新潟県小規模事業者向け補助金比較
室谷さん、新潟県で小規模事業者として事業を動かしてると、「補助金は使いたいけど何から手を付けたらいいか分からない」ってなりますよね。国の制度、県の制度、市の制度ってバラバラで。
そうですね(笑)。まずは頭の整理から入りましょう。小規模事業者向けの補助金って、大きく3つの出所があります。①経済産業省系(持続化補助金・ものづくり補助金・事業再構築補助金)、②厚生労働省系(業務改善助成金など)、③新潟県・NICO・市町村独自の支援制度、この3つです。
違います。これ知ってる人は少なくて。補助金は「経費の一部を補う」制度で経産省系が多く、助成金は「要件を満たせば原則もらえる」制度で厚労省系が多い。小規模事業者にとっては助成金の方が採択ハードルが低めで取りやすいんです。
そうです。補助金は審査があって採択率の壁がある。助成金は要件を満たせば原則支給されます。ただ補助金の方が1件あたりの金額が大きいことが多い。だから「当面の資金繰り補強は助成金、中長期の設備投資は補助金」って切り分けるのが賢い使い方ですね。
なるほど! 新潟県の小規模事業者だと、まず何が一番使われてる制度ですか?
ダントツで小規模事業者持続化補助金です。新潟商工会議所と各地商工会が窓口になっていて、制度設計が小規模事業者に完全に最適化されている。これを使わない手はないですね。
| 制度の種類 | 主な窓口 | 特徴 |
|---|
| 経産省系補助金 | 商工会議所・商工会・NICO | 設備投資・販路開拓に高額補助 |
| 厚労省系助成金 | 新潟労働局・ハローワーク | 要件達成で原則支給、採択枠なし |
| 新潟県・NICO独自 | NICO・各市町村 | 地域特性に合わせた上乗せ支援 |
持続化補助金についてもっと詳しく教えてもらえますか。聞いたことはあるけど、実際何に使えるかよく分かってなくて。
持続化補助金は中小企業庁が実施している販路開拓支援の補助金です。補助率は2/3で、通常枠の上限は50万円。ECサイト構築、チラシ制作、展示会出展、業務効率化ツールの導入費用——こういった販路開拓や業務改善に使える幅広い制度です。
通常枠だとそうですね。でも特例類型があって。創業型は上限200万円・補助率2/3なんですよ。産業競争力強化法に基づく「特定創業支援等事業」を受けた創業3年以内の事業者が対象です。新潟県内の商工会議所・商工会の多くが特定創業支援等事業の認定機関になっているので、創業準備中の方はまず相談してみてください。
あります。インボイス特例対象事業者は上乗せがあります。あと能登半島地震の被災事業者向けに「一般型 災害支援枠」があって、上限200万円・補助率2/3で実施されていました。第8次公募は締切済みですが、次回公募の可能性もあるので商工会議所に確認を。
全て電子申請(jGrants経由)です。ただ申請前にやることが二つあって。一つはGビズIDプライムアカウントの取得。これ発行まで2〜3週間かかるので今すぐ手続きを始めてください。もう一つは商工会議所または商工会で「事業支援計画書(様式4)」を発行してもらうことです。
商工会議所と商工会って、どっちに行けばいいんですか?
事業所の所在地で決まります。新潟市・長岡市・上越市など中心部の市街地は商工会議所の管轄。それ以外の町村部は商工会の管轄です。迷ったら
新潟県よろず支援拠点(NICO内)に電話すれば適切な窓口を案内してもらえます。
はい、確認できます。公募ごとに要件が変わるので、最新の公募要領も必ずチェックしてくださいね。
持続化補助金申請の流れ(新潟県版)
GビズIDプライムを取得する(発行まで2〜3週間)
そうです。特にGビズIDは「申請締切2週間前に気づいた」だと詰みます(笑)。申請を考えているなら今日取得手続きをして、その後に商工会議所に相談しに行く、この順番で動いてください。
- GビズIDプライムの取得には郵送審査があり、通常2〜3週間かかります
- 直前に気づくと締切に間に合わないケースが多発しています
- 検討段階でも早めに取得を始めることをおすすめします
次はものづくり補助金についても教えてください。新潟ってものづくりのイメージ強いですよね。
そうですよ! 燕三条地域は金属加工・刃物・調理器具の一大産地で、ものづくり補助金との相性が抜群です。正式名称は「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」で、補助上限4,000万円(省力化・高付加価値化枠は1,000万円)、補助率は1/2〜2/3です。
はい。小規模事業者に該当すると補助率が2/3に引き上げられます。製造業でいうと従業員20名以下が小規模事業者の定義なので、燕三条の中小製造業の大半が対象になる。1,000万円の投資なら最大約667万円が補助されるわけです。
機械装置費、システム構築費、技術導入費、専門家経費など。省力化のためのロボット導入、高精度加工機への更新、生産管理システムの構築——燕三条のメーカーさんが直面しているリアルな課題に使えます。あと成長枠(市場拡大中の分野への事業転換)では上限4,000万円まで狙える。これ、かなり大きいですよ。
回によって変動しますが、直近だとざっくり40〜50%程度ですね。事業計画書の質が採択率を左右するので、経営革新等支援機関(認定支援機関)と一緒に申請するのが王道です。NICOや金融機関の多くが認定支援機関になっているので、相談先に困ることはないです。
ものづくり補助金は複数社で連携して申請できる枠もあるんですか?
あります。連携型というのがあって、複数の中小企業が一体となって申請すると補助上限が上がる。
ものづくり・商業・サービス高度連携促進補助金という枠組みでは、連携体全体で最大2,000万円×参加企業数分が認められるケースもある。燕三条の工業会単位でまとまって申請するパターンがまさにこれです。
そちらから最新の公募要領や採択事例も確認できます。公募ごとに要件が変わるので、必ずチェックしてください。
事業再構築補助金って、最近あまり聞かなくなった気がするんですが、まだ使えるんですか?
第12回公募分の交付申請等の手続きが続いています。新規公募については情報収集が必要ですが、補助上限は最大5億円という大型の補助金で、ポストコロナの新事業転換にガッツリ使えます。
売上が一定程度落ちている中小企業が対象で、新市場進出や業種転換、事業再編など「思い切った事業転換」を支援する制度です。例えば、コロナ禍でダメージを受けた観光業の旅館が、農業体験や特産品のEC事業に乗り出すとか。飲食店が食品製造業に移行するとか。そういった思い切ったピボットに使える。
枠によってかなり差がありますが、通常枠でざっくり30〜40%程度。成長分野進出枠(GX・デジタル化等)の方が審査傾向として通りやすいといわれています。これも認定支援機関と一緒に作り込むことがほぼ必須です。
そちらで過去の採択事例や制度概要が確認できます。新潟県内でも越後湯沢の旅館や長岡の製造業が活用した事例があります。最新公募情報は中小企業庁のサイトでご確認ください。
助成金の話ももっと聞きたいです。業務改善助成金って厚労省の制度ですよね。
そうです。助成率3/4〜4/5、上限最大600万円の助成金で、事業場内の最低賃金を30円以上引き上げつつ、生産性向上に資する設備投資を行った場合に助成されます。POSシステム、自動釣り銭機、業務用機器、パソコンなども対象になりますよ。
ざっくりいうと、賃上げ30円以上なら30万円、45円以上なら60万円、60円以上なら90万円…という感じで引き上げ幅と労働者数によって上限が変わります。最大600万円に届くのは賃上げ90円以上かつ10人以上の引き上げのケースです。中小企業なら助成率が3/4、小規模事業者は4/5が基本です。
設備投資と賃上げを同時にやれば両方お金が出るって、効率いいですね。
そういうことです(笑)。ただ申請タイミングが重要で、設備投資は「交付決定後、賃金引上げの前」が原則。申請は各都道府県労働局に行います。新潟の場合は新潟労働局です。特例コース(上限100万円)というさらにシンプルな枠もあるので、少額投資からでも使えますよ。
はい、それぞれの要件と申請先が確認できます。こちらは電子申請ではなく書面申請が基本なので、新潟労働局の窓口に直接相談するか、社会保険労務士にサポートしてもらうと確実ですね。
IT導入補助金って、最近いろんなところで聞くんですが、小規模事業者でも使えますか?
使えます。IT導入補助金は中小企業・小規模事業者のITツール導入を支援する制度です。会計ソフト、受発注管理、顧客管理、ECシステム、インボイス対応ツールなどが対象で、補助上限は通常枠で最大450万円(複数社連携類型は最大3,200万円)。補助率は1/2〜2/3です。
はい、インボイス特例が設けられていて、インボイス対応のツール導入なら補助率や補助下限額が優遇されます。新潟の小規模事業者で「経理ソフトを一新したい」「受発注を紙からシステムに切り替えたい」という方には特にフィットする制度です。
IT導入補助金は複数社が連携して使う枠もあるんですよね?
そうです。
複数社連携IT導入類型は、商工会や組合などが複数の事業者を取りまとめて一括導入する枠で、補助上限が3,200万円まで上がります。燕三条の同業者組合や農産加工業者の協同組合などがまとまって申請するパターンに向いています。
共同・協業販路開拓支援補助金って、どんな制度ですか?
地域振興等機関(商工会議所・商工会・中小企業支援機関など)が10社以上の中小事業者の販路開拓を支援する取り組みに対して、最大5,000万円を補助する制度です。個々の事業者では難しい展示会出展や海外販路開拓、共同PR活動をまとめて支援します。
そうじゃなくて、商工会議所や商工会が「プラットフォーム」として申請する形です。事業者は参画する形で販路開拓の恩恵を受ける。新潟商工会議所が燕三条のメーカー群を取りまとめて海外展示会に出展する——そういったスキームが典型例です。
自分の商工会が対象かどうか、どうやって確認しますか?
地元の商工会議所・商工会に「今年度、共同販路開拓補助金を活用する予定がありますか?」と聞くのが一番早い。活用予定があれば参加の仕方を教えてもらえます。
共同販路開拓支援補助金のページも参考にどうぞ。
新潟ってコシヒカリとか日本酒とか、農業・食品の産業が強いじゃないですか。そっち向けの補助金もありますか?
あります! 農林水産省の制度で、
有機JAS認証・GAP等認証取得等支援事業というのがあって、有機農業やGAP認証を取得して輸出を狙う農業事業者に補助上限2,000万円が出る。新潟のコシヒカリを有機認証して欧米市場に持っていくなら、これは使えます。
さらに
フードテックビジネス実証・実装事業という制度もあって、代替タンパクやスマート養殖、AI活用の食品開発など先端的な食関連技術の事業化に対して補助上限2,000万円(補助率1/2以内)が出ます。新潟の水産加工や農産加工の事業者がフードテックに踏み込もうとしているなら、これは有力な選択肢です。
輸出志向の食品事業者向けには他にも制度がありますか?
新潟市内に本店・支店・営業所を有する法人または個人事業主が対象なので、小規模事業者でも申請できます。先着順なので早めの動きが重要です。電気代削減という実利もあるし、脱炭素対応でイメージアップにもなる。一石二鳥の制度ですね。
長岡市、三条市、上越市なども商工会経由の支援制度があります。各市の産業振興課や商工会議所で確認するのが確実です。市によって細かい要件が違うので、「自分の市には何があるか」を個別に問い合わせるのが一番です。
NICOって具体的にどんなことをしてくれるんですか?
NICOはにいがた産業創造機構の略で、新潟県の産業振興を担う中核機関です。トップランナー挑戦支援事業では、技術・製品開発や研究開発に取り組む企業に助成が出ます。燕三条の金属加工メーカーが新素材対応の製品開発をするとか、農業関連の食品加工業者が6次産業化に挑戦するとか、そういった取り組みを後押しします。
そうです。NICOは新潟市中央区万代島5-1の万代島ビル11階に入っています。電話は025-384-0654で、よろず支援拠点も同じ施設内にあるので、一度に複数の相談をまとめてできますよ。
設備を買うんじゃなくてリースで使える制度もあると聞いたんですが。
小規模企業者等設備貸与事業です。補助金じゃなくて「低利での割賦販売またはリース」という形で設備を取得できる仕組みです。創業者や小規模事業者が高額な機械設備を取得する際に、頭金なしで導入できることがある。キャッシュアウトを抑えながら設備投資したい事業者に向いています。
- トップランナー挑戦支援事業(技術・製品開発への助成)
- 小規模企業者等設備貸与事業(低利での機械設備割賦・リース)
- 経営改善・事業計画策定支援(専門家派遣無料)
- よろず支援拠点(無料・何度でも経営相談)
新潟ってたしか2024年の能登半島地震の影響を受けた地域でしたよね。
そうです。令和6年能登半島地震と令和6年能登豪雨で、糸魚川市・上越市・村上市・胎内市・関川村など新潟県内でも甚大な被害が出た地域があります。そういった被災事業者向けに、持続化補助金の「一般型 災害支援枠」が設けられていました。
第8次公募は締切済みになってましたが、また出てくるかもしれないですか?
可能性はあります。令和6年能登半島地震は特別対応が続いており、中小企業庁のサイトや商工会議所の窓口で最新情報を確認するのが確実です。被害を受けた事業者の方は、復旧段階の補助金(上限200万円、補助率2/3)も視野に入れて情報収集してほしいですね。
被災事業者の方は、まず商工会議所に相談するのがよさそうですね。
そうですね。商工会議所と商工会は地域の被災状況を把握していますし、複数の支援制度を組み合わせる提案もしてくれます。「自分が対象かどうか分からない」という段階で相談しに行って全く問題ないです。
室谷さん、実際に補助金申請を支援した経験からみて、採択される事業者の共通点って何ですか?
三つあります。一つ目は「なぜやるか」の説明がクリアなこと。事業計画書で「この課題があって、この解決策を採る、だからこの設備が必要」という論理が一貫している事業者は通りやすい。
そうです。「売上を上げたい」だけじゃなく、「新潟市内の飲食店向けに産地直送ECを立ち上げることで、コシヒカリの単価を現状の1.4倍にしたい」くらい具体的に書く。二つ目は申請前に認定支援機関と組むこと。特にものづくり補助金や事業再構築補助金は、経営革新等支援機関と一緒に申請することで加点が入るケースがあります。
早めに動くことです(笑)。締切ギリギリで駆け込んでくる事業者さんは、様式4が間に合わなかったり、GビズIDが届かなかったりして申請できないケースが本当に多い。「次回の公募に出したい」と思ったら、半年前から動き始めるくらいの感覚で。
めちゃくちゃアリです。よろず支援拠点は無料で何度でも相談できます。「どの補助金が自分に合っているか分からない」という入口から対応してくれるので、最初の一歩にぴったりです。
GビズIDプライムを今すぐ取得開始(発行まで2〜3週間)
よろず支援拠点かNICOで無料相談(どの補助金が合うかを確認)
認定支援機関(金融機関・商工会議所等)と連携して事業計画書を磨く
商工会・商工会議所で様式4を取得(締切2週間以上前を目安に)
持続化補助金は申請締切から2〜3ヶ月後が目安です。採択後も「採択されたらすぐお金が出る」わけじゃなく、実際に事業を実施して、実績報告書を出して、初めて補助金が振り込まれます。
後払いなんですね。資金繰りに余裕がないと厳しいかも。
これは重要なポイントで。補助金は後払いが原則なので、事業実施中の資金は自己資金か融資で賄う必要があります。セーフティネット保証や日本政策金融公庫の融資と組み合わせて使う事業者さんが多いですよ。資金調達の相談もよろず支援拠点やNICOでできます。
新潟っていろんな産業がありますよね。農業、製造業、観光業。それぞれどう使い分けるんですか?
業種別に整理しましょう。まず農業・食品加工系(コシヒカリ・日本酒・水産加工)。これは持続化補助金が一番合いやすいです。ECサイト構築、パッケージデザイン改良、SNS広告——こういった販路開拓に対して補助が出ます。6次産業化で加工設備が必要な場合はものづくり補助金も検討できます。
使えますよ。製造業の許可がある蔵元が生産設備を更新するなら、ものづくり補助金の対象になりえます。さらに海外展開を視野に入れているなら、輸出支援補助金や有機JAS認証支援も組み合わせられます。
観光業はどうですか? 越後湯沢とか妙高とか、スキーリゾートエリアがありますよね。
インバウンド対応のウェブサイト多言語化、オンライン予約システム導入、体験プログラムの広報強化——これらが持続化補助金の対象経費になります。豪雪でオフシーズンが長い地域の旅館・飲食店が、冬期のEC販売や農業体験事業に展開するなら事業再構築補助金も視野に入ります。
- 燕三条の製造業 → ものづくり補助金(設備投資・省力化)+ 連携補助金
- コシヒカリ・日本酒・食品加工 → 持続化補助金(EC・パッケージ・販路)+ 輸出支援補助金
- スキー・観光 → 持続化補助金(多言語対応・予約システム)+ 事業再構築補助金
- 6次産業化を検討中 → ものづくり補助金(加工設備)+ NICO支援制度
- 農業の有機転換・輸出 → 有機JAS認証取得支援事業(農林水産省)
色々教えていただいてありがとうございます。最後に、今日から動ける一言アドバイスをいただけますか?
「とりあえずGビズIDを取得し、よろず支援拠点に電話する」この二つをやってください。GビズIDは取っておいて損はない。あとよろず支援拠点は本当に相談しやすい環境が整っているので、「自分が対象かどうかすら分からない」レベルでも大丈夫です。新潟の産業を支える補助金制度は数多くあります。使わないのはもったいないですよ!
室谷さん、ありがとうございました! 「GビズIDを取得してよろず支援拠点に相談」——覚えました(笑)。
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