室谷さん、今日は福井県の補助金ですね。「令和8年度企業の太陽光・蓄電池設備導入促進事業補助金」って、名前が長い!(笑)
長いですよね(笑)。でも中身はシンプルです。福井県内に事業所を持つ民間事業者が、自家消費型の太陽光発電設備を単独で、または太陽光と蓄電池をセットで導入するとき、その経費の一部を福井県が補助する制度です。
えっ、県が太陽光パネルのお金を出してくれるんですか。
はい。実施機関は福井県、担当はエネルギー環境部エネルギー課の新エネルギーグループです。補助上限は1,130万円。決して小さくない金額です。
1,130万円! 工場の屋根に載せる規模だと、かなり効いてきますね。
そこが狙いなんです。県内の二酸化炭素を減らしつつ、県内の再生可能エネルギーの地産地消を加速させる。だから売電してもうけるための設備ではなく、自分のところで使う設備が対象なんです。
あります。太陽光発電設備だけの単独導入は対象です。太陽光と蓄電池のセット導入も対象。でも蓄電池だけの単独導入は対象外です。
ダメです。蓄電池はあくまで太陽光発電設備の付帯設備という扱いで、停電時だけに使う非常用電源も外れます。定置用であることが条件です。
福井県の公式ページでは令和8年4月17日(金)から令和8年10月31日(土)まで。申請書はメールで受け付けます。
ただし、jGrantsの掲載では開始が令和8年4月16日と表示されている箇所があるので、そこは公募要領で要確認してください。あわせて、申請総額が予算上限に達した時点で受付終了になります。
そのとおりです。締切は二重構造だと思っておいたほうが安全です。
この補助金の3つの特徴自家消費型が条件
発電量の30%以上を敷地内で、その分を含めて50%以上を県内で消費すること
太陽光が主役
太陽光単独か、太陽光と蓄電池のセット導入。蓄電池単独は対象外
リースも対象
リース事業者が申請者になる形での利用が可能
太陽光は1kWあたりの単価で計算します。蓄電池とセットなら5万円/kW、太陽光単独なら3万円/kW、嶺南地域での導入なら2万円/kW。上限はそれぞれ500万円、300万円、200万円と示されています。
単価が3パターンあるんですね。セットのほうが手厚い。
そうなんです。しかも計算のベースになる出力は、太陽光パネルの出力とパワーコンディショナーの出力の低いほうで、小数点以下は切り捨て。ここを勘違いする人が多いので注意してください。
パネルだけ見てたら思ったより少なかった、なんてことになりそう。
まさに。あと出力は1kW以上ないと対象になりません。補助対象は100kWまでです。
ここがややこしいんです。jGrantsでは「設備の価格(工事費込み・税抜き)の1/3」と説明されています。福井県の公式ページでは単価方式で、家庭用(20kWh以下)が5.1万円/kWh、業務用(20kWh超)が6.3万円/kWh、上限は630万円。
着地点はほぼ同じです。1kWhあたりの蓄電池価格に1/3を掛けた額が、5.1万円や6.3万円を下回るときは、下回ったほうの額が使われます。つまり単価方式と価格の1/3方式の低いほうが採用される仕組みです。
高い蓄電池を買えば青天井、にはならないわけですね。
そう。容量は小数点第二位以下切り捨て、金額は千円未満切り捨てです。補助対象は100kWhまで。家庭用の上限を510万円とする記載もjGrants側にあります。
敦賀市、小浜市、美浜町、高浜町、おおい町、若狭町です。jGrantsでは「嶺南地域はさらに最大200万円を上乗せ」と説明されています。
あります。公式ページでは嶺南地域での導入が2万円/kW・上限200万円という別枠で示されています。自分の地域が該当するかは、最初に確認してください。
では太陽光の出力が50kWで、蓄電池とセットで導入するケースを考えます。単価は5万円/kWなので、単純計算で50×5万円=250万円です。
ただし1kWあたりの設置費用が5万円を下回る場合は、実費のほうが使われます。たとえば1kWあたり4万円で収まる工事なら、50×4万円=200万円が上限です。
そのとおりです。蓄電池は業務用30kWhなら30×6.3万円=189万円が単価方式の上限で、実際は1kWhあたりの価格に1/3を掛けた額と比べて低いほうが採用されます。
| 対象設備 | 補助の考え方 | 上限 | 条件 |
|---|
| 太陽光(蓄電池セット) | 5万円/kW | 500万円 | 出力はパネルとパワーコンディショナーの低い値。100kWまで |
| 太陽光(単独) | 3万円/kW | 300万円 | 同上 |
| 太陽光(嶺南地域) | 2万円/kW | 200万円 | 敦賀市・小浜市・美浜町・高浜町・おおい町・若狭町 |
| 蓄電池(家庭用20kWh以下) | 5.1万円/kWh | 630万円 | 100kWhまで。価格の1/3と低いほう |
| 蓄電池(業務用20kWh超) | 6.3万円/kWh | 630万円 | 100kWhまで。価格の1/3と低いほう |
導入パターン別の補助単価- 3万円/kW
- 上限300万円
- 蓄電池がなくても申請できる
- 5万円/kW
- 上限500万円
- 蓄電池は価格の1/3がベース
- 2万円/kW
- 上限200万円
- 敦賀市・小浜市・美浜町・高浜町・おおい町・若狭町
第一の要件は、福井県内に引き続いて1年以上事業所を有する民間事業者であることです。国、地方公共団体、独立行政法人等は除かれます。
従業員数の制約はありません。業種はとても細かく指定されていて、漁業、建設業、製造業、電気・ガス・熱供給・水道業、情報通信業、複合サービス事業、サービス業(他に分類されないもの)、分類不能の産業、農業・林業、鉱業・採石業・砂利採取業、運輸業・郵便業、卸売業・小売業、金融業・保険業、不動産業・物品賃貸業、学術研究・専門・技術サービス業、宿泊業・飲食サービス業、生活関連サービス業・娯楽業、教育・学習支援業、医療・福祉。
そうですね。ただし「県内に事業所がある」だけでは足りません。県内の、自分が事業を営む建物または土地に設置することが条件です。
福井県の県税に滞納がないこと、暴力団等の反社会的勢力に該当しないこと。加えて、国や自治体などから他の補助等を受けていないことです。
納税証明は早めに取っておいたほうがよさそうですね。
そうしてください。証明書の取得には日数がかかるので、そこから逆算して動くのが安全です。
初期費用が重いんですが、リースでも使えるんですか。
使えます。県内の民間事業者にリースモデルで設備を提供するリース業者も対象です。リース事業者が申請者になる形での利用が可能です。
ただしリースは契約の組み立てが絡むので、早めに相談しておくのがおすすめです。
jGrantsでは複数申請が可能とされています。ただ、同じ設備に対して他の補助を重ねることはできないので、設備ごとに分けて考える必要があります。
あなたは申請できる?福井県内に1年以上事業所を有している?
はい県税の滞納がないことを確認
自家消費30%・県内50%を試算
太陽光は100kW以内か確認
大きく3つです。太陽光発電設備費として太陽光パネル、パワーコンディショナー、接続箱。蓄電池設備費として蓄電池本体と蓄電池用のパワーコンディショナー。それから架台設置工事、電気工事、配線工事といった設備工事費です。
大きいですよ。機器の価格だけ見て判断すると、足元をすくわれます。工事費込み・税抜きで単価を計算する決まりなので、見積の取り方も意識してください。
蓄電池のみの単独導入。FIT(固定価格買取制度)やFIP制度の認定を受けた設備。J-クレジット制度に登録した設備。他の国・県・市町村の補助金を受けている重複部分。それに太陽光は100kW超、蓄電池は100kWh超の超過部分です。
そういうことです。あと停電時のみに使う非常用電源としての蓄電池も外れます。日常的に使う設備であることが大事です。
対象になる経費とならない経費- 太陽光パネル・パワーコンディショナー・接続箱
- 蓄電池本体と蓄電池用パワーコンディショナー
- 架台設置工事・電気工事・配線工事
×デメリット
- 蓄電池のみの単独導入
- FIT・FIP制度の認定を受けた設備
- J-クレジット制度に登録した設備
- 他の補助金との重複部分
- 太陽光100kW超・蓄電池100kWh超の超過部分
流れは大きく5段階です。まず設備の仕様と設置場所が自家消費要件を満たすか確認します。次に施工業者に見積と設計を依頼し、機器仕様書や配置図、発電量シミュレーションをそろえます。
書類づくりが先なんですね。工事が先かと思ってました。
そこが最大の落とし穴です。交付決定の通知を受け取ってから工事と発注を始めてください。交付決定前の着工は補助対象外になる場合があります。
えっ、それは怖い! 先に工事しちゃったら終わりですか。
終わりになりかねません。だから順番が大事なんです。
この制度はjGrantsの代理申請が不可とされていて、申請書はメールで受け付けます。福井県のページから募集チラシ、交付要領、交付マニュアル、QA、様式集がダウンロードできます。様式第22号の債権債務者登録申請書というファイルも用意されています。
多いです。県税の完納証明書も必要になるので、先に取っておくと動きがスムーズになります。細かい指定事項は公募要領で要確認ですが、担当窓口に早めに相談するのが一番の近道です。
いえ、実績報告書を出して審査を受け、その後に補助金が交付されます。ここまでがワンセットです。
そう。立て替えてから受け取る形になるので、資金繰りは計画に入れておいてください。リースならその負担も抑えやすくなります。
補助金申請の流れ- 1
要件と自家消費を確認
敷地内30%・県内50%を満たすか試算する
- 2
見積とシミュレーションを準備
施工業者に機器仕様書・配置図を作ってもらう
- 3
申請書類をメールで提出
県税の完納証明書など添付書類をそろえる
- 4
交付決定を受け取る
この通知が届くまで工事と発注はしない
- 5
工事・発注を開始
決定前の着工は対象外になる場合がある
- 6
- 7
令和8年度のスケジュール2026年4月17日
募集開始
申請書はメールで受付
2026年5月以降
早めの申請が有利
予算上限に達した時点で受付終了
2026年10月31日
募集締切
公式ページの申請期間の末日
交付決定後
工事・発注
決定前に着工すると対象外になる場合あり
工事完了後
実績報告
審査を経て補助金が交付される
自家消費要件です。補助対象設備で発電する電力量の30%以上を設置した敷地内で消費し、その自家消費分も含めて50%以上を県内で消費する必要があります。
前者は「自分の敷地で使う分」、後者は「県内で使われる分」です。敷地内で30%を使って、残りを県内の需要家が使う形で50%を超えるなら条件を満たす、という考え方になります。
まさに。施工業者に詳細な発電量シミュレーションを作ってもらってください。ここが薄いと、要件を満たしていることが伝わりません。
単価が3万円/kWから5万円/kWに上がります。さらに蓄電池の分も上乗せされる。ただし設備費そのものは増えるので、回収バランスは自社で確認してください。
そこは冷静に。停電対策も兼ねたいならセット、自家消費が中心なら単独、という選び方もあります。
厳しいです。だから募集開始と同時に動き出すのが理想です。申請はメールなので、書類が整い次第すぐ出せる体制を作っておいてください。
そうですね。あわせて、100kWを超える設備を検討しているなら、100kWまでの部分しか補助されない点を前提に規模を設計してください。
国または自治体などから他の補助等を受けて事業を実施する場合は対象外とされています。同一設備への重複補助は認められない、と考えてください。
中小企業経営強化税制のような税制措置は補助金とは別制度なので、原則として併用が可能とされています。補助金を受けた後の取得価額に対して適用される形です。
設備の種別が異なる省エネ補助金は重複申請できる場合がある、という説明もあります。ただし同一設備への重複は認められないので、設備ごとに対象を整理してください。
坂井市は令和8年度に事業者向けの太陽光発電設備設置補助金を用意していて、太陽光パネルまたはパワーコンディショナーの出力のいずれか低い値が100kW以上の太陽光やソーラーカーポートが対象です。補助は5万円/kWで上限は6,500万円。申請期間は令和8年5月1日から10月31日で、事前に環境推進課へ必ず問い合わせる決まりになっています。
100kW以上は坂井市、100kW以下は福井県、という住み分けなんですか。
坂井市のページにも「自己所有で100kW以下の太陽光発電設備を導入する方は福井県の補助金をご活用ください」と書かれています。重複して受けることはできないので、どちらに出すかは最初に決める必要があります。
ちなみに坂井市のページでは、令和8年7月17日時点の予算残額が12,674,000円と公表されていました。予算が減っていく速度感は、県の制度にも通じるものがあります。
福井県の本制度と坂井市の事業者向け補助| 項目 | 福井県の本制度 | 坂井市の事業者向け補助 |
|---|
| 対象規模 | 太陽光は100kWまで | 太陽光は100kW以上 |
| 太陽光の補助 | セット5万円/kW・単独3万円/kW | 5万円/kW |
| 上限 | 総額で最大1,130万円 | 6,500万円 |
| 申請期間 | 令和8年4月17日から10月31日 | 令和8年5月1日から10月31日 |
| 蓄電池 | 太陽光とのセットで対象 | ページに記載なし |
なりません。太陽光発電設備とセットで導入する場合のみ、蓄電池への補助を受けられます。
アウトです。しかも太陽光が100kWまで、蓄電池が100kWhまでという上限もあるので、設備計画はその範囲で組み立ててください。
すでにFIT認定を取った設備に蓄電池を追加するのは?
FIT認定を受けた設備は対象外です。FITまたはFIPの認定がない自家消費型の設備であることが条件になります。
J-クレジット制度への登録を行うと対象外になります。環境価値を補助金とどちらで活かすか、早い段階で決めておく必要があります。
できない仕組みです。ここは先に方針を固めてください。
いけます。リース事業者が申請者になる形での利用が可能です。ただ契約形態によって必要書類が変わるので、窓口で確認してください。
| 項目 | 内容 |
|---|
| 制度名 | 【福井県】令和8年度企業の太陽光・蓄電池設備導入促進事業補助金 |
| 実施機関 | 福井県(エネルギー環境部エネルギー課 新エネルギーグループ) |
| 募集期間 | 令和8年4月17日から令和8年10月31日まで(予算上限に達した時点で終了) |
| 対象地域 | 福井県(県内に事業所を有し、県内の自らが事業を営む建物または土地に設置) |
| 補助上限 | 1,130万円 |
| 従業員数の制約 | なし |
| 複数申請 | 可 |
| 公式URL | jGrantsの掲載ページ/福井県の制度ページ |
福井県エネルギー環境部エネルギー課の新エネルギーグループです。電話は
0776-20-0229または
0776-20-0302、メールは
energy@pref.fukui.lg.jp。ファックスは
0776-20-0624、受付は月曜日から金曜日の8時30分から17時15分までで、土曜・日曜・祝日と年末年始を除きます。
福井県の制度ページと、jGrantsの掲載ページです。要領や様式は福井県のページからダウンロードできます。根拠は福井県補助金等交付規則と、エネルギー環境部エネルギー課所管補助金等交付要綱です。
まずはそこを開いて、要領を読み込むところからですね。
それが最短ルートです。制度名も金額も要領がすべての基準になります。