申請の流れ図
室谷さん、最近「地域活動の資金が足りない」という相談をよく聞くんですけど、香川県でまちづくりや地域コミュニティ活動に使える補助金って、実際どんなものがあるんでしょうか?
いい質問ですね!実はこのカテゴリ、意外と種類が豊富で。国の制度、香川県独自の制度、さらに市町村レベルの助成まで合わせると、87件以上の補助制度が香川県で使えます。知らずに諦めてる団体が本当に多いんですよ。
えっ、そんなに!?自治会とかNPOとか、どんな団体が対象になるんですか?
大きく2つに分けると、「事業者・法人向け」と「地域団体・NPO向け」があります。自治会、NPO法人、ボランティア団体、商店街組合、観光協会、社会福祉法人まで、かなり幅広いです。あとは何をやりたいか、によっても使える制度が変わってきます。
そうですね。まちづくり・地域コミュニティ向けの補助金は大体こんな感じで分類できます。まず「施設・備品整備系」、次に「観光・地域活性化系」、「NPO・市民活動支援系」、「若手人材育成・移住促進系」、あと「脱炭素・環境活動系」。この5つが香川県でよく使われる枠組みですね。
| カテゴリ | 代表的な制度 | 主な対象 | 補助上限 |
|---|
| 施設・備品整備 | コミュニティ助成事業 | 自治会・コミュニティ組織 | 200万円 |
| 観光・地域活性 | 香川県持続可能な観光地域づくり支援補助金 | 市町・法人・観光団体 | 200万円 |
| NPO・市民活動 | 香川県NPO基金補助金 | NPO法人・ボランティア団体 | 各事業による |
| 地域振興事業 | 小規模事業者持続化補助金(ビジネスコミュニティ型) | 小規模事業者グループ | 50万円 |
| 若手人材育成 | AKATSUKIプロジェクト補助金 | 事業者(プログラム運営) | 3000万円 |
| 環境・脱炭素 | 地域の地球温暖化防止活動促進事業 | 地域センター | 約1000万円 |
意外と金額の幅がありますね。50万円から3000万円まで(笑)。どこから調べ始めればいいんでしょう?
まず「自分たちは何をやりたいのか」を明確にすることです。備品が欲しいのか、イベントを開催したいのか、施設を整備したいのか、NPO活動を続けたいのか。それによって全然使う制度が違うんですよ。
それは間違いなく「コミュニティ助成事業」ですね。一般財団法人自治総合センターが宝くじの社会貢献広報事業として実施していて、全国の自治会や町内会が毎年使っている定番中の定番です。
宝くじの収益が使われてるんですか! 知りませんでした。
そうなんです。種類も5種類あって、それぞれ目的が違います。「一般コミュニティ助成事業」はコミュニティ活動に必要な備品整備で上限100万円、「コミュニティセンター助成事業」は集会所の建設・大規模修繕で最大1500万円まで出ます。
集会所の修繕で1500万円!それはかなり大きいですね。
そうですよ。香川県内でも高松市、三豊市、東かがわ市、観音寺市、さぬき市など各市町村が窓口になって毎年申請を受け付けています。ただし申請の時期が早くて、令和8年度は令和7年9月30日が締切だったくらい前倒しなので、「来年使いたい」と思ったら今から動き始めるのが鉄則です。
それはかなり早い!うっかりしてたら逃しそう(笑)。
あと「地域防災組織育成助成事業」もあって、AEDや無線機、ヘルメットとか防災備品の整備に使えます。自主防災組織向けですね。「青少年健全育成助成事業」は親子参加のスポーツ・文化イベントに、「地域国際化推進助成事業」は多文化共生活動や国際交流イベントに使えます。
一つの制度でこれだけカバーしてるんですね。さぬき市では令和7年度に上限200万円の実績があったって調べてわかりました。
そうですね。事業の種類によって上限が変わります。コミュニティセンター助成だと高額になりますが、申請するには市町村窓口を通す必要があるので、まず地域の担当部署に相談するのが最初のステップです。詳細は
コミュニティ助成事業の公式サイトでご確認ください。
香川県独自の補助金も気になります。県がやっているまちづくり系の補助って何がありますか?
2026年度に注目なのが「令和8年度香川県持続可能な観光地域づくり支援事業補助金」ですね。観光コンテンツの造成や観光イベントの実施を支援する制度で、上限200万円、補助率1/2以内です。
使えます。対象者は「市町」「市町観光協会等」「香川県内に事業所または活動拠点を持つ法人」「観光振興に取り組む団体」。ただし法人や団体が申請する場合は、地元市町との連携が必須条件になります。
連携が条件なんですね。どんな活動に使えるんでしょう?
観光客の継続的な来訪を促進するコンテンツ造成、地域ブランド化に繋がる活動、新たな旅行市場の開拓など。出演者の謝金・旅費、印刷製本費、宣伝デザイン料、会場使用料、機材借上料なんかが対象経費になります。
そうか、観光コンテンツの観点でまちづくりを支援するって感じですね。ちなみにこれって毎年やってる制度ですか?
毎年継続してます。令和8年度の申請は令和8年2月に受け付けていました。問い合わせ先は香川県観光振興課(電話: 087-832-3360)ですね。詳細は
香川県観光振興課の公式ページで公開されています。
わかりました。あとは…「香川県魅力ある地域づくり団体育成支援事業補助金」というのも検索で出てきたんですが。
それは令和5年度の実績がある制度ですね。若者の地元定着や移住促進のため、住民主体の地域づくりを通じてコミュニティ活性化を目的としています。「新たに取り組む魅力ある地域づくり活動の経費の一部を補助」という内容で、県内に拠点を持つ事業者が対象です。募集時期は年によって変わるので、香川県の公式サイトで最新情報を確認してください。
NPO法人やボランティア団体向けの支援って、香川県に特別な仕組みってあるんですか?
あります。それが「香川県NPO基金」ですね。正式名称は「香川県特定非営利活動促進基金」で、個人や企業からの寄付金を積み立てて、NPO活動に補助金を交付するという制度です。
香川県がNPO専用の基金を持ってるんですね。それは面白い仕組みだ。
そうなんですよ。地域課題に主体的に取り組むNPOって、活動は素晴らしいんですけど「資金不足」が一番の壁になるんです。この基金はそこを解決するための制度です。令和8年4月13日から分野指定寄付補助金の補助対象事業の募集を開始したとアナウンスが出ていました。
県内で活動しているNPO法人やボランティア団体が対象で、基金への登録が必要です。問い合わせ先は香川県政策部男女参画・県民活動課(電話: 087-832-3174)。
香川県NPO基金の公式ページに詳細と様式が掲載されています。
そうです。香川県の「かがわ共助のひろば」というページに、NPO法人やボランティア団体が使える各種助成金情報が随時更新されています。香川県共同募金会の社会福祉施設等整備事業、広域福祉活動支援事業、小規模作業所等整備事業とか、タカラ・ハーモニストファンドとか。公式情報はこちら:
助成金等情報(香川県)
地域の商店主とか事業者グループが使える補助金ってありますか?
ありますよ。「小規模事業者持続化補助金 ビジネスコミュニティ型」がぴったりです。5者以上の小規模事業者が参加するグループが、販路開拓・事業承継・防災活動などに取り組む費用を補助する制度で、上限50万円、定額補助です。
5者以上って、商店街の仲間集めってイメージですか?
グループ活動を支援するってことは、個人単位では使えないんですね?
通常の小規模事業者持続化補助金は個人でも使えますが、「ビジネスコミュニティ型」は5者以上のグループが条件です。地域コミュニティの活性化という目的がメインですから。
じゃあ商店街の活性化活動とか、若手経営者の勉強会みたいな活動に向いてますね。
そうですね。申請は商工会議所・商工会経由で行いますので、まず地元の商工会議所や商工会に相談するのが一番スムーズです。
補助金種類別比較
国レベルの補助金で、香川でもまちづくりに使えるものって何がありますか?
複数あります。まず「地域経済政策推進事業費補助金(映像芸術文化支援事業)」、これは映像や芸術文化を通じた地域振興事業を支援する制度で、令和8年度は上限1億500万円、定額補助(10/10)です。規模は大きいですが、採択事業者が執行団体になって間接補助する仕組みなので、実際に活動する団体が受け取れる額は上限1000万円程度です。
映像・芸術文化系のまちづくりって、おもしろい切り口ですね。
あと「地域の伝統・魅力等発信支援事業」というのも気になったんですけど。
これもまちづくり系で活用できる制度で、地域の伝統や魅力を発信する取組を上限1000万円まで支援します。補助率は10/10か2/3か1/2で内容によって異なります。こちらは
令和6年度版のページから内容を確認してみてください。
国立公園系の補助金もありましたよね。香川ってどこか国立公園ありましたっけ?
瀬戸内海国立公園がありますよ!香川の島々も含まれます。「
国立公園等資源整備事業費補助金」の活用可能性があります。利用拠点の滞在環境整備、多言語解説の整備(補助率2/3)、インバウンド対応などに使えます。詳細は
国立公園利用拠点滞在環境上質化事業のページで確認を。
瀬戸内海国立公園の島での観光コンテンツ整備とかに使えそうですね!
まさにそうです。小豆島とか直島とか、香川の島嶼エリアでの活用が考えられます。ただし対象者は環境省の認可が必要な事業者になるので、まず環境省四国地方環境事務所に相談することを勧めます。
人口減少とか若者の移住促進って、香川の地方部でも大きな課題ですよね。そっち系の補助金はどうですか?
ありますよ。まず「
地方の若手人材発掘育成支援事業費補助金(AKATSUKIプロジェクト)」。経産省が推進していて、地方でIT人材や起業家人材を育成するプログラムを立ち上げる事業者を支援します。令和7年度は最大3000万円、補助率は2/3から10/10まで。詳細は
AKATSUKIプロジェクトのページで。
3000万円はすごい規模ですね。これって香川の事業者も申請できるんですか?
全国対象の制度なので申請できます。ただ、採択のポイントは「産業界・学界で実績あるプロジェクトマネージャーを配置して、若手人材を伴走型で育成する」という点。香川の大学や企業が連携して申請するのが現実的ですね。
なるほど。もっと小規模な地域活動に使えるものはないですか?
そういう用途なら「
地域における地球温暖化防止活動促進事業」が使えます。地域の温暖化防止活動推進センターへの補助金で、上限約1000万円、補助率1/2。香川県にも地域センターがあるので、そこが実施する温暖化防止×まちづくり活動を支援できます。詳細は
地域の地球温暖化防止活動促進事業のページで確認を。
環境活動とまちづくりをセットで考えるのって、これからの時代に合ってますよね。
そうですよ。「デコ活」(脱炭素につながる新しい豊かな暮らしを創る国民運動)推進事業という制度もあります。環境省が推進していて、脱炭素×地域コミュニティの活動を支援する制度。詳細は要公募要領参照ですが、NPOや地域団体も活用できる可能性があります。
都道府県や国じゃなく、市町村レベルで香川県独自の補助金ってありますか?
これが香川県の強みで、各市町村がそれぞれ独自の地域活動支援補助金を持っています。たとえば三豊市の「地域コミュニティ活動支援事業補助金」は、多彩な市民力や地域資源を活かした協働のまちづくりを目的に、市民活動団体が実施する公益的活動を補助する制度。市民生活の向上や地域振興に貢献すると認められる活動が対象です。
三豊市は割と積極的に情報開示してます。同市の「コミュニティ助成事業」も宝くじ助成の枠でしっかり活用しています。あと東かがわ市も「令和8年度コミュニティ助成事業(一般コミュニティ助成事業)」を実施していて、上限200万円の備品助成があります。
高松市は「コミュニティ助成事業」を協働コミュニティ推進課が窓口で受け付けています。一般コミュニティ助成(備品・上限100万円)、コミュニティセンター助成(集会施設整備)、地域防災組織育成助成(防災備品)、青少年健全育成助成(親子イベント)、地域国際化推進助成(国際交流)の5種類があります。電話は087-839-2277。
香川県内の市町村で使える補助金って、全部把握するのは難しそうですね。
だからこそ補助金データベースを活用するのが便利なんですよ。
香川県の補助金・助成金一覧ページでは、香川県全域の補助金情報をまとめて検索できます。市町村別に絞り込みもできるので、ぜひ活用してください。
- 対象者要件 自治会・NPO・法人・事業者など、申請できる主体が制度ごとに異なる
- 申請時期 コミュニティ助成事業は年度をまたいで1年以上前から動く必要がある
- 事前相談 香川県、市町村窓口とも事前相談を強く推奨している(一部は必須)
よくありますよ(笑)。一番多いのが「申請期限を過ぎた」というケース。コミュニティ助成事業は令和7年9月頃に申請して令和8年度の助成が決まる、という年度をまたぐ流れなので、間に合わなかった団体が多いです。
それは痛いですね。「今年使いたい」と思ったらもう遅かった、という状況になりがち。
そうです。対策は「来年使いたい補助金は今から調べ始める」という習慣をつけることです。特に市町村経由で申請する制度は、市町村が取りまとめてから国や県に提出する流れなので、さらに早めに動く必要があります。
- コミュニティ助成事業(令和8年度): 申請は令和7年9月30日(前年度)に締切
- 香川県持続可能な観光地域づくり支援補助金: 令和8年度は2月27日に申請締切
- 事前相談が必須の制度では、相談期限も別途設定されている
かなり大事です。特に香川県の持続可能な観光地域づくり支援補助金は、申請前の事前相談が必須要件になっています。相談なしに申請書だけ出しても受け付けてもらえません。
「活動の目的と地域への貢献を具体的に書く」ことが最重要です。「なんとなく地域を活性化したい」ではなく、「どんな地域課題があって、この活動によって何がどう変わるのか」を数字や具体事例で示す。採択された申請書を参考にするのが一番の近道です。
1使いたい制度の窓口に事前相談(相談が必須の制度も多い)
3事業計画書・収支予算書を作成(目的・成果を具体的に記載)
あります。まず「補助対象外の経費を入れない」こと。たとえばコミュニティ助成事業では消耗品や建築物は対象外のケースが多い。申請書に対象外経費を入れると全体が否決されることもあります。
それは怖いですね。事前に対象経費のリストを確認しておく必要があると。
必須です。もう一つは「地域の連携を前面に出す」こと。香川県の持続可能な観光地域づくり支援補助金では地元市町との連携が必須要件ですし、NPO系の補助金でも「他団体との協力体制」を書くと評価が上がることが多いです。
孤立した活動より、ネットワークを持った活動の方が採択されやすいってことですね。
そうです。あと「GビズIDを事前に取得しておく」こと。電子申請に対応している制度ではGビズIDが必要になるので、申請の1〜2ヶ月前には取得しておかないと間に合いません。gBizIDの登録はオンラインでできますが、審査に2〜3週間かかります。
なるほど!GビズID、よく聞きますが申請に時間がかかるんですね。
そうなんです。「申請しよう」と思ってから取り始めると絶対間に合わない。補助金を使いたいNPOや事業者は、今すぐGビズIDの登録を進めることをお勧めします。
補助金以外にも、地域活動の資金調達手段ってあるんですか?
あります。「ふるさと納税クラウドファンディング(GCF)」、「休眠預金活用(JANPIA)」、民間財団の助成金、それと自治体の社会的事業への業務委託という選択肢もあります。
10年間使われていない銀行預金を民間公益活動に活用する制度です。一般財団法人日本民間公益活動連携機構(JANPIA)が窓口で、NPOや社会的企業向けに助成しています。香川県の「かがわ共助のひろば」にも情報が掲載されています。
補助金と助成金って、まちづくり系でどう使い分ければいいですか?
基本的に「補助金」は目的が明確な事業への支援で後払いが多い。「助成金」は要件を満たせば比較的確実に出るものが多い。まちづくり系では両方使えるケースが多いので、補助金で大きなプロジェクトを立ち上げて、助成金で継続活動の資金を補うという組み合わせが理想的ですね。
なるほど。補助金とは違って助成金は申請しやすいものが多い、ということですかね。
そういうケースが多いですね。ただどちらも「実績報告の提出」という義務があります。補助金・助成金をもらいっぱなしにするのではなく、事業終了後にきちんと報告書を出すことが次回の申請にもつながります。
まちづくりって長期的な活動ですもんね。単年度で終わるものではないですし、継続的に資金調達を考えないといけない。
まさに。「今年はコミュニティ助成で備品を揃えて、来年は香川県の観光振興補助で活動の幅を広げる」という複数年の計画を立てることが、持続可能なまちづくり活動の鍵です。ぜひ目的別の制度ページも参考にしてください。
まちづくり・地域振興の補助金一覧もあわせてどうぞ。