岡崎ものづくり支援補助金(共同研究事業)って、どんな補助金なんですか?
岡崎市内のものづくり企業が、大学や試験研究機関と一緒に共同研究をするときの費用を補助してくれる制度です!製造業限定のかなりニッチな補助金なんですよね。
ほんとに?大学と一緒に研究できるんですか!それはちょっと大企業っぽい話な気がするんですけど、中小企業でも使えるんですか?
それが全然そんなことなくて(笑)、むしろ中小製造業のためにある制度です。岡崎市は自動車産業を中心に大きなものづくりの集積地で、その中小企業が大学の専門知識・設備を活用できるように市が後押ししてくれる仕組みなんです。
なるほど!岡崎といえばトヨタの城下町的なイメージですよね。自動車系の部品メーカーさんとかが使う感じですか?
まさにそれが主役になりますね。金属加工や電子機器製造、樹脂成形系の会社さんが、材料の研究とか成形技術の開発で大学と組むパターンがよく見られます。でも製造業全般が対象なので、食品製造や化学品製造の方も申請できますよ。
岡崎ものづくり支援補助金(共同研究事業)補助内容比較図
補助上限が50万円、補助率は対象経費の1/2以内です。つまり100万円の研究費がかかったとすれば、最大で50万円が補助されるイメージです。
50万円か。研究費としてはそこまで多くない気もするんですけど……。
そうなんです、でもここが面白いところで、予算の範囲内であれば補助限度額に達するまで何回でも申請できるんですよ。つまり複数のテーマで共同研究を進めていれば、複数回補助金をもらえる可能性があるんです!
えっ、それはすごいですね!年間トータルでかなりの金額になることもあるんですか?
そうです。ただし予算に限りがあって、予算がなくなり次第終了なので早めに動くのが基本戦略です。
| 項目 | 内容 |
|---|
| 補助上限額 | 50万円 |
| 補助率 | 対象経費の1/2以内 |
| 補助対象経費 | 大学または試験研究機関等に支払う研究費 |
| 申請回数 | 予算の範囲内で複数回可能 |
| 申請期間(中小企業) | 令和7年4月1日〜令和8年1月31日 |
| 申請期間(中小企業以外) | 令和7年12月1日〜令和8年1月31日 |
| 実施機関 | 岡崎ものづくり推進協議会(岡崎市・岡崎商工会議所) |
| 対象地域 | 愛知県岡崎市 |
| 公式ページ | www.okamono.com/subsidy_list.php |
ちなみに依頼試験事業というのも同じ補助金制度の中にあるみたいなんですが、そちらとはどう違うんですか?
大事な違いがあります。依頼試験事業は「試験機関に試験・分析を依頼して結果をもらう」もので、共同研究事業は「双方が研究に参加して成果を一緒につくる」ものです。研究の深さと関与の仕方が根本的に違うんです。
じゃあ「ちょっとこの素材を分析してほしい」というのは依頼試験で、「一緒に新素材を開発したい」というのが共同研究、という感じですか?
まさにその通り!どちらの制度が適切かは研究の性質によって変わります。悩んだら事前相談で確認するのが一番です。
- 共同研究事業(本記事): 大学・研究機関との共同研究費。補助率1/2、上限50万円
- 依頼試験事業: 試験機関への試験委託費。補助率1/2、上限50万円 → 詳細はこちら
- 見本市等出展事業: 展示会・見本市の出展費。補助率1/2、上限30万円 → 詳細はこちら
- 知的財産権取得事業: 特許出願・審査請求費。補助率1/2、上限30万円 → 詳細はこちら
- ビジネスマッチング事業: マッチングサービス利用費
- 新製品共創事業: 他社との試作品開発原材料費。上限30万円 → 詳細はこちら
申請するには何か条件があるんですよね?製造業なら全部OKとかじゃないですか?
3つの要件があって、全部満たす必要があります。まず1つ目が製造業(日本標準産業分類 大分類E)を営む法人または個人事業主であること。製造業以外の業種は対象外です。
「大分類E」ってちょっとわかりにくいですね。どんな業種が入るんですか?
食料品製造、金属製品製造、電子部品製造、機械器具製造、化学品製造、繊維製品製造など、いわゆる工場でモノを作っている業種がほぼ全部含まれます。IT企業はここに含まれないので注意が必要です。
2つ目は岡崎市内に本社機能または製造工場を6か月以上引き続き有していること。市外に本社があっても、岡崎市内に工場があれば要件を満たせます。3つ目は市税を完納していることです。法人市民税や固定資産税に未納があると申請できないので、事前に確認必須です。
6か月以上の拠点というのは、新しく工場を作った会社は待たないといけないんですね。
そうです。工場を設置したばかりの事業者は、6か月経過後の申請になります。計画的に動いている会社さんは、拠点を確保したタイミングから半年後に申請の準備を始めるといいですね。
- 国または県の補助金を活用している同一事業(重複申請不可)
- 暴力団・暴力団関係者が役員の事業所
- 風俗関連業・ギャンブル業など社会通念上不適切な業種
- 市税に未納がある事業者(申請前に完納が必須)
- 製造業以外の業種(日本標準産業分類 大分類E以外)
一番相性がいいのは金属加工業です!新素材・表面処理・精密加工など、大学や研究機関の専門知識が直接役に立つ技術開発テーマが多いんですよ。
確かに、金属の材料科学って専門性が高そうですよね。
次点で電子・電気機器製造業です。IoTセンサーやデバイスのノイズ対策とか、回路設計の研究で工学系大学との連携がすごく有効なケースが多いです。あとは樹脂・プラスチック成形や機械部品製造も共同研究ニーズが高い業種ですね。
| 業種 | 相性 | 主な共同研究テーマ |
|---|
| 金属加工業 | 最高 | 新素材加工・表面処理・精密加工技術 |
| 電子・電気機器製造業 | 最高 | IoTデバイス・センサー・ノイズ対策 |
| 樹脂・プラスチック製品製造業 | 高い | 生分解性素材・成形技術・材料特性 |
| 機械部品製造業 | 高い | 精密加工・熱処理・表面改質技術 |
| 食品製造業 | 中程度 | 食品安全・機能性研究・品質向上 |
| 化学品製造業 | 中程度 | 材料合成・反応工学 |
意外に思われがちですが、例えば地元の食品メーカーが大学の農学部・食品科学系と組んで機能性成分の研究をする、というのは普通にあります。製造業に分類されるかどうかを確認した上で申請する感じです。
そもそも大学との共同研究って、どうやって始めればいいんですか?大学に電話すればOKなんですか?
大学には「産学連携窓口」や「TLO(技術移転機関)」という専門部署があって、そこへの問い合わせが第一歩です!「こういう技術課題があるんですが、相談できますか?」と連絡するところから始めます。
できますよ!名古屋大学・愛知工業大学・豊橋技術科学大学など、愛知県内には製造業系の研究を得意とする大学が多いので、岡崎市内の製造業者からのコンタクトは歓迎されることが多いです。あと愛知県産業技術研究所(AICHI SKY EXPO近く)みたいな公設試験研究機関もあります。
公設試験研究機関というのは、愛知県が運営している研究機関ってことですか?
そうです。民間大学よりも利用しやすいケースが多いですし、愛知県内の製造業に特化した技術支援をしているので、連携のハードルが低いんです。岡崎市のものづくり企業が共同研究をするなら、最初のアプローチ先として優先度が高いですね。
- 名古屋大学(理工学研究科・工学部): 素材・機械・電気・化学全般
- 愛知工業大学: ものづくり系エンジニアリング特化
- 豊橋技術科学大学: 先端技術・エレクトロニクス強み
- 愛知県産業技術研究所: 公設試験機関・製造業全般のR&D支援
- 国立研究開発法人産業技術総合研究所(AIST): 最先端研究・全分野
共同研究契約の交渉と締結です。研究の内容・期間・費用分担・知財の帰属などを決めていく作業で、これがけっこう時間かかるんですよ。大学側の審査や学内手続きがあるので、最低でも2〜3か月は見ておいた方がいいです。
2〜3か月!それは思ったよりかかりますね。補助金申請を思い立ってから動いても間に合わないケースがありそうです。
まさにそれが最大の失敗パターンです。「補助金があるから共同研究を始めよう」ではなくて、「共同研究の準備ができてきたから補助金も申請しよう」の順番で動くことが重要です。
岡崎ものづくり支援補助金(共同研究事業)申請フロー図
5つのステップで進んでいきます。まず研究テーマの設定と連携先機関の選定から始まります。ここに一番時間がかかることも多いです。
研究テーマを設定し、連携先機関を選定する
新製品・新技術の開発テーマを明確にして、共同研究を行う大学または試験研究機関を探します。大学の産学連携窓口やTLO、愛知県産業技術研究所に問い合わせるのが近道です。
共同研究契約の交渉・締結
選定した機関と研究の内容・費用分担・知財の帰属・研究期間などを協議して、共同研究契約を締結します。大学側の手続きがあるため、2〜3か月の余裕を持って進めましょう。
市税完納証明の取得と事前相談
市税の完納証明書を取得します。また岡崎ものづくり推進協議会事務局に事前確認(事前相談)を必ず行います。申請可否と申請内容の確認が必須です。
申請書類の準備・提出
交付申請書・経費明細表・事業計画書・市税納税証明書の原本・会社案内の写しを準備して、岡崎商工会議所へ持参または郵送で提出します。受付時間は土日祝日を除く午前10時から午後5時です。
採択後 - 研究実施・実績報告・精算
採択されたら補助金交付決定通知が届きます。共同研究を実施し、事業完了から1か月以内または令和8年2月28日のどちらか早い方までに実績報告書を提出して、補助金を受け取ります。
ヒアリングというのがあるんですよね。これは怖くないですか?
「ヒアリング」と書いてありますが、申請書を提出する際に内容を確認してもらう程度の話です。事業計画が具体的で合理的であれば、特に怖い場面ではないですよ。むしろ事前相談の段階でしっかり相談しておけば、ほぼ問題ないと思います。
申請時に必要なのは、交付申請書・経費明細表・事業計画書・市税納税証明書の原本・会社案内の写し・共同研究に係る費用がわかる書類(見積書、依頼書、契約書など)です。実績報告時は請求書・領収書・通帳の送金履歴・共同研究事業実績表なども追加で必要になります。
審査って難しいんですか?どんな点が見られるんでしょう?
書類審査です。基本的には要件をきちんと満たして、研究計画が具体的に書かれているかどうかで決まります。
具体的というのは、どういう書き方をすればいいんですか?
研究の目的・内容・期待成果・大学側との役割分担を明確に書くことが大事です。「新しい技術を開発したい」ではなくて、「○○という技術課題を解決するために、△△大学××研究室と共同で□□の研究を実施し、〇年度中に試作品を完成させる」くらいの具体性が求められます。
- 連携先機関を先に確定させる: 大学名・担当教授名・研究室名まで決めておく
- 共同研究の「双方向性」を明示する: 委託ではなく共同であることを契約書で示す
- 数値目標を入れる: 「強度○○MPa以上」「歩留まり○○%向上」などの定量目標
- 市税完納証明書は最新のものを取得: 申請直前に取得するのが基本
- 事前相談は必須: 申請前に協議会事務局に必ず確認する(要件の誤認を防ぐ)
「共同研究と依頼試験の違い」がポイントになりそうですね。
そこが肝心で、単純に「試験をお願いしました」では共同研究として認められない可能性があります。共同研究契約書があって、双方が研究プロセスに関与して成果を共有するという形が必要です。採択後に「これは依頼試験では?」と指摘されることを避けるためにも、事前相談で確認しておくことが重要です。
補助の対象になる経費と、ならない経費について教えてください。
対象経費は大学または試験研究機関等に支払う研究費のみです。シンプルなようでいて、意外と範囲が限定されています。
| 経費の種類 | 対象 | 備考 |
|---|
| 大学への研究費(共同研究契約に基づく) | 対象 | 共同研究の核となる経費 |
| 試験研究機関への研究費 | 対象 | 公設試験機関・国立研究機関等 |
| 振込手数料 | 対象外 | 明示的に除外 |
| 自社の研究員の人件費 | 対象外 | 外部機関への支払いのみ |
| 研究用の機器・材料購入費 | 対象外 | 補助対象外の可能性が高い |
| 依頼試験(結果受領のみ)費用 | 対象外 | 共同研究事業ではなく依頼試験事業で申請 |
自社の研究員の人件費は入らないんですね。ちょっと意外でした。
そうなんです。あくまでも外部機関に支払う費用が対象なので、社内コストは含まれません。でも逆に言えば、大学側が使う材料費や機器使用料も「研究費」として大学に支払うものであれば対象になりうるので、契約書の費用項目の書き方が大切になります。
なるほど、申請前に連携先とよく相談して経費の整理をしておく必要があるんですね。
まさに。その整理も「事前相談」でやるのが理想的です。次は他の補助金との組み合わせ方について見ていきましょう。
他の補助金と組み合わせて使えるのかどうか、気になります。
ここは注意点があって、国または県の補助金を活用している同一事業には申請できないという制限があります。ものづくり補助金やSBIR等と同一の研究テーマに重複申請するのは原則NGです。
それは厳しいですね。じゃあ国の補助金と一切使えないんですか?
「同一事業」が重複できないということで、異なる研究テーマなら複数の補助金を使い分けることは可能です。例えばA研究では岡崎市の補助金、B研究ではSBIRという使い方はあり得ます。ただし詳細は担当窓口に確認を取ることが必須です。
岡崎ものづくり支援補助金の他の事業(依頼試験・見本市出展・知財取得)と組み合わせる場合は、合計で50万円が上限になります。たとえば共同研究事業で30万円もらって、依頼試験事業で20万円もらうというイメージです。
| 組み合わせ | 合計上限 | 備考 |
|---|
| 共同研究事業のみ | 50万円 | 単独利用の場合 |
| 依頼試験事業との合計 | 50万円 | 両事業合計の上限 |
| 国・県の補助金と同一事業 | 申請不可 | 重複補助禁止 |
| 他テーマの国補助金 | 個別確認が必要 | 担当窓口に要相談 |
ここまでの解説でいくつか気になる点があったんですが、まとめてQ&A形式で教えてもらえますか?
もちろんです!よくある質問を一気に答えていきます。
共同研究の相手は大学だけですか?企業との共同研究は対象になりますか?
制度の対象は「大学または試験研究機関等」とされているので、一般企業との共同研究は対象外の可能性が高いです。詳細は担当窓口に確認してください。公的な研究機関や国立研究開発法人との連携は対象になりえます。
岡崎市外に本社があって、岡崎市内に工場がある場合はどうですか?
要件は「岡崎市内に本社機能または工場を6か月以上有していること」なので、本社が市外でも岡崎市内に工場があれば申請できます!ただし6か月以上の継続保有が必要です。
補助金を受けた後に研究がうまくいかなかった場合はどうなりますか?
研究結果が期待通りでなかったこと自体は問題ではありません。ただし虚偽の申請や、補助金を研究以外の用途に使うと補助金の返還を求められる場合があります。正直に実績報告をすることが大原則です。
必須ではありませんが、申請前の事前相談で協議会事務局がかなり丁寧に対応してくれるので、まずそこで相談してみてください。中小企業診断士や行政書士に相談するとより安心という方も多いです。
- 自社が製造業(日本標準産業分類 大分類E)に該当するか確認
- 岡崎市内の本社・工場が6か月以上継続しているか確認
- 市税の納付状況を市役所税務窓口で確認
- 共同研究の連携先(大学・研究機関)が決まっているか確認
- 共同研究契約または覚書の準備状況を確認
- 岡崎ものづくり推進協議会事務局に事前相談を予約
はい!申請を検討している方はぜひこの表を参考にしてください。
| 項目 | 詳細 |
|---|
| 制度名 | 岡崎ものづくり支援補助金(共同研究事業) |
| 補助上限額 | 50万円 |
| 補助率 | 対象経費の1/2以内 |
| 申請受付期間 | 令和7年4月1日〜令和8年1月31日(中小企業の場合) |
| 実績報告期限 | 事業完了から1か月以内、または令和8年2月28日のどちらか早い方 |
| 対象 | 製造業(日本標準産業分類 大分類E)の法人または個人事業主 |
| 地域要件 | 岡崎市内に本社機能または工場を6か月以上保有 |
| 問い合わせ先 | 岡崎ものづくり推進協議会 事務局(岡崎商工会議所内) |
| 電話番号 | 0564-53-6191(土日祝除く、午前10時から午後5時) |
| 公式ページ | www.okamono.com/subsidy_list.php |
岡崎市の製造業の会社さんにとってはかなり使い勝手がよさそうな補助金ですね!
研究開発に本気で取り組みたい中小製造業にとっては、非常に有力な選択肢です。CASEやMaaS、EV化など自動車産業の変革が進む中、岡崎市内のものづくり企業が大学と連携して新技術を開発していく。このような産学連携が岡崎市の製造業の未来を支えると思っています。
ありがとうございました!愛知県内の他の補助金情報も気になる方は、
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