石川県のエコ・SDGs補助金 種類別比較
室谷さん、最近「うちもSDGsや脱炭素に取り組まないと」って話をよく聞くんですけど、石川県の企業が使える補助金ってどんなものがありますか?
めちゃくちゃありますよ(笑)。ざっくり分類すると「国の制度」「石川県の独自制度」「石川の支援機関の制度」の3つに分かれます。制度の総数でいうと、石川県のエコ・SDGs関連だけで数百件はありますから。
数百!それは多い。どこから手をつければいいのか、全然わからないですね。
実は、読者が「事業者」なのか「個人・団体」なのかで、使える制度がかなり変わるんです。中小企業の経営者なら省エネ設備や研究開発の補助金、NPOや環境団体なら保全活動の助成金、という感じで分かれてて。まずその分岐を整理しましょう。
| 読者タイプ | 使える主な制度 | 代表的な補助額 |
|---|
| 中小企業・事業者 | 省エネ設備導入支援、DX/GX研究開発、脱炭素改修 | 数百万〜数千万円 |
| 個人(住宅) | 太陽光発電補助金、断熱リフォーム | 〜数十万円 |
| NPO・環境団体 | 環境保全活動支援助成金 | 〜30万円程度 |
| 自治体・企業コンソーシアム | 再エネ導入、カーボンニュートラル実証 | 億単位も |
あ、うちは石川県内の製造業なんですが、この場合は「事業者」として使える制度ですね。
そうです!製造業なら選択肢が一番広い(笑)。省エネ設備の導入補助から、GX製品の研究開発補助まで、組み合わせるとかなり有利になります。
具体的にどんな補助金があるか、教えていただけますか?
まずは石川県独自の目玉制度から紹介しましょう。「石川県省エネ設備等導入支援事業」、これが超使いやすいですよ。
石川県内の中堅・中小企業が省エネ設備や再エネ設備を導入するときに、費用の半額を補助してくれる制度です。補助上限が最大800万円というのがポイントで、空調設備とセットで遮熱・断熱工事をすると別途200万円が上乗せされます。
800万円! それはかなり大きいですね。誰でも使えるんですか?
石川県内に本社か主たる事業所がある中堅・中小企業が対象です。ただ、「いしかわ事業者版環境ISO」に登録してるか、過去3年以内に省エネ診断を受けてる必要があります。これが申請のひとつの関門ですね。詳細は
石川県省エネ設備等導入支援事業のページをご覧ください。
実は「いしかわ事業者版環境ISO」は、国際規格のISO14001より取りやすいんですよ。石川県が独自に設けた認証制度で、いしかわ環境パートナーシップ県民会議が支援してくれます。省エネ診断のほうが手っ取り早い人も多いですが。
ISICOの成長戦略ファンド(DX/GX研究開発)
省エネ設備の補助金はわかりました。GXやSDGsの製品・サービスを新たに開発したいという企業向けには何かありますか?
それなら「公益財団法人石川県産業創出支援機構(ISICO)」の研究開発支援事業(DX/GX)です。補助上限3,000万円、補助率3分の2という、かなり手厚い制度ですよ。
3,000万円! それは大きい(笑)。どんな開発が対象ですか?
GX側では、カーボンニュートラルに関係する製品・サービスの研究開発が全部対象になります。洋上風力、水素・燃料アンモニア、蓄電池、カーボンリサイクル、食料・農林水産業のDX化…と幅広いです。令和8年度は4月20日から6月12日まで公募中でした。詳細は
研究開発支援事業(DX/GX)の詳細ページをご覧ください。
なるほど。この研究開発支援は「石川の成長戦略ファンド」という大きな枠組みの一部なんですね。
そうです。700億円規模のファンドですよ(笑)。これの資金使途の一つがこの研究開発支援です。採択率は年度によって異なりますが、申請書の質で決まるので、ISICOに事前相談することが合格への近道です。
環境省の国家レベル補助金(令和8年度)
たくさんあります!令和8年度に環境省が実施している主要なエコ・SDGs補助金を紹介しますね。
| 補助金名 | 対象 | 特徴 |
|---|
| 業務用建築物の脱炭素改修加速化事業 | オフィスビル・施設 | ZEB化を目指す省エネ改修工事を補助 |
| プラスチック・金属資源のバリューチェーン脱炭素化 | 製造業・建設業 | Scope3排出削減の設備導入を支援 |
| 地域の公共交通×脱炭素化移行促進事業 | バス・鉄道会社等 | EVバスや電動船舶への転換を補助 |
| 産業車両の脱炭素化促進事業 | フォークリフト使用事業者 | 燃料電池フォークリフト導入を補助 |
| 環境配慮型先進トラック・バス導入加速事業 | 物流・運輸会社 | 低炭素ディーゼルトラック導入を補助 |
| コールドチェーン冷凍冷蔵機器の脱フロン事業 | 食品・医薬品流通 | 自然冷媒への転換を支援 |
| 廃棄物処理施設を核とした地域循環共生圏事業 | 自治体・廃棄物処理会社 | 廃棄物発電・バイオガス化を支援 |
そうです。石川県内の事業者でも、国の要件を満たせばしっかり使えます。実はこの「国制度」を使う経営者が少ない。「国の制度は大企業向け」と思い込んでいる人が多いんですが、中小企業でも使えるものが結構あるんですよ。
石川県 エコ・SDGs補助金 申請ステップ
事業者向けはわかりました。個人や家庭が使えるエコ補助金はどうですか?
住宅向けは主に3つですね。太陽光発電、断熱リフォーム、そして住宅のZEH化です。
太陽光パネルを屋根に乗せたいという人が多いと思いますが、石川県の補助は?
令和7年度実績で、太陽光発電は1kWあたり7万円、上限35万円(5kW)の補助がありました。令和8年度もほぼ同じ規模で継続見込みです。さらに市区町村の上乗せ補助があるエリアでは、合計で数十万円規模になることもありますよ。
環境省の「断熱窓への改修促進等による住宅の省エネ・省CO2加速化支援事業」が使えます。
こちらの詳細をご覧ください。石川県は冬が寒いので、断熱窓のリフォーム効果が特に大きい地域ですよ。
そうなんです!雪国の断熱改修は投資対効果が高い。暖房費が激減しますから。実際に断熱リフォームをした金沢市内の事業者の話を聞いたら、年間の光熱費が30〜40%下がったと言ってました。
住宅エコリフォーム推進事業
「住宅エコリフォーム推進事業」という制度も聞きますが?
国土交通省の制度ですね。既存住宅の省エネ性能をZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)レベルまで引き上げるリフォームを支援します。一戸建てで最大約51万円の補助が受けられる。
住宅エコリフォーム推進事業の詳細はこちら。
51万円か。太陽光の35万円と合わせると結構な額になりますね。
そうです!ただ、補助金は「完成前に申請」が原則ですからね。工事しちゃってから「補助金申請したい」は原則NGです。これは経験上、一番多いミスです(笑)。
環境NPOや市民団体の場合はどんな支援がありますか?
「公益社団法人いしかわ環境パートナーシップ県民会議」が毎年公募している「環境保全活動支援助成金」があります。令和8年度の締切が6月5日ですよ。
営利を目的としない民間団体が行う環境保全活動全般です。海や山の清掃、野生動物の保護、環境教育、リサイクル活動など、石川の自然環境を守る活動であれば対象になります。
数万〜数十万円程度が中心です。金額は大きくないですが、活動資金の足しになるのは確かです。ISICOやいしかわ環境パートナーシップ県民会議(金沢市鞍月2丁目1番地、TEL 076-266-0881)に相談すると詳細を教えてもらえますよ。
一番大事なのは「交付決定前に着工しない」こと(笑)。これ守らないと補助金もらえないので、本当に注意してください。
- 交付決定前に着工・発注しない: 先に工事を始めた場合、遡って補助金を受けることは原則できない
- 見積書は補助金申請前に取得: 申請書類に見積書が必要な制度が多い
- GBizIDは事前に取得: 国の補助金はjGrantsというシステムで申請することが多く、GBizIDプライム(法人代表者向け)が必要
GBizIDって、取得に時間がかかると聞いたんですが?
そうなんですよ!GBizIDは発行まで2〜4週間かかることがある。補助金の公募開始を見てから動くと間に合わないケースがあります。「なんかSDGs補助金申請したいかも」と思ったら、今すぐGBizIDの取得手続きだけしておくのが正解です。
ISICO(公益財団法人石川県産業創出支援機構)が一番使いやすいです。補助金の種類ごとに担当が分かれてるので、「GX関係の補助金を探してる」と伝えれば適切な制度に誘導してくれますよ。
- ISICO(石川県産業創出支援機構): 金沢市鞍月2丁目20番地 / TEL 076-267-1001
- いしかわ環境パートナーシップ県民会議: 金沢市鞍月2丁目1番地 / TEL 076-266-0881
GBizIDプライムを事前取得(2〜4週間かかる)
ISICOや石川県窓口に相談して対象制度を絞り込む
複数の補助金を組み合わせることって、できるんですか?
できます!というか、それをやらないともったいないです。例えば製造業なら、「石川県の省エネ設備支援(上限800万円)」と「環境省の業種別脱炭素補助金」を同一事業所の異なる設備で使うことが可能なケースがあります。
それは知らなかった! でも制度によって「この補助金と組み合わせ禁止」みたいなルールもありますよね?
そうなんですよ。「同一設備・同一事業に対する二重補助」はNGです。でも、A設備に国の補助金、B設備に県の補助金、というのは別事業として認められることが多い。この判断は窓口に確認するのが一番確実です。ISICOは石川県内の補助金情報を横断的に把握してるので、「組み合わせ可能か」を相談すると教えてくれますよ。
- 県の省エネ設備支援(最大800万円)+環境省の産業脱炭素化補助金(設備別)
- ISICO研究開発支援(最大3,000万円)+ものづくり補助金(設備購入費)
- 太陽光発電県補助金(最大35万円)+国のDR蓄電池補助金(最大60万円)
あります!製造業で省エネ設備大規模更新をやる企業だと、複数制度を組み合わせて数千万円の補助を受けているケースは珍しくないです。大事なのは、計画を立てる段階でISICOに相談すること。「設備更新計画書」を一緒に作ってもらうイメージです。
石川県のエコ・SDGs補助金をうまく活用するためのポイントをまとめていただけますか?
3つに絞りますね。まず①GBizIDを今すぐ取得する。次に②ISICOに相談して自分向けの制度リストを作る。そして③複数制度の組み合わせを設計する。この順番が大事です。
「補助金ありき」で事業計画を立てるのではなく、事業計画があって、それに補助金を当てはめる、ということですか?
まさに!補助金ありきで事業を決めると、採択されなかったときに困ります。「どっちにしろやる設備更新に補助金を活用する」という発想が正しいですね。SDGsや脱炭素への取り組みを「どうせやらなきゃいけない投資」と捉えて、補助金で賢くコストを下げる、これが石川県の中小企業がとるべき正解だと思いますよ。