滋賀県×販路拡大・海外展開 補助金・助成金の種類と特徴
室谷さん、滋賀県の製造業とかがこれから海外に売り込みたいとなったとき、使える補助金ってどのくらいあるんですか?
実はかなりあるんですよ。JETROを通じた外国出願支援から経産省の海外展開補助金、滋賀県独自の海外市場開拓支援補助金まで、複数の補助金・助成金・給付金が活用できます。販路拡大・海外展開のジャンルは支援が手厚い分野のひとつですね。
え、そんなにあるんですか!ちょっとびっくりです(笑)
そうなんです。目的に応じて複数を組み合わせられますよ。
まず大きく2つに分けて考えるといいですね。「海外に売りたい」なら滋賀県海外市場開拓支援事業補助金が最初の窓口、「海外で特許・商標を守りたい」なら外国出願支援補助金が筆頭候補です。それ以外にも「販路拡大全般」をカバーする国の制度がいくつかあって、うまく使い分けることが大事です。
はい。滋賀県海外市場開拓支援事業補助金が代表格です。滋賀県内の中小企業が対象で、補助率は対象経費の1/2以内、補助金額は50万円以上350万円以内というのが特徴です。
4種類の経費に使えます。市場調査・コンサルタント費、海外見本市・商談会への出展費用、越境EC事業費(海外向けECサイト制作や広告宣伝費)、それと通訳・翻訳費などの共通経費ですね。
越境ECにも使えるのはいいですね!最近EC経由で海外に売りたいって話、よく聞くんで。
そうなんですよ。越境ECの出店・出品料や広告費まで対象になるので、実際にアクションを起こしたい企業には助かる設計です。ただ、事前にジェトロ滋賀貿易情報センターへの相談が推奨されているのと、補助金の交付は1社1回までという制限があるので、タイミングは慎重に選んでください。
ですよね。申請前に必ずジェトロ滋賀に相談して、事業計画をしっかり詰めてから出すのが正攻法です。問い合わせ先は滋賀県商工政策課になります。
- 補助対象者: 滋賀県内に事務所または事業所を有する中小企業者
- 補助率: 補助対象経費の1/2以内
- 補助金額: 50万円以上350万円以内(1社1回限り)
- 対象経費: 調査・マーケティング費、見本市・商談会出展費、越境EC事業費、通訳・翻訳費等
- 事前相談: ジェトロ滋賀貿易情報センターへの相談を推奨
- 問い合わせ: 滋賀県商工政策課
- 公式ページ: 滋賀県庁(公募詳細)
あります!中小企業経営革新等応援事業補助金という制度があって、経営革新計画の承認を受けた中小企業が販路開拓事業(展示会参加・広報等)に使える補助金です。販路拡大から海外向け調査まで、かなり多様な取り組みを対象にしています。
確かにハードルはありますが、一度取得すると補助金だけでなく金融支援も受けやすくなるので、成長意欲のある企業には長期的にメリットが大きいです。滋賀県産業支援プラザ(通称「プラザ」)に相談すると、計画策定から親身に伴走してもらえますよ。
国の制度にも滋賀の企業が使えるものがあるんですよね?
たくさんあります。まず海外展開で一番問い合わせが多いのが外国出願支援補助金ですね。日本国内で特許・商標等の出願済みの中小企業が、海外でも権利化するための費用の1/2を補助してくれる制度です。
そうなんです。国によっては1件数十万〜100万円以上かかることがあって、複数国に出すと一気に経費がかさむ。だからこの補助金が非常に重宝されています。特許出願なら1社あたり最大150万円、意匠・商標は最大60万円の補助が受けられます。一般社団法人発明推進協会と滋賀県産業支援プラザが窓口になっています。
そうです。令和8年度(2026年度)分は2026年5月7日から6月2日まで受付中なので、今まさに申請できるタイミングです。
外国出願支援補助金の詳細はこちらでも確認できます。
次に紹介したいのが小規模事業者持続化補助金です。販路開拓全般に使えて、補助率2/3・最大200万円。展示会出展費用や広告宣伝費、ウェブサイト整備費など幅広い経費に対応しています。海外展開の準備段階として使えるケースが多いですよ。
持続化補助金ってよく聞きますけど、海外向けの販路開拓にも使えるんですか?
はい、海外の展示会出展費用も対象になります。商工会・商工会議所が伴走支援してくれるので、初めて補助金を使う企業にもハードルが低いのが特徴です。なお
こちらのページは創業型のリンクなので、一般型については最寄りの商工会・商工会議所に最新公募を確認してください。
そうです。近所の商工会や商工会議所が補助金の「仲介役」になってくれるので、書類の書き方から丁寧に教えてもらえます。滋賀県内にも各地に窓口があって、草津・大津・長浜・彦根など主要都市には商工会議所があります。
製造業や医療・介護など、業種によって特化した補助金もあるんですか?
ありますよ。たとえば医療・介護関連の企業ならヘルスケア産業国際展開推進事業費補助金が使えます。補助率は中小企業2/3・大企業1/3で、最大2億1千万円という大型補助金です。海外での基礎調査や実証調査費用に使えます。
大企業向けの話ではありますが、中小企業でも条件を満たせば使えます。医療機器・介護用品・ヘルスケアサービスの海外展開を考えている滋賀の企業には積極的に調べてほしい制度です。
ヘルスケア産業国際展開推進事業費補助金の詳細はリンク先でも確認できます。
滋賀には信楽焼をはじめ伝統的工芸品がありますよね。そういった企業向けには
伝統的工芸品産業支援補助金があります。後継者育成・需要開拓・海外展開など幅広い用途に使えて、最大2千万円が補助されます。
伝統的工芸品産業支援補助金の詳細で要件確認をどうぞ。
そうなんです。滋賀は琵琶湖周辺の工芸品や食品が豊富で、海外でも「クール・ジャパン」として需要があります。こういった補助金を活用して海外発信する地元企業が増えてほしいですね。
海外の販路開拓のためにデジタル化も進めたいという企業はどうですか?
そういう企業には
貿易プラットフォーム活用による貿易手続デジタル化推進事業費補助金があります。貿易書類のデジタル化やシステム連携の費用が最大5千万円まで補助されます。大企業なら補助率1/2、中小企業なら2/3です。貿易コストを大幅に削減できる制度なので、輸出入を本格化させたい企業に向いています。
貿易デジタル化補助金の詳細はこちら。
1社だとハードルが高い場合、複数社で申請できる補助金ってありますか?
あります!共同・協業販路開拓支援補助金がまさにそれです。地域の中小企業・小規模事業者が共同・協業して商品やサービスの販路開拓に取り組む場合に支援されます。
商工会・商工会議所・協同組合などが主体となって、10社以上の参画事業者に対して展示会・商談会の開催やマーケティング拠点の運営等を行う場合が対象です。補助率は定額または2/3で、最大5千万円まで補助されます。
多く見えますが、滋賀県内の商工会が地域の事業者を束ねてプロジェクトを組むイメージです。滋賀のものづくり企業や農産品加工業者などが連携して、まとめて展示会に出展するケースが想定されています。
共同・協業販路開拓支援補助金の詳細はこちら。
そうですね。滋賀県商工会連合会か各地の商工会議所に連絡して「共同販路開拓で使える補助金を教えてください」と聞けば、今募集中の制度を案内してもらえます。
滋賀県の中小企業が海外展開補助金を申請する流れ
補助金申請で失敗しないためのポイントを教えてください。
まず一番大事なのは「後払い」の仕組みを理解しておくことです。補助金は基本的に経費を先に自社で出して、後から補助金が振り込まれます。キャッシュフローが厳しい企業は、一時的な資金調達も視野に入れておく必要があります。
よくある失敗パターンがこれなんですよ。補助金が出るからと大きな経費を見込んで、入金前に資金が回らなくなるケース。政策金融公庫や滋賀銀行・びわこ銀行の制度融資と組み合わせて対処するのが現実的です。
補助対象経費の「証憑(しょうひん)管理」です。領収書・発注書・契約書・報告書など、補助対象経費のエビデンスを全てきちんと保管しておく必要があります。実績報告時に書類が揃っていないと補助金が出ないケースもあります。
- 後払いが基本: 経費を先に出してから補助金が入金される。資金繰りに注意
- 採択前着手はNG: 採択通知を受けるまで経費を出してはいけない(事前着手禁止)
- 対象外経費に注意: 人件費(一部除く)、汎用品・備品等は対象外が多い
- 書類は全て保管: 領収書・契約書・発注書・写真など証憑を全件保管
- 実績報告期限を守る: 事業終了後の報告期限を過ぎると補助金が出ない
まずジェトロ滋賀または滋賀県産業支援プラザに相談(どの補助金が自社に合うか確認)
目的に合った補助金を2〜3件ピックアップし、公募要領を精読する
事業計画書・収支予算書等の申請書類を作成(商工会・商工会議所も支援可)
採択通知を受けてから発注・契約・経費の発生(事前着手厳禁)
最近は多くの補助金がオンライン申請になっていて、GビズIDが必要です。発行に2〜3週間かかるケースもあるので、補助金申請を考え始めたらすぐにGビズIDを取得するのが鉄則です。慌てて動いて間に合わなかった、という例が多いです。
そうです。あともう一つ実務的なポイントとして、海外の展示会に出展する場合は「採択後に申し込む」のが基本です。補助金の採択通知が来る前に出展申込みをしてしまうと、対象外になる可能性があります。
| 補助金名 | 補助率 | 上限額 | 対象 | 詳細 |
|---|
| 滋賀県海外市場開拓支援事業補助金 | 1/2 | 350万円 | 滋賀県内中小企業(1社1回) | 公式ページ |
| 外国出願支援補助金(発明推進協会) | 1/2 | 150万円(特許)/ 60万円(商標等) | 国内出願済みの中小企業 | 詳細 |
| 小規模事業者持続化補助金(創業型) | 2/3 | 200万円 | 創業した小規模事業者(商工会経由) | 詳細 |
| ヘルスケア産業国際展開推進事業費補助金 | 2/3(中小)/ 1/3(大) | 2億1千万円 | 医療・介護関連事業者 | 詳細 |
| 共同・協業販路開拓支援補助金 | 2/3または定額 | 5千万円 | 10社以上の共同体 | 詳細 |
| 貿易手続デジタル化推進補助金 | 2/3(中小)/ 1/2(大) | 5千万円 | 輸出入事業者 | 詳細 |
| 伝統的工芸品産業支援補助金 | 公募要領による | 2千万円 | 伝統的工芸品産地組合等 | 詳細 |
| 海外市場調査等事業費補助金 | 1/2以下(大企業1/3以下) | 1億円 | インド太平洋・中南米進出予定企業 | 詳細 |
この一覧、わかりやすいですね。どこから相談すればいいか見えてきました。
そうですね。滋賀の企業だと最初の相談はジェトロ滋賀貿易情報センターか滋賀県産業支援プラザの2択がおすすめです。両方とも無料相談ができて、補助金の最新情報も持っています。
この記事で紹介した補助金、改めてまとめると8件以上になりましたね。
そうですね。目的別に見ると「海外に売り込む→滋賀県海外市場開拓支援補助金・小規模持続化補助金」、「海外で知財を守る→外国出願支援補助金」、「業種特化→ヘルスケア・伝統工芸品」、「複数社で→共同・協業販路開拓補助金」という使い分けができます。
できます。ただし同一経費を複数の補助金で申請する「二重申請」はNGです。目的が違えば、例えば「外国出願支援補助金で特許を取ってから、海外市場開拓補助金で展示会に出る」という段階的な活用は問題ありません。
なるほど。タイムラインで考えると使いやすいですね。
まさにそのとおりです。まず初年度は外国出願で知的財産を固めて、翌年に海外展示会で売り込むという戦略が理想的なケースが多いです。
滋賀県の補助金・助成金一覧はこちらでも最新情報を確認できます。