福岡県の教育支援で使える給付金・補助金の全体像


佐藤
編集長
室谷さん、子どもの教育費が年々きつくて…高校や大学にかかるお金って、福岡県で何か支援してもらえる補助金とか給付金ってありますか?

室谷
代表取締役
ありますよ(笑)。しかも結構たくさん。福岡県の場合、国の制度+県独自の制度+市区町村ごとの制度と、3層構造で支援が積み重なってるんです。これを把握してるかどうかで、受け取れる金額がかなり変わってきます。

佐藤
編集長
3層!それは知らなかったです。具体的にはどんなものがあるんですか?

室谷
代表取締役
大きく分けると、個人・世帯向けの給付金・奨学金と、事業者(NPO・学習塾運営など)向けの補助金の2種類があります。まず個人向けから整理しましょうか。高校生のいる家庭、大学進学を目指す家庭、それぞれ使える制度が違いますから。

佐藤
編集長
ぜひお願いします。まずどっちから始めましょう?

室谷
代表取締役
人数が多いので高校生向けから。実はこれ、非課税世帯なら最大15万2千円/年が無償でもらえる制度がすでにあるんです。
【個人・世帯向け】福岡県の教育給付金・奨学金

佐藤
編集長
15万2千円!それは高校生等奨学給付金ってやつですか?

室谷
代表取締役
そうです。正式には「高校生等奨学給付金」。国の制度で、福岡県が窓口になってます。住民税の所得割額が非課税の世帯に、授業料以外の教育費(教科書代・部活動費・修学旅行費など)を年1回支給するもの。

佐藤
編集長
国公立と私立でも金額が違うんですよね?

室谷
代表取締役
はい。国公立高校の場合、非課税世帯(全日制・定時制)で年額14万3,700円。私立高校は年額15万2,000円(非課税世帯・全日制)です。生活保護(生業扶助)受給世帯は3万2,300円。通信制は5万500円です。

佐藤
編集長
国公立より私立のほうが高いんですか!それはなんで?

室谷
代表取締役
私立のほうが授業料以外の費用が高いので(笑)。制服代・教材費・部活動費とか、私立は全体的に高いですよね。それを考慮した設計になってます。

佐藤
編集長
申請はどうやってするんですか?

室谷
代表取締役
高校生の場合は学校経由が原則です。在籍校に相談すると申請書類をもらえます。毎年7月1日が基準日なので、その時点での世帯の状況で判定されます。新入生には4月〜6月分の前倒し給付もあります。

佐藤
編集長
家計が急変した場合でも対応してもらえるんですか?突然失職したとか…

室谷
代表取締役
対応してます!「家計急変世帯への支援」という枠がありまして。失職・離婚・災害などで収入が非課税相当に落ちた場合も申請できます。これ意外と知らない方が多くて、「うち課税世帯だから関係ない」って思って申請しないケースがあるんですよね。

佐藤
編集長
それはもったいない!学校に相談するのが最初の一歩ですね。では私立高校の授業料支援はどうですか?

室谷
代表取締役
これも手厚いですよ。まず国の「高等学校等就学支援金」があって、所得制限ありの世帯に授業料を実質無料にする制度があります。福岡県では算定基準額が15万4,500円未満の世帯(年収ざっくり約590万円未満目安)だと、私立全日制で最大年間39万6,000円の支援が受けられる。

佐藤
編集長
39万円!それ実質無償化じゃないですか(笑)

室谷
代表取締役
そうなんですよ。令和7年度から所得超過世帯向けの「臨時支援金」も始まって、これまで就学支援金を受けられなかった高所得世帯にも年間11万8,800円の支援が入りました。実質、福岡県では所得に関わらず何らかの支援が受けられる状況になってます。

佐藤
編集長
それはすごいですね。では大学進学の場合はどうですか?

室谷
代表取締役
大学も国の「高等教育の修学支援新制度」があって、住民税非課税世帯なら国公立大学で年間53万5,800円まで授業料が免除されます。私立は年間70万円まで。さらに返還不要の給付型奨学金も別途もらえる。令和7年度からは多子世帯(3人以上扶養)なら所得制限なしで授業料が無償化されています。

佐藤
編集長
多子世帯は所得制限なし!これは大きいですね。福岡市で独自にやってる奨学金もありますよね?

室谷
代表取締役
あります。日本人大学生留学奨学金(グローバルチャレンジ応援奨学金)は福岡市が貸与する留学奨学金で、卒業後に福岡都市圏で3年間就職・創業すると全額返還免除になる。実質給付型として使えるんです。令和8年度は募集人数も拡大されました。

佐藤
編集長
就職したら免除というのが面白いですね。北九州市や久留米市は?

室谷
代表取締役
北九州市は高校奨学金(貸与型)と大学奨学金(貸与型)が揃ってます。高校生は国公立月額1万8千円・私立月額2万5千円、大学生は国公立月額4万5千円・私立月額5万4千円。無利子ですし、就学援助制度も充実してます。

佐藤
編集長
就学援助って小学校・中学校向けですよね?

室谷
代表取締役

佐藤
編集長
久留米市の奨学金は少し特徴がありますよね?

室谷
代表取締役
久留米市は令和7年度から月額奨学金を廃止して入学一時金に重点化しました。公立高校入学時3万円、私立4万5千円です。飯塚市は奨学資金貸付制度(返還免除型)があって、卒業後に市内在住で返還免除になる仕組みが面白い。大学私立で月額4万5千円。
福岡県の教育支援 給付金・補助金 比較表
| 制度名 | 対象 | 金額 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| 高校生等奨学給付金(国公立) | 非課税世帯の高校生 | 年額14万3,700円 | 返還不要・授業料以外の費用 |
| 高校生等奨学給付金(私立) | 非課税世帯の高校生 | 年額15万2,000円 | 返還不要・授業料以外の費用 |
| 福岡県私立高校就学支援金 | 所得制限あり世帯 | 最大年額39万6,000円 | 授業料支援・実質無償化 |
| 高等教育修学支援新制度 | 住民税非課税世帯 | 国公立年53万5,800円まで | 大学授業料免除+給付型奨学金 |
| 福岡市 留学奨学金 | 福岡市在住大学生 | 月額貸与(留学後返還免除) | 福岡都市圏就職で返還免除 |
| 北九州市高校奨学金 | 北九州市在住の高校生 | 国公立月1.8万円・私立月2.5万円 | 無利子貸付 |
| 北九州市大学奨学金 | 北九州市在住の大学生 | 国公立月4.5万円・私立月5.4万円 | 無利子貸付 |
| 北九州市就学援助 | 困窮世帯の小中学生 | 学用品費・給食費・修学旅行費等 | 新入学学用品費5〜6万円 |
| 北九州市杉浦奨学金 | 北九州市在住・優秀な高大生 | 高校生年10万円・大学生年20万円 | 給付型・芸術文化・学術・スポーツ |
| 久留米市奨学金 | 久留米市在住の高校生 | 入学一時金 公立3万円・私立4.5万円 | 給付型・返還不要 |
| 飯塚市奨学資金貸付 | 飯塚市在住の学生 | 月額1.5〜4.5万円 | 市内在住返還免除 |
申請の流れと実務のポイント


佐藤
編集長
申請の流れって、制度によってバラバラですよね。どう整理したらいいですか?

室谷
代表取締役
大きく3つのパターンがあります。①学校経由(在籍校の担任・事務室に申請書を提出)、②市区町村窓口(区役所・市役所の教育委員会や子育て支援課)、③国・JASSOの電子申請システム(eシステム等)。高校の授業料関連は①が多い、就学援助や市独自の奨学金は②が多い、大学の修学支援新制度は③を使います。

佐藤
編集長
マイナンバーは必要ですか?

室谷
代表取締役
ほぼ全制度で必要です。事前に準備しておくとスムーズです。加えて、収入証明書・通帳・在学証明書あたりが共通して必要になるので、4月や7月の申請シーズン前にまとめておくといいですね。
1利用したい制度の対象要件を確認する(所得・世帯状況・在籍校の種別)
2必要書類を準備する(マイナンバー・源泉徴収票・通帳・在学証明書など)
3学校経由 or 市区町村窓口 or 電子システムに申請書を提出
4審査・認定(通常1〜2か月。家計急変対応は別途受付)
5給付金振込(年1回口座振込が多い。就学援助は学期ごと)

佐藤
編集長
複数の制度を掛け持ちすることってできますか?

室谷
代表取締役
できますよ!というか、上手に組み合わせるのがコツです。例えば私立高校の場合、「就学支援金(授業料軽減)+奨学給付金(授業料以外の費用)」は同時に受け取れます。大学でも「修学支援新制度の授業料免除+給付型奨学金(JASSO)」は別制度なので両方受けられます。

佐藤
編集長
所得制限って、どのくらいを基準に考えればいいですか?

室谷
代表取締役
制度によって基準が違うんですが、大まかに言うと「住民税非課税世帯」かどうかが一つの大きな節目です。非課税世帯であれば最も手厚い支援が受けられます。年収目安でいうと、4人家族(夫婦と子2人)で約270〜300万円以下が非課税ライン。ただし計算が複雑なので、窓口で確認することを強くお勧めします。
非課税世帯かどうかの確認方法
- 市区町村の税務課に「住民税課税証明書」の取得を依頼
- マイナンバーカードがあればコンビニ交付も可能
- 7月以降に発行された最新年度のものを使用する
申請期限に注意!
- 就学援助(新入学学用品費): 入学前の1〜2月が申請期限の場合あり
- 高校生等奨学給付金: 毎年7月1日基準日、9〜10月頃申請受付
- 大学修学支援新制度: 在学校経由で年1〜2回の申請受付
- 期限を過ぎると原則その年度は対象外になるため、早めの確認が必須
【事業者向け】教育関連の補助金

佐藤
編集長
事業者向けの補助金もあるんですよね。学習塾とか運営してる方とか?

室谷
代表取締役
そうです。事業者向けは少し性質が違って、DX人材育成や産学連携が中心になります。例えば地域デジタル人材育成・確保推進事業費補助金は、企業データを活用した実践的なDX教育プログラムを実施する事業者に対して、補助上限5,600万円・補助率4/5以内という大型支援です。

佐藤
編集長
補助率4/5って相当手厚いですね。

室谷
代表取締役
はい。高等教育機関における共同講座創造支援事業費補助金も面白くて、企業が大学・高専に共同講座を設置して自社が必要とする専門人材を育成する際に、上限3,000万円・補助率1/2で支援が受けられます。DX・GX分野に対応した人材育成を産業界が主導するための制度ですね。

佐藤
編集長
奨学金返還支援をする企業への補助金もあるって聞いたんですが。

室谷
代表取締役
ありますよ!おおむた(大牟田市)のおおむた100若者未来応援事業は、企業が従業員の奨学金返還を支援した場合に最大3年間・合計最大30万円を給付する制度です。企業側も採用競争力が上がるし、従業員も奨学金の重荷が軽くなる。一石二鳥の仕組みです。

佐藤
編集長
なるほど、個人向けと事業者向けで全然違う切り口があるんですね。
申請で失敗しないコツ(室谷の実務経験から)

佐藤
編集長
実際に申請している人が陥りがちな失敗ってありますか?

室谷
代表取締役
一番多いのは「自分は対象外だと思い込んで申請しない」こと。特に課税世帯だと補助が一切ないと思っている方が多いんですが、私立高校就学支援金は年収約910万円以下の世帯まで対象になってます(令和7年度の臨時支援金含む)。意外と広いんですよ。

佐藤
編集長
えっ、910万円以下だと何らかの支援がある?

室谷
代表取締役
はい。所得が高めでも「臨時支援金」として年11万8,800円分の授業料相当が支援されます。令和7年度は国の制度変更で所得超過世帯向けに新設されたもの。来年度以降の制度継続は国の検討状況次第ですが、令和7年度は確実に使えます。

佐藤
編集長
もう一つよくある失敗は?

室谷
代表取締役
「申請のタイミングを逃す」こと。就学援助の新入学学用品費は入学前(年明け1〜2月頃)に申請しないと間に合わない場合がある。奨学給付金は7月基準日前後に手続きが集中する。申請シーズンを手帳に書いておくとよいですよ。

佐藤
編集長
相談窓口はどこに行けばいいですか?

室谷
代表取締役
迷ったら在籍校(小中高は学校の事務室、大学は学生支援課)に相談するのが一番早いです。自治体の制度は各市区町村の子育て支援課・教育委員会・生活相談窓口が対応しています。福岡県の「令和8年度教育費の支援制度のお知らせ」PDFが県教育委員会サイトで公開されているので、全体像を確認したい方はそちらも参考にしてください。

佐藤
編集長
複数の制度を使いたい場合は複数窓口に行く必要があるんですか?

室谷
代表取締役
制度ごとに窓口が違うので、残念ながら別々に手続きが必要です(笑)。ただ、学校経由のものは担任や事務室が一括でまとめてくれることが多いので、学校に「受けられる支援すべて教えてほしい」と聞くのが効率的です。
1在籍校(担任・事務室・学生支援課)に「使える支援制度を教えてください」と相談
2各制度の申請書類を確認・収集(マイナンバー・収入証明・在学証明など)
3申請期限をカレンダーに記録(特に年度始めの4月と基準日の7月が重要)
4国・県・市区町村の制度を並行申請(重複受給が可能な組み合わせを確認)
5翌年度も忘れずに更新申請(多くの制度は毎年度申請が必要)
まとめ

佐藤
編集長
今日はたくさん教えていただきありがとうございました!福岡県の教育支援で使える制度って、こんなにあるんですね。

室谷
代表取締役
個人向けだけでも、高校奨学給付金・就学支援金・就学援助・市独自奨学金・大学修学支援新制度と、少なくとも5〜6種類は誰でも使える制度があります。これに市区町村独自の制度を加えれば15件以上。それなのに申請率が低い制度も多くて、もったいないなと現場で感じることが多いです。

佐藤
編集長
知らないと損ですね。

室谷
代表取締役
本当にそうで。特に高校進学の春は家計の負担が一気に増えますから、年明けから動き始めることが大事です。「入学してから考えよう」では遅い制度もある。事前情報収集が勝負ですよ(笑)

佐藤
編集長
ありがとうございます!他の都道府県の教育支援が気になる方は、都道府県別の教育支援給付金ページもぜひ見てみてください。