ、ちゃんと生産性も上がる設備が対象という感じですね。
今回の令和8年度の公募はすでに始まっていて、
2026年6月5日(金曜日)17時15分が提出期限です!日付が決まっているので、今から動き始めても十分間に合いますよ。
やまぐち自動車産業電動化補助金 申請フロー図
Jグランツでも申請できるんですね!GビズIDは持ってないといけませんか?
はい、Jグランツで申請する場合はGビズIDが必要です!まだ取得していない場合は早めに申請しておく必要があります。GビズIDは取得に2から3週間かかることもあるので、今月中に申請しておくのが安心ですよ。一方、電子メールでの申請であればGビズIDは不要なので、急いでいる場合はメール申請も選択肢ですね。
なるほど!そのあたりをしっかり確認してから動かないといけませんね。次は審査のポイントを教えてください。
審査項目と配点が公式に公開されています。脱炭素関連枠の審査基準を見ると、こんな感じです。
| 審査項目 | 配点 | 審査基準のポイント |
|---|
| 事業の必要性 | 10点 | 現状把握・課題認識は適切か、事業目的の必要性が高いか |
| 事業の内容 | 20点 | 新規性・優位性があるか、スケジュールが明確か、低炭素化目標達成に貢献するか |
| 事業の効果 | 20点 | 低炭素化の効果が具体的に示されているか、経営面の効果(コスト削減・販路拡大等)が示されているか |
| 合計 | 50点 | |
配点が「事業の内容」と「事業の効果」それぞれ20点で同じなんですね!
そうです。単に「設備を入れたい」だけでは採択されにくく、その設備を入れることでどれくらいCO2が減るのか、経営面でどういう効果があるのかを具体的な数字で示すことが大切なんです!
- CO2削減量の定量化: 設備導入前後の排出量比較を数値で提示(例: 年間○トン削減)
- 経営改善効果の明示: エネルギーコスト削減額(年間○万円)を計算して盛り込む
- 事業の必然性を語る: なぜ今この設備が必要なのか、会社の課題と結びつけて説明
- 実現可能なスケジュール: 機器選定から設置完了までの現実的な工程表を作成
- 継続性・発展性: 補助事業後も継続してCO2削減に取り組む姿勢を示む
なるほど、数字を使って効果を具体的に示すのが大事なんですね!
まさに!そして電動化関連枠の審査では、プレゼンテーションが必須です。採択件数が1件程度と少ない枠なので、競合他社と差をつけるためにプレゼンの準備にも力を入れておくといいですよ。技術的な新規性や優位性をしっかり説明できるかどうかが勝負のカギです!
どんな設備や研究が対象になるのか、もう少し具体的に教えてもらえますか?
まず電動化関連枠についてですが、対象になる電動車の定義が公式に明示されていまして、電気自動車(EV)、燃料電池自動車(FCV)、プラグインハイブリッド自動車(PHEV)、ハイブリッド自動車(HV)の車両構成部品の開発が対象です。
じゃあモーターやバッテリーの開発をしている企業が主なターゲットですか?
そうですね!モーター、バッテリー、インバーターなどの電動化部品の開発・研究が典型的な対象です。さらに電動化の進展で需要増加が見込まれる高機能素材・原材料等の開発も対象になっています。たとえば軽量化素材の開発や耐熱材料の研究なども含まれますよ。
じゃあ自動車部品を作っている企業だけじゃなくて、素材メーカーにもチャンスがあるわけですね!
その通りです!自動車産業のサプライチェーン全体を対象にしているので、一次・二次・三次サプライヤーも積極的に活用してほしい補助金です。
実はできます!ただし条件があって、それぞれの枠に1件ずつという形になります。つまり同じ会社が電動化関連枠と脱炭素関連枠にそれぞれ1件ずつ、合計2件申請することは認められています。うまく使えば研究開発と設備投資を同時に補助してもらえる可能性がありますね。
電動化関連枠に2件申請・脱炭素関連枠に2件申請はできません。1申請者につき各枠1件まで。また、他の補助金との経費重複申請も禁止です。事前に社内で申請案件を調整してください。
| 項目 | 内容 |
|---|
| 補助金名 | やまぐち自動車産業電動化イノベーション等促進補助金(令和8年度) |
| 公募期間 | 2026年4月27日から2026年6月5日まで |
| 提出期限 | 2026年6月5日(金曜日)17時15分まで(必着) |
| 補助率 | 1/2以内(両枠共通) |
| 補助上限額 | 電動化関連枠:3,000万円/年、脱炭素関連枠:1,000万円/年 |
| 対象地域 | 山口県 |
| 実施機関 | 山口県 産業労働部 産業脱炭素化推進室 |
| 申請方法 | Jグランツ(電子申請)または電子メール |
| 問い合わせ先 | 電話:083-933-2474(山口県産業脱炭素化推進室) |
| 公式URL | 山口県公式サイト |
ありがとうございます!電話でも相談できるんですね。
ものづくり補助金の上限は4,000万円で、今回の脱炭素関連枠より大きいんですね!
そうですね。ただ、ものづくり補助金は全国対象で競争率が高い傾向があります。一方、今回の山口県の補助金は採択件数が限られていますが(脱炭素関連枠は2件程度)、地元企業を優先的に支援するという県の姿勢が明確なので、山口県内の企業にとっては取り組みやすい面もあります!
なるほど。自社の規模や取り組み内容に合わせて選ぶのが大事なんですね。
まさに!研究開発フェーズにある企業は電動化関連枠、設備投資で脱炭素を進めたい企業は脱炭素関連枠、さらに大きな事業転換を考えているなら事業再構築補助金のGX進出類型なども視野に入れると良いと思います。
はい!よく問い合わせがありそうなポイントをまとめますね。
山口県内に事業所(工場・研究所・支社等)があれば申請できます!登記上の本社が県外でも、県内拠点があれば対象です。また県内の貸研究室やインキュベーション施設で研究開発をしている企業も対象になります。
電動化関連枠は最長3年間継続できます!令和8年度採択から令和10年度まで、通算で研究開発・実証試験を行うことができます。ただし年度ごとに補助上限3,000万円の制限がありますし、事業期間のいずれかの年度で補助下限額(1,000万円超)を超える必要があります。
必須です!電動化関連枠・脱炭素関連枠ともに、審査委員会でのプレゼンテーション審査があります。プレゼン実施日は2026年6月頃に申請者に連絡が来る予定です。申請書類だけでなく、プレゼン準備もしっかりしておきましょう。
あります!補助事業完了後5年間、毎会計年度終了後20日以内に事業化に向けた活動状況を県に報告する義務があります。また取得した設備等の財産管理や、補助目的以外の転用には事前に知事の承認が必要です。申請時だけでなく、事後管理もしっかり意識しておく必要がありますね。
今から準備を始めるとしたら、まず何をすればいいでしょう?
一番最初にやるべきは公募要領のダウンロードと熟読ですね。電動化関連枠と脱炭素関連枠でそれぞれ公募要領がありますので、山口県公式サイトから取得してください。次にGビズIDを持っていなければ今すぐ申請しておくこと。そして事業計画書の中で「どれだけCO2を削減できるか」「経営にどう貢献するか」を数字で説明できるよう整理しておきましょう!
- 山口県内に事業所があることの確認(登記簿謄本等の準備)
- 中小企業要件の確認(資本金・従業員数)
- GビズIDの取得(未取得の場合は今すぐ申請)
- 公募要領のダウンロード・熟読
- 事業計画書の作成(CO2削減効果・経営効果を数値化)
- 山口県税の納税状況の確認
- 提出期限の確認(2026年6月5日17時15分必着)
山口県内の自動車関連企業の方は、ぜひ
山口県の補助金一覧ページもあわせてご確認ください。山口県内の補助金情報がまとめて確認できますよ!