室谷さん、最近うちの近くの工場が太陽光パネルつけてるのをよく見るんですよ。滋賀って環境補助金が充実してると聞いたんですが、実際どんな感じなんですか?
あ、そうなんですよ。滋賀はホントに手厚くて。琵琶湖があるから環境への意識がもともと強い県なんですよね。国の補助金と県独自の支援を合わせると、かなりの規模で使えるんです。
ざっくりいうと、うちのデータベースだけで430件以上ありますよ。国の大型補助金から滋賀県産業支援プラザが窓口になってる地域密着型まで。規模感でいうと、小さいもので数十万から、大きいと数百億円規模のものまで。
そこはさすがに中小企業さんが直接もらえる話じゃなくて(笑)、製鉄所とかセメント工場向けの特殊なやつですね。中小企業が現実的に狙えるのは数十万〜数千万の範囲です。まずはその範囲のものを整理しましょうか。
滋賀県のエコ・SDGs補助金 種類別比較
じゃあ全体をざっと教えてもらえますか?どんな種類があるんでしょう。
大きく分けると3つの軸がありますね。省エネ設備の導入、再エネ(再生可能エネルギー)の導入、それからカーボンクレジットや認証取得の支援。この3軸で滋賀の補助金はほぼカバーされてます。
なるほど。それぞれで使える補助金って別々なんですか?
別々ですね。ただ面白いのは、滋賀県は「伴走型」が多いんですよ。お金だけじゃなくて、専門家がずっとサポートしてくれる仕組みが充実してる。これが他県との大きな違いです。
| 分類 | 代表的な補助金 | 主な補助額 | 窓口 |
|---|
| 省エネ設備導入 | 省エネ・再エネ等設備導入加速化補助金 | 補助対象経費の1/3以内 | 滋賀県産業支援プラザ |
| 脱炭素・GX投資 | SHIFT事業(CO2削減計画策定) | 最大200万円 | 環境省委託 |
| カーボンクレジット | J-クレジット妥当性確認審査費用補助金 | 要確認 | 農林水産省等 |
| ZEB・建物脱炭素 | ZEB普及促進支援事業 | 最大3億円 | 環境省 |
| 資源循環 | 資源循環分野の脱炭素化促進事業 | 最大4,400万円 | 環境省 |
| リサイクル設備 | 省CO2型プラスチック高度リサイクル設備導入事業 | 最大72億9,700万円 | 経済産業省 |
この表を見ると、かなり幅広いですね。製造業から不動産業まで対象が違う感じですか?
そうです。設備投資系は製造業・小売業・オフィスビル全部使えるし、ZEBは建設・不動産、カーボンクレジットは業種を問わず使えます。自社のどの活動でCO2を出してるかを軸に選ぶのがコツです。
まず国の補助金から聞いていいですか?プラスチックのリサイクルの補助金ってありますよね?
これはプラスチックリサイクルに関わる事業者向けですね。バリューチェーン全体でCO2排出を削減するという名目で、リサイクル設備そのものを導入する費用を支援します。中小企業なら補助率1/2、大企業等は1/3です。
滋賀県の製造業でプラスチックを扱ってる会社なら対象になりうるんですか?
そうです。東レさんや東洋紡さんみたいな大手はもちろんですが、下請けや加工業者さんでも、リサイクルプロセスに設備が必要であれば申請できます。
太陽光パネルリサイクル設備導入事業ですね。これも令和7年度補正2次と令和8年度1次が同時進行してて、上限72億9,700万円です。プラスチックリサイクルと同じスキームで、太陽光パネルの使用済み品を高度リサイクルする設備が対象。
太陽光パネルって寿命がきたらどうするの?って最近よく聞くし、旬な話題ですよね。
まさに。2030〜2040年代に大量廃棄が見込まれてるので、今から処理インフラを整備しておこうという国の方針です。リサイクル事業に参入したい滋賀県の事業者にとっては先行者優位のチャンスです。
リチウム蓄電池リサイクル設備導入事業ですね。これも上限72億9,700万円。EV・蓄電システムの廃棄電池を高度リサイクルする設備導入を支援します。滋賀って実は自動車部品メーカーが多いんで、この補助金の潜在的な受益者が多い県なんですよ。
72億シリーズが3つ並んでる(笑)。全部アクティブですよね?
全部現在公募中です。3つとも環境省系の補助金で、似たような枠組みなんですよ。申請書類も共通部分が多いので、複数の事業に関わってる会社はまとめて検討してみてください。
工場じゃなくてビル・建物系の脱炭素補助金は何かありますか?
そうです。住宅版がZEH、業務用建物版がZEB。エネルギー効率の高い空調・照明・外皮(断熱)を組み合わせて、年間エネルギー収支をゼロにする建物のことです。いずれも設計段階から専門家に相談するほうが採択率は上がりますね。
環境省の
SHIFT事業が定番ですね。工場・事業場ごとに、先導的な脱炭素化取組を支援する補助金で、CO2削減計画の策定支援と省CO2型設備の更新支援(A.標準事業、B.大規模電化・燃料転換)の2タイプあります。補助率は1/3。
そうです。最大200万円で計画を作れる。そしてその計画を設備更新補助の申請書類に流用できるので、段階的に取り組む中小企業さんに向いてます。専門家の伴走もセットになってるのが良くて、自社にCO2削減のノウハウがなくても進めやすい。
資源循環分野の脱炭素化促進事業ですね。令和8年度版がアクティブで、上限4,400万円。廃棄物の収集・選別・処理施設のCO2削減設備を補助します。滋賀県は琵琶湖の環境保全のため廃棄物処理に非常に厳しい地域なので、処理業者さんの設備更新ニーズは高いですよ。
そうなんです。日清食品や平和堂グループの本拠地でもあるし、農産物の加工業者も多い。冷凍設備を使う事業者には、これは真剣に検討してほしい補助金ですね。
海洋・水資源の保護プロジェクトに特化したSDGs債のことです。滋賀県は琵琶湖があるので「ブルーボンド」との相性が抜群なんですよ(笑)。びわ湖カーボンクレジットと組み合わせて活用している企業もすでにあります。
あります。
事業再構築補助金GX進出類型ですね。上限1億5,000万円。従来事業から脱炭素・環境分野の新事業に進出する企業向けで、補助率は1/2(中小)です。「脱炭素ビジネスを新規事業にしたい」という製造業やサービス業に向いてます。
国の補助金はよくわかりました。滋賀県独自のものって何がありますか?
滋賀県の場合、産業支援プラザという機関が窓口になってる独自支援が豊富です。これが他県と大きく違うポイントで。
滋賀県が出資する公益財団法人で、中小企業の経営相談から補助金申請サポートまで一括して担う機関です。CO2削減支援に特化したメニューが充実してて、具体的には次のようなものがあります。
- 省エネ・再エネ等設備導入加速化補助金: 省エネ・再エネ設備を導入する中小企業に補助対象経費の1/3以内を補助。まず無料の省エネ診断を受けてから申請するのが滋賀流の正攻法
- 省エネ等伴走支援事業: 専門家が計画策定から実施まで一緒に走ってくれる伴走支援。補助金と違い「コンサル費用ゼロで省エネ計画を作れる」が最大の魅力
- 次世代自動車普及促進事業補助金(令和8年度): EV・FCV・PHV等の次世代自動車導入を支援。令和8年度版が2026年4月20日に新たに公募開始
- 中小企業版SBT認定取得支援事業: SBT(科学的根拠に基づく排出削減目標)の認定費用を支援。認定を取ると取引先からの評価が上がり、ESG対応の証明になる
- びわ湖カーボンクレジット普及促進事業: 琵琶湖流域での温室効果ガス削減活動をJ-クレジット化し販売できるスキーム。クレジット収入が環境投資の資金源になる
- 促進区域内再エネ導入促進事業: 再エネ促進区域内に設備を導入する事業者を支援
- 省エネ診断事業(無料): 申請前に必ずこれを受けると採択率が高まる。費用は無料
これが滋賀独自の強みで。診断結果が補助金申請書類に直結するんですよ。「○○kWh削減できます」という専門家のお墨付きが申請書に入るから、審査員に説得力が出る。無料診断を使わないのはもったいないです。
じゃあ補助金を考えてる滋賀の会社はまず無料診断から、ということですね。
びわ湖カーボンクレジット倶楽部、さっきも名前が出てきましたが、具体的にどういう仕組みですか?
琵琶湖流域での温室効果ガス削減・吸収活動をJ-クレジットとして認証して、企業に販売するスキームです。滋賀県が主体的に運営してて、他の都道府県にはない独自のものです。
そうです。例えば農地で吸収した炭素をクレジット化して売ったり、製造工程でCO2を削減した分をクレジット化したり。売れた収入を次の環境投資に使う、という好循環が生まれます。
J-クレジットの認証を受けるのって大変なんですか?
第三者審査が必要で、そこに費用がかかります。でもJ-クレジット妥当性確認審査費用補助金で審査コストを圧縮できます。ESG評価・サプライチェーン対応を考えている滋賀県内企業は、ここから検討を始めると良いと思います。
- STEP1: びわ湖カーボンクレジット倶楽部への参加申請
- STEP2: 削減・吸収活動の実施と記録
- STEP3: J-クレジット妥当性確認審査費用補助金を使って第三者審査を実施
- STEP4: クレジット認証を受けて販売
- 審査費用補助を先に確認してから活動を始めないと、費用が全額自己負担になる可能性あり
滋賀県の補助金申請ステップ
まず基本的なことですが、GビズIDのプライム取得は絶対に最初にやる。国の補助金はほぼ全部gBizIDが必要で、取得に2〜3週間かかることがあります。補助金の公募が始まってから動くと確実に間に合わないです。
郵送で審査があるんです。書類不備があると1ヶ月以上かかることも。だから日頃から持っておくのが前提です。
補助金は後払いなんですよ。先に設備を導入・支払いして、その後に補助金が振り込まれる仕組み。中小企業さんが見落としがちなのが「つなぎ資金の調達」です。設備費用を一時的に自分で出さないといけないので、1,000万円の補助金でも先に1,000万円を調達する必要があります。
地方銀行や信用金庫に「補助金つなぎ融資」を相談できます。滋賀銀行や滋賀中央信用金庫は補助金活用に慣れた担当者がいるので、補助金申請と同時に相談すると良いですよ。
1GビズIDプライムを取得する(審査に2〜3週間、余裕を持って)
4申請前につなぎ資金(融資または自己資金)を確保する
5申請書を作成・提出(公募開始後は早めに提出が加点要件になることがある)
6採択通知後に設備導入・工事を開始(採択前の着手は補助対象外)
どの補助金を選べばいいか迷う場合は、どう判断すればいいですか?
事業規模と投資内容で絞るのが一番早いです。比較表でまとめると…
あと大事なポイントですが、複数の補助金を組み合わせられる場合があります。省エネ診断(無料)→県の設備補助→国のSHIFT事業、みたいな順番で段階的に活用するイメージです。一度専門家に相談すると、使える組み合わせを教えてもらえますよ。
琵琶湖という日本一の淡水湖を守る責任が、滋賀県の環境行政を動かし続けてます。それがそのまま補助金の充実につながってる。だから他の都道府県より一歩先を行ってる制度が多いんです。
製造業だけじゃなくて食品・物流・建設・不動産まで対象があるんで、「うちには関係ない」ってなりにくいですよね。
そうです。まず滋賀県産業支援プラザの無料省エネ診断から問い合わせてみてください。それだけで「どの補助金が使えるか」のロードマップを提示してもらえます。
補助金は知ってる人だけが得をする仕組みなので、まず情報を集めることから始めましょう!なお、滋賀県内の他の補助金は
滋賀県の補助金一覧ページでも確認できます。また、エコ・SDGs関連の全国の補助金は
エコ・SDGs目的別補助金でまとめて検索できます。