今治市の企業立地促進奨励金って、補助金とはちょっと違う仕組みって聞いたんですが、どういうことですか?
そうなんですよ、これがかなり面白い制度で(笑)。普通の補助金みたいに「補助率○割」じゃなくて、「立地に伴って払った固定資産税と同じ金額を奨励金として返します」という設計になっているんです。
そう!だから補助上限額がないというのがポイントで。工場とか大型施設の固定資産税って結構な金額になりますよね。それがそのまま奨励金になるわけだから、投資規模が大きければ大きいほど恩恵も大きくなる構造なんです。
なるほど、ほんとに?それって今治市内に事業所を作れば誰でも使えるんですか?
誰でもというわけじゃないんですが、対象業種がかなり広い。製造業はもちろん、IT系の情報通信業、運輸業、学術研究・専門技術サービス業、医療、教育まで含まれています。ただし細かい条件があって、たとえば卸売業は「卸売業のみ(小売業は対象外)」とか、情報通信業は「情報サービス業・インターネット付随サービス業・映像音声文字情報制作業の3つに限る」という絞り込みがあります。
製造業以外もかなり広いんですね。じゃあ、地域によっても条件が違うんですか?
これがこの制度の面白いところで、今治市内を2つのエリアに分けているんです。「指定区域(今治新都市エリア)」と「指定区域を除く全域」では、条件も充実度も結構違います。
今治市企業立地促進奨励金 2エリア制度比較
なるほど、2つのエリアがあるんですね。具体的にどう違うんですか?
まず指定区域、今治新都市エリアのほうですが、ここは優遇がより手厚いです。新設の場合は投下固定資産総額が1億円以上(中小企業は3千万円以上)で申請でき、交付期間はなんと基準年度を含めて5年間。さらに50億円以上の大型投資なら7年間になります。
一方、増設や他エリアからの移転の場合は、投下固定資産総額2億円(中小企業は5千万円)以上で新規雇用10人(中小企業は3人)以上が条件で、交付期間は3年間です。
全域の場合、新設で投下固定資産総額1億円(中小企業は5千万円)以上、増設・移転は3億円(中小企業は1億円)以上かつ新規雇用10人(中小企業は3人)以上が要件です。交付期間は基準年度を含め3年間になります。
つまり、指定区域のほうが要件が緩くて期間も長いってことですよね。
正確にはそうですね!カーボンニュートラルの加算もあります。全域のほうには「カーボンニュートラル実現に資する企業」として認められると、交付対象期間に2年度が加算されます。脱炭素に取り組んでいる企業なら、実質5年間の支援を受けられるようになるんです。
| 区分 | 指定区域(今治新都市) | 指定区域を除く全域 |
|---|
| 新設・固定資産要件 | 1億円以上(中小企業3千万円以上) | 1億円以上(中小企業5千万円以上) |
| 増設・移転 固定資産要件 | 2億円以上(中小企業5千万円以上) | 3億円以上(中小企業1億円以上) |
| 増設・移転 雇用要件 | 新規雇用10人以上(中小企業3人以上) | 同左 |
| 交付期間(新設) | 基準年度含め5年間(50億円以上は7年間) | 基準年度含め3年間 |
| 交付期間(増設・移転) | 基準年度含め3年間 | 基準年度含め3年間 |
| カーボンニュートラル加算 | なし | +2年度 |
| 補助上限額 | なし | なし |
テーブルで見ると一目瞭然!指定区域のほうが新設のハードルが低くて期間も長いですね。次は、実際にどうやって申請するか教えてください。
今治市企業立地促進奨励金 申請フロー図
申請って複雑そうですよね?何から始めればいいですか?
実はここが大事なポイントで、この制度は普通の補助金と違って「先に指定を受ける」ステップがあります。立地してから申請するのではなく、まず市長から「適用事業者の指定」を受ける必要があるんです。
立地する前に申請が必要なんですね。これを逆順にするとアウトですか?
アウトですね(笑)。順番が逆になると適用対象外になります。だから事業計画の段階で早めに産業振興課に相談することが鉄則です。
なるほど、プロセスとして「まず相談・申請、それから立地」ってことですね。固定資産税の収納額をもとに計算するとのことですが、実際どのくらいになるんですか?
ケースバイケースで変わりますが、たとえば10億円の設備を導入した場合、固定資産税はざっくり年間数千万円規模になることもあります。それが3年なり5年なり戻ってくるんですから、累計で億単位の支援になることも全然ある話で。
それは企業にとってかなり大きな決断材料になりますよね!
固定資産税相当額が返ってくるというのはわかりましたが、どんな資産が対象になるんですか?
「立地に伴い新たに取得した固定資産」が対象です。具体的には工場や事務所などの建物・建築物、製造機械や設備などの償却資産が含まれます。要は立地のために新たに買ったり建てたりした資産ですね。
今回の企業立地促進奨励金は「新規立地に伴う取得資産」が対象なのでそうなりますね。ただ、今治市には別に「設備投資奨励金」という制度もあって、既存事業者が設備を更新した場合にも同様の仕組みが使えます(
今治市設備投資奨励金を参照)。
対象業種については、さっきちょっと触れましたが、もう少し詳しく教えてもらえますか?
業種については注意点があります。一見広そうに見えますが、細かく絞られているので確認が必要です。
- 製造業: 全般対象
- 電気・ガス・熱供給・水道業: 全般対象
- 情報通信業: 情報サービス業、インターネット付随サービス業、映像・音声・文字情報制作業の3業態に限る
- 運輸業、郵便業: 全般対象(指定区域のみ)
- 卸売業: 卸売業のみ対象(小売業は対象外)
- 学術研究、専門・技術サービス業: 学術・開発研究機関、専門サービス業、広告業に限る
- 教育、学習支援業: 学校教育、その他の教育・学習支援業(指定区域のみ)
- 医療、福祉: 産科、小児科に限る
- 小売業: 卸売業と混同されがちだが対象外
- 飲食サービス業・宿泊業: 対象業種に含まれない
- 医療の多くの診療科: 産科・小児科以外は対象外
- 情報通信業: ゲーム制作や放送業などは対象業態に含まれない場合がある
今治市が特に人口政策の観点で絞っているんだと思います。子育て世代への対応を強化したいというメッセージが読み取れますよね。
この奨励金、単体で使うだけじゃなくて他の制度と組み合わせられるって聞いたんですが?
マジですか、って感じで嬉しいポイントですよね(笑)。
企業立地促進奨励金を受けている企業が新規雇用をした場合、「雇用促進奨励金」もセットで使えるんです。これは
今治市雇用促進奨励金として別制度になっています。
新規雇用従業員1人につき50万円以内(指定区域は限度額なし、全域は限度額1億円)です。たとえば20人雇用すれば最大1,000万円になる計算で。固定資産税還付の企業立地促進奨励金と合わせると、かなりの支援規模になりますよ。
そうですね!ただ、雇用促進奨励金は「企業立地促進奨励金の対象企業であること」が前提なので、申請の順番や書類の整合性を産業振興課と事前確認しておくのが大事です。
いろんな奨励金が揃っているんですね。賃貸タイプの制度もあるのはありがたい!
買う資金がない段階ではオフィスを賃借して立地するケースもありますよね。そういう企業向けに賃借料の3分の2(月50万円上限・36か月)と、開設費用500万円という2本立ての支援があります(
賃貸借型企業立地奨励金)。
適用事業者の指定を受けるにあたって、何か審査みたいなものがあるんですか?
書類審査という形ですが、やはり事業計画の説得力が大事です。審査側は「本当に今治市に立地する意思があるか」「要件を満たしているか」を確認するので、曖昧な計画では難しいですね。
- 要件確認を先にする: 投下固定資産総額と新規雇用人数が要件を満たしているか、事前に産業振興課に電話で確認する。後から「要件不足でした」というのが一番もったいない。
- カーボンニュートラルを意識する: 全域エリアで立地する場合、脱炭素に資する取り組み(再生可能エネルギー導入、省エネ設備など)があれば書類に明記する。2年度の加算は大きい。
- スケジュールを余裕もって組む: 指定申請→指定通知→立地という順番が必須。工事着工前に必ず指定を受けること。着工後では対象外になるリスクがある。
着工前に指定が必要というのが盲点になりそうですね。
かなり多い失敗パターンです(笑)。「工事始めてから申請しようと思ってた」というケースは絶対にNGなので、事業計画が固まった段階で最初に産業振興課に電話する、これが鉄則です。
なるほど。補助金の世界って「先に申請」が共通の大原則ですよね。
ここまでの情報を整理したいんですが、基本情報を一覧で見たいです。
もちろんです。制度の骨格をまとめるとこうなります。
| 項目 | 内容 |
|---|
| 制度名 | 今治市企業立地促進奨励金(今治市企業立地促進条例) |
| 実施機関 | 今治市 産業部 産業政策局 産業振興課 |
| 対象地域 | 愛媛県今治市内 |
| 対象事業 | 事業所の新設・増設・移転 |
| 奨励金の額 | 立地に伴う固定資産税の収納額に相当する額 |
| 交付期間 | 基準年度を含め3〜7年間(エリア・規模による) |
| 補助上限額 | なし |
| 申請受付期間 | 2026年3月31日〜2027年3月31日(年度更新) |
| 公式ページ | 今治市企業立地優遇制度 |
| 問い合わせ | 今治市産業振興課 TEL 0898-36-1540 |
問い合わせ先は産業振興課ですね。メールでも対応してもらえますか?
まず「既存の工場を持っているが、設備を増やした場合も対象になりますか?」という質問はどうですか?
増設の場合、全域エリアでは「投下固定資産総額3億円以上(中小企業は1億円以上)かつ新規雇用10人以上(中小企業は3人以上)」という要件を満たせば対象になります。今治市内の既存事業者でも活用の余地は十分あります。
大丈夫じゃないです(笑)!繰り返しになりますが、立地前に適用事業者の指定を受けることが必須です。工事着工後の申請は原則として認められないので、まず産業振興課に相談を。
自前で土地・建物を取得しなくても、賃貸借型の制度があります(
賃貸借型企業立地奨励金)。情報通信業や学術・専門技術サービス業が対象で、月額賃借料の3分の2(月50万円上限・36か月)と開設費用500万円まで支援が受けられます。
「固定資産税が少ない小規模な施設だと効果は薄いですか?」はどうですか?
正直、投資規模が小さいと奨励金の絶対額も小さくなります。ただ、中小企業向けの要件緩和があるので、中小企業が小規模で立地する場合でも申請チャンスはあります。投資効果は計画段階で産業振興課に相談しながらシミュレーションするのがベストです。
「カーボンニュートラル枠って具体的に何をすればいいですか?」は?
「カーボンニュートラル実現に資する企業」の具体的な認定基準は、公式ページや申請要件の書類に詳細が示されています。太陽光発電、省エネ設備の導入、脱炭素化計画の策定などが要素になると考えられます。詳細は産業振興課に直接確認が確実ですね。
今治市以外の愛媛県内の補助金も気になりますが、どこで探せますか?
愛媛県エリアの補助金は
愛媛県の補助金一覧でまとめて確認できます。また今治市内だけでも、今回紹介した制度以外にも複数の支援メニューがセットで用意されています。事業計画の規模やフェーズに合わせて組み合わせて活用するのが賢いやり方ですね。
最後に、今治市への立地を検討している企業にメッセージをお願いします!
今治市は造船業を中心に産業集積がある都市で、インフラも整備されています。固定資産税還付という形の奨励金は「事業が軌道に乗るほど恩恵が大きくなる」設計なので、設備投資を計画している企業には非常にマッチしやすい制度です。まず産業振興課(0898-36-1540)に一本電話して、自社が要件を満たすか確認するところから始めてみてください!