肝がん・重度肝硬変の医療費が軽くなる!国の助成制度とは

佐藤
編集長
室谷さん、ちょっと聞いてもいいですか。B型・C型肝炎ウイルスが原因の肝がんや重度肝硬変って、治療費がすごく高くなりますよね?

室谷
代表取締役
そうなんですよ!肝がんって再発しやすい病気で、長期にわたって何度も治療を繰り返すことが多いんです。重度肝硬変(非代償性肝硬変)も、肝性脳症や食道静脈瘤の合併症治療を繰り返すケースが多くて、医療費の負担が本当に大変になりやすい。

佐藤
編集長
そんな患者さんたちを助ける国の制度があるって聞いたんですが、どんな制度ですか?

室谷
代表取締役
はい!「肝がん・重度肝硬変治療研究促進事業」という国の制度です。2018年12月から始まっていて、医療費の自己負担を大幅に軽減してくれます。都道府県が窓口になっているので、全国どこでも申請できるんですよ。

佐藤
編集長
えっ、国の制度なのに都道府県が窓口なんですか?それは少し不思議ですね。

室谷
代表取締役
そうなんです!財源の半分は国、もう半分は都道府県が負担していて、窓口は各都道府県の保健所や肝炎対策担当課が担当しています。患者さんにとっては地元の保健所に相談できるので、アクセスしやすい仕組みになっているんです。
この制度のポイント
- B型・C型肝炎ウイルスが原因の肝がん・重度肝硬変が対象
- 高額療養費算定基準額を超えた2か月目以降から助成が受けられる
- 入院治療の自己負担が月1万円に軽減される(特定疾病給付対象)
- 2018年12月スタートの国の制度。都道府県が窓口
この制度を使える人は誰か


佐藤
編集長
どんな人がこの制度を使えるんですか?条件が複雑そうで…

室谷
代表取締役
確かに、いくつか条件があります。まず大前提として「B型またはC型肝炎ウイルスを原因とする肝がん、または重度肝硬変(非代償性肝硬変)と診断されていること」が必要です。アルコール性肝硬変や他の原因では対象外になるので注意が必要ですよ。

佐藤
編集長
なるほど!ウイルス性肝炎が原因の場合だけなんですね。他にはどんな条件が?

室谷
代表取締役
全部で5つの条件があります。都道府県に住民登録があること、医療保険に加入していること、対象の治療を受けていること、所得要件を満たすこと、そして治療研究への協力に同意することです。特に所得要件は年齢によって基準が変わるので、しっかり確認してほしいですね。

佐藤
編集長
所得要件って、具体的にはどういうことですか?

室谷
代表取締役
年齢ごとに違うので、テーブルで見るとわかりやすいですよ。
| 年齢区分 | 所得要件 |
|---|---|
| 70歳未満 | 限度額適用認定の適用区分が「エ」または「オ」に該当(年収約370万円以下) |
| 70歳以上75歳未満 | 医療保険の自己負担割合が2割の方 |
| 75歳以上(後期高齢者医療) | 一部負担金割合が1割または2割の方 |
| 65歳以上75歳未満で後期高齢者医療に加入 | 一部負担金割合が1割または2割の方 |

佐藤
編集長
70歳未満の「区分エ」って、年収いくらくらいの人ですか?

室谷
代表取締役
ざっくり言うと、健保なら標準報酬月額26万円以下、国保なら旧ただし書き所得210万円以下の方が区分エです。年収にすると約370万円以下ですね。「区分オ」は住民税非課税の方が該当します。

佐藤
編集長
なるほど、そんなに高収入でなければ対象になる可能性があるということですね!

室谷
代表取締役
そうです!高所得の方は残念ながら対象外になってしまいますが、比較的幅広い方が使える制度ですよ。
対象となる治療の種類
- 入院治療: 肝がん・重度肝硬変による入院全般
- 通院治療(3種類のみ): 分子標的薬を用いた化学療法 / 肝動注化学療法 / 粒子線治療
- 上記以外の通院治療は助成対象外
- 治療は都道府県指定医療機関で受ける必要あり(薬局はすべてOK)
いくら助成してもらえるのか

佐藤
編集長
実際にどれくらい医療費が安くなるんですか?

室谷
代表取締役
仕組みを説明しますね。この制度は「2か月目から助成される」という特徴があります。肝がん・重度肝硬変の入院・通院で高額療養費算定基準額を超えた月が、過去24か月の間に1か月以上あった場合に申請できて、その翌月(2か月目)以降の助成が受けられます。

佐藤
編集長
「高額療養費算定基準額を超えた月が1か月以上」って、ハードルが高くないですか?

室谷
代表取締役
実は令和6年(2024年)から要件が緩和されたんです!以前は2か月以上必要でしたが、今は1か月以上あれば申請できるようになりました。これでかなり多くの方が使いやすくなりましたよ。

佐藤
編集長
えっ、それはありがたいですね!で、実際の自己負担はいくらになるんですか?

室谷
代表取締役
入院の場合、特定疾病給付対象療養に係る高額療養費算定基準額を超えた部分は、窓口の自己負担額が月1万円になります。通院の場合は、窓口で一部負担金(3割等)を支払ったあと、後日都道府県に償還請求することで助成額が口座に振り込まれる仕組みです。

佐藤
編集長
入院と通院で受け取り方が違うんですね。

室谷
代表取締役
そうなんです。入院は窓口で1万円だけ払えばOK。通院は一度自分で支払って、後から還付される形ですね。
| 治療区分 | 自己負担上限 | 受取方法 |
|---|---|---|
| 入院(特定疾病該当) | 月1万円 | 窓口での支払いが直接1万円 |
| 通院(対象3種類) | 高額療養費算定基準額超過分 | 一度支払い後、都道府県へ償還請求 |

佐藤
編集長
通院の場合も、最終的にはかなり戻ってくるということですよね?

室谷
代表取締役
そうです!高額療養費算定基準額を超えた分は全額戻ってきます。まあ一時的に立て替えが必要な点は少し不便ですが、最終的な負担はかなり軽くなりますよ。
申請の前に必要なこと

佐藤
編集長
申請する前に何か準備しておくことはありますか?

室谷
代表取締役
大事な話があります!申請書を提出できるのは、申請のための要件を満たした場合だけです。つまり「肝がん・重度肝硬変による入院または通院で、過去24か月以内に高額療養費算定基準額を超えた月が1か月以上あること」が申請の前提条件なんです。

佐藤
編集長
ということは、最初の月は申請できないということ?

室谷
代表取締役
その通りです。最初の月は自己負担が発生して、その月をカウントして翌月以降に申請できる形です。ただし、指定医療機関以外の保険医療機関での入院・通院もカウントに含められるので、以前別の病院にかかっていた実績があれば、早めに申請できる可能性もありますよ。
認定前の医療費はさかのぼれません
認定が受けられるのは「申請書受理月の翌月20日頃」です。認定前の医療費は助成対象外なので、要件を満たしたと思ったらできるだけ早く申請することが重要です。
申請方法と必要書類

佐藤
編集長
実際に申請するにはどうすればいいんですか?

室谷
代表取締役
居住地の都道府県の保健所または肝炎対策担当課に申請します。まず主治医に相談して、必要な書類を準備するところから始まりますよ。
1指定医療機関の主治医に、臨床調査個人票と同意書、医療記録票(第15号様式の1)を作成してもらう
2年齢・所得区分に応じた必要書類を揃える(限度額適用認定証等、住民票、医療保険情報など)
3居住地の都道府県保健所または肝炎対策担当課に参加者証交付申請書を提出する(窓口直接または郵送)
4都道府県から保険者へ照会が行われ、認定後に参加者証が交付される(申請受理月の翌月20日頃)
5参加者証・医療記録票・医療保険の被保険者証を指定医療機関の窓口に提示して助成を受ける

佐藤
編集長
主治医に書いてもらう書類があるんですね。指定医療機関での書類は、病院でもらえるということですか?

室谷
代表取締役
そうです!臨床調査個人票と医療記録票(第15号様式の1)は指定医療機関でもらえます。参加者証交付申請書、医療記録票(第15号様式の2)、保険者からの情報提供に係る同意書は保健所でも入手できますよ。

佐藤
編集長
年齢によって提出書類が違うって聞きましたが、具体的にはどう違うんですか?

室谷
代表取締役
大きく分けると、70歳未満・70歳以上75歳未満・75歳以上の3パターンで書類が異なります。
| 年齢区分 | 主要追加書類 |
|---|---|
| 70歳未満(区分エ・オ) | 限度額適用認定証(または限度額適用・標準負担額減額認定証)の写し |
| 70歳以上75歳未満 | 住民税課税・非課税証明書類、世帯全員の住民票(謄本)の写し |
| 75歳以上(後期高齢者) | 住民税課税・非課税証明書類、世帯全員の住民票(謄本)の写し |

佐藤
編集長
マイナンバーを使うと書類が減ると聞きましたが、本当ですか?

室谷
代表取締役
はい!マイナンバーを利用すると、住民票(謄本)の写しと課税・非課税証明書の添付が不要になります。ただし申請書提出の際に本人確認が必要です。窓口にはマイナンバーを読み取る機械はないので、書面で確認できる状態にしておきましょう。
申請できる医療機関について


佐藤
編集長
「指定医療機関」って何ですか?どこでも治療を受けられるわけじゃないんですよね?

室谷
代表取締役
正確には、医療費助成の対象となる治療は指定医療機関でのものに限られます。指定医療機関には「入院等指定医療機関」と「それ以外の指定医療機関」の2種類があります。肝がん入院医療と肝がん外来医療の両方に対応しているかどうかの違いです。

佐藤
編集長
指定医療機関かどうかはどうやって調べればいいんですか?

室谷
代表取締役
「肝炎医療ナビゲーションシステム」で検索できますよ!厚生労働省が提供しているシステムで、都道府県別に指定医療機関を確認できます。今通っている病院が指定されているかどうか、まず確認してみてください。

佐藤
編集長
もし指定医療機関じゃない病院で治療を受けていたらどうなりますか?

室谷
代表取締役
申請要件のカウントとしては、指定医療機関以外の保険医療機関での入院・通院も含めることができます。ただし助成が実際に受けられるのは、指定医療機関での治療のみです。お薬は全ての保険薬局が対象なので、調剤については安心してください。
指定医療機関についてのまとめ
- 医療費助成の対象 → 指定医療機関のみ
- 申請要件(過去24か月のカウント)→ 指定外の病院もOK
- 薬局(調剤)→ すべての保険薬局が対象
- 指定医療機関の検索 → 肝炎医療ナビゲーションシステムで確認
参加者証が届いたら

佐藤
編集長
参加者証が届いたら、次は何をすればいいですか?

室谷
代表取締役
参加者証・医療記録票・医療保険の被保険者証の3点を、指定医療機関の窓口に必ず提示してください。これを忘れると助成が受けられないので要注意です!

佐藤
編集長
参加者証には有効期限があるんですよね?

室谷
代表取締役
そうです。参加者証の有効期間は原則として申請書受理日の属する月の初日から1年間です。有効期間が終わる前に更新申請が必要ですよ。更新申請のときは、新規申請の書類から「臨床調査個人票及び同意書」を除いた書類を提出します。

佐藤
編集長
更新のときも同じ条件(過去24か月に高額療養費基準額超過が1か月以上)が必要ですか?

室谷
代表取締役
はい、更新時も同じ条件を満たす必要があります。もし有効期間が終わった翌々月になってしまった場合は、更新ではなく新規申請として再申請が必要になります。有効期限切れには気をつけてくださいね。
参加者証の更新を忘れずに
- 有効期間は原則1年間(申請受理月の初日から)
- 有効期間内に更新申請をすること
- 翌々月になると新規申請として最初からやり直し
- 更新要件も同じ(過去24か月に高額療養費基準額超過が1か月以上)
よくある質問

佐藤
編集長
申請前に気になる疑問、まとめて聞いてもいいですか?

室谷
代表取締役
もちろんです!どうぞ。

佐藤
編集長
例えば、指定医療機関以外で受けた治療はまったくカウントされないんですか?

室谷
代表取締役
申請要件(過去24か月に高額療養費算定基準額超過が1か月以上)のカウントには、指定医療機関以外の保険医療機関での入院・通院も含められます。でも実際の助成対象となる治療は指定医療機関限定です。

佐藤
編集長
アルコール性肝硬変やウイルス性以外の肝がんも対象になりますか?

室谷
代表取締役
残念ながら、この制度はB型またはC型肝炎ウイルスを原因とする肝がん・重度肝硬変に限定されています。アルコール性肝硬変や非アルコール性脂肪肝炎(NASH)由来の肝がんは対象外です。

佐藤
編集長
申請書類はどこで入手できますか?

室谷
代表取締役
臨床調査個人票・同意書・医療記録票(第15号様式の1)は指定医療機関で入手できます。参加者証交付申請書・医療記録票(第15号様式の2)・同意書は保健所でも入手できますよ。

佐藤
編集長
県外に引っ越した場合はどうなりますか?

室谷
代表取締役
県外に転出した場合は、新しい都道府県への変更申請が必要です。参加者証の記載内容(氏名・住所・加入保険など)に変更があった場合は変更申請を忘れずに。
基本情報まとめ

佐藤
編集長
最後に、制度の基本情報をまとめてもらえますか?

室谷
代表取締役
はい、整理しておきますね。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 制度名 | 肝がん・重度肝硬変治療研究促進事業 |
| 対象者 | B型・C型肝炎ウイルス原因の肝がん・重度肝硬変患者(所得要件あり) |
| 助成内容 | 高額療養費算定基準額超過分(入院は月1万円の自己負担) |
| 申請期間 | 通年受付(随時申請可) |
| 認定タイミング | 申請受理月の翌月20日頃 |
| 申請窓口 | 居住地の都道府県保健所または肝炎対策担当課 |
| 問い合わせ(大分県) | 大分県各保健所または大分市保健所(097-535-7710) |
| 公式サイト | 大分県公式ページ |
申請窓口(大分県の場合)
- 大分市内にお住まいの方: 大分市保健所(TEL 097-535-7710)
- 別府市・杵築市・日出町にお住まいの方: 東部保健所(TEL 0977-67-2511)
- 臼杵市・津久見市にお住まいの方: 中部保健所(TEL 0972-62-9171)
- 佐伯市にお住まいの方: 南部保健所(TEL 0972-22-0562)
- 日田市・九重町・玖珠町にお住まいの方: 西部保健所(TEL 0973-23-3133)
- 中津市・宇佐市にお住まいの方: 北部保健所(TEL 0979-22-2210)
- 他都道府県の方は: 居住地の都道府県肝炎対策担当課にお問い合わせください
給付金詐欺にご注意ください
医療費助成に関して、ATMで手続きをお願いすることや、電話で銀行口座番号・暗証番号などの個人情報を聞くことは絶対にありません。不審な連絡があった場合は、すぐに最寄りの保健所または警察にご相談ください。
関連する医療費助成制度

佐藤
編集長
肝炎に関係する他の制度もあるんですか?

室谷
代表取締役
はい!「肝がん・重度肝硬変治療研究促進事業」はあくまで肝がんや重度肝硬変が対象ですが、肝炎の治療段階(慢性肝炎・代償性肝硬変)でも使える医療費助成制度があります。

佐藤
編集長
そうなんですね!どんな制度があるんですか?

室谷
代表取締役
代表的なものを紹介しますね。肝炎治療の医療費助成や、難病医療費助成など、病状や状況によって使える制度が変わってくるので、主治医や保健所に相談するのが一番です。

佐藤
編集長
合わせて確認しておいた方がよさそうですね!

室谷
代表取締役
ぜひ!早めに申請することで、医療費の負担が大幅に軽くなりますよ。要件を満たしているかどうか、まず主治医や保健所に相談してみてください。

佐藤
編集長
関連する制度のリンクも教えてもらえますか?

室谷
代表取締役
もちろんです。肝炎治療の各段階で使える制度や、地域別の給付金情報はこちらからチェックできますよ。肝炎治療費助成制度について、B型・C型ウイルス肝炎治療医療費助成制度、肝炎治療に対する医療費の助成、肝がん・重度肝硬変医療費助成事業、難病医療費助成(江東区)。大分県内の給付金は大分県の給付金一覧でも確認できますし、全国の情報は都道府県別の給付金一覧からどうぞ。