ごみ焼却場の電気で地域を動かす — この補助金の全体像

佐藤

佐藤

補助金エージェント編集長

室谷さん、「廃棄物発電の電力を地域で利活用する補助金」って、タイトルだけ見るとちょっと専門的すぎて……実際どんな制度なんですか?
室谷

室谷

代表取締役

ざっくり言うと、ごみを燃やして発電した電気を地域内で直接使えるようにするための設備に、国がお金を出す制度ですよ。焼却炉って燃やすだけで、実は大量に発電してるんですが、多くの施設がその電気を電力会社に売るだけで終わってたんですよね。
佐藤

佐藤

補助金エージェント編集長

もったいないですね。自分たちの地域で使えばいいのに!
室谷

室谷

代表取締役

そうなんです(笑)。今回の補助金は、廃棄物処理施設で発電した電気を地域の施設や車両に届けるための「自営線(直接配電する電線)」「蓄電池」「EV収集車」などを導入するコストの半分以上を国が出してくれる仕組みです。環境省が主体で、一般社団法人廃棄物処理施設技術管理協会(通称・技管協)が実施機関です。
佐藤

佐藤

補助金エージェント編集長

EV収集車っていうのは、ごみ収集のトラックをEVにするってことですよね?
室谷

室谷

代表取締役

そうです! しかもEV収集車に関しては補助率が差額の3/4と、他の設備よりぐっと手厚い。ディーゼルのごみ収集車との価格差を4分の3まで国が補填してくれるので、自治体や収集業者にとっては本当にチャンスな制度ですよ。
佐藤

佐藤

補助金エージェント編集長

それ、すごくないですか! 令和8年度の第1次公募はもう締切が近いんですよね?
室谷

室谷

代表取締役

はい、令和8年5月8日17時着信が締切です。ただ、受付終了後も第2次公募や翌年度の制度設計に向けた準備として、今から理解しておく価値が高い制度です。次回に備えて申請体制を整えておきましょう。

補助率を徹底比較 — 設備ごとに違う支援の厚さ

補助率まとめ比較図 — EV収集車は差額3/4、その他設備は1/2
補助率まとめ比較図 — EV収集車は差額3/4、その他設備は1/2
佐藤

佐藤

補助金エージェント編集長

補助率が設備によって違うって聞きましたが、どう整理すればいいですか?
室谷

室谷

代表取締役

シンプルに表にするとわかりやすいですね。
設備カテゴリ補助率補助上限
EV収集車(パッカー車・平ボディトラック)差額の3/4上限あり(公募要領参照)
EV船舶差額の3/4上限あり
自営線(配電線)・変圧器・受変電設備対象経費の1/2合計5,000万円
給電蓄電システム・充電設備対象経費の1/2同上
需要施設側の受電設備・蓄電池対象経費の1/2同上
通信・制御設備(EMS含む)対象経費の1/2同上
系統連携のための工事費対象経費の1/2同上
佐藤

佐藤

補助金エージェント編集長

EV収集車だけ「差額の3/4」って書き方が特殊ですね。どういう計算ですか?
室谷

室谷

代表取締役

EV収集車はディーゼルのごみ収集車より高いんですが、「同スペックのディーゼル車との価格差」だけを補助対象にするんです。例えばEV収集車が4,000万円、同等のディーゼル車が2,000万円なら差額2,000万円の3/4、つまり1,500万円が補助されるイメージですね。
佐藤

佐藤

補助金エージェント編集長

なるほど! それはかなり実態に即した制度設計ですね。リースで入れることもできるんですよね?
室谷

室谷

代表取締役

できます。リース導入の場合は、リース会社が代表申請者になって、収集事業者と共同申請する形になります。補助金相当額をリース料に反映させる仕組みなので、自治体や中小の収集業者でも初期費用を抑えて導入できますよ。

費用対効果の基準(採択の必須条件)

EV収集車: 235,000円/t-CO2 以下

EV収集車以外の設備: 238,000円/t-CO2 以下

CO2削減量が少なすぎると不採択。事前に削減量試算をしっかり行うこと。

誰でも申請できる? — 対象者・要件を整理

佐藤

佐藤

補助金エージェント編集長

申請できるのはどんな組織ですか? 民間企業でも大丈夫ですか?
室谷

室谷

代表取締役

対象者はかなり広いですよ。地方公共団体(市区町村・都道府県)はもちろん、民間企業も申請できます。廃棄物収集事業をやっている事業者であれば積極的に活用を検討してほしい制度ですね。
申請対象者備考
地方公共団体EV収集車のリース導入はリース会社との共同申請
民間企業EV収集車は廃棄物収集事業の用に供する者
独立行政法人独立行政法人通則法第2条第1項に規定する法人
一般社団法人・一般財団法人公益社団・公益財団法人も含む
技管協が適当と認めるその他の者環境大臣の承認が必要
佐藤

佐藤

補助金エージェント編集長

廃棄物処理施設を持っていることが前提ですか?
室谷

室谷

代表取締役

電力を利活用するわけなので、廃棄物発電施設が起点になります。でも実際には、廃棄物処理施設を運営する自治体が主体になって、そこからEV収集車の収集事業者や需要施設(公共施設、避難所等)に電気を供給するモデルが多いですね。
佐藤

佐藤

補助金エージェント編集長

対象事業にも具体的な条件がありますか?
室谷

室谷

代表取締役

ありますね。大事なポイントをまとめると——廃棄物発電で生じた電力を地域で利活用するための設備導入事業であること、EV収集車は廃棄物収集事業専用で使うこと、自営線は廃棄物処理施設から特定した需要施設への供給に限ること、蓄電池は廃棄物処理施設から供給された電力の蓄電に限ること、の4点が核心です。

対象外になりやすいケース

  • 一般乗用車・営業車など収集事業以外の車両
  • 廃棄物処理施設本体の改修・更新費用
  • 土地の取得費・建屋の新築増改築費(最小限の工事を除く)
  • 消費税・地方消費税
  • 予備費・雑費等の不確定経費

交付決定前に発注・契約した経費も全て対象外。順番を間違えると補助金ゼロになるので注意!

対象経費カテゴリを全部チェック — 何が補助される?

佐藤

佐藤

補助金エージェント編集長

具体的に補助対象になる設備をもっと詳しく聞かせてもらえますか?
室谷

室谷

代表取締役

6つのカテゴリに整理できます。
カテゴリ対象設備
EV収集車・船舶EV パッカー車、EV 平ボディトラック、EV 船舶(ディーゼル差額分)
給電蓄電システム蓄電池、充電設備、給電装置
電気供給設備自営線(配電線)、受変電設備、付属設備
電気需要設備需要施設側の受電設備・蓄電池
系統連携費用発電設備を系統と連携するための工事費(特定需要施設への供給に限る)
通信・制御設備EMS、電力モニタリング設備、通信・制御機器
佐藤

佐藤

補助金エージェント編集長

EV平ボディトラックも対象なんですね。パッカー車(ごみ圧縮車)だけじゃないんですか。
室谷

室谷

代表取締役

はい、廃棄物収集事業で使うものなら平ボディトラックも対象ですよ。ただし「廃棄物収集事業に使う」という用途限定は厳格なので、一般の運搬業務用車両はNGです。申請時に収集事業での使用計画をきっちり示す必要があります。
佐藤

佐藤

補助金エージェント編集長

EMSってのは何ですか?
室谷

室谷

代表取締役

エネルギーマネジメントシステムの略で、電力の発電量・消費量をモニタリングして最適制御するシステムです。焼却炉の運転パターンって季節や搬入量で変わるので、その出力変動に合わせて蓄電池の充放電スケジュールを自動で最適化する——そういう頭脳的な役割を担います。これも1/2補助の対象です。

申請の流れ — ステップバイステップ

佐藤

佐藤

補助金エージェント編集長

実際の申請手続きを教えてください。jGrantsを使うんですよね?
室谷

室谷

代表取締役

そうです。jGrantsまたはメールでの申請ができますが、電子申請が基本スタイルです。5つのステップで動きます。

申請フロー図 — 5ステップで交付決定へ
申請フロー図 — 5ステップで交付決定へ
佐藤

佐藤

補助金エージェント編集長

GビズIDって何ですか? 申請に絶対必要ですか?
室谷

室谷

代表取締役

はい、jGrantsを使うには法人用の行政サービス共通ID「GビズIDプライム」が必要です。取得まで数週間かかる場合があるので、申請を考えているなら今すぐ取得手続きを始めてください。GビズIDの申請はデジタル庁のサイトから無料でできます。
佐藤

佐藤

補助金エージェント編集長

POファイナンスという仕組みもあるって聞きましたが?
室谷

室谷

代表取締役

これはTranzax株式会社が提供する資金調達支援です。補助金の交付決定額を電子記録債権化して金融機関から融資を受けやすくする仕組みで、「補助金が入金されるまでの資金繰りが厳しい」という事業者に向いています。補助金申請とは別の手続きですが、活用を検討する価値はありますよ。

審査を突破する攻略法 — 採択率を上げる4つのポイント

佐藤

佐藤

補助金エージェント編集長

どんな申請が採択されやすいんでしょうか?
室谷

室谷

代表取締役

4つのポイントがあります。

採択率を上げる4つのポイント

①TCOで優位性を示す — EV収集車は10年間のTCO(総保有コスト)で燃料費・メンテナンス費削減効果を含めて比較し、経済合理性を証明する

②余剰電力量を精緻に把握 — 季節変動・定期点検時の発電停止・ごみ質変化による出力変動を考慮した年間発電プロファイルを作る

③防災・レジリエンスを強調 — 避難施設への非常用電源機能など、地域防災計画との連携を盛り込む

④リース活用で初期負担軽減 — リース会社と早期に協議し、補助金反映後のリース料金を確定させておく

佐藤

佐藤

補助金エージェント編集長

TCOってどう計算するんですか?
室谷

室谷

代表取締役

車両購入価格に燃料費と整備費を加えた10年間の合計で比較します。電気代はガソリン・軽油より安く、EVはオイル交換等の整備頻度も低いので、初期コスト差は使えばどんどん縮まります。多くの事例で8〜12年で逆転するんですよ。
佐藤

佐藤

補助金エージェント編集長

なるほど。「ランニングコストも含めたらお得」という視点で書けばいいわけですね。
室谷

室谷

代表取締役

そうです! しかも廃棄物発電の電気でEV収集車を充電できれば、燃料コストがほぼゼロになるケースも——そのインパクトを数字で示せると採択審査官の印象が全然違います。

熱利活用事業との関係 — 姉妹制度と組み合わせると?

佐藤

佐藤

補助金エージェント編集長

同じ廃棄物処理施設を対象にした「熱利活用事業」という姉妹制度もあるって聞きましたが、どう関係するんですか?
室谷

室谷

代表取締役

同じ「廃棄物処理施設を核とした地域循環共生圏構築促進事業」の一部なんですよ。電力利活用が廃棄物発電の電気を地域に届ける制度なのに対して、熱利活用事業は廃棄物処理で生じた熱を地域に届ける制度——この2つをセットで考えると施設の効果が最大化します。
佐藤

佐藤

補助金エージェント編集長

両方同時に申請できますか?
室谷

室谷

代表取締役

できます! 対象設備が異なるので(熱は熱導管等、電力はEV収集車・自営線等)、同一施設で電力と熱を同時に申請することが可能です。ただし、EMSなど共通する制御設備の費用の二重計上は認められないため、熱制御と電力制御のコストを明確に区分することが必要です。
比較項目電力利活用事業(本制度)熱利活用事業FS調査事業R7電力利活用事業(前年度)
対象エネルギー廃棄物発電の電力廃棄物処理の熱電力・熱(調査段階)廃棄物発電の電力
主な設備EV収集車・自営線・蓄電池・EMS熱導管・熱交換器・EMS事業可能性調査費用EV収集車・自営線・蓄電池・EMS
EV収集車補助率差額の3/4対象外対象外(調査事業)差額の3/4
一般設備補助率対象経費の1/2対象経費の1/2定額(上限1,500万円)対象経費の1/2
補助上限5,000万円5,000万円1,500万円1億円
年度令和8年度令和8年度令和8年度令和7年度(終了)
所管環境省環境省環境省環境省
佐藤

佐藤

補助金エージェント編集長

FS調査事業って何ですか? 設備導入じゃないんですか?
室谷

室谷

代表取締役

FS(フィージビリティスタディ)調査事業は、電力・熱の利活用を検討している施設が「本当に導入できるか」を調べる調査費用を補助する制度です。補助上限1,500万円・定額補助で、設備投資前の検討段階にある自治体や事業者向けです。まず調査でFS事業を活用して、実現性が見えたら電力利活用や熱利活用の本申請につなげる——という2段階戦略も使えますよ。
佐藤

佐藤

補助金エージェント編集長

CEV補助金との関係はどうですか? 経産省系の補助金ですよね。
室谷

室谷

代表取締役

EV収集車については、経済産業省のクリーンエネルギー自動車導入促進補助金(CEV補助金)との二重受給はできません。本事業の3/4補助は廃棄物発電との連携が必須条件なので、施設が対応可能かを確認した上でどちらが有利かを比較してください。

基本情報まとめ

佐藤

佐藤

補助金エージェント編集長

制度の基本情報を整理してほしいんですが。
室谷

室谷

代表取締役

こちらにまとめました。
項目内容
制度名令和8年度 電力利活用事業(単年度事業分)第1次公募
正式名称二酸化炭素排出抑制対策事業費等補助金 廃棄物発電電力利活用設備導入事業
補助上限5,000万円
補助率EV収集車・船舶: 差額の3/4 / その他設備: 対象経費の1/2
公募期間令和8年4月13日(月) 〜 令和8年5月8日(金)
事業期間交付決定日 〜 令和9年2月末日
対象地域全国
実施機関一般社団法人 廃棄物処理施設技術管理協会(技管協)
所管省庁環境省 環境再生・資源循環局 廃棄物適正処理推進課
申請方法jGrants(電子申請)または電子メール
問い合わせhojyo-01@jaem.or.jp / TEL 044-742-6228
公式情報技管協ホームページ / 環境省報道発表
佐藤

佐藤

補助金エージェント編集長

受付終了後に申請できなかった場合はどうすればいいですか?
室谷

室谷

代表取締役

次回公募の準備を今から始めるのが最善策です。具体的には——GビズID取得(数週間かかる)、廃棄物発電量の把握と余剰電力の試算、EV収集車メーカーへの問い合わせと見積取得(価格差額算定のため)、CO2削減量算定シートの確認(技管協から入手可能)——の4点を進めておくと、次回公募でスムーズに動けます。

よくある質問

佐藤

佐藤

補助金エージェント編集長

実際に問い合わせが多いのはどんな疑問ですか?
室谷

室谷

代表取締役

5つほどまとめてみました。
QA
リース導入の場合、誰が申請者になりますか?リース会社(貸渡しを業とする者)が代表申請者。収集事業者との共同申請になります
EV平ボディトラックも対象ですか?はい。廃棄物収集事業の用に供するものに限ります
費用対効果「235,000円/t-CO2」はどう計算しますか?補助対象経費 ÷ 事業期間中のCO2削減量。技管協が計算シートを提供
自営線を引く場合、電力会社との協議は必要ですか?系統を経由しない場合は不要。系統連携する場合は接続検討申込みが必要
熱利活用事業と同じ施設で同時申請できますか?できます。ただしEMS等の共通設備の二重計上は不可
佐藤

佐藤

補助金エージェント編集長

「交付決定前の発注はNG」という点、どうしても気になります。EV収集車は納期が長いですよね?
室谷

室谷

代表取締役

そこが一番の落とし穴なんです! EV収集車はメーカーに発注してから納車まで6か月〜1年かかることもあります。交付決定前に正式発注すると補助対象外になるので、スケジュール管理が本当に重要。メーカーへの見積取得や仕様確認は交付決定前でも問題ありませんが、正式な発注は必ず交付決定通知書が届いてから行ってください。
佐藤

佐藤

補助金エージェント編集長

今から準備しておくべきことをまとめてもらえますか?
室谷

室谷

代表取締役

締切前でも後でも共通して動けることがあります——GビズIDを今すぐ取得する、技管協に参考資料(補助事業のながれ・電力利活用イメージ図・CO2算定ガイドブック)を請求する、廃棄物発電施設の発電量データを収集する、の3点から始めてください。来年度の公募は例年4月ごろになる見込みなので、それまでに体制を整えておけば十分間に合います。

窓口・問い合わせ先

実施機関: 一般社団法人 廃棄物処理施設技術管理協会(補助事業担当)

住所: 〒210-0024 神奈川県川崎市川崎区日進町7番地1 川崎日進町ビル14階

メール: hojyo-01@jaem.or.jp

電話: 044-742-6228(FAX 044-742-6269)

環境省担当: 環境再生・資源循環局 廃棄物適正処理推進課 直通 03-5521-9273

室谷

室谷

代表取締役

姉妹制度の熱利活用事業(廃棄物処理施設を核とした地域循環共生圏構築促進事業)もあわせてご確認ください。廃棄物処理施設のエネルギー有効活用をトータルで検討する際に役立ちます。脱炭素・再生可能エネルギー関連の補助金を都道府県別に探す場合は、東京都の脱炭素補助金一覧もご参照ください。