愛知県の創業・新事業向け補助金 比較表
室谷さん、愛知県で新しいビジネスを始めようと思ってるんですけど、補助金って結構あるんですか?
めちゃくちゃあります(笑)。愛知県って、トヨタを中心にした製造業の集積地でありながら、スタートアップの育成にもかなり力を入れてる県なんですよ。国の補助金・愛知県独自の制度・名古屋市の制度、さらに岡崎市や知立市みたいな市町村独自の補助金まであって、創業・新事業の分野だと軽く50件超えます。
えっ、50件って多すぎて選べないですよね(笑)。どこから整理したらいいですか?
大きく3つの層で考えると分かりやすいです。まず「国の補助金」、次に「愛知県独自の制度」、最後に「名古屋市・市町村の補助金」。事業のフェーズと規模に合わせて組み合わせるのが正解で、1つだけじゃなく複数使えるのが愛知の強みです。
国・県・市の3層か。なるほど、それぞれ特徴が違うんですか?
全然違います。国の補助金は金額が大きい代わりに競争率が高め。愛知県独自は金額は中程度ですが、県内事業者なら申請しやすい。市町村のは少額ですが地域密着型で採択率が高い傾向があります。これを組み合わせると資金調達の幅が広がるんです。
組み合わせて使えるんですね!ちょっと具体的に教えてほしいんですが、愛知で創業するなら一番最初に狙う補助金ってどれですか?
創業フェーズなら、絶対に「あいちスタートアップ創業支援事業費補助金」を最初に確認してほしいです。補助上限200万円、補助率1/2で、愛知県が直接やってる制度です。2026年度版(令和8年度)は公募が2026年6月初旬頃に始まる予定なんですよ。
200万円ってけっこうデカいですね!どんな人が対象なんですか?
「革新的なアイデアで短期間に急成長を目指す人」が対象で、愛知県内で新たに起業するか、事業承継・第二創業をする方です。重要なのは、単なる安定した小規模事業より「スケールアップを狙う事業」が評価されやすいって点ですね。
スケールアップ前提か。普通の飲食店とかは難しいんですか?
難しいです。この補助金は「Society5.0関連業種等の付加価値の高い産業分野での地域課題解決」がキーワードで、テック系やイノベーティブなビジネスモデルが評価軸になってます。飲食店の場合は後で出てくる持続化補助金や名古屋市の制度の方が向いてます。
なるほど!じゃあ普通の小売や飲食で創業する場合はどれを選べばいいんですか?
そこで出てくるのが「小規模事業者持続化補助金<創業型>」です。創業から3年以内なら申請できて、補助上限200万円、補助率2/3と、実は補助率がかなり手厚いんですよ。販路開拓・広告宣伝・ホームページ制作など、創業初期に必要な経費がカバーできます。
補助率2/3って、3分の2出てくれるってことですよね。それはありがたい!
しかも
小規模事業者持続化補助金の詳細はこちらで確認できますが、注意点があって。申請前に各市町村で「特定創業支援等事業」の支援を受ける必要があるんです。商工会や商工会議所が実施してるやつで、受講証明書が必要なので余裕を持って動いてください。
事前に受講が必要なんですね。それって何日かかるんですか?
基本的に数日〜数週間かかります。なので「補助金に申請したくなったらとりあえず商工会に相談する」というのが鉄則です。GビズIDも事前に取得が必要な補助金が多いので、この2つを早めに準備しておくだけで選択肢がぐっと広がります。
創業補助金 申請の流れ(愛知県版)
愛知県ならではの制度って、さっきのスタートアップ補助金以外にも何かあるんですか?
あります!特に面白いのが「新あいち創造研究開発補助金」です。次世代自動車・航空宇宙・ロボットなど愛知の強みの産業分野での研究開発を支援する制度で、2026年度は2026年3月25日から公募が始まりました。
そうなんですよ。愛知ってトヨタのお膝元なので、EV・自動運転・燃料電池車の部品開発やソフト開発に取り組む中小企業には特に使いやすい制度です。補助額は最大数千万円規模で、本格的な研究開発をやる会社向けです。
それは製造業の会社向けって感じですね。もう少しやわらかいのだと?
「あいち中小企業応援ファンド新事業展開応援助成金」がありますよ。地場産業枠と農商工連携枠の2種類あって、地場産業枠は補助上限300万円(中小企業)または600万円(団体)、補助率は1/2〜2/3です。有松・鳴海絞や常滑焼、尾張七宝など愛知の伝統工芸品産業の新展開を支援する制度で、地域資源を活かしたビジネスに向いてます。
地場産業の枠か。愛知って伝統工芸品も多いですよね。
そうなんです。しかも2026年度分はすでに交付先が決定してるので、今から狙うなら2027年度の公募を待つことになります。早めに情報収集しておくといいですよ。
なるほど、既に締め切られてる制度もあるわけですね。DXとかデジタル化の補助金はどうですか?
愛知県には「中小企業デジタル化・DX促進補助金」もあります。新事業とデジタル化を絡める場合は使いやすい制度ですね。補助対象は設備投資・システム開発・外部専門家費用など幅広いです。
ITや製造業以外の業種はどうですか?例えば飲食や小売で新事業を展開したいとか。
それなら「商業振興事業費補助金(地域商業活動活性化事業)」がカバーしてくれます。商店街や地域の商業活性化につながる取り組みが対象で、飲食・小売業でも地域活性化の視点があれば申請できます。
市区町村レベルの補助金も結構あるって言ってましたよね。代表的なのはどれですか?
まず名古屋市なら「名古屋市スタートアップ企業支援補助金」は絶対チェックしてください。補助上限100万円で、なごのキャンパスまたはナゴヤイノベーターズガレージの会員になると補助率が1/2に上がるんです。通常は1/3なのが1/2になるのはかなり大きくて、これ知ってるか知ってないかで結果が変わります。
名古屋市中村区の旧中川区役所跡地にある創業・新事業支援施設です。コワーキングスペースやインキュベーション施設があって、スタートアップやフリーランスが使える場所です。そこの会員になるとこの補助金の補助率アップだけじゃなく、メンタリングや交流イベントなど色々な支援が受けられます。
施設の会員になるだけで補助率が上がるって面白い仕組みですね(笑)。
令和8年度は2026年5月1日から2026年6月1日まで募集期間で、採択率は例年3〜4割程度ですね。競争率はそこそこある制度なので、事業計画書の作り込みが重要です。
岡崎市には面白い制度が複数あります。「岡崎ものづくり支援補助金(新製品共創事業)」は市内外の事業者と共同で新製品の試作品を開発する取り組みを支援する制度で、
岡崎市新製品共創支援の詳細はこちら。補助率1/2・上限30万円と少額ですが採択されやすいです。
30万円か、少ないですね(笑)でも採択されやすいのはいいですよね。
採択されやすい=実績が作れる、というのが地方補助金の強みです。実績があると次の大型補助金の申請で有利になりますからね。同じく岡崎市には「
岡崎市創業資金保証料補助金」もあって、愛知県経済環境適応資金を使って創業した方の信用保証料の45%を補助してくれます。
あと知立市の「中心市街地出店事業者支援補助金」は
知立市の中心市街地出店補助の詳細にあるように、空き店舗の改装費(上限100万円)と家賃(月10万円上限)を2/3補助する制度です。ただし令和7年度は予算上限に達したので、令和8年度の情報は市に直接確認が必要です。
国の補助金についても教えてください。愛知でも使えるやつですよね?
もちろん全国どこでも申請できます。新事業・創業フェーズで特に押さえてほしいのが3つあります。まず「小規模事業者持続化補助金<一般型>」、次に「フードテックビジネス実証事業」、そして大規模成長投資補助金です。
小規模事業者持続化補助金は創業型と一般型の2種類あるんですよね?
そうです。一般型は通常枠で上限50万円・補助率2/3、特定の枠を使えば最大200万円まで上限が上がります。創業型は創業から3年以内の方向けで同じく上限200万円・補助率2/3です。創業初期なら創業型の方が対象になりやすいですが、一般型も使えるので両方チェックしてください。
フードテックってあまり馴染みがないんですが、どんな制度ですか?
農林水産省が実施する「フードテックビジネス実証・実装事業」で、食品×テクノロジーの領域で新しいビジネスを実証する方への補助金です。
フードテック補助金の詳細はこちら。補助上限2,000万円・補助率1/2と規模が大きくて、代替タンパク質・スマート養殖・AI活用食品開発など先端分野が対象です。フードテック官民協議会の会員になる必要がありますが、農業×ITや食品系スタートアップには有力です。
愛知は農業産出額が全国上位で、施設園芸・花卉の産地としても有名です。アグリテックや農業×DXの文脈で新事業を立ち上げる方には、愛知の農商工連携枠と組み合わせると面白いですよ。
大規模成長投資補助金の詳細は補助上限が最大50億円で、中堅・中小・スタートアップが大規模な設備投資をする際に最大1/3が補助される制度です。令和7年度補正予算の第5次公募まで来てます。愛知の製造業や次世代自動車部品メーカーが大型投資をするときに使われる制度です。
さすがに50億円は特別な規模の投資ですけど、製造業の方なら数千万〜数億円規模の設備投資でも申請できるので、スタートアップ段階を超えた次のフェーズで狙う制度として覚えておいてください。
補助金の情報だけじゃなくて、相談できる場所も教えてほしいんですが。
それは大事ですね。愛知県では「公益財団法人あいち産業振興機構(AIBSC)」が中小企業の新事業展開を総合的に支援しています。さっきの応援ファンドの窓口もここで、補助金申請の事前相談も無料でできます。
名古屋市内なら「なごのキャンパス」「ナゴヤイノベーターズガレージ」、豊橋エリアなら「i-nest taiyo(豊橋市産業人材支援センター)」など、地域ごとに支援機関があります。まず地元の商工会・商工会議所に行くと、使える制度を整理してもらえます。
AICHI-STARTUPコンテストみたいなものもありましたよね?
ありますよ!「AICHI-STARTUP ビジネスプランコンテスト」は補助金じゃなくてコンテストですが、優秀なビジネスプランには賞金が出るうえに、認知度や信用力の向上につながります。補助金と並行して検討する価値がありますよ。
賞金ゲットできたら資金調達にもなりますね。コンテストに出ることで補助金の採択率も上がったりするんですか?
直接の加点はないですが、事業計画書のブラッシュアップや審査員からのフィードバックが、その後の補助金申請に活きることは多いです。コンテストで鍛えられた事業計画は補助金審査でも通りやすくなる傾向がありますよ。
| 補助金名 | 主体 | 上限額 | 補助率 | 対象 |
|---|
| あいちスタートアップ起業支援金 | 愛知県 | 200万円 | 1/2 | 県内で起業・事業承継 |
| 名古屋市スタートアップ企業支援補助金 | 名古屋市 | 100万円 | 1/3〜1/2 | 創業期の事業者 |
| 小規模事業者持続化補助金<創業型> | 国 | 200万円 | 2/3 | 創業3年以内の小規模事業者 |
| 小規模事業者持続化補助金<一般型> | 国 | 50万円〜200万円 | 2/3 | 小規模事業者全般 |
| 新あいち創造研究開発補助金 | 愛知県 | 数千万円規模 | 種別による | 次世代産業分野の研究開発 |
| あいち中小企業応援ファンド(地場産業枠) | 愛知県 | 300〜600万円 | 1/2〜2/3 | 県内地場産業の新事業展開 |
| あいち中小企業応援ファンド(農商工連携枠) | 愛知県 | 300〜600万円 | 1/2〜2/3 | 農林水産物活用の新事業 |
| フードテックビジネス実証・実装事業 | 国 | 2,000万円 | 1/2 | フードテック系スタートアップ |
| 大規模成長投資補助金 | 国 | 50億円 | 1/3 | 中堅・中小・スタートアップの大型投資 |
| 知立市中心市街地出店支援補助金 | 知立市 | 改装100万円+家賃月10万円 | 2/3 | 空き店舗を賃借して出店 |
| 岡崎ものづくり支援補助金(新製品共創) | 岡崎市 | 30万円 | 1/2 | 市内製造業の新製品開発 |
| 岡崎市創業資金保証料補助金 | 岡崎市 | 20万円 | 保証料の45% | 岡崎市内で創業した方 |
| 岡崎市創業資金利子補給補助金 | 岡崎市 | 20万円 | 利子の45〜60% | 日本政策金融公庫融資で創業 |
これだけ制度があるんですね。実際に申請するときの注意点ってどんなことがありますか?
一番大事なのが「補助金は後払い」という仕組みです。先にお金を使って、領収書を揃えてから請求する、というのが基本なので、立替資金が必要なんです。資金繰り計画にここを組み込んでおかないと、せっかく採択されても資金ショートします。
えっ、先に立替が必要なんですか!それは知らないとキツいですね(笑)。
ほとんどの創業者が最初に驚くポイントです(笑)。前払いしてくれる制度もごく一部にありますが、基本は後払いと思っておいてください。
- 同一経費に複数の補助金を重複申請することは原則禁止
- 国の補助金と県の補助金は「別の経費」に使えば併用可能
- 同じ設備・同じ費用で二重に申請するのはNG(発覚すると返還命令)
- 申請前に必ず「他の補助金との調整欄」を確認すること
重複申請はダメなんですね。国と県で別々の経費に使うなら大丈夫?
はい、別経費なら問題ありません。例えば、国の持続化補助金でホームページ制作費を申請して、愛知県のファンドで製品開発費を申請する、という使い分けは問題ないです。
- 市場の具体性: 「愛知県内の〇〇市場、年間×億円」のように数字で示す
- 差別化ポイント: 競合との違いを一言で説明できる状態にする
- 実行体制の明記: 自分の経歴・スキルと事業の関連性を書く
補助金審査員は1枚で10〜20件の事業計画書を読むんです。読み手が疲れた状態で「これだ!」と思ってもらえる内容が必要で、簡潔さと説得力のバランスが重要です。
GビズIDプライムアカウントを取得(1〜2週間かかるので早めに)
商工会・商工会議所で「特定創業支援等事業」の認定を受ける
事業計画書を作成(市場規模・差別化・実行体制を具体的に)
補助金ポータル(Jグランツ)または各機関の窓口に申請
電子申請に使うビジネス用IDです。法人番号か個人事業主の確認書類を使って取得するんですが、審査に1〜2週間かかります。「申請したくなった!」と思ってから取り始めると締め切りに間に合わないケースがあるので、創業準備と並行して早めに取得しておくのが鉄則です。
GビズIDって最初に取っておくだけで後が全部楽になるんですね。
そうです。あとは愛知県版の追加アドバイスとして、名古屋市内で創業するなら「なごのキャンパス」の無料会員登録だけでもしておくといい。さっきの補助率アップに加えて、情報収集の場にもなるので創業者同士のネットワーク作りにもなりますよ。
今日は色々教えてもらいましたが、最後にまとめてもらえますか?
愛知で創業・新事業を始める場合のポイントをまとめると、まずフェーズと業種に合った制度を選ぶことが大事です。スタートアップならあいち県の起業支援金(上限200万円)と名古屋市の補助金を組み合わせる。小規模な創業なら持続化補助金<創業型>(上限200万円・補助率2/3)が柱になる。製造業の研究開発なら新あいち創造研究開発補助金や応援ファンドも選択肢です。
「制度の数より、自分に合った制度を深く理解する」方が採択率が上がります。広く浅く10件調べるより、自社の事業に合った1〜2件を深く理解して書いた方が通りやすいです。まずはGビズIDの取得と商工会への相談から始めてみてください。
ありがとうございました!愛知県は補助金の環境が整ってるんですね。
愛知はスタートアップ支援にかなり力を入れている県なので、使わない手はないですよ。他の都道府県の制度と比較したい方は
愛知県の補助金・助成金一覧ページもあわせて参考にしてみてください!