編集長の佐藤です。今日は北海道の製造業の皆さんが使える補助金について、株式会社MYUUU代表の室谷さんに詳しく伺います。北海道は食料品加工が中心と聞きますが、補助金の事情はどうなっているんでしょうか?
おっしゃる通り、北海道は農水産品の加工など一次産業に近い製造業が多いですね。ただ、近年はカーボンニュートラルや資源循環といった国の大きな政策の影響で、環境省や経産省の大型補助金が幅広い業種で利用できるようになっています。食品工場でも、包装資材のリサイクル設備やCO2削減のための省エネ設備に使える制度がたくさんあるんですよ。
それは心強いですね。具体的にどんな補助金があるのか、金額感も含めて教えてください。
たとえば、環境省が実施している「プラスチック等資源循環システム構築実証事業」は、最大で約14.7億円まで補助が出ます。石油由来のプラスチックからバイオマス素材への転換や、リサイクルが難しいプラスチックの高度リサイクルプロセスを実証するための費用を支援してくれます。食品工場で出るトレーやフィルムのリサイクルにも応用できますし、北海道のように広大な地域で資源回収の仕組みを作る際にも活用が想定されますね。対象は、
令和7年度 プラスチック等資源循環システム構築実証事業(代替素材事業・リサイクル事業)や、同じく
三次公募の同事業など、いくつかの公募があります。
14.7億円とは驚きです。でも、中小企業にはハードルが高そうですね。
いえ、補助率は経費の1/2から1/3ですから、中小企業でもチャレンジしやすいですよ。それに、環境省の令和7年度補正予算では、もう少しコンパクトな「バリューチェーン」型の設備導入補助も登場しています。これらはプラスチックの高度リサイクル設備や、リチウム蓄電池のリサイクル設備、太陽光パネルリサイクル設備などに特化し、補助上限は300,000万円(30億円)です。中小企業なら補助率1/2、大企業は1/3です。たとえば、
省CO2型プラスチック高度リサイクル設備導入事業を見てみましょう。使用済みプラスチックのリサイクル工程でCO2を減らす設備を導入する場合に使えますし、北海道内の廃棄物処理業者や製造業が手を組めば、地域全体の資源循環を回せるかもしれません。
なるほど、産業廃棄物が多い製造業には刺さりそうですね。ところで、海に面した北海道では船舶関連の補助金も気になります。
いい質問です。国土交通省や環境省が実施する「ゼロエミッション船等の建造促進事業」は、水素やアンモニア、電気推進など次世代の環境船を造るための設備投資を支援します。北海道には造船所や舶用機器メーカーもありますから、こうした大型補助金を活用しない手はありません。令和7年度の
二次公募では、補助上限が300億円、補助率は大企業で1/3、中小企業で1/2以内。環境省サイドでも
R8年度に導入支援事業が予定されています。制度上の上限額は100,000,000,000万円(1兆円)とされていますが、実際には補助上限に制限がない大型の政策的支援です。
1兆円ですか!? それはすごい。でも、本当にそんなに出るんですか?
はい、脱炭素に資する革新的な船舶導入に対して、国が全面的に後押しする構えですね。ただ、当然ながら要件は厳しく、技術的な裏付けや事業計画の精査が求められますので、早めに専門家に相談するのが賢明です。
わかりました。でも、もっと身近な、例えば北海道ならではの制度はないのでしょうか? 食品加工の自動化や省力化に使える補助金が知りたいです。
北海道独自の補助金については、経済産業省北海道経済産業局や北海道中小企業団体中央会の窓口で情報収集されることをおすすめします。また、今回ご紹介している環境関連の補助金は、脱炭素や資源循環という大きな流れに乗って、長期にわたって手厚い支援が期待できるため、北海道の製造業にこそ狙っていただきたいところです。特に、農林水産省の「農業用資材の資源循環利用推進事業」なども、農業と製造業が融合する北海道にはフィットします。
農業用資材のリサイクルですか。具体的に教えてください。
いろいろあるんですね。蓄電池関連の補助金も気になります。EVシフトとかあるじゃないですか。
おっしゃる通り、蓄電池はこれからの製造業に欠かせません。経済産業省が実施する
令和7年度「蓄電池等の製品の持続可能性向上に向けた基盤整備・実証事業」では、最大8.6億円の補助で、蓄電池のカーボンフットプリント算定やリユース・リサイクル実証が行えます。北海道内でも、再生可能エネルギーと蓄電池を組み合わせた事業や、使用済みEVバッテリーのリサイクルを検討する企業にはピッタリです。以前の
令和6年度版も参考になりますよ。
伝統工芸品の支援もあるんですね。北海道でも何か使えますか?
はい、
伝統的工芸品産業支援補助金(令和6年度)は、経済産業大臣指定の伝統的工芸品の産地振興を目的としていて、補助上限は2,000万円。北海道にはアイヌ工芸など指定品目もありますから、そうした業種の方はチェックしてみてください。需要開拓や後継者育成に活用できます。
北海道の製造業が狙うべき補助金の特徴
- 資源循環・脱炭素を軸とした大型予算(最大1兆円規模)が複数存在
- プラスチックリサイクルやゼロエミッション船など、業種を選ばず使える
- 補助率は中小企業優遇(1/2)が多く、補助上限も高い
- コンソーシアム形式や間接補助が主流、早めの情報収集が鍵
補助金を申請するとき、何に気をつければいいですか?
まず、締切が意外と早いこと。特に補正予算事業は公募期間が短めです。また、補助対象経費や補助率は公募要領で細かく定められているので、必ず確認を。そして、多くの制度が個社単独ではなく、複数企業や団体での申請を想定しています。北海道経済産業局の「ものづくり補助金情報」ページや、北海道中小企業団体中央会、そして「北海道補助金助成金サポートセンター」の矢農誠氏の情報発信など、頼れる相談窓口をフル活用してください。当サイトでも最新情報を更新していきますので、ブックマークしておいてくださいね。
今日はたくさんの制度を教えていただき、ありがとうございました。北海道の製造業の皆さん、ぜひこれらの補助金でビジネスチャンスを広げてください!