室谷さん、こんにちは。北海道で診療所を経営しているのですが、使える補助金について教えてください。施設整備や人材確保など、いろいろあると聞きました。
こんにちは、佐藤さん。北海道の医療・福祉事業者向けの補助金は、いくつかご紹介できます。大きく分けて、施設整備・設備導入、人材確保・処遇改善、そして医療DX・脱炭素化など新たな取り組みの3つの軸で考えると整理しやすいです。まずは施設整備から見ていきましょう。
施設整備と言えば、診療所の建て替えや改修、空調更新などに使えるものはありますか?
まず、環境省のSHIFT事業の一環である
省CO2型設備更新支援C(中小企業事業)があります。これは中小企業向けで、工場・事業場のCO2削減につながる設備更新を支援します。補助上限は5,000万円、補助率は1/2またはCO2削減量に応じた額です。医療・福祉施設でも、例えば空調の省エネ化や高効率給湯器の導入、照明のLED化などに使えます。締切は2025年9月30日までと長期です。
それは大きいですね。ただ、CO2削減目的だけでなく、一般の設備改修にも使える補助金はありますか?
例えば
受動喫煙防止対策助成金は、飲食店以外の事業場でも、喫煙室設置などの設備整備に使えます。補助率は飲食店(既存特定飲食提供施設)で3分の2、それ以外の事業場では2分の1、上限100万円。医療機関の敷地内禁煙対応や、従業員用喫煙室の設置などに活用できます。締切は2026年1月31日までです。
また、大規模な改修を検討しているなら、
省CO2型システムへの改修支援事業も有力です。これは民間企業だけでなく、医療法人や社会福祉法人も対象です。補助率3分の1、上限5億円と大型です。電化・燃料転換・熱回収など、脱炭素に向けた設備改修に使えます。ただし直近2期連続の債務超過がないことなどの財務要件があります。
上限5億円は驚きです。ただ、うちは中小規模なので、そこまで大きな投資は難しいですが…
そうですね。中小企業向けには[省CO2型設備更新支援C]のほか、
DX型CO2削減対策実行支援事業もあります。こちらはDXシステムを活用した運用改善や設備改修の設計支援で、補助率4分の3、上限200万円と手軽に始められます。医療・福祉施設にも適用可能で、エネルギー管理システムの導入などに使えます。
次に、看護師不足が深刻なのですが、人材確保に使える補助金はありますか?
直接的な看護師確保のための補助金は、今回のリストにはありませんが、間接的に人材確保につながる制度があります。例えば
団体経由産業保健活動推進助成金は、中小企業の産業保健体制を団体単位で底上げするものです。事業主団体(医師会など)が傘下の中小企業に対して産業医・保健師等の専門職によるサービスを提供した場合、その費用の9/10(上限1,000万円)が助成されます。北海道医師会などの団体がこの制度を活用していれば、会員の医療機関が間接的に産業保健サービスの充実を図れ、働きやすい職場環境づくりに貢献できます。
なるほど。直接、新卒看護師の奨学金返済支援などはありませんか?
残念ながら今回のリストには該当する制度はありません。ただし、北海道や各市区町村が独自に看護師確保対策事業を実施している場合があります。例えば「北海道看護職員確保対策事業」など、道庁の医療機能情報システムや北海道医師会にお問い合わせください。
また、
令和7年度障害者自立支援機器等開発促進事業は、障害者支援機器の開発を支援します。医療・福祉施設が開発企業と連携して応募でき、上限2,250万円の補助が得られます。障害者雇用の促進や新しいケア機器の導入につながる可能性があります。
最近、AIやDXを診療に取り入れたいと考えていますが、それに使える補助金はありますか?
はい。例えば
フェムテック等サポートサービス実証事業費補助金は、働く女性の健康課題解決を目的とした実証事業を支援します。医療機関がフェムテック企業と連携して、女性従業員の健康管理システムの実証などに活用できます。上限500万円で、令和6年度の公募は締切済みですが、令和7年度の情報が公開される可能性があります。
また、海外展開を目指すのであれば、
ヘルスケア産業国際展開推進事業費補助金もあります。日本の医療・介護技術を海外に展開するための基礎調査や実証調査の費用を補助します。補助率は大企業1/3、中小企業2/3で、上限21,000万円と大規模です。北海道の医療機器メーカーや介護サービス事業者にもチャンスがあります。
海外展開は考えていませんが、国内の医療DXとしてはどのような補助金が使えますか?
直接的な医療IT導入補助金は今回のリストにはありませんが、[DX型CO2削減対策実行支援事業]はDXシステムによる運用改善を支援しますので、エネルギー管理のデジタル化という形で活用できます。また、[省CO2型システムへの改修支援事業]の対象に「運用改善」が含まれており、デジタル技術を使った効率化も認められる場合があります。詳細は公募要領をご確認ください。
たくさんあるのですね。結局、どこに相談すればよいのでしょうか?
北海道の医療・福祉事業者の方には、以下の窓口が役立ちます。
また、各市区町村の商工担当課や北海道経済部でも、地域限定の補助金情報を得られることがあります。特に、診療所開設支援や訪問看護ステーション支援など、道内独自の制度が存在する場合があるので、必ずチェックしてください。
ありがとうございます。まずはこれらの窓口に問い合わせてみます。ところで、補助金の申請には何か注意点はありますか?
いくつかあります。まず、補助金は先着順ではなく、審査で採択されるケースが多いので、事業計画をしっかり練ることが重要です。また、補助対象経費の範囲や、実績報告の義務など、事後対応も求められます。特に、[省CO2型システムへの改修支援事業]など大型補助金では、財務要件が厳しいので事前に確認が必要です。
また、[団体経由産業保健活動推進助成金]は、個社ではなく団体経由での申請となるため、所属する事業主団体が制度を利用しているか確認しましょう。
わかりました。最後に、脱炭素関連の補助金は医療法人でも使えると聞きましたが、実際のところどうなのでしょうか?
はい。[省CO2型システムへの改修支援事業]は、公募要領で「民間企業(個人を除く)、独立行政法人、大学法人、社会福祉法人、医療法人、協同組合等」と明記されており、医療法人も対象です。同様に[省CO2型設備更新支援C]は中小企業基本法上の中小企業が対象で、医療法人も該当します。ただし、どちらもCO2削減効果を定量的に示す必要があります。
なるほど。それでは、早速北海道医療機能情報システムで情報を集めてみます。ありがとうございました!
どういたしまして。補助金の活用で、北海道の医療・福祉がさらに発展することを願っています。