今日は「今治市賃貸借型企業立地奨励金(開設費用に対する奨励金)」について教えてもらいたいんですけど、これって具体的にどんな制度なんですか?
簡単に言うと、愛媛県今治市に賃貸オフィスを借りて事業所を開く企業に対して、開設にかかった改装費や機器購入費を最大500万円まで補助してくれる制度です。
えっ、改装費とか機器代が500万円まで出るんですか!
そうなんです。しかも、これは「今治市企業立地促進条例」という条例に基づく制度の一つで、今治市が企業の立地を積極的に呼び込むために設けた優遇措置の枠組みの中に位置付けられています。令和5年(2023年)4月1日からは制度が拡充されて、対象業種も広がりました。
令和5年から拡充されたんですね。どんな業種が対象になるんですか?
対象業種は情報通信業と学術研究・専門・技術サービス業の2系統です。ただし、すべての情報通信業が対象になるわけじゃなくて、情報サービス業、インターネット付随サービス業、映像・音声・文字情報制作業の3つに限定されています。
ほんとに?IT系の企業でも全部が対象じゃないんですね。
そうなんです。学術研究・専門・技術サービス業のほうも、学術・開発研究機関、専門サービス業、広告業に限られています。だから、申請前に自社の業種が対象かどうかをしっかり確認する必要があります。
今治市賃貸借型企業立地奨励金の申請フロー図
500万円が出るといっても、どんな費用が対象になるんですか?
この奨励金で対象になるのは「開設費用」です。具体的には、改装費用、通信回線設置費用、機器等の購入及び搬入費用、それ以外にも事業所開設に要する費用全般が対象になります。
ただし、操業開始日までに要した費用に限るという条件があります。操業を始めてから後から支払ったものは対象外になるので、事前の計画と実際の費用支出のタイミングが重要です。
上限は500万円なんですよね。補助率はどうなってるんですか?
この奨励金は「かかった費用の合計額を交付する」という仕組みです。つまり補助率は実質100%で、かかった実費がそのまま出るイメージですね。ただし500万円を超えた分は出ません。
企業誘致のための制度ですから、今治市もかなり本気を出しているわけです(笑)。改装費や機器代が500万円以内に収まる場合は全額出るので、スタートアップや中小企業にとってはかなり大きな支援になります。
| 項目 | 内容 |
|---|
| 補助対象経費 | 改装費用・通信回線設置費用・機器等の購入及び搬入費用等 |
| 補助上限額 | 500万円 |
| 補助率 | 開設費用の実費相当額(上限500万円) |
| 費用対象期間 | 操業開始日まで |
対象業種はわかりましたが、他にも要件はあるんですか?
大きく2つあります。まず賃貸オフィス等において事業所を開設すること、それから立地に伴う新規雇用従業員が2人以上いることです。
いいえ、パートタイムなどの短時間労働者も含まれます。ただし、短時間労働者は2人で新規雇用従業員1人とみなされます。つまり、正社員1名でも要件は満たせますが、短時間労働者だけなら2名必要という計算になります。
なるほど。実際に雇用を増やすことが条件なんですね。
企業誘致の目的が「地域雇用の創出」なので、それは当然ですよね。今治市内に新しい仕事を作ることが前提になっています。
あと、今治市内のどこでもいいんですか?エリアの制限とかありますか?
この奨励金は「今治新都市区域(指定区域)」と「指定区域を除く全域」の両方が対象です。どちらのエリアでも賃貸オフィスを開設すれば適用されます。ただし、今治市外は当然対象外です。
| 要件 | 内容 |
|---|
| 立地場所 | 今治市内の賃貸オフィス等 |
| 対象業種 | 情報通信業(情報サービス業・インターネット付随サービス業・映像音声文字情報制作業)/ 学術研究・専門・技術サービス業(学術・開発研究機関・専門サービス業・広告業) |
| 雇用要件 | 立地に伴う新規雇用従業員2人以上(短時間労働者2人=新規雇用1人) |
| 形態 | 賃貸物件での事業所開設(自己所有物件は対象外) |
今治市賃貸借型企業立地奨励金の比較表
まず大事なことを言うと、事業所を開設する前に市長への申請が必要です。この事前申請が通って「適用事業者」として指定されてはじめて、後で奨励金を受け取れる流れになります。
先に申請しないといけないんですね!開設してから申請じゃダメなんですか?
原則として事前指定が必要です。開設してから後出しで申請しても対象にならない可能性が高いので、今治市への進出を検討している段階で早めに産業振興課に相談することをおすすめします。
今治市 産業振興課へ相談・事前相談(開設の計画段階)
ステップが多いですね。特に気をつけることはありますか?
一番重要なのは費用の支出は操業開始日までに行うことです。操業を始めてから後から機器を買っても対象外になってしまいます。また、書類の準備も大切で、かかった費用の領収書や請求書はきちんと保管しておく必要があります。
- 事前に今治市長への申請と「適用事業者の指定」が必須。開設後の申請は原則不可
- 奨励金の対象となる費用は、操業開始日までに発生・支払いが完了したものに限られる
- 新規雇用従業員の定義に注意(短時間労働者2名=1名換算)
- 対象業種に該当するかどうかを事前に産業振興課へ確認することを強く推奨
500万円の開設費用奨励金の他にも何かもらえる可能性があるんですか?
あります!この制度を使う企業は、同時に複数の奨励金を受け取れる可能性があります。まず、開設費用の奨励金とセットで使えるのが賃借料に対する奨励金です。
3年間で最大1,800万円ということですよね!開設費用500万円と合わせると、トータルで最大2,300万円の支援になる可能性があるわけですか。
そういう計算になりますね。さらに、新規雇用を行った場合は
今治市雇用促進奨励金も受け取れます。新規雇用従業員1人につき30万円、限度額1億円という制度です。
企業規模によっては複数人採用するケースもあるので、その場合は大きな支援になります。これら3つをうまく組み合わせると、今治市への進出コストをかなり抑えられます。
| 制度名 | 内容 | リンク |
|---|
| 開設費用に対する奨励金(本制度) | 改装費・機器代等 最大500万円 | - |
| 賃借料に対する奨励金 | 月額賃借料の2/3(月50万円上限×36ヶ月)最大1,800万円 | 詳細 |
| 雇用促進奨励金 | 新規雇用1名30万円・限度額1億円 | 詳細 |
- 事前相談を必ず行う: 産業振興課への早期相談で申請要件の確認と書類の不備を防ぐ
- 費用の証拠書類を完備する: 改装費・機器購入費の領収書・請求書・契約書を全て保管
- 雇用計画を明確にする: 新規雇用従業員2名以上の採用計画と実績を示せるようにしておく
実際に申請する企業はどんなことに気をつければいいですか?
一番重要なのは「事前相談」です。今治市産業振興課は電話(0898-36-1540)でも相談を受け付けているので、今治市への進出を検討した段階で早めに連絡を取ることをおすすめします。
改装費や機器購入費の領収書・請求書は必ず保管しておく必要があります。また、どの費用がどの目的に使われたかが明確にわかるよう、費用の内訳を整理しておくことも大切です。まとめて「工事一式」という見積もりだけでは証明が難しい場合もあります。
新規雇用2名以上の要件を証明するために、雇用契約書や社会保険の加入記録なども準備しておくと審査がスムーズです。また、短時間労働者の場合は2名で1名換算という計算方法を確認しておいてください。
- 適用事業者指定申請書(市所定様式)
- 会社概要・事業計画書
- 賃貸借契約書(オフィスの賃貸証明)
- 開設費用の領収書・請求書・契約書の原本または写し
- 雇用契約書(新規雇用従業員分)
- 登記事項証明書または定款
- その他、今治市が求める書類
今治市って、補助金以外にどんな魅力があるんですか?
今治市はしまなみ海道のある地域で、交通インフラが整っています。瀬戸内海に面していて、自然環境も豊かです。四国の拠点都市として、製造業や物流業が集積しているエリアでもあります。
都市部と比べてオフィス賃料が安い、人材採用コストが比較的低いというのがあります。さらに今回の奨励金制度を使えば、初期投資コストを大幅に削減できます。地方移転を検討しているIT企業や専門サービス企業にとって、愛媛県今治市はかなり魅力的な選択肢になります。
テレワークが普及した今、地方移転する企業も増えてますもんね。
そうなんです。特にIT系企業は場所を問いにくい業種なので、地方での事業展開を選ぶケースが増えています。補助金・奨励金を上手く活用すれば、東京や大阪のオフィスを維持するより大幅にコストを削減しながら、事業を拡大していくことが可能です。
| 項目 | 内容 |
|---|
| 制度名 | 今治市賃貸借型企業立地奨励金(開設費用に対する奨励金) |
| 根拠条例 | 今治市企業立地促進条例 |
| 対象地域 | 愛媛県今治市内 |
| 補助上限額 | 500万円 |
| 受付期間 | 2026年3月31日〜2027年3月31日 |
| 実施機関 | 今治市 産業部 産業政策局 産業振興課 |
| 電話番号 | 0898-36-1540 |
| メールアドレス | sangyou@imabari-city.jp |
| 所在地 | 今治市別宮町1丁目4番地1 本庁第1別館7階 |
| 公式ページ | 今治市企業立地優遇制度 |
| Jグランツ | 補助金詳細 |
今治市は企業立地に関する奨励金の体系がしっかり整っています。今回の開設費用奨励金の他にも、
今治市設備投資奨励金という制度もあります。こちらは中小企業者が2千万円以上の設備更新投資をした場合に、固定資産税相当額を最大年間1,000万円補助してくれる制度です。
土地を取得して自社ビルを建てたい場合はどうですか?
それには
今治市指定区域用地取得奨励金があります。今治新都市区域内で用地を取得して自ら立地する場合、取得価格の10%以内の奨励金が出て、上限は5億円です。大規模な投資をする企業向けの制度ですね。
そうなんです。すでに賃貸オフィスで事業展開するIT系・専門サービス系企業なら、まず今回の開設費用奨励金と賃借料奨励金を組み合わせるのが最も効果的です。次に事業が拡大して設備投資が必要になれば設備投資奨励金を活用できます。そうやって段階的に支援を受けながら成長していくことが可能です。
地方進出を考えている企業には本当に魅力的な制度ですね。どこに相談すればいいですか?
まずは今治市産業振興課(電話 0898-36-1540)に連絡してみてください。具体的な事業計画の内容を伝えた上で、どの奨励金が適用されるか確認してもらいましょう。申請の手続きについても丁寧に教えてくれます。
最後に、よくある疑問点をまとめて教えてもらえますか?
まず、すでに今治市内で事業をしている企業でも使えますか?
原則として「新たに事業所を開設する」ことが要件です。既存の事業所の改装費には使えませんが、新しい拠点を今治市内に追加開設する場合は対象になる可能性があります。具体的なケースは産業振興課に確認してください。
補助金と違って「奨励金」という名称ですが、税務上の扱いはどうなりますか?
奨励金として受け取った金額は、原則として法人税の対象となる収益に含まれます。会計・税務の処理については、顧問税理士や会計士に相談することをおすすめします。
外資系企業や外国人が経営する企業でも申請できますか?
今治市企業立地促進条例には国籍による制限は明示されていませんが、日本法人格を持つ企業であることが前提になると思われます。この点も産業振興課への確認をおすすめします。
申請から実際に奨励金が支払われるまでの期間はどのくらいですか?
交付決定から支払いまでの期間は市の審査状況によりますが、一般的に数か月かかることが多いです。資金計画には余裕を持って計画しておくことをおすすめします。