室谷さん、今日は山口市の「不妊症や不育症でお悩みの方へ」っていう助成制度の話なんですけど、これってどういう制度なんですか?
これは山口市が独自にやっている助成で、不妊治療や不育症の治療を受けているご夫婦に、治療費の一部を市が出してくれる制度なんですよ。
そうなんです。実は山口市の中に「一般不妊治療費助成」と「不育症治療費助成」という2つの制度があって、これが今回の主役です。県や国の制度はまた別にあって、併用できるケースもあるんですよ。
えっ、2つもあるんですか。ちょっとややこしそう…。
大丈夫、ひとつずつ整理していきますね。まずは「誰がもらえるのか」から見ていきましょう。
そもそも、なんで市がこういう助成をやってるんですか?
不妊治療や不育症の治療って、回数を重ねると費用がけっこうかさむんですよね。経済的な負担で治療を続けるか悩む方も多いので、その負担を少しでも軽くしようっていう趣旨なんです。
なるほど…。お金の心配で諦めちゃう、っていうのは切ないですもんね。
ほんとにそうなんですよ。山口市の場合、保険適用になった不妊治療の自己負担分を助成する「一般不妊治療費助成」と、流産や死産を繰り返す不育症の治療を助成する「不育症治療費助成」の2本立てになっています。
不育症は、子どもを望んでいるのに流産や死産、新生児死亡などを繰り返してしまう症状のことです。山口市では平成30年(2018年)4月からこの不育症の助成も始まっているんですよ。
そういう方を支える制度もちゃんとあるんですね。じゃあ、具体的に誰が対象になるんですか?
大きく3つの条件があります。1つ目は山口市内に住んでいる法律上のご夫婦であること。2つ目は前年の所得が夫婦合算で730万円未満であること。3つ目は夫か妻のどちらかが医療保険に入っていることです。
法律上の夫婦、っていうのは婚姻届を出してる夫婦ってことですよね?
そうです。事実婚(内縁)は対象外になっているので、ここは注意してくださいね。
年齢制限はないんですか?よく不妊治療って「43歳まで」とか聞くんですけど。
いいところに気づきましたね。山口市のこの助成は年齢制限がありません。申請時の年齢は問われないので、そこは安心していいポイントです。
- 居住・婚姻: 山口市内に住民票がある法律上の夫婦(年齢制限なし)
- 所得: 前年の夫婦合算の所得が730万円未満
- 保険: 夫または妻が医療保険各法の被保険者・組合員・被扶養者であること
所得が730万円未満っていうのは、年収のことですか?
ここがちょっとややこしいんですけど、年収ではなく「所得」なんです。次のセクションでこの所得の計算方法を詳しく見ていきましょう。
違うんですよ。年収(収入金額)から必要経費を引いて、さらに8万円と各種控除を引いたものが「所得額」になります。会社員の方なら、所得課税証明書の「合計所得金額」の欄が目安になります。
そこ、間違えやすいんです。山口市が見るのは児童手当法の計算方式に基づく所得額で、「課税標準」欄の総所得ではないんですよ。だから「うちは年収が高いからムリかな」と思っても、所得ベースだと意外と条件内に収まることがあります。
所得額 = 収入金額から税法上の必要経費を引いた額 - 8万円 - 諸控除(雑損控除・医療費控除・小規模企業共済掛金控除・障害者控除・勤労学生控除など)
そうなんです。判断に迷ったら、自己判断で諦めずに山口市の子育て保健課に直接確認するのが確実です。電話で「うちはこういう状況ですけど対象になりますか?」って聞いていいんですよ。
確認するのが一番安心ですね。さて、所得の話がわかったところで、肝心の「いくらもらえるか」を知りたいです!
はい、ここが今回いちばん大事なところです。図にしたので見てください。
山口市の不妊治療費助成と不育症治療費助成の助成額比較
一般不妊治療費助成は1年度あたり3万円まで、不育症治療費助成は1年度あたり20万円までです。
そうなんですよ。不育症の治療は費用が大きくなりやすいので、上限も高めに設定されているんです。しかも不育症のほうは医療保険が使えるかどうかを問わず対象になります。
その通り。一般不妊治療費助成は、保険適用のタイミング法・薬物療法・不妊検査・不妊手術などが対象です。
| 制度 | 助成額(年度あたり) | 助成期間 | 保険適用 |
|---|
| 一般不妊治療費助成 | 3万円まで | 通算5年 | 保険適用が条件 |
| 不育症治療費助成 | 20万円まで | 通算5年度 | 適用の有無を問わない |
「通算5年」っていうのは、5年間ずっともらえるってことですか?
そうですね。ただし一般不妊治療費助成は3年目以降は医師が必要と判断した場合に限るという条件がつきます。
入院時の差額ベッド代、食事代、文書料(証明書の発行費用)などは助成の対象外です。また、体外受精・顕微授精などの高度生殖医療は山口市の「一般不妊治療費助成」の対象外で、保険適用後の上乗せは県の「しあわせ運ぶ妊活応援事業」が窓口になります。
対象外の費用もあるんですね。金額がわかったところで、どうやって申請すればいいんですか?
申請って難しそうなんですけど、どんな流れなんですか?
流れ自体はシンプルです。図で見てみましょう。
山口市の不妊・不育症治療費助成 申請の流れ4ステップ
2治療を受けた医療機関や薬局に「医療機関等証明書」(所定様式)の記入を依頼する
4山口市保健センターなどの窓口に書類を提出する(持参または郵送)
医療機関に証明書を書いてもらうんですね。これって有料なんですか?
医療機関によっては有料になることがあります。残念ながら、証明書の発行費用そのものは助成の対象にはなりません。あと発行に時間がかかる病院もあるので、早めに依頼しておくのがコツです。
| 必要書類 | 備考 |
|---|
| 申請書 | 窓口または市ウェブサイトから入手 |
| 医療機関等証明書(所定様式) | 受診した医療機関・薬局に記入を依頼 |
| 同意書 | 夫婦それぞれ自署 |
| 治療費の領収書 | コピーをとり原本は返却 |
| 前年分(最新)の所得証明書 | 源泉徴収票は不可。夫婦両方分 |
| 住民票 | 続柄の記載があるもの(1か月以内発行) |
そこ間違えやすいんです。源泉徴収票ではなく、市町が発行する「所得証明書」が必要です。収入がない方でも夫婦両方分が要ります。
ただ、便利な仕組みもあって、同意書を出せば所得証明書と住民票の取得を省略できる場合があるんですよ。山口市に住民登録があって市側で確認できる場合ですね。
そうなんです。詳しくは窓口で聞いてみてくださいね。申請窓口がいくつかあるので、次に整理しておきましょう。
メインは山口市保健センターの子育て保健課(母子健康サポート担当)です。ほかにも小郡・秋穂・阿知須・徳地・阿東の各保健センターや支所でも受け付けています。お住まいの近くの窓口を使えるので便利ですよ。
不明な点があれば、まず電話で相談するのが確実です。問い合わせ先は山口市 子育て保健課 母子健康サポート担当、電話番号は 083-921-7085 です。詳しい制度内容は
山口市の公式ページでも確認できます。
電話で事前に相談できるのは安心ですね。さて、申請期限ってあるんですか?うっかり過ぎちゃったら困りますよね。
原則として治療を受けた日が属する年度内に申請します。年度というのは4月1日から翌年3月31日までですね。
じゃあ、3月ギリギリに治療を受けた場合はどうなるんですか?間に合わなそう…。
そこはちゃんと救済があって、3月に治療を終えた場合は翌年度の4月末まで申請できる場合があります。ただしその場合も「申請した年度の治療」として扱われる点は覚えておいてくださいね。
山口市によると年度末は申請が集中し、書類の不備で年度内に書類が整わず支払いができなくなるケースがあります。治療が終わったら早めに申請するのが安心です。所得証明書や住民票は年度末(3月31日まで)に取得しておきましょう。
「年度内に申請しないと対象外」っていうのは厳しいですね。
そうなんです。だからこそ領収書をなくさず、治療が終わったらすぐ動くのがおすすめです。期限の話が出たので、ついでに気をつけてほしい注意点も伝えておきますね。
そういえば、こういう助成金がらみの詐欺ってあるんですか?
残念ながらあるんですよ。「助成金が受け取れます」とかたって個人情報やお金を狙う手口があるので、知っておいてほしいです。
山口市がATMの操作をお願いすることは絶対にありません。手数料の振込を求めたり、電話やメールで口座番号・暗証番号・マイナンバーを聞き出したりすることもありません。市役所や保健センターを名乗る不審な連絡があったら、いったん電話を切り、公式の問い合わせ先(083-921-7085)にかけ直して確認してください。
その通りです。「ATMで還付の手続きを」と言われたら100%詐欺だと思ってください。少しでも怪しいと感じたら、家族や消費生活センター、警察相談(#9110)に相談しましょう。
覚えておきます。最後に、他に併用できそうな制度ってあるんですか?
山口市や山口県で、ほかに使える制度ってありますか?
いくつかありますよ。まず不妊治療つながりだと、県の
しあわせ運ぶ妊活応援事業についてがあります。これは保険適用の生殖補助医療と併用した先進医療の費用を助成するもので、体外受精などをしている方はチェックしておくといいですね。
妊活から子育てまで、ちゃんと制度がつながってるんですね。これは知っておいてよかった!
そうなんですよ。お住まいの地域の制度をまとめて見たい場合は、
山口県の補助金・給付金一覧から探せます。まずは気になる制度を窓口に相談してみてくださいね。
| 項目 | 内容 |
|---|
| 制度名 | 不妊症や不育症でお悩みの方へ(山口市) |
| 対象者 | 山口市内に住む法律上の夫婦(年齢制限なし/前年の夫婦合算所得730万円未満) |
| 助成額 | 一般不妊治療費 年度あたり3万円まで/不育症治療費 年度あたり20万円まで |
| 助成期間 | いずれも通算5年(一般不妊治療は3年目以降、医師が必要と判断した場合に限る) |
| 申請期限 | 治療を受けた年度内(3月終了分は翌年度4月末まで可の場合あり) |
| 申請窓口 | 山口市保健センター 子育て保健課 母子健康サポート担当 ほか |
| 問い合わせ | 電話 083-921-7085 |
| 公式ページ | 山口市公式サイト |