室谷さん、石川県でまちづくりや地域振興の活動をやっているんですが、使える補助金や助成金って何かありますか?商店街の活性化とか、地域コミュニティの再生とかなんですけど。
ありますよ、かなり。特に2024年の能登半島地震以降、石川県内向けの独自制度が充実してきていて、全国制度と合わせると選択肢が広がってます。何をやりたいかによって変わるんですが、大まかに「商店街・にぎわい系」「地域コミュニティ・つながり系」「観光まちづくり系」「デジタル地域活性系」の4パターンで整理できます。
そうなんです(笑)。しかも石川県は被災地支援の文脈で補助率10割の制度もあるので、条件が合えばかなり有利に動けます。順番に見ていきましょう。
石川県まちづくり補助金 比較チャート2026年版
まず全体像を教えてもらえますか?どの制度がどういう人向けなのかが分かると選びやすいんですが。
| 制度 | 補助額上限 | 補助率 | 主な対象者 |
|---|
| 商業活性化推進事業(石川県) | 100万円(連携150万円) | 1/3以内 | 商店街・商工会議所・商工会 |
| 商店街にぎわい創出事業補助金 | 100万円(連合体最大1,200万円) | 10/10全額 | 石川県内商店街(能登優先) |
| 小規模事業者持続化補助金ビジネスコミュニティ型 | 50万円 | 定額 | 小規模事業者5者以上グループ |
| 観光まちづくり推進事業(観光庁) | 2億円 | 1/2以内 | DMO・民間連携体 |
| 地域デジタル基盤活用推進事業 | 上限なし | 1/2 | 地方公共団体等 |
| 地域スマートシティ推進事業 | - | 1/2 | 地方公共団体等 |
わかりやすい!商店街系だとやっぱり石川県独自の制度があるんですね。
そうなんですよ。特に注目なのが「商店街にぎわい創出事業補助金」で、能登6市町(七尾市・輪島市・珠洲市・志賀町・穴水町・能登町)は補助率10割、つまり全額補助なんです。震災復興の文脈で特別に手厚くなっていて、地震の影響を受けた商店街が活性化イベントや集客取組を実施するのに使えます。
そうです!ただし1商店街あたり上限100万円で、複数の商店街が連合体を組む場合は「100万円×組織数」で最大1,200万円まで拡大できます。現在8次公募中で、2026年6月5日あたりが締切なので、能登エリアの商店街は急いだほうがいいですね。
石川県主管の商業活性化推進事業との違いは何ですか?
対象事業の範囲と補助率が違います。商業活性化推進事業は補助率1/3ですが、計画策定・調査研究から空き店舗対策、地域コミュニティ事業まで6種類の事業を組み合わせて申請できるのが特徴です。実施機関はISICO(石川県産業創出支援機構)で、2026年4月20日から6月5日まで公募中です。助成限度額は単独で100万円、複数の商店街が連携すれば150万円まで。
石川県独自の制度はわかりました。全国共通で使える制度もありますよね?
たくさんあります。まちづくり・地域振興の文脈で特に有力なものを説明しますね。
小規模事業者持続化補助金ビジネスコミュニティ型
まず一番使いやすそうな小規模事業者向けの制度を教えてください。
中小企業庁の「
小規模事業者持続化補助金ビジネスコミュニティ型」は、若手経営者や女性経営者グループが5者以上連携して、販路開拓・事業承継・防災活動などを展開する取組に上限50万円を補助する制度です。商店街の活性化やコミュニティビジネスに使いやすい。
そうです。商工会議所地区と商工会地区でそれぞれ窓口が違うので、まず地元の商工会議所か商工会に相談するのが一番早い。補助率は定額(全額補助)で、申請できる経費は販路開拓や研修・セミナーなど幅広いです。
観光庁「観光まちづくり推進事業」
観光系のまちづくりとかも支援されますか?石川って観光資源が豊富ですよね。
ただしDMO(観光地域づくり法人)や民間事業者との連携体で申請することが前提で、地域全体の観光振興につながる面的な取組が必要です。単独の施設整備だけでは通りにくい。令和8年度予算ベースなので、申請スケジュールは観光庁に確認してください。
グリーンスローモビリティ導入促進事業
地域の交通問題とかも補助金があるんですか?能登はバスとか少ないイメージで。
ありますよ!環境省の「
グリーンスローモビリティ導入促進事業」は、時速20km未満で公道を走れる電動車(グリーンスローモビリティ)を導入する費用に、
補助率1/2・1台あたり上限300万円が支給されます。地域の脱炭素化と移動課題の同時解決に使えて、民間企業・地方公共団体・NPO法人も申請できます。
そうなんです。石川だと山代温泉・山中温泉・片山津温泉のような温泉地での回遊や、輪島朝市周辺の観光移動にもマッチする制度です。
地域デジタル基盤活用推進事業
デジタル系の取組にも補助金って使えますか?地域の情報発信とかで。
基本的には地方公共団体が申請主体になりますね。ただ民間企業でも、地元自治体と連携することで間接的に活用できるケースはあります。地元市役所に相談してみると良いですよ。
まちづくり補助金 申請の流れ(石川県版)
石川県独自のまちづくり支援って他にもありますか?地震後の特別支援が充実してそうで。
そうなんです。2024年の能登半島地震以降、石川県はかなり手厚くなっています。さっきの「商店街にぎわい創出事業補助金」以外にも、ISICOや各市町が独自の補助制度を出してきています。
「なりわい再建支援補助金」は能登半島地震で被害を受けた事業者の事業再建を支援する制度で、まちの事業者が復活することでコミュニティ全体の再建につながります。あと石川県産業創出支援機構(ISICO)の「成長促進高度アドバイザー活用事業」は、2026年5月29日まで公募中で、上限150万円、地域を牽引する企業が高度専門家を活用して競争力を高めるのに使えます。地域の核となる企業が強くなることがまちづくりにも直結するんですよね。
なるほど、直接まちづくりという名称がついていなくても、地域の事業者支援がまちづくりにつながるわけですね。
まさに(笑)。石川県の地域振興を考えると「まちづくり」という看板の制度だけじゃなく、事業者支援・観光・DXの制度も組み合わせて考えることが大事です。
地域のつながり支援事業(福島系制度)
さっきリストにあった「地域のつながり支援事業」ってどういう制度ですか?
これは経産省が所管している制度で、
地域のつながり・コミュニティ再生を目的にした取組に最大100万円を補助する制度です。
令和6年度地域のつながり支援事業は補助率定額で、地域の活性化・産業振興・まちづくりに資する取組が対象です。もともとは福島被災12市町村向けに作られましたが、地域コミュニティ再生の先行事例として学べる制度設計でもあります。
厳密にはこの特定事業は福島の被災エリア向けです。ただ、石川県の場合は能登半島地震の被災地向けに同様の考え方を応用した制度が出てきていますので、まず地元の市役所や商工会議所、石川県庁の経営支援課に確認するのがベストです。制度は頻繁に新設されますから。
実際に申請するとき、どこに気をつければいいですか?
石川県のまちづくり補助金で私がよく相談を受けるのは、「複数の制度を組み合わせていいのか」という点です。基本的にOKなんですが、同一経費に二重で補助を受けることはできないので、経費の切り分けが重要です。
- まず地域ニーズを文書化: 「どの地域課題を解決するか」を明確にしないと審査を通過しにくい
- 連携体の組み方: 商工会議所・商工会と連携すると、審査加点や申請サポートを受けやすい
- 能登エリアは優先枠あり: 七尾市・輪島市・珠洲市・志賀町・穴水町・能登町は補助率10割の制度も存在する
- jGrants対応と紙申請の両方が存在: 制度によって申請方法が異なるので確認必須
- 事前相談が採択率を上げる: ISICOや各市の産業振興担当に相談してから本申請に入るのが王道
石川県産業創出支援機構(ISICO)が一番の窓口です。金沢市にある機関で、補助金の相談から事業計画書の作成アドバイスまで対応しています。商店街系は石川県商工労働部経営支援課、観光まちづくり系は石川県観光戦略推進部に相談するのが早いですね。
活動の目的と対象地域を整理する(能登6市町かどうかで使える制度が変わる)
地元の商工会議所・商工会に相談(加点要素やマッチングも期待できる)
ISICO(石川県産業創出支援機構)でアドバイスを受ける
締切3週間前には書類を揃えて担当窓口に仮チェックを依頼
「締切3週間前に仮チェック」ってポイントなんですね。
これ大事なんです(笑)。特に初めて申請する団体は、書類の不備で締切に間に合わなくなることが多い。早めに動くことで、差し戻しがあっても修正する時間が取れます。
- 「にぎわいイベント単体」だけで申請 → 新規性が乏しいと減額・対象外になる(商業活性化推進事業は6種類の組み合わせが必要)
- 補助率10割の制度と思ったら能登以外の地域が対象外だった
- 事業費の下限要件を見落とす(地域デジタル基盤は1,000万円以上が下限)
- 見積書が1社のみで相見積もりなし → 審査で不利になるケースあり
いろんな制度があってどれを選べばいいか迷いますね。整理してもらえますか?
選び方のポイントは「活動の主体(商店街か任意団体か)」と「エリア(能登か非能登か)」と「規模感」の3軸で考えると分かりやすいですよ。
| 活動主体 | エリア | おすすめ制度 |
|---|
| 商店街・商工会 | 能登6市町 | 商店街にぎわい創出事業補助金(10/10) |
| 商店街・商工会 | 石川県全域 | 商業活性化推進事業(ISICO) |
| 小規模事業者グループ | 全国 | 小規模事業者持続化補助金ビジネスコミュニティ型 |
| 地域団体・NPO | 全国 | 地域のつながり支援事業・各種補助金 |
| DMO・民間連携体 | 観光地域 | 観光まちづくり推進事業(観光庁) |
| 地方公共団体等 | 全国 | 地域デジタル基盤活用推進事業(総務省) |
まずこれで候補を2〜3個に絞って、補助率と申請期間を確認する。そこから詳細を詰めていく感じで進めると、無駄な作業が減ります。
今日聞いてみて、石川県でまちづくり補助金を探している人に何を伝えたいですか?
2026年時点での一番大事なことは、「能登半島地震の特例があるうちに動く」ということですね。商店街にぎわい創出事業補助金の10割補助は震災復興の特別措置で、いつまでも続くわけじゃないので。能登エリアに縁がある方は今が絶対チャンスです。
商業活性化推進事業や小規模事業者持続化補助金ビジネスコミュニティ型は石川県全域で使えますし、観光庁・環境省・総務省の全国制度も豊富にあります。「まちづくり」という言葉でひとくくりにせず、自分たちの活動が「商店街活性化なのか」「地域DXなのか」「観光まちづくりなのか」を明確にして、それぞれに合った制度を当てていく。これが実際の活用の王道です。
ありがとうございました!石川県の他の補助金情報も合わせてチェックしてみます。
ISICOの公式サイトと、石川県庁の補助金ポータルを定期的に確認するのがおすすめです。新しい制度も頻繁に出てきますから。