室谷さん、山口県に「肝がん・重度肝硬変医療費助成制度」っていう制度があるんですよね。これ、どんな人が対象なんですか?
そうなんです、これはB型・C型肝炎ウイルスが原因で肝がんまたは重度肝硬変になってしまった患者さんの医療費を山口県が助成する制度です!肝炎からがんや重度肝硬変に進行した方って、長期間の治療が続くから経済的な負担がとても大きくなるんですよ。
ほんとに?肝炎がきっかけでがんになることがあるんですか!
あるんです!B型・C型肝炎ウイルスを持っている方は、慢性肝炎 → 肝硬変 → 肝がんという流れで進行することがあって、そうなると入院や化学療法など高額な治療が続くんです。そこで山口県が月々の自己負担を大幅に軽減してくれる仕組みを設けているんですよ。
なるほど!具体的にはどのくらい軽減されるんですか?
1医療機関あたり月1万円が自己負担の上限になります!高額療養費制度でも数万円かかることがありますが、この助成を受けると月1万円まで抑えられる。これは患者さんにとってとても大きいですよね。
- 肝がん・重度肝硬変の治療研究を促進するための助成制度
- B型・C型肝炎ウイルスが原因の肝がん・重度肝硬変が対象
- 1医療機関あたり月1万円の自己負担上限が適用される
- 「参加者証」を取得することで助成が受けられる
山口県 肝がん・重度肝硬変医療費助成 対象者チェックリスト
じゃあ誰でも使えるわけじゃないんですよね?どんな条件がありますか?
4つの要件を全て満たす必要があります。順番に確認していきましょうか。まず第1の要件は山口県内に住民票があり、公的医療保険(健康保険・国民健康保険・後期高齢者医療保険等)に加入していること。
山口県民であることが前提なんですね。じゃあ第2の条件は?
第2の要件がB型またはC型肝炎ウイルスが原因の肝がん、または重度肝硬変と医師に診断されていること。ここが重要で、「B型・C型肝炎ウイルスが原因」というのがポイントです。他の原因による肝がんは対象外なんですよ。
えっ、ウイルス性限定なんですか!それは知らなかったです。
そうなんです。B型の場合はHBs抗原陽性かHBV-DNA陽性、C型の場合はHCV抗体陽性かHCV-RNA陽性が確認されていることが条件です。主治医がしっかり診断書に書いてくれますよ。
世帯年収が概ね370万円以下であること、つまり所得要件があります!具体的には年齢によって判定基準が違って、70歳未満の方は限度額適用認定証の所得区分が「エ」または「オ」に該当する方が対象です。
| 年齢区分 | 対象となる所得区分 |
|---|
| 70歳未満 | 限度額適用認定証の所得区分がエまたはオ |
| 70歳以上75歳未満 | 医療保険における一部負担金の割合が2割 |
| 75歳以上 | 後期高齢者医療制度で一部負担金の割合が1割または2割 |
これが少し複雑なんですが、申請前の過去24か月以内に、高額療養費の自己負担限度額を超えた月が2か月以上あることが必要なんです。令和6年4月から「過去1年間で3か月以上」から「過去2年間で2か月以上」に緩和されたので、今はより申請しやすくなりましたよ!
緩和されたんですか!それはありがたいですね。4つ全部当てはまる方は申請できるということですね。対象となる治療の種類については、続けて教えてもらえますか?
- 肝がんまたは重度肝硬変の入院治療
- 肝がんの分子標的薬を用いた化学療法(通院・入院)
- 肝動注化学療法(通院・入院)
- 粒子線治療(通院・入院)
入院治療はもちろん、令和3年4月からは通院の化学療法・肝動注化学療法も対象になり、さらに令和4年4月からは大型肝細胞がんや肝内胆管がんへの粒子線治療も保険適用と同時に助成対象になりました!制度がどんどん充実してきているんです。
月1万円の上限って、具体的にはどういう仕組みなんですか?入院と通院で違ったりしますか?
そうなんです、入院と通院で仕組みが違うのが大事なポイントです!入院の場合は、指定医療機関の窓口で参加者証を提示するだけで、その月の保険診療分の支払いが月1万円になります。窓口で払う額が最初から1万円なんですよ。
通院の場合は少し仕組みが違って、「償還払い」になります。まず高額療養費の自己負担限度額まで窓口で支払って、後日その超過分を山口県に請求する形です。県から指定した金融機関の口座に振り込んでもらえます。
えっ、通院は一旦立て替えが必要なんですか?それは負担ですね。
そうなんです。ただ、翌月以降に償還払い請求書を健康福祉センターに提出すれば戻ってくるので、主治医や医療機関にも確認しながら手続きを進めてください。医療記録票を毎月記録しておくことが大切ですよ!
| 治療の種類 | 助成の仕組み | 窓口での支払い |
|---|
| 入院治療 | 窓口で直接1万円に軽減 | その場で月1万円まで |
| 通院治療(化学療法等) | いったん限度額まで支払い、後日償還払いで請求 | 一旦立替が必要 |
「肝がん・重度肝硬変治療研究促進事業医療記録票(様式第6号-1)」のことで、指定医療機関・保険薬局の窓口に参加者証と一緒に提示する書類です。過去の医療費と自己負担額を記録するもので、毎月きちんとつけておくことが申請要件のひとつにもなっています。申請時に過去24か月分が必要ですよ。
参加者証の取得から助成を受けるまでの流れ
まず主治医に相談して、臨床調査個人票と治療研究への協力同意書を書いてもらうことから始まります。それが一番最初のステップです!
主治医に制度の利用を伝え、「臨床調査個人票(様式第2号)」と「治療研究への協力同意書」の作成を依頼する
過去24か月分の「医療記録票(様式第6号-1)」を準備する(医療費・自己負担額の記録)
「参加者証交付申請書(様式第1号-1)」を記入する
健康保険証の写しと世帯の収入を証明する書類(課税証明書等)を準備する
以上の書類を住所地の健康福祉センター(または下関市立下関保健所)に提出する
指定医療機関に参加者証と医療記録票を提示して受診する
書類がいくつかありますね。全部準備するのに時間がかかりそう。
そうですね、特に医療記録票は過去24か月分が必要なので、早めに主治医や医療機関に相談しておくといいですよ。書類が揃ったら郵送でも提出できますが、書類に不備があると時間がかかるので、できれば最初は窓口に持参することをおすすめします!
申請書を提出してから参加者証が手元に届くまで約1か月かかります。また、保険者への所得区分照会などで「保留」になった場合はさらに時間がかかることもあります。助成開始日は原則として申請書の受理日が属する月の初日からなので、なるべく早めに申請するのがポイントですよ!
なるほど、月初に申請すると有利なんですね。あと、マイナンバーを使える場合もあるって聞いたのですが?
そうなんです!山口県では、マイナンバーを利用することで添付書類を一部省略できます。具体的には「市町村民税課税年額を証明する書類」と「医療保険の資格情報を確認できる書類」が不要になります。マイナンバー利用には世帯員全員の同意(自署)が必要ですが、利用は任意なので従来の申請方法も選べますよ。
| 書類名 | 様式番号 | 備考 |
|---|
| 参加者証交付申請書 | 様式第1号-1 | 山口県ウェブサイトからダウンロード可 |
| 臨床調査個人票および治療研究協力同意書 | 様式第2号 | 主治医に作成依頼 |
| 医療記録票(過去24か月分) | 様式第6号-1 | 医療費・自己負担額の記録 |
| 健康保険証の写し | - | 公的医療保険の加入証明 |
| 収入証明書類 | - | 課税証明書等(マイナンバー利用で省略可) |
全部で5種類ですね。主治医に書いてもらうものもあるから、余裕をもって動かないといけないですね。
その通りです!申請書類は山口県ウェブサイト(
公式ページ)からPDFやWordでダウンロードできますし、押印も令和3年1月15日から不要になっているので手続きが少し楽になりましたよ。
参加者証の有効期間は交付申請書の受理日が属する月の初日から原則1年間です。毎年更新手続きが必要なので、更新を忘れないよう注意してください!
はい、要注意です。ただ注意点があって、参加者証の有効期間中でも、助成を受けるためには「その月を含む過去24か月で高額療養費の限度額を超えた月が2か月以上ある」という要件を毎月満たしている必要があります。有効期間があるからといって自動的に助成されるわけではないんですよ。
なるほど、参加者証は「資格証明書」みたいなもので、実際に助成を受けるには毎月の条件確認も必要なんですね。
まさにその通りです。また、被用者保険(一部の方)や国保組合に加入している方は、毎年7月に市町村民税課税・非課税証明書を保険者に提出する必要があるため、有効期限が「申請月の1日から1年以内の7月末日」になることがあります。ご注意ください。
参加者証の有効期間は原則1年間です。期限が切れると助成を受けられなくなります。有効期限の数か月前から更新の準備を始めるよう、主治医や健康福祉センターに相談しておきましょう。
住所地を管轄する健康福祉センターまたは下関市立下関保健所が提出先になります。山口県内各地に窓口があるので、どこでも相談できますよ!
- 下関市立下関保健所 健康推進課 TEL 083-231-1935(下関市)
- 岩国健康福祉センター TEL 0827-29-1523(岩国市・和木町)
- 柳井健康福祉センター TEL 0820-22-3631(柳井市・周防大島町・上関町・田布施町・平生町)
- 周南健康福祉センター TEL 0834-33-6425(下松市・光市・周南市)
- 山口健康福祉センター(本所) TEL 083-934-2531(山口市)
- 山口健康福祉センター(防府保健所) TEL 0835-22-3740(防府市)
- 宇部健康福祉センター TEL 0836-31-3202(宇部市・美祢市・山陽小野田市)
- 長門健康福祉センター TEL 0837-22-2811(長門市)
- 萩健康福祉センター TEL 0838-25-2669(萩市・阿武町)
- 山口県健康増進課 健康づくり班(お問い合わせのみ) TEL 083-933-2950
地域ごとに窓口があるんですね。郵送でも提出できるんですか?
はい、郵送でも提出できます!ただし書類に不備があった場合は手続きに時間がかかるので、初めての申請は窓口に持参することをおすすめします。郵送の場合の助成開始日は、消印の日が属する月の初日になりますよ。
この制度で疑問に思いやすいことを教えてもらえますか?
はい!患者さんからよく聞かれる疑問をまとめますね。まず「どの医療機関でもこの制度を使えますか?」という質問が多いです。
確かに、かかりつけの病院が対象かどうか気になりますよね。
残念ながら、利用できるのは
山口県が指定した「指定医療機関」のみです!指定医療機関の一覧は山口県ウェブサイト(
指定医療機関の一覧ページ)で確認できます。申請前にかかりつけの病院が指定されているか確認してくださいね。
なるほど。あと、「C型肝炎を治療して治ったけど、肝がんになってしまった場合も対象か」という疑問もありそうですよね。
良い質問ですね!C型肝炎ウイルス(HCV-RNA)が陰性になっている場合でも、HCV抗体が陽性であれば対象になります。つまり、ウイルス性肝炎の治療が完了した後でも、それが原因で発症した肝がんや重度肝硬変であれば助成を受けられる可能性があります。
それはよかった!「家族の収入も関係ありますか?」というのはどうでしょう?
所得要件は「世帯全体の収入」で判断します。世帯員全員の収入が審査対象になるので、課税証明書等は世帯の分を準備してください。ただしマイナンバーを利用すれば、この証明書の提出が省略できることがあります。
わかりました。あと「参加者証の更新を忘れたらどうなりますか?」というのも聞きたいです。
有効期限が切れると助成は受けられなくなってしまいます。遡って助成を受けることも原則できないので、更新時期が近づいたら健康福祉センターや主治医に相談して、早めに準備を進めてくださいね。
山口県や健康福祉センターを名乗って「助成金を受け取るためにATMで手続きをしてください」「個人情報や口座番号を電話でお知らせください」などと求めることは絶対にありません。不審な連絡があった場合は、住所地の健康福祉センターまたは警察に相談してください。
| 項目 | 内容 |
|---|
| 制度名 | 肝がん・重度肝硬変医療費助成制度(肝がん・重度肝硬変治療特別促進事業) |
| 対象者 | 山口県内在住、公的医療保険加入、B型・C型肝炎ウイルスが原因の肝がん・重度肝硬変患者 |
| 所得要件 | 世帯年収が概ね370万円以下(所定の階層区分に該当する方) |
| 助成内容 | 1医療機関あたり月1万円の自己負担上限 |
| 申請受付 | 随時(毎年更新) |
| 申請先 | 住所地の健康福祉センターまたは下関市立下関保健所 |
| 問い合わせ | 山口県健康増進課 健康づくり班 TEL 083-933-2950 |
| 公式ページ | 山口県ホームページ |
医療費の負担が月1万円まで抑えられるのは本当に大きいですよね。山口県内で肝がんや重度肝硬変で治療されている方は、ぜひ申請を検討してほしいですね。
そうですよ!この制度を知らずに高額の医療費を払い続けている方がまだいるかもしれないので、主治医や健康福祉センターに「助成制度の申請はできますか?」と気軽に相談してみてください。申請のタイミングで助成開始日が変わるので、早ければ早いほどいいですよ!
肝炎の方向けに、他にも山口県で使える制度はありますか?
あります!肝炎の治療費自体を助成してくれる制度も別にあるんです。インターフェロン治療や核酸アナログ製剤治療の費用を助成する制度も山口県では実施されています。
山口県にはいろいろな支援制度があるんですね。重い病気を抱えている方は、複数の制度を組み合わせて使えるかもしれないですね。