静岡の中小企業が海外で特許・商標を取れる補助金、知ってますか?

佐藤

佐藤

補助金エージェント編集長

室谷さん、静岡の中小企業が海外で特許や商標を取ろうとすると、費用がすごくかかりそうですよね?
室谷

室谷

代表取締役

そうなんですよ、これがホントに高い!外国出願って1件あたり数十万〜百万単位でかかるので、中小企業には重荷なんですよね。
佐藤

佐藤

補助金エージェント編集長

えっ、そんなに!?じゃあ諦めてしまう企業も多いんじゃないですか?
室谷

室谷

代表取締役

多いですよ。ただ、それを後押しする補助金があって。令和8年度の「中小企業等海外展開支援事業費補助金(海外出願支援事業)」というやつなんですけど、静岡県内の中小企業なら特許・商標・意匠・実用新案の外国出願費用の最大1/2、1企業あたり最大300万円まで補助してもらえるんです。
佐藤

佐藤

補助金エージェント編集長

300万円!それはデカいですね!どこが出してるんですか?
室谷

室谷

代表取締役

(公財)静岡県産業振興財団が窓口なんですが、財源は関東経済産業局からの補助金なんですよ。だから間接補助事業と呼ばれています。公募期間は2026年4月17日から6月5日まで。

補助上限額と補助率の全体像

補助上限額の比較インフォグラフィック
補助上限額の比較インフォグラフィック
佐藤

佐藤

補助金エージェント編集長

300万円というのは全部まとめた上限ですよね?出願の種類によって違いはあるんですか?
室谷

室谷

代表取締役

あります、ちゃんと種類別に上限が決まっています。1案件あたりの上限をまとめるとこんな感じです。
出願種類1案件の上限補助率
特許(PCT出願・ダイレクトPCT含む)150万円1/2以内
実用新案60万円1/2以内
意匠(ハーグ出願含む)60万円1/2以内
商標(通常)60万円1/2以内
抜け駆け対策商標30万円1/2以内
1企業あたり合計上限300万円
佐藤

佐藤

補助金エージェント編集長

なるほど、特許は1案件150万円まで補助されるんですね。1企業の上限が300万円ってことは、複数の案件を合わせて申請してもいいんですか?
室谷

室谷

代表取締役

そうです!特許2件分なら150万円×2=300万円になるし、特許1件+意匠1件+商標1件で150+60+60=270万円みたいな組み合わせもOKです。1企業あたりの上限が300万円の枠内であれば複数案件をまとめて申請できます。
佐藤

佐藤

補助金エージェント編集長

マジですか!それは効率がいいですね。

対象になる企業と除外要件

佐藤

佐藤

補助金エージェント編集長

どんな企業が対象になるんですか?うちの会社は対象になるのかな、って気になる読者さんも多いと思うんですけど。
室谷

室谷

代表取締役

基本的には静岡県内に事業所を持つ中小企業者が対象です。または中小企業者で構成されるグループ(構成員の2/3以上が中小企業者)も申請できます。
佐藤

佐藤

補助金エージェント編集長

じゃあ商工会議所や商工会は対象外ですか?
室谷

室谷

代表取締役

いや、地域団体商標の外国出願については商工会議所・商工会・NPO法人等も申請できます。商標ブランドを守りたい団体はここを活用できますね。
佐藤

佐藤

補助金エージェント編集長

なるほど!で、「みなし大企業」っていう除外要件があると聞いたんですが、どういうことですか?
室谷

室谷

代表取締役

いい質問です。形式上は中小企業でも、実質的に大企業傘下の場合は対象外になるんですよ。具体的にはこういったケースです。

みなし大企業に該当すると申請できません

以下のいずれかに該当する企業は対象外です。

  • 発行済株式の1/2以上を同一の大企業が所有している
  • 発行済株式の2/3以上を複数の大企業が所有している
  • 大企業の役員・職員を兼任する人が役員総数の1/2以上を占めている
  • 資本金5億円以上の法人に直接または間接に100%の株式を保有されている
  • 直近3年間の課税所得の年平均額が15億円を超えている
佐藤

佐藤

補助金エージェント編集長

親会社が大企業だと厳しいんですね。じゃあ出願に関する要件はどんなものがありますか?
室谷

室谷

代表取締役

4つあります。まず一番大事なのが、応募時点で日本国特許庁への基礎出願が完了していること。これが前提条件です。
佐藤

佐藤

補助金エージェント編集長

あ、これから国内出願する、じゃダメなんですね。
室谷

室谷

代表取締役

そうです。それから採択後に優先権主張をして年度内に外国出願を完了させること、先行技術調査等で権利取得可能性が否定されないこと、そして権利取得後にその権利を活用した事業展開を計画していること——この4つが要件になっています。

補助対象経費と対象外の費用

佐藤

佐藤

補助金エージェント編集長

実際にどんな費用が補助されるんですか?
室谷

室谷

代表取締役

大きく3つのカテゴリーに分かれています。

補助対象経費の3カテゴリー

  1. 外国特許庁への出願手数料(特許庁に直接支払う費用)
  2. 国内代理人費用・現地代理人費用(弁理士・代理人への報酬)
  3. 翻訳費用(明細書・クレーム・図面・要約書の翻訳料)

PCT出願の場合は国際出願料・国際調査手数料・国内移行費用も含まれます。ハーグ出願のハーグ出願料や関連翻訳料も対象です。

佐藤

佐藤

補助金エージェント編集長

じゃあ日本での出願費用は?
室谷

室谷

代表取締役

それはNGです。補助対象外の費用をまとめておきます。
対象外経費理由
国内基礎出願にかかる費用日本での出願は別制度で対応
権利化後の年金・維持費用取得後のランニングコストは対象外
侵害訴訟・係争関連費用権利行使は別途の問題
ライセンス契約関連費用商業活動費は対象外
海外現地での営業活動費・出張費出願以外の活動費は対象外
事務局人件費・一般管理費間接費は対象外
佐藤

佐藤

補助金エージェント編集長

純粋に外国出願にかかる直接費用だけが対象なんですね。次は申請の流れを教えてもらえますか?

申請の流れ(ステップバイステップ)

外国出願補助金の申請フロー図
外国出願補助金の申請フロー図
佐藤

佐藤

補助金エージェント編集長

実際に申請するにはどうすればいいんですか?
室谷

室谷

代表取締役

流れを整理しますね。まず今すぐできることから始めてほしいです。
佐藤

佐藤

補助金エージェント編集長

交付決定前に外国出願しちゃうとマズいんですね。
室谷

室谷

代表取締役

そうです!交付決定後に出願することが基本ルール。採択見込みで先走って出願してしまうと、補助対象外になる可能性があります。これは本当に気をつけてほしいポイントです。

採択を勝ち取る審査攻略法

佐藤

佐藤

補助金エージェント編集長

せっかく申請するなら採択されたいですよね。どんな点を強化すれば採択されやすいんですか?
室谷

室谷

代表取締役

大きく4つのポイントがあります。

採択率を上げる4つのポイント

  1. 外国での権利取得可能性を論理的に論証する(先行技術調査結果の説得力が重要)
  2. 権利取得後の事業展開計画を具体的に描く(どの市場でどう使うか、輸出計画・現地パートナー・競合分析を含める)
  3. 出願国の戦略的根拠を示す(多ければいいわけではない。市場規模・競合・現地法制度を踏まえた理由を明記)
  4. 年度内出願の現実的スケジュールを提示する(翻訳・代理人手配も含めた余裕あるスケジュール)
佐藤

佐藤

補助金エージェント編集長

「とにかく多くの国に出願したい」だけじゃダメなんですね。
室谷

室谷

代表取締役

そうです。出願国が多くても、なぜその国なのかという戦略的根拠がないと評価されません。PCT出願で広く出願日を確保しつつ移行国を絞り込む、という手法も「なぜこの方式を選ぶか」の説明を入れると説得力が上がります。
佐藤

佐藤

補助金エージェント編集長

弁理士さんとの早期連携も大事ですか?
室谷

室谷

代表取締役

必須です!優先権主張の期限(基礎出願から12ヶ月)、各国の手続要件、翻訳業者の手配——全部スケジュール管理が命で、弁理士なしに年度内完了を保証するのはほぼ無理です。採択後に「期限ギリギリでパニック」にならないよう、今から準備しておくのが採択率を上げる遠回りなようで一番の近道です。

他の補助金との重複受給について

佐藤

佐藤

補助金エージェント編集長

他の補助金と組み合わせて使うことはできますか?
室谷

室谷

代表取締役

同一の外国出願にかかる経費については、重複受給は原則NGです。例えばJETROの外国出願補助金やINPIT(工業所有権情報・研修館)が実施している外国出願補助金と同じ案件で同時申請することはできません。
佐藤

佐藤

補助金エージェント編集長

えっ、INPITにも似たような補助金があるんですか?
室谷

室谷

代表取締役

あります!INPIT外国出願補助金(令和7年度第2回)という制度があって、全国の中小企業が対象です。ただし、同一出願への重複申請は不可なので、どちらか一方を選ぶか、出願ごとに使い分ける必要があります。
佐藤

佐藤

補助金エージェント編集長

なるほど。同じ出願について2つの補助金をもらうのはダメだということですね。
室谷

室谷

代表取締役

一方で、補助対象が明確に違う補助金との組み合わせはOKなケースが多いです。例えば海外展示会出展費補助や、市場調査費補助など「出願経費以外」を対象とする補助金との併用は問題ないことが多い。迷ったら必ず静岡県産業振興財団に確認することを強くすすめます。
組み合わせパターン可否備考
同一出願 × 他の外国出願補助金原則NG重複受給禁止
出願経費 × 展示会出展費補助多くの場合OK対象経費が異なる
出願経費 × 市場調査費補助多くの場合OK対象経費が異なる
過去採択のものづくり補助金OK目的・時系列が異なる

今年度の基本情報まとめ

佐藤

佐藤

補助金エージェント編集長

ここまで色々聞きましたけど、基本情報を改めてまとめてほしいです。
室谷

室谷

代表取締役

はい、令和8年度の情報を整理します。
項目内容
制度名令和8年度 中小企業等海外展開支援事業費補助金(海外出願支援事業)
補助上限(1企業)300万円
補助率1/2以内
応募期間2026年4月17日〜2026年6月5日
対象地域静岡県内に事業所を有する企業
実施機関(公財)静岡県産業振興財団 DX・生産性向上チーム
財源関東経済産業局(間接補助事業)
問い合わせTEL054-273-4434
問い合わせメールchizai@ric-shizuoka.or.jp
公式ページ静岡県産業振興財団 外国出願支援
Jグランツ掲載Jグランツ申請ページ
佐藤

佐藤

補助金エージェント編集長

6月5日が締め切りなんですね!もう公募期間が始まってるってことじゃないですか!
室谷

室谷

代表取締役

そうです!2026年4月17日から始まってるので、今まさに受付中です。書類準備に時間がかかるので、早めに動かないと間に合わないですよ。

類似補助金との比較

佐藤

佐藤

補助金エージェント編集長

静岡以外の会社や、全国対象の似たような補助金ってありますか?
室谷

室谷

代表取締役

あります!似たような制度がいくつかあって、比較するとこうなります。
補助金名対象地域上限額窓口
令和8年度 静岡県 海外出願支援静岡県300万円/企業静岡県産業振興財団
令和7年度 静岡県 海外出願支援静岡県静岡県産業振興財団
INPIT外国出願補助金(第2回)全国INPIT
令和8年度 奈良県 海外出願支援奈良県奈良県地域産業振興センター
令和8年度 福岡県 海外出願支援福岡県福岡県産業振興センター
佐藤

佐藤

補助金エージェント編集長

同じ「中小企業等海外展開支援事業費補助金」というタイトルで各都道府県にあるんですね!
室谷

室谷

代表取締役

そうなんです。国(経済産業局)から各都道府県の産業振興財団等に予算が流れる仕組みで、全国で同様の制度が展開されています。静岡県在住なら今回の補助金が第一候補、という感じですね。
佐藤

佐藤

補助金エージェント編集長

静岡以外の方は自分の県を調べてみたほうがいいですね。それから、全国対象のINPITの補助金も選択肢に入りそう。
室谷

室谷

代表取締役

INPIT補助金は全国の中小企業が対象で使いやすいですが、予算・採択数に制限があります。都道府県の補助金とINPITの補助金で同一出願への重複申請はNGなので、どちらかを選ぶか、出願案件を振り分けて両方活用するか検討してください。

地域内の他の補助金との組み合わせ

佐藤

佐藤

補助金エージェント編集長

静岡県内でこの補助金と合わせて使えそうな制度ってありますか?
室谷

室谷

代表取締役

生成AI等活用実証事業費補助金(令和8年度 生成AI等活用実証事業費補助金)など、静岡県内には他にも使える補助金があります。海外出願支援と直接組み合わせるというより、事業の各段階に合わせて使い分ける形ですね。
佐藤

佐藤

補助金エージェント編集長

海外展開を段階的に進める中で、各ステップで活用できる補助金を調べておくのが大事そうですね。では最後に、この補助金の活用をすすめる企業像を教えてもらえますか?
室谷

室谷

代表取締役

ずばり、こういう企業です。

この補助金が特に向いている企業

静岡県内に事業所があり、以下のいずれかに当てはまる企業です。

独自技術を持ち、海外市場での特許・商標保護を検討している製造業・テック系中小企業が最もフィットします。既に日本で特許・商標を出願済みで、次は海外展開を考えているが出願費用がネックになっている場合、この補助金で費用の半分まで賄えます。

地域ブランドを守りたい食品・工芸・観光関連業者にとっては商標の抜け駆け対策出願が特に使いやすいです。抜け駆け商標対策は30万円の上限があるものの、申請のハードルが比較的低い。

グループ企業(中小企業者が2/3以上)として複数の知財を持つ場合は、300万円の上限まで複数案件をまとめて活用できます。

佐藤

佐藤

補助金エージェント編集長

締め切りが2026年6月5日なので、今すぐ動き出すべきですね!
室谷

室谷

代表取締役

そうです!弁理士との相談、先行技術調査の整理、事業計画の文書化——やることは多いので、早めに着手してください。問い合わせは静岡県産業振興財団(054-273-4434 / chizai@ric-shizuoka.or.jp)まで。

まとめ・よくある質問

佐藤

佐藤

補助金エージェント編集長

最後に、よくある疑問点をまとめてもらえますか?
室谷

室谷

代表取締役

はい、特によく聞かれることをQ&A形式で。
QA
応募前に国内出願が完了してないと申請できない?完了が必須。これから出願する場合はまず基礎出願を完了させてください
親会社が大企業の子会社でも申請できる?みなし大企業の要件に該当するかどうかで判断。不明なら財団に確認を
複数国への出願を一括申請できる?300万円の上限内であれば複数案件・複数国の一括申請が可能
採択前に外国出願してしまった場合は?補助対象外になるリスクが高い。必ず交付決定後に出願すること
代理人費用も補助対象になる?国内代理人費用・現地代理人費用ともに補助対象
INPIT補助金と重複申請できる?同一出願は不可。出願案件を振り分ければ両方活用できる場合がある
佐藤

佐藤

補助金エージェント編集長

6月5日までの締め切りで、今から動いてもギリギリですね。迷っている人は今週中に弁理士さんに連絡して、財団にも問い合わせてみるのがよさそうですね!
室谷

室谷

代表取締役

まさにそうです!海外市場で権利を守れるかどうかは、補助金を使えるかどうかで大きく変わります。ぜひ活用してください。

問い合わせ先

(公財)静岡県産業振興財団 DX・生産性向上チーム

電話: 054-273-4434

メール: chizai@ric-shizuoka.or.jp

公式サイト: 中小企業等外国出願支援事業


室谷

室谷

代表取締役

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