室谷さん、今日は北海道の補助金を持ってきたんですけど、「地域課題解決型起業支援事業」って何ですか?名前が長くてちょっと難しそうで。
あー、これはいい補助金ですよ!北海道で「これ困ってる人多いな」「こういうサービスあったらいいのに」って思った人が、実際に起業するときの費用を補助してくれる制度です。デジタル技術を使って地域課題を解くビジネスが対象なんですよ。
そうです、北海道専用。運営しているのは公益財団法人北海道中小企業総合支援センター(HSC)という北海道の中小企業をサポートする公的機関です。北海道が抱える人口減少とか少子高齢化の問題を、起業という形で解決しようとしている人を後押しする制度ですね。
最大200万円が出ます。補助率は対象経費の2分の1以内なので、自分でも同じくらい用意する必要はありますが、起業初期の出費としてはかなり助かる額ですよね。
2026年5月29日(金)の17時必着です。募集開始が2026年4月28日なので、約1カ月の応募期間になっています。かなり短いので急いで準備する必要がありますよ。
| 項目 | 内容 |
|---|
| 制度名 | 2026年度「地域課題解決型起業支援事業」 |
| 運営機関 | 公益財団法人 北海道中小企業総合支援センター(HSC) |
| 補助上限額 | 200万円 |
| 補助率 | 補助対象経費の1/2以内 |
| 募集期間 | 2026年4月28日(火)〜2026年5月29日(金)17時必着 |
| 交付決定 | 2026年7月中旬予定 |
| 事業実施期限 | 2027年1月15日 |
| 対象地域 | 北海道内 |
| 公式サイト | HSC公式ページ |
この制度、どんな分野の起業を応援してくれるんですか?
北海道が直面している課題を解決する分野ならほぼ何でもOKです。具体的には地域活性化・まちづくり・子育て支援・社会福祉・買い物弱者支援といった分野ですね。農業や林業、水産業の一次産業は対象外ですが、それ以外の業種はほぼカバーされています。
買い物弱者支援って、たとえばどういうビジネスですか?
例えば過疎地域でスーパーが撤退してしまった地域に、移動販売サービスを作るとか。あるいはオンラインで食材を注文できる仕組みを作って配達するとか。ポイントは「デジタル技術を活用」することなんです。キャッシュレス決済の導入、Web予約システム、ECサイト、SNSでの情報発信、こういうデジタルの要素が入っていれば審査でポイントが上がりますよ。
ほんとに? SNSで情報発信するだけでOKなんですか!
そうです。すごく高度なAI開発や最先端テックじゃなくていいんですよ。身近なデジタルツールを使って、地域課題の解決につなげることが大事。WebサイトやInstagramで情報発信しながら、移動販売の予約受付をLINEでやる、みたいな組み合わせで十分なんです。
申請フロー図 募集要項確認から支援金受取まで5ステップ
大前提として「現在、事業を営んでいない個人」であること。つまりこれから起業する人が対象なんです。すでに事業をやっている人は申請できません。具体的な要件を整理しますね。
- 現在、事業を営んでいない個人であること
- 2026年4月1日以降〜事業完了日までに、北海道内で新たに開業届出または法人設立を行い、その代表者となること
- 北海道内に住民票があること(または事業実施期間完了日までに北海道へ住民票を移す予定)
- 北海道内で法人登記または個人事業の開業届出を行う者
- 道税(北海道外からの移住の場合は移住前の都府県民税)・消費税を滞納していないこと
- 大企業からの出資・役員受け入れがないこと
「現在事業を営んでいない個人」って言うのは、会社員とかフリーランスじゃない人ですか?
会社員の人は問題なく申請できますよ。フリーランスの場合は「開業届を提出していないで既に事業を行っている」状態だと対象外になる可能性があります。なので今副業でちょっとやっている、という場合は事前にHSCに相談するのがベストです。
株式会社・合同会社・合名会社・合資会社・企業組合・労働者協同組合・特定非営利活動法人・一般社団法人、個人事業主も含めて、多くの形態に対応しています。NPO法人で社会課題解決型の起業をしたい、という方にも使えますよ!
おー、NPOも使えるんですね!あと、北海道に住んでいない人でも申請できるんですか?
それが「または事業実施期間完了日までに北海道内に住民票を移す予定の者」という要件があるので、北海道移住を考えている人も申請できるんです。移住と起業をセットで考えている方には特に面白い制度ですね。ただしその場合は計画書でしっかり移住の意志を示す必要があります。
補助金の金額について、もう少し詳しく教えてください。200万円って最大額ですよね?
そうです。補助上限額200万円、補助率は対象経費の1/2以内です。たとえば起業に必要な経費が400万円かかるなら、最大200万円が補助される計算ですね。経費が100万円なら補助は最大50万円です。
| ケース | 対象経費総額 | 補助金額(1/2) |
|---|
| フルで使う場合 | 400万円以上 | 最大200万円 |
| 中程度の場合 | 200万円 | 最大100万円 |
| 少額スタートの場合 | 100万円 | 最大50万円 |
なるほど、自己資金も同じくらい必要ということですね。
そうです。ゼロスタートでは厳しい制度なので、ある程度の自己資金を用意してから申請するのが現実的です。また注意点として、交付決定(2026年7月中旬予定)以降に発注・契約した経費が対象になります。人件費・店舗等借料・借料は交付決定前でも対象になりますが、それ以外の経費は交付決定日よりも前に契約してしまうと補助対象外になるので気をつけてください。
えっ、先に買ったものはダメなんですか!それは要注意ですね。
マジで重要な落とし穴です。パソコンや什器を「起業に備えて」と先に購入してしまうと補助対象外になってしまう。なので採択後の購入が鉄則ですよ。
補助対象経費と対象外経費の比較表
どんな経費が補助対象になるんですか?これが重要ですよね。
かなり幅広い経費がカバーされているのがこの制度の特徴です。整理しますね。
| 経費区分 | 具体例 |
|---|
| 人件費 | アルバイト・パートの賃金など(役員報酬は対象外) |
| 店舗等借料 | 事務所・店舗の賃料(交付決定前からの賃料も対象) |
| 設備費 | PC・機械・什器等(交付決定後の発注が必要) |
| 原材料費 | 製品製造に必要な材料費 |
| 借料 | リース・レンタル費用 |
| 知的財産権等関連経費 | 特許・商標登録等の費用 |
| 謝金 | 専門家・講師へのアドバイス料 |
| 旅費 | 事業に必要な出張費 |
| 外注費 | Webサイト制作・デザイン委託など |
| 委託費 | 業務委託費用 |
| マーケティング調査費 | 市場調査費用 |
| 広報費 | チラシ・SNS広告・HP制作など |
かなり幅広いですね!でも対象外の経費もあるんですよね?
あります。これも覚えておかないと後で困るので、主なものを挙げますね。
- 光熱水費(電気代・水道代)
- 電話代・インターネット利用料金
- 事務用品・消耗品・書籍代
- 税理士費用・弁護士費用
- 求人広告費
- 飲食・接待費
- 公租公課(消費税等)・各種保険料(一部除く)
- 親族・関係者間取引(三親等以内の親族との取引は原則NG)
- 仮想通貨・商品券・プリペイドカードによる支払い
税理士費用が対象外なのは意外です!起業初年度って税理士さんに相談することが多いのに。
そうなんですよね。税務申告・決算書作成のための税理士費用は明確に対象外とされています。ただし、経営アドバイスとしての「謝金」は対象になる可能性があるので、その場合は事前にHSCへ確認を。親族との取引も基本NGなので、家族に仕事を頼んで経費にするというのも原則認められないです。
思ったより簡単ですよ。流れを追って説明しますね。電子申請が原則なので、難しいIT手続きは基本ないです。
募集要項をダウンロード・確認(HSC公式ページから)
申請書様式も同ページからダウンロードできます。まず要項を一読し、自分の事業が対象か確認を。
事業計画書を作成する
起業する地域の課題、解決策、デジタル技術の活用方法、収益モデルを整理。この計画書が審査の核心になります。
電子申請フォームから申請送信
申請フォーム URL
https://6ba0e801.form.kintoneapp.com/public/regional2026 から送信。締切は2026年5月29日17時必着。
申請フォーム送信後、メールで連絡
申請完了後は必ず事務局(jyoseishien@hsc.or.jp)にメールで連絡が必要です。これを忘れると申請が完結しないので注意。
審査結果を待つ(2026年7月中旬予定)
書類審査と面接審査が行われます。交付決定通知が来たらいよいよ事業開始。
交付決定後に事業実施・経費支出
設備購入・外注費発注等はこのタイミングから。人件費・借料は例外的に前倒し可能。
実績報告書を提出(2027年1月30日締切)
事業完了後30日以内、最終期限は2027年1月30日。必要書類(発注書・納品書・請求書・銀行振込控え)を整備して提出。
起業支援金の受取(2027年2月末)
実績報告の確認後、2027年2月末ころに支援金が振り込まれます。
ちょっと待って、申請フォームで送って終わりじゃなくて、メールも送らないといけないんですか?
そうなんです!これが落とし穴で、「申請フォームに送ったから大丈夫」で終わってしまう人がいるんですよ。フォーム送信後に必ず事務局にメールで連絡するというステップが必須になっています。くれぐれも忘れずに。
電子申請が困難な場合は紙媒体でもOKですが、その場合は事前に事務局に相談が必要です。郵送または本部(札幌市中央区北1条西2丁目 経済センタービル9階)への持参になります。締切は同じ2026年5月29日17時必着です。
採択されるためのポイントって何ですか?競争率が高いですか?
採択件数や採択率は公式情報として公表されていませんが、事業計画書の質が審査の核心です。審査では、地域課題の解決への貢献度、事業の実現可能性、デジタル技術の具体的な活用方法、収益によって自立できるビジネスモデルかどうかが重要な評価ポイントになります。
- 地域課題の特定: 「この地域にはこういう課題がある」という具体的なデータや体験談を示す
- デジタル技術の具体性: キャッシュレス決済、Web予約、EC、SNS発信など具体的なツールを明記する
- 収益モデルの明確さ: 補助金なしでも継続できるビジネスモデルを示す(自律的な事業継続が要件)
- 営業開始のコミットメント: 事業実施期間中(最長2027年1月15日)までに実際に営業開始することを示す
- 申請前にHSCへ相談: 伴走支援が前提の制度なので、事前相談で計画書をブラッシュアップする
「収益によって自律的な事業継続が可能」というのが要件にあるんですね。補助金がなくても自立できるビジネスじゃないとダメということか。
そこは重要な審査基準です。「補助金があるから成り立つ」ではなく、「補助金があることで立ち上げが早まる」というビジネスモデルが求められています。採算計画・将来の売上見込みをしっかり事業計画書に書くことが採択への近道です。
採択された後は伴走支援があるとのことでしたが、具体的にどんな支援ですか?
交付決定後は、北海道中小企業総合支援センターのスタッフが事業の立ち上げをサポートしてくれます。事業計画のアドバイスや、売り上げが立つまでの経営相談に乗ってくれる伴走支援が受けられます。補助金とコンサルティングがセットになっているわけで、資金面と経営面の両方でサポートしてもらえるのがこの制度の強みですよ。
採択された後の義務や注意点も知っておきたいんですが。
はい、採択後は結構義務があります。知らずにいると後で大変なことになるので、しっかり把握しておいてください。
- 事業活動状況報告書の提出: 事業実施期間完了後から5年間、毎年提出が必要
- 帳簿・証拠書類の保存: 5年間の保存義務(発注書・納品書・請求書・銀行振込控え等)
- 財産管理の制限: 取得価格1件あたり税抜50万円以上の財産は、一定期間(耐用年数相当)は無断処分NG
- 変更申請: 補助事業の内容を変更する場合は、変更申請が必要(20%以内の変更は不要)
- 会計検査の可能性: 北海道または会計検査院による検査が入ることがある
5年間も報告書を出さないといけないんですか!それは知らなかった。
そうです。この制度は「起業して終わり」じゃなくて、その後もちゃんと事業が続いているか、定期的にチェックが入ります。5年間毎年の状況報告は覚悟しておいてください。財産の保管ルールも厳しくて、50万円以上の設備は耐用年数の期間は勝手に売ったり廃棄したりできません。
なるほど、しっかり事業継続することを前提とした支援なんですね。ちゃんとやり続けていれば問題ないし、逆に言うと責任感がある人向きの制度ということか。
まさにそういうことです!「お金だけもらってすぐやめる」のが一番まずい。本気で北海道でビジネスをやり続けるつもりがある人を応援する制度です。
他の補助金と併用はできますか?たとえば小規模事業者持続化補助金とか。
国(独立行政法人を含む)の補助金と対象経費が重複する場合はNGです。「同じ経費に2つの補助金をかける」という二重取りはできません。ただし全く別の経費に別の補助金を使うなら問題ないケースもある。この辺りは個別の状況によるので、他の補助金との併用を考えている場合は事前にHSCへ相談必須です。
これは要注意です!地域おこし協力隊の人がその活動地である市町村内で起業して、市町村から経費の補助を受ける場合、本補助金の交付対象とならない可能性があると明記されています。協力隊をやりながら起業を考えている人は、必ず事前に相談してください。
複数名が代表権を持つ法人の場合、代表権を持つすべての者が申請要件(事業を営んでいない個人であること等)に該当する必要があります。共同創業者の一方が既に事業をやっているという場合はアウトになります。
残念ながら第一次産業(農業・林業・水産業)に分類される事業は対象外です。ただし農産物を使った加工・販売業なら製造業や小売業として申請できる可能性があります。これも個別判断なのでHSCへの事前確認をおすすめします。
似たような補助金と比べると、この制度はどんな特徴がありますか?
北海道内の同センターが運営している「創業促進支援事業」(
補助金詳細を見る)と比べると面白いですよ。創業促進支援事業は補助上限100万円ですが、地域課題解決型はその2倍の200万円まで使えます。デジタル技術で地域課題を解くというテーマに絞っている分、支援額が手厚いんです。
| 比較項目 | 地域課題解決型起業支援 | 創業促進支援事業 |
|---|
| 補助上限 | 200万円 | 100万円 |
| 補助率 | 1/2以内 | 1/2以内 |
| 対象 | デジタル活用×地域課題解決 | 一般的な創業 |
| 伴走支援 | あり | あり |
| 対象地域 | 北海道 | 北海道 |
なるほど、デジタル活用が入ることで倍になるんですね。他に併用を考えられる補助金はありますか?
北海道では「北海道中小企業新応援ファンド事業(地域資源活用型事業化実現事業)」(
補助金詳細を見る)という制度もあります。こちらは補助上限150万円で、地域資源を活用した事業に対応しています。起業がある程度軌道に乗った後の「次の一手」として検討に値する制度ですよ。
まず募集要項をダウンロードして一読することです。それと、事前相談を強くおすすめします。この制度は伴走支援が前提なので、HSCは相談に来てくれる人を歓迎しています。「こういうビジネスをやりたいんですが対象になりますか?」という段階の相談でも丁寧に答えてくれますよ。
最後に、この補助金が特に向いているのはどんな人ですか?
「北海道で起業したい」「地域の課題をビジネスで解決したい」という熱意を持っている人が一番向いています。デジタルをガンガン使えるエンジニアじゃなくていい。キャッシュレスやSNS発信くらいのデジタル活用でOKで、むしろ「北海道の地域をよくしたい」という気持ちが強い人の方が採択される可能性が高いと思います。移住してきた人が「こういうサービスがあったらもっと地域が便利になる」という感覚で起業するケースにも合っている制度ですよ。
ありがとうございました!北海道でデジタルを使った社会課題解決型起業を考えている方、2026年5月29日が締切なので早めに動いてみてください。北海道の補助金情報は
北海道の補助金一覧でも確認できますよ。