令和8年度生物多様性保全推進交付金 (生物多様性保全推進支援事業)
基本情報
この補助金のまとめ
この補助金の特徴
6つの事業メニューで幅広い活動を網羅
本交付金は単一の補助メニューではなく、①生物多様性増進活動基盤整備、②生物多様性増進活動実施強化、③重要生物多様性保護地域等保全再生、④国内希少野生動植物種生息域外保全、⑤国内希少野生動植物種生息域内保全、⑥里山未来拠点形成支援という6メニューで構成されています。自組織の活動内容や保全対象に応じてメニューを選択できるため、活動フェーズや規模が異なる団体でも申請しやすい設計になっています。
地方公共団体からNPO・民間企業まで申請可能
本制度の大きな特徴は、申請主体の多様性にあります。都道府県・市区町村などの地方公共団体に加え、NPO法人・民間企業・大学・研究機関・動植物園・協議会など幅広い主体が対象です。特に民間企業が自然共生サイト認定に向けた計画作成費用に補助を受けられる点は、企業のネイチャーポジティブ経営推進において実践的な支援となります。
自然共生サイト認定との強い連携
メニュー①では「自然共生サイト」認定に向けた計画作成や地域センター設置が対象となり、メニュー②では認定後の管理手法改善が支援されます。自然共生サイトは「30by30」目標(2030年までに陸域・海域の30%以上を保全)の達成手段として国が推進しており、本制度と組み合わせることで認定取得から管理強化まで一貫したプロセスを補助でカバーできます。
里山の環境×社会経済課題を統合解決するメニューも
メニュー⑥「里山未来拠点形成支援」は、里山における生物多様性保全と社会経済課題(人口減少・農林業衰退等)の統合的解決を目指す先進的なメニューです。単なる自然保護にとどまらず、地域振興・まちづくりと連動した事業設計が求められるため、地域おこし協力隊や農林業者との連携を組み込んだ計画が評価されやすい傾向があります。
国内希少種の保全に特化した2メニューが存在
メニュー④(生息域外保全)では動植物園等での飼育繁殖を、メニュー⑤(生息域内保全)では野生状態での生息環境改善を支援します。種の保存法に基づく国内希少野生動植物種を対象としており、対象種の保全活動を既に実施している動植物園や自然保護団体にとって直接的な財政支援となります。
ポイント
対象者・申請資格
地方公共団体
- 都道府県、市区町村、特別区
- すべての事業メニューで申請可能
民間企業・団体
- 株式会社、合同会社等の民間企業(自然共生サイト認定計画作成等)
- 大学・研究機関
- 一般社団法人・公益社団法人
- 協議会(複数団体で構成される連携体も可)
NPO・市民団体
- 特定非営利活動法人(NPO法人)
- 自然保護や里山活動を目的とした市民団体(要件を満たす場合)
動植物園等の専門機関
- 動物園・植物園・水族館等(メニュー④希少種生息域外保全の主体として)
- 種の保存法に基づく保全活動を実施していること
共通要件
- 対象地域における生物多様性保全活動の実施体制が整っていること
- 交付金の適正な管理・報告ができる経理体制を有すること
- 地域生物多様性増進法、自然公園法、種の保存法等の関係法令を遵守していること
ポイント
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申請ガイド
ステップ1:事業メニューの選定と事前相談
6つの事業メニューのうち、自組織の活動内容・対象地域・保全目標に合致するものを選定します。選定後は管轄の地方環境事務所または環境省自然環境局に早期に事前相談を行い、申請要件・必要書類・事業設計の方向性を確認します。公募開始(2026年3月23日)前から相談を始めることを推奨します。
ステップ2:事業計画書の作成
採択審査の核となる事業計画書を作成します。保全対象種・地域の現状と課題、実施する活動内容、期待される生物多様性への効果、スケジュール、予算内訳を具体的に記載します。「30by30」目標や生物多様性国家戦略との整合性を明示すると評価が高まります。
ステップ3:必要書類の準備と申請書提出
交付申請書、事業計画書、収支予算書、団体の定款・登記事項証明書等の添付書類を揃えて期日(2026年6月30日)までに提出します。電子申請システムが利用可能な場合はe-Govまたは指定の申請ポータルを活用します。
ステップ4:審査・交付決定
環境省による書類審査(必要に応じてヒアリング)が行われます。採択結果は交付決定通知により通知されます。交付決定前に事業を開始した場合は補助対象外となるため、決定通知を受けてから着手します。
ステップ5:事業実施・中間報告
交付決定後、計画に従い事業を実施します。事業期間中は活動記録・写真・経費証憑を適切に管理します。事業メニューによっては中間報告が求められる場合があります。
ステップ6:実績報告・精算
事業終了後、実績報告書・収支決算書・証憑書類を提出し、精算手続きを行います。補助対象外経費が混入しないよう、経費管理は事業開始前から厳格に行うことが重要です。
ポイント
審査と成功のコツ
観点1:「30by30」目標との整合性を明示する
観点2:定量的な成果目標を設定する
観点3:地域の行政・関係機関との連携体制を組み込む
観点4:適正な経費管理体制を事前に整備する
観点5:早期の事前相談で計画書の品質を高める
ポイント
対象経費
対象となる経費
計画策定・調査費(4件)
- 自然共生サイト認定計画作成費
- 生物多様性調査・モニタリング費
- 外部専門家(生態学者・コンサルタント)への委託費
- 現地調査のための旅費・交通費
施設整備・設備購入費(4件)
- 地域生物多様性増進活動センター設置費
- 希少種飼育繁殖施設の改修・整備費
- 生息環境改善のための土木工事費(外来種除去・植生回復等)
- モニタリング機器(センサーカメラ・ICTセンサー等)購入費
活動実施費(4件)
- 希少野生動植物種の飼育繁殖・管理費
- 外来種除去・在来種植栽等の保全活動費
- 里山管理作業(草刈り・林地整備等)の労務費
- ボランティア活動の消耗品・用具費
普及啓発・情報発信費(4件)
- ガイドブック・普及資材の作成・印刷費
- ウェブサイト・SNS等による情報発信費
- 自然体験プログラムの実施費
- シンポジウム・ワークショップ開催費
連携・体制整備費(3件)
- 関係機関との協議・調整費
- 専門人材の育成・研修費
- 協議会等の運営費(事務局費含む)
間接経費(一般管理費)(1件)
- 事業実施に伴う事務局の間接経費(上限は直接経費の一定割合)
対象外の経費
対象外の経費一覧(8件)
- 交付決定前に着手・支出した経費
- 補助対象事業と直接関係しない一般管理費・人件費(間接経費として計上した場合を除く)
- 他の国庫補助金等と重複して補助を受ける経費
- 土地取得費・建物購入費
- 消費税(仕入税額控除が可能な場合)
- 事業計画書に記載のない目的外支出
- 接待・交際費、慶弔費
- 領収書等の証憑が存在しない経費
よくある質問
Q民間企業でも申請できますか?
はい、申請可能です。特にメニュー①「生物多様性増進活動基盤整備」では、民間企業が自社の土地・設備を自然共生サイトとして認定登録するための計画作成費用が対象となります。近年、企業のネイチャーポジティブ経営やTNFD(自然関連財務情報開示タスクフォース)対応の一環として自然共生サイト認定を取得する企業が増加しており、本交付金はその取組を財政面で後押しする重要な制度です。申請にあたっては、保全活動の実施体制と経理管理体制が整っていることが求められます。
Q補助率はどのように決まりますか?
補助率は選択する事業メニューによって異なり、「1/2」または「定額」が適用されます。1/2の場合は補助対象経費の半額が交付され、残り半額は申請主体の自己負担となります。定額の場合は国が事業メニューごとに定めた上限額の範囲内で交付されます。具体的な補助率・補助上限額は公募要領に詳細が記載されるため、公募開始後に環境省の公式ウェブサイトまたは地方環境事務所で最新情報を確認してください。
Q交付決定前に事業を開始してもよいですか?
原則として交付決定前の事業着手は補助対象外となります。交付申請書の提出後も、交付決定通知を受け取るまでは事業を開始しないことが重要です。なお、事前相談や計画書の作成・準備作業については交付決定前でも実施可能ですが、実際の保全活動・設備購入・工事等は交付決定後に着手してください。このルールを守らないと補助金の全額返還を求められる場合があります。
QNPO法人として里山保全活動を行っています。申請できますか?
はい、NPO法人はメニュー⑥「里山未来拠点形成支援」を含む複数のメニューで申請対象となります。里山地域における生物多様性保全と地域経済・社会課題の統合的解決を目指す取組がメニュー⑥の主な対象です。申請にあたっては、活動地域の地方公共団体や地権者との連携体制を示す書類(協定書・覚書等)を準備することで採択可能性が高まります。また、NPO法人の場合は法人登記事項証明書・定款・直近の事業報告書・財務諸表の添付が一般的に求められます。
Q動植物園として希少種の繁殖活動を行っています。どのメニューが該当しますか?
メニュー④「国内希少野生動植物種生息域外保全」が該当します。このメニューは動物園・植物園・水族館等の施設において、種の保存法に基づく国内希少野生動植物種の飼育繁殖・栽培増殖を行う取組を対象としています。施設の整備・改修費、飼育管理費、繁殖技術の研究開発費等が補助対象となります。申請にあたっては、対象種が国内希少野生動植物種に指定されていることを確認し、現在の個体数・繁殖実績・保全計画を具体的に記載した事業計画書を作成することが重要です。
Q他の補助金と重複して申請できますか?
同一の経費に対して複数の国庫補助金を重複受給することは禁止されています。ただし、補助対象経費が明確に区分されている場合(例:A補助金で調査費、本交付金で施設整備費を別々に補助)は、同一プロジェクト内での複数制度の活用が認められる場合があります。また、都道府県・市区町村の単独補助や民間財団の助成金は自己負担分に充当できるケースがあります。重複の可否については申請前に必ず担当窓口に確認し、書面で回答を得ることをお勧めします。
Q申請書類はどこで入手できますか?
公募開始(2026年3月23日)以降、環境省の公式ウェブサイト(env.go.jp)の補助金・交付金のページに申請様式・公募要領が掲載される予定です。また、各地方環境事務所でも書類の配布・相談対応が行われます。電子申請が可能な場合はe-Gov等のオンライン申請システムも利用できます。公募開始前の段階では、前年度の公募要領を参考資料として地方環境事務所から入手できる場合がありますので、事前準備の参考にしてください。
Q採択後に事業内容を変更したい場合はどうすればよいですか?
交付決定後に事業内容・経費配分を変更する場合は、原則として事前に「変更承認申請」を行い、環境省(または地方環境事務所)の承認を得る必要があります。軽微な変更(補助対象経費の一定割合以内の組換え等)については変更承認不要な場合もありますが、判断基準は公募要領に記載されます。無断で事業内容を変更すると、変更部分が補助対象外と判断されたり、最悪の場合交付決定が取り消されるリスクがあります。変更が生じた場合は速やかに担当窓口に相談することを推奨します。
Q他の補助金・助成金と併用できますか?
本交付金は環境省の国庫補助制度であるため、他省庁や地方公共団体の補助金との重複受給については厳格なルールが適用されます。以下のポイントを踏まえて他制度との組み合わせを検討してください。 **同一経費への重複補助は原則禁止** 同一の事業・経費に対して複数の国庫補助金を重複受給することは禁止されています。ただし、補助対象経費が明確に区分されている場合(例:A制度で調査費を補助、本交付金で施設整備費を補助)は、同一プロジェクト内での複数制度の活用が認められることがあります。申請前に担当窓口に確認することが必須です。 **地方公共団体の単独補助との組み合わせ** 都道府県・市区町村の単独補助(自然保護基金、環境保全事業補助等)については、地方単独財源からの補助として国費との重複とみなされない場合があります。地域の環境部局が独自に設けている補助制度を本交付金の自己負担分に充当できるケースがあります。 **関連する他の環境省補助との整理** 環境省が実施する「地域脱炭素推進交付金」や「自然環境整備交付金」等と対象事業が重複する場合は、所管部署との事前調整が必要です。 **民間財団・CSR資金との組み合わせ** トヨタ環境活動助成プログラム、公益財団法人日本自然保護協会の助成等、民間財団の助成金は国庫補助金の対象外経費や自己負担分に充当できる場合が多く、組み合わせ活用が現実的です。 一般的には、申請前に補助金担当部署へ「他の補助金との重複確認申請書」を提出し、書面で確認を取ることがトラブル防止の観点から強く推奨されます。
詳細説明
令和8年度生物多様性保全推進交付金(生物多様性保全推進支援事業)とは
本交付金は、環境省が地域における生物多様性の保全・再生を推進するために実施する国庫補助制度です。2030年を目標年とする「生物多様性国家戦略2023-2030」および「30by30」目標(2030年までに陸域・海域の30%以上を保全)の達成に向けて、多様な主体による現場レベルの保全活動を財政的に支援します。
補助率は事業メニューにより1/2または定額が適用されます。申請期間は2026年3月23日〜2026年6月30日です。
6つの事業メニュー詳細
本交付金には以下の6つの事業メニューがあり、各申請主体は自組織の活動・対象地域・保全目標に合致するメニューを選択して申請します。
- メニュー① 生物多様性増進活動基盤整備
自然共生サイト認定に向けた計画作成、地域生物多様性増進活動センターの設置など、保全活動の「基盤」を整備するための取組を支援します。民間企業が自社グリーンインフラを自然共生サイトとして認定登録するための計画費用も対象となります。 - メニュー② 生物多様性増進活動実施強化
既に自然共生サイトの認定を受けた地域における管理手法の改善・高度化を支援します。モニタリング調査の精度向上、管理技術の研修、効果検証のためのデータ整備等が対象です。 - メニュー③ 重要生物多様性保護地域等保全再生
国立公園・国定公園・生物圏保存地域等の重要保護地域における生態系の保全・再生活動を支援します。外来種除去、在来植生回復、自然再生計画の策定等が主な活動となります。 - メニュー④ 国内希少野生動植物種生息域外保全
動物園・植物園・水族館等の施設において、種の保存法に基づく国内希少野生動植物種の飼育繁殖・栽培増殖を行う取組を支援します。施設整備費・飼育管理費・繁殖技術開発費等が対象です。 - メニュー⑤ 国内希少野生動植物種生息域内保全
野生状態にある希少種の生息・生育環境の改善を現地で行う取組を支援します。生息地の環境整備、餌場・繁殖場所の創出、生息状況モニタリング等が対象活動です。 - メニュー⑥ 里山未来拠点形成支援
里山地域において生物多様性保全と社会経済課題(農林業の衰退・人口減少等)を統合的に解決する先進的な取組を支援します。自然資源を活用したビジネスモデルの構築や地域コミュニティとの協働事業も対象となります。
申請主体
本交付金は幅広い主体が申請できる点が特徴です。
- 地方公共団体:都道府県・市区町村・特別区(全メニュー対応)
- 民間企業・大学・研究機関:自然共生サイト認定計画作成や希少種保全等(メニューにより要件あり)
- NPO法人・市民団体:地域の自然保護・里山保全活動を行う団体
- 動植物園等:希少種の生息域外保全を実施する専門施設(メニュー④)
- 協議会:複数の主体が連携して設立した協議会形式の組織
関係法令
本交付金の実施根拠となる主な関係法令は以下のとおりです。
- 地域生物多様性増進法(2023年施行):自然共生サイト認定制度の根拠法
- 自然公園法:国立公園・国定公園の管理根拠
- 種の保存法(絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律):国内希少野生動植物種の保全根拠
- 生物多様性基本法:生物多様性国家戦略の策定根拠
申請のポイント
採択率を高めるために、以下の点を申請書作成時に意識することが重要です。
- 30by30目標との整合性:国の政策目標との連動を具体的に説明することで評価が向上します
- 定量的な成果目標:「個体数○%増加」「保全面積○ha確保」など測定可能な目標設定が必須です
- 連携体制の証明:地方公共団体・学術機関・地権者等との連携協定を添付することで実施体制の信頼性を高められます
- 事前相談の積極活用:公募開始前から地方環境事務所に相談し、計画の方向性を確認しておくことを強く推奨します
スケジュール
- 公募開始:2026年3月23日
- 申請締切:2026年6月30日
- 交付決定:審査後(時期は環境省から通知)
- 事業実施期間:交付決定日〜当該年度末(または指定期間)
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