室谷さん、うちの会社もそろそろITシステムをちゃんと整えたいんですよ。でも投資額が大きくて、どこから手をつけていいか全然わかってなくて。
それは多くの滋賀県内の中小企業から聞きますよ。製造業も物流も、あと農業とかでもIT・設備投資の補助金はけっこう豊富にあるんです。国の制度だけでもざっくり20件以上、県独自のものも含めると相当な数がありますね。
正直、多すぎて把握しきれないくらい(笑)。だから今日は滋賀県で設備投資・IT導入を検討している事業者さんに向けて、使えるものをまとめて紹介していきますね。まず全体像を整理しましょう。
滋賀県 設備投資・IT導入補助金 比較一覧
まず大枠で分けると、「国の制度」と「滋賀県・市町村独自の制度」があります。国の制度は全国どこでも使えるけど競争率が高い。県独自のものは対象が絞られてる分、採択されやすいケースもあって、組み合わせて使うのがセオリーですね。
なるほど、それぞれどんな制度があるか教えてもらえますか?
国の主要なものだと、ものづくり補助金、IT導入補助金(2026年からデジタル化・AI導入補助金に改称予定)、省力化投資補助金、小規模事業者持続化補助金あたりが代表的です。滋賀県独自では「企業のDX推進補助金」と「企業現場へのDX実装展開支援補助金」が2本柱ですね。
| 制度名 | 補助上限 | 補助率 | 対象 | 種別 |
|---|
| ものづくり補助金 | 最大2,500万円 | 1/2〜2/3 | 革新的設備投資・システム開発 | 国 |
| IT導入補助金(デジタル化・AI) | 最大350万円 | 1/2〜3/4 | ITツール・SaaS導入 | 国 |
| 省力化投資補助金 | 最大1,500万円 | 1/2 | 人手不足対応設備 | 国 |
| 小規模事業者持続化補助金 | 最大200万円 | 2/3 | 販路開拓・設備導入 | 国 |
| 企業のDX推進補助金(滋賀) | 最大200万円 | 1/2 | IoT・AIソフト・DX人材育成 | 滋賀県 |
| 企業現場へのDX実装展開補助金(滋賀) | 最大1,000万円 | 1/2 | 大規模DX実装 | 滋賀県 |
表で見るとわかりやすいですね。それぞれどんな事業者が使うのか、もっと教えてください。
まずはものづくり補助金から聞いてもいいですか?名前は有名だけど、実際どんな内容なのかイメージできてなくて。
ものづくり補助金は正式には「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」といって、経済産業省が出している中小企業の設備投資支援の代表格です。23次公募(2026年2月〜5月締切)では従業員51人以上で最大2,500万円、補助率が1/2(小規模は2/3)ですよ。
え、最大2,500万円ですか! それは大きいですね(笑)。
そう、だから大きな製造ラインの刷新とかスマート工場化にも使えるんです。滋賀県は草津市や東近江市に大手メーカーのサプライヤーが集積しているから、毎回そのあたりからの申請が多いですね。
AIを活用した品質検査システム、生産管理システム、受発注システム、3Dプリンター・レーザー加工機などの生産設備投資ですね。「革新的なサービス開発・試作品開発・生産プロセスの改善」につながる設備なら基本的にOKです。ソフトウェア開発も対象です。
直近だとざっくり40〜50%くらいですかね。従業員1〜5人なら補助上限750万円、6〜20人なら1,000万円、21〜50人なら1,500万円という規模別設定になっています。認定経営革新等支援機関(認定支援機関)の確認書が必須なので、商工会議所や地域の中小企業診断士に早めに相談するのがポイントです。
支援機関って具体的にどこに相談すればいいんですか?
いろんな窓口があるんですね。では次の補助金、教えてください。
IT導入補助金は名前をよく聞くんですよ。どんな制度ですか?
IT導入補助金は中小企業のITツール導入を支援する補助金で、2026年からは正式名称が「デジタル化・AI導入補助金」に変わる見込みです。会計ソフト、受発注ソフト、決済ソフト、そしてAI-OCRやAIチャットボット、生産管理システムなんかが対象になりますよ。
複数機能を持つソフトを入れる場合は補助上限350万円まで上がります。インボイス対応類型だと補助上限50万円で補助率3/4(小規模事業者は4/5)です。IT導入支援事業者(ベンダー)を通じた申請が必須なので、まずはGビズIDの取得を進めながら、気になるITツールのベンダーに相談するのが最初のステップです。
中小企業・個人事業主が行政手続きをオンラインで行うためのアカウントです。IT導入補助金や持続化補助金など、多くの補助金申請で必要になるので、今すぐ取得しておくことをおすすめします(笑)。取得まで数日かかることがあるので、補助金を申請する前に必ず用意しておくことですね。
わかりました。あと、2026年版でAI関係が強化されるって聞きましたが、滋賀県での活用例はありますか?
そうですね。滋賀県は近江牛の畜産管理AIや農業IoTに取り組む農業法人も多いんです。収穫量予測AIや在庫管理システムを入れてIT導入補助金を活用したケースも出てきています。詳細は
IT導入補助金2023の複数社連携型ページにもあります。
これは人手不足に対応するための設備投資を支援する補助金ですね。自動搬送ロボット、AI外観検査装置、自動包装機、配膳ロボットなど「省力化できる製品カタログ」から選ぶだけで申請できる「カタログ型」が特徴です。
カタログから選ぶだけなんですか!それは初めての補助金申請でも使いやすそうですね。
そうなんですよ。従業員21人以上の中小企業だと補助上限1,000万円(賃上げ達成で1,500万円)で補助率1/2、小規模事業者は補助率2/3です。滋賀県は物流倉庫が多いエリアなんで、搬送ロボット・ピッキングシステムへの活用ニーズが高いんです。名神高速と北陸道が交わる交通の要衝として、物流拠点が集積しているので(笑)。詳しくは
省力化投資支援事業補助金のページで確認できます。
製造業だけじゃなくて物流・倉庫業の方にも使えるんですね。
そうです。飲食店や介護施設でも活用できます。滋賀県だと観光地の旅館・ホテルが客室清掃ロボットや配膳ロボットの導入に使っているケースもありますね。
持続化補助金って名前は聞いたことあるんですが、設備投資にも使えるんですか?
本来は販路開拓が主目的なんですが、販路開拓に必要な設備・機器の購入費用は対象になります。ただ純粋な生産設備の大規模更新には向かない感じですね。補助上限200万円で補助率2/3(小規模事業者向け)です。Webサイト制作、チラシ・カタログ作成、店舗改装なんかと組み合わせて使うのが多いです。
じゃあ小さい規模でIT環境を整えたい場合に向いているんですね。
そうです。たとえばECサイト構築、POSレジ導入、ネット予約システムの導入なんかと組み合わせる使い方が多いですよ。
商工会・商工会議所の支援を受けることが申請条件なので、まずは地元の商工会に相談するのが第一歩です。詳しくは
小規模事業者持続化補助金の詳細ページもご参照ください。
県独自の補助金はどうですか?さっき企業のDX推進補助金って言ってましたよね。
「企業のDX推進補助金」は滋賀県産業支援プラザが実施している補助金で、IoT機器・AIソフトウェア等の導入と、それを扱える社内DX人材の育成をセットで支援するんです。令和6年度実績では補助上限200万円、補助率1/2でした。
社内DX人材の育成もまとめて補助してくれるのはいいですね。
そうなんですよ。ITツールを導入しても使いこなせる人材がいないと意味ないから(笑)。研修費・ソフトウェア購入費・機械装置費・委託費などが対象になっています。中小企業・個人事業主・小規模事業者が対象です。相談窓口は
滋賀県産業支援プラザのDXページです。
できますよ。たとえばソフトウェア購入費はIT導入補助金で、研修費・専門家謝金は滋賀県DX推進補助金で、という分け方が可能なケースがあります。ただし同一経費への重複申請は禁止なので、ここは専門家に確認しながら進めるのがベストですね。
もう1本の県独自補助金、「企業現場へのDX実装展開支援補助金」はどういうものですか?
こちらはより大規模なDXの実装・展開に対応した補助金ですね。製造現場や物流現場へのDX導入を本格的に進める事業者向けで、補助上限は最大1,000万円台(令和7年度枠による)、補助率1/2が目安です。DX導入の設備費・システム構築費・外部専門家費が対象です。
あります。たとえば守山市が実施している「中小企業等デジタル化促進補助金」は補助上限20万円でデジタル技術活用を支援する制度があります。滋賀県の各市町村が独自の支援メニューを持っているので、自社の本社所在地の市町村でも調べてみると良いですよ。
市レベルの補助金は金額は小さめでも使いやすいですよね。
そうですね。20万円あればクラウド会計ソフトの1〜2年分の費用、あるいはPOSシステムの初期費用の足しになりますから。大きな補助金と小さな補助金を組み合わせていくのが賢い戦略ですよ(笑)。
滋賀県は製造業が多いと思うんですが、製造業には特に使えるものはありますか?
製造業には「ものづくり補助金」と「省力化投資補助金」が特に強いですね。草津市・彦根市・東近江市の製造業クラスターにはAI外観検査システムや生産管理AIを入れる動きが活発で、ものづくり補助金(従業員21〜50人で補助上限1,500万円、補助率1/2〜2/3)が使われています。採択率が40〜50%程度なので、しっかり事業計画書を書くことが大事です。
そうです、名神・東名阪・北陸道が交わる滋賀県は物流会社も多くて。自動搬送ロボット・ピッキングシステムへの省力化投資補助金が活発に使われています。2024年問題で人手不足が深刻化しているので、補助金を活用してロボット化する動きが加速していますね。
近江牛の畜産管理AIや近江米の精密農業IoTにIT導入補助金が使えます。あと「ものづくりIoT研究会」という滋賀県産業支援プラザが主催するコミュニティに参加すると、同業種のDX導入事例や補助金情報が手に入るのでおすすめですよ。観光系だと彦根城・琵琶湖エリアの施設が多言語対応AIや混雑管理システムの導入にIT導入補助金を使っています。
複数の補助金を組み合わせるって、具体的にどうするんですか?
たとえば製造業で考えると、「生産ライン向けAI品質検査システム」を導入したいとします。機械装置・システム構築費をものづくり補助金で補助してもらいつつ、操作教育・DX人材育成費を滋賀県のDX推進補助金で賄う、という組み合わせが考えられます。
賢いですね。でも申請が複数になって大変じゃないですか?
確かに手間は増えますけど、自己負担額が大幅に下がるので検討する価値はあります。ただし対象経費の重複は絶対にNGなので、申請前に認定支援機関か滋賀県産業支援プラザに相談してダブルチェックするのが鉄則です。
- 同一経費への重複申請は禁止(どの補助金のどの経費に使うかを明確に分類する)
- 採択前の発注・契約は補助対象外(交付決定通知を受け取ってから発注する)
- 申請期間が重なる場合は同時並行で進める(窓口相談は早め)
- GビズIDを先行取得しておく(申請システムにログインするために必須)
ありがとうございます。あと「後払い」って何度か聞きましたが、どういうことですか?
補助金は基本的に「後払い」なんです。まず自分でお金を払って実施して、その後に実績を報告して審査が通れば補助金が振り込まれる仕組みです。だから一時的な資金繰りに余裕を持っておくことが重要ですよ。
えっ、それは知らなかった人も多いんじゃないですか?
結構盲点になっていますね(笑)。「採択されたから設備を買えばいい」と思って資金計画を立てずに進めると、補助金が入るまでの数ヶ月間の資金が苦しくなることがあります。メインバンクに事前に補助金申請中の旨を伝えて、つなぎ融資の相談をしておくのが賢いです。
設備投資・IT導入補助金 申請の流れ
- 採択通知は「審査通過」の知らせ。まだ「交付決定」ではない
- 交付決定通知書を受け取るまでは絶対に発注・契約してはいけない
- 違反すると補助対象から除外される場合がある
- 不安なら申請窓口か認定支援機関に必ず確認を
そうなんです。「採択されたからすぐ買った!」という事業者が失敗するパターンが実際にあるんで(笑)。必ず「交付決定通知書」を受け取ってから動くことですね。
滋賀県内で補助金の相談ができるところはどこですか?
| 窓口 | 特徴 |
|---|
| 公益財団法人滋賀県産業支援プラザ | 県独自補助金の公式窓口、DX相談サロンも開催 |
| 滋賀県よろず支援拠点 | 無料で多様な専門家に相談可能 |
| 大津・草津・彦根商工会議所 | ものづくり補助金・持続化補助金の認定支援機関 |
| 滋賀県中小企業診断士協会 | 補助金申請書作成の専門家 |
| 各市町村の産業振興窓口 | 市町村独自補助金の相談 |
ありがとうございます。最後に、補助金申請で最初にやることを1つだけ挙げるとしたら?
GビズIDの取得ですね。これさえ取っておけば、どの補助金でも申請システムにアクセスできます。無料で取得できるので、設備投資・IT導入を検討しているなら今すぐ始めてください。次に滋賀県産業支援プラザかよろず支援拠点に相談すれば、自社の状況に合った補助金を紹介してもらえますよ。
具体的なアドバイスありがとうございました。まずGビズIDを取ってみます!