室谷さん、今日は「今治市雇用促進奨励金」について教えてほしいんですけど、名前を聞いただけだと何かわかりにくくて。これって一体どんな制度なんですか?
あ、これはちょっとピンポイントな制度なんですよね!簡単に言うと、今治市に新しく工場やオフィスを作った企業が、市内に住む従業員を新たに雇うたびに1人あたり最大50万円の奨励金がもらえる、という制度です。
そうなんです!しかも上限が1億円なので、たとえば200人雇えばざっくり1億円もらえる計算になる。製造業や情報通信業が主な対象なんですが、今治市の企業立地優遇制度のなかの一つで、「企業立地促進条例」に基づいています。
なるほど、じゃあこれって愛媛県の今治市だけの制度ですか?
そうです!今治市独自の制度です。今治市といえば造船・タオルで有名な工業都市ですけど、新しい産業誘致にかなり積極的で、この雇用促進奨励金も令和5年4月から制度が拡充されました。地元に新しい雇用を生み出してほしいという強いメッセージですね。
今治市雇用促進奨励金 タイプ別の奨励金額比較
「最大50万円」と言っていましたけど、種類があるんですか?
はい、実は2タイプあります。どのタイプの企業立地奨励金を受けているかで、1人あたりの単価が変わるんです。
| 企業の区分 | 1人あたり奨励金額 | 上限額 |
|---|
| 企業立地促進奨励金 該当企業 | 50万円以内 | 1億円(指定区域を除く全域) |
| 賃貸借型企業立地奨励金 該当企業 | 30万円以内 | 1億円(指定区域を除く全域) |
| 指定区域(今治新都市区域)企業立地促進 | 50万円以内 | 上限なし! |
| 指定区域(今治新都市区域)賃貸借型 | 30万円以内 | 上限なし! |
指定区域だと上限なしってすごいですね!指定区域って何ですか?
今治新都市区域という、市が企業の集積を積極的に進めているエリアのことです。そこに立地した企業は上限なし。指定区域を除く全域は上限1億円。どちらにせよかなりの手厚さですね!
賃貸借型だと30万円に下がるんですね。それはなぜですか?
自前で土地・建物を持つ企業と、賃貸でオフィスを借りる企業の投資規模の違いを反映しています。でも30万円でも十分大きい!10人雇えば300万円ですからね。こういう奨励金をうまく使えば採用コストをかなり圧縮できます。
誰でも申請できるわけじゃないですよね?どんな企業が対象なんですか?
まず前提として、この雇用促進奨励金を受けるには「企業立地促進奨励金」または「賃貸借型企業立地奨励金」の指定をすでに受けている企業である必要があります。いわば「二段重ね」の構造なんです。
二段重ね!?じゃあ先に別の奨励金の指定を受けないといけないんですね。
その通りです。まず企業立地の段階で市長に申請して、企業立地促進奨励金または賃貸借型企業立地奨励金の指定を受ける。その後に操業開始して、新しく従業員を雇ったときに雇用促進奨励金の申請ができるという流れです。
| 奨励金タイプ | 対象業種 |
|---|
| 企業立地促進奨励金 | 製造業、電気・ガス・熱供給・水道業、情報通信業(情報サービス業・インターネット付随サービス業・映像音声文字情報制作業)、卸売業、学術研究・専門技術サービス業(学術開発研究機関・専門サービス業・広告業)、医療・福祉(産科・小児科) |
| 賃貸借型企業立地奨励金 | 情報通信業(情報サービス業・インターネット付随サービス業・映像音声文字情報制作業)、学術研究・専門技術サービス業(学術開発研究機関・専門サービス業・広告業) |
賃貸借型は情報通信業と学術研究系に絞られているんですね。
そうです。賃貸借型はIT系・研究開発系の企業が主なターゲットです。今治市はデジタル産業の誘致にも力を入れていますので、ITベンチャーやソフトウェア会社にとっては特にいい制度ですよね。
ちなみに「新規雇用従業員」って、どういう人が対象になるんですか?
ここ大事なポイントなんですが、操業開始の1年前から操業開始後6か月までの間に雇用された人で、かつ申請時点でも今治市に住み続けており、連続して1年以上雇用されている人が対象です。
そうなんです。工場建設中に採用活動をして、操業前に雇い入れた人でも対象になります。また短時間労働者(パート・アルバイト)については2人で1人分としてカウントされます。人数を水増しするようなことはできない設計になっています(笑)。
今治市雇用促進奨励金 申請フロー
じゃあ実際に申請する場合は、どういう手順を踏めばいいんですか?
1企業立地促進奨励金 or 賃貸借型企業立地奨励金の指定申請(市長宛)
3新規雇用従業員を連続1年以上雇用(操業開始1年前〜操業後6か月以内に採用した人が対象)
4雇用促進奨励金の「適用事業者指定申請」を産業振興課に提出
指定申請が2回必要なんですね。最初の企業立地奨励金の指定と、雇用促進奨励金の指定の両方。
そうです!この点は申請前にしっかり把握しておいてほしいですね。先に企業立地の指定を受けずに操業してしまうと、後から雇用促進奨励金の申請ができなくなる可能性があります。今治市に立地を検討している段階で、早めに産業振興課に相談することをおすすめします。
- 雇用促進奨励金は単独では申請できない
- 「企業立地促進奨励金」または「賃貸借型企業立地奨励金」の指定が前提条件
- 立地・操業計画の初期段階から今治市産業振興課に相談する
- 相談先: 今治市産業部産業政策局産業振興課 TEL 0898-36-1540
立地を決める前から相談しておくのが鉄則ですね。わかりました!ではどんな書類が必要になりますか?
具体的な申請様式は今治市の公式ページか産業振興課に問い合わせて入手する形になります。奨励金の交付要綱に基づいた書類が必要で、雇用実績を証明する書類(雇用契約書・住民票の写し等)なども求められます。詳細は直接確認するのがいちばん確実です。
採択されやすくするためのポイントって何かありますか?
基本的に要件を満たしていれば支給される性格の制度なので、競争率はありません!ただ、要件の証明をしっかりできるかどうかが重要です。
- 先行相談: 立地計画の初期段階で産業振興課に連絡し、指定の要件を確認する
- 雇用記録の整備: 新規雇用従業員の採用日・住民票の移動日・雇用継続状況を逐一記録する
- 居住要件の確認: 申請時点で従業員が今治市に居住しているかを確認(転居していると対象外になる)
居住要件があるんですね。今治市に住んでいる人を雇わないといけないと。
正確には「今治市への立地に伴い新たに市内に居住する従業員」という要件なので、立地に合わせて今治市内に移住してきた従業員が対象です。すでに今治市に住んでいた人でも雇用の経緯次第ですが、実務的には産業振興課に個別確認するのがベストです。
なるほど。従業員の居住地管理もしっかりやらないといけないんですね。
今治市ってほかにも奨励金制度がいろいろあるんですか?
そうなんです!今治市は企業立地促進条例のもとで複数の奨励金を用意していて、雇用促進奨励金はそのパッケージの一部なんです。関連する奨励金を並べるとこういう構成になります。
わあ、これは全部組み合わせたらすごいことになりますね!
そうなんです!企業立地促進奨励金+雇用促進奨励金の組み合わせが基本セットです。さらに設備投資奨励金や用地取得奨励金まで受けられれば、立地コストをかなり軽減できます。今治市に工場や研究所を作る企業にとってはかなり強力な支援パッケージですよ。
- 指定区域(今治新都市区域)は上限なし・期間も長め
- 指定区域を除く全域は雇用促進奨励金の上限1億円
- どちらのエリアに立地するかで受けられる制度の内容が変わるため、立地場所の選定前に確認が必要
指定区域に立地できるかどうかでかなり差があるんですね。
大きな差があります!特に大規模に雇用する企業は、指定区域(今治新都市区域)への立地を優先的に検討する価値があります。
ちょっとここで基本情報を整理しておいてもらえますか?
| 項目 | 内容 |
|---|
| 制度名 | 今治市雇用促進奨励金 |
| 根拠条例 | 企業立地優遇制度(今治市企業立地促進条例) |
| 対象地域 | 愛媛県今治市内 |
| 奨励金額 | 新規雇用従業員1人につき50万円(企業立地促進)/ 30万円(賃貸借型) |
| 上限額 | 1億円(指定区域を除く全域)/ 上限なし(指定区域) |
| 申請期間 | 2026年3月31日〜2027年3月31日(年度ごとに更新) |
| 実施機関 | 今治市産業部産業政策局産業振興課 |
| 電話番号 | TEL 0898-36-1540 |
| 公式ページ | 企業立地優遇制度(今治市) |
| Jグランツ | 今治市雇用促進奨励金 |
ありがとうございます!申請期間が来年3月まであるんですね。
はい!ただし企業立地奨励金の指定申請と新規雇用の実績がある状態での申請になるので、これから立地を考えている企業は早めに動き出すことが大事です。
今治市以外にも雇用に関連する補助金ってありますか?
ありますよ!ただし性格がかなり異なります。今治市雇用促進奨励金は「企業立地×雇用」という特殊な組み合わせですが、たとえば東京都には若者の職場定着や雇用転換を支援する制度があります。
今治市の雇用促進奨励金とはかなり違う性格の制度ですね。
そうです!今治市のものは「立地誘致が前提の雇用促進」であり、東京都のものは「既存企業の雇用改善」という方向性の違いがあります。企業立地を考えているなら今治市の制度、既存の採用・人事制度の整備なら東京都等の制度が適しているという見方ができますね。
最後によくある疑問をまとめておきましょう!室谷さん、Q&A形式でいくつか答えてもらえますか?
まず「企業立地促進奨励金の指定を受けていない企業でも申請できますか?」という質問が来そうですが。
残念ながら申請できません!雇用促進奨励金は、企業立地促進奨励金または賃貸借型企業立地奨励金の指定を受けていることが大前提です。まずは立地奨励金の相談から始めてください。
じゃあ「すでに操業している企業でも今から申請できますか?」は?
原則は「これから立地する企業」が対象ですが、すでに企業立地促進奨励金の指定を受けている企業であれば、雇用実績があれば申請できる可能性があります。産業振興課に直接確認してみてください!
「短時間労働者(パート)も対象になりますか?」という質問もよく来そうですね。
なります!ただし短時間労働者は2人で新規雇用従業員1人とカウントされます。なのでパートを2人採用した場合の奨励金は50万円×1人分=50万円(企業立地促進の場合)となります。
パートの採用比率が高い場合は少し注意が必要ですね。最後に「今治市外に住んでいる従業員を採用した場合はどうなりますか?」という質問は?
対象外です!奨励金の要件は「今治市への立地に伴い新たに市内に居住する従業員」なので、今治市内に住所がある(または移転してきた)ことが必要です。今治市外に住んでいる通勤者はカウントされません。
詳しく教えていただきありがとうございました!今治市への立地を検討している企業にとって、雇用促進奨励金は立地コストを大幅に圧縮できる重要な制度ですね。
まとめると「先に企業立地奨励金の指定を受ける→操業開始→今治市民を雇用する→雇用促進奨励金の申請」という流れです。1人50万円という単価は全国的にみても相当手厚い水準。製造業・情報通信業などで今治市への立地を検討しているなら、ぜひ早い段階で産業振興課に問い合わせてみてください!