危機管理対策促進事業 完了後の4つの手続き
室谷さん、「危機管理対策促進事業_事業完了後の各種申請」っていう助成金のページがあるんですが、これ、なんか普通の補助金と違う感じがして。
あ、これはちょっと特殊なんですよ!通常の補助金ページと違って、新規申請のための窓口ではなく、すでに助成金をもらい終わった事業者が事後手続きをするための専用ページなんです。
えっ、そうなんですか!てっきり「これから申請できる」補助金かと思ってました!
ほんとに紛らわしいですよね(笑)。東京都中小企業振興公社が実施している危機管理系の助成金——BCP実践促進助成金、LED照明等節電促進助成金、サイバーセキュリティ対策促進助成金——のどれかを使い終わった事業者さんが、その後に必要な手続きをここで行います。
なるほど!「助成金もらったら終わり」じゃないんですね。
そうなんです。助成金には事後の管理義務があって、設備の処分や事業者情報の変更が生じたときには、きちんと公社に届け出る必要があります。これを怠ると助成金の返還を求められる可能性もあるので、非常に重要な手続きなんです。
それは知らなかった!助成金受け取ったら安心、みたいに思ってる事業者さんも多そう。
めちゃくちゃ多いですよ!特に小規模な事業者さんは担当が変わったり、設備を入れ替えたりするときに「あ、届出が必要だったのか」ってなるケースが後を絶たない。
大きく4種類あります。事業者変更申請・財産処分申請(承認申請)・財産処分申請(結果報告)・実施結果の状況報告です。それぞれ発生するシチュエーションが違うので、順番に見ていきましょう。
これは、会社の基本情報に変更があった場合の届出です。代表者の交代、法人名の変更、合併・事業譲渡、本店所在地の移転といったケースが該当します。助成金で取得した設備の管理責任がどこにあるかを公社が正確に把握するために必要な届出ですね。
そうです。特に中小企業さんは代表者交代のタイミングで、こういった手続きを忘れがちなんですよ。公社から通知が来たら速やかに対応してください。
次は「財産処分申請」ですか。これはなんかハードル高そう。
ここが一番大事なポイントで!助成金で購入した設備を、耐用年数が経過する前に売却・廃棄・転用・貸付する場合には、事前に公社の承認が必要なんです。これが「財産処分申請(承認申請)」です。
助成金の返還を求められる可能性があります。ざっくり言うと「国や都の税金で買った設備だから、勝手に処分しちゃダメですよ」という話で。承認なしで処分してしまうのは絶対NGです。
こわい!設備の入替えを考えている事業者さんは要注意ですね。
そして承認を受けて実際に処分が完了したら、今度は「財産処分申請(結果報告)」で完了報告をします。承認→実施→結果報告という流れですね。
助成事業の効果を定期的に報告するものです。BCPなら事業継続計画の運用状況、LED照明なら節電効果(電力削減量)、サイバーセキュリティ対策なら導入したシステムの稼働状況などを数値で報告します。一般的に助成事業完了後5年程度の報告が求められるケースが多いです。
5年!けっこう長い義務なんですね。報告義務の期間は公社からの通知で確認するんですか?
その通りです。具体的な報告頻度・期間は公社からの通知書に記載されているので、必ず確認してください。
- 事業者変更申請 → 合併・事業譲渡・法人名変更・代表者変更・本店移転が発生したとき
- 財産処分申請(承認申請) → 助成対象設備を耐用年数経過前に売却・廃棄・転用・貸付しようとするとき(事前申請必須)
- 財産処分申請(結果報告) → 財産処分の承認を受け、実際に処分を完了したとき
- 実施結果の状況報告 → 公社から通知された報告期間に応じて定期的に
この手続きの対象になる助成金は4種類と聞きましたが、それぞれどんな内容なんですか?
まず整理しておきましょう。対象は「BCP実践促進助成金(単独型・連携型)」「LED照明等節電促進助成金」「サイバーセキュリティ対策促進助成金」の4事業です。
| 助成金事業 | 助成率 | 助成限度額 | 主な対象 |
|---|
| BCP実践促進助成金(単独型) | 中小企業者 1/2、小規模企業者 2/3 | 最大500万円 | 自家発電設備・安否確認システム等 |
| BCP実践促進助成金(連携型) | 中小企業者 1/2 | 最大1,000万円 | 複数事業者が共用する設備 |
| LED照明等節電促進助成金 | 1/2 | 最大1,500万円 | LED照明・デマンド監視装置等 |
| サイバーセキュリティ対策促進助成金 | 1/2 | 最大500万円 | UTM・EDR・ファイアウォール等 |
LED照明が最大1,500万円!これ、製造業の工場なんかだと大きな金額になりますよね。
そうなんです!製造業に限定されているので対象は絞られますが、大型工場の全灯LED化となると設備費が高額になるケースも多いので、1,500万円という上限が設定されています。この1,500万円という数字が補助金DBに登録されている上限額で、LED照明等節電促進助成金の助成限度額に対応しています。
BCP連携型は1,000万円と大きいですね。複数の会社が連携するって具体的にどういうことですか?
たとえばサプライチェーンを構成する複数の中小企業が一緒に防災設備を整備するケースです。発電機を共有するとか、安否確認システムをグループで導入するとか。連携することで1社では手が届かなかった規模の対策が可能になります。
なるほど!この事後手続きのページがある意味、それだけ多くの企業がこれらの助成金を使ってきた証拠でもありますね。
そういうことですね。東京都内の中小企業のBCP・省エネ・サイバーセキュリティ対策を公社が積極的に支援してきた結果、事後管理が必要な事業者が増えてきた、ということです。
補助金額は各助成金事業の申請時点での要件に基づきます
上記の助成率・上限額は原則的な内容です。年度ごとに変更される可能性があるため、実際の申請時は必ず公益財団法人東京都中小企業振興公社の最新の募集要項をご確認ください。問い合わせ先: 企画管理部 設備支援課 TEL 03-3251-7889
条件はシンプルです。まず助成金の支払いが完了していること——つまり「完了」の定義は「助成金を受け取った状態」です。審査を通っただけではダメで、実際に助成金が振り込まれた後の話です。
公社から「このURLを使って手続きしてください」という通知を受けた事業者です。つまり、この申請窓口は公社から通知を受けた事業者専用で、自分でURLを見つけて申請できるものではないんです。
通知待ちなんですね!自分で調べて「やっておこう」ってできるものじゃない。
その通りです。公社が必要と判断したタイミングで連絡が来ます。だから、もし公社から通知が届いたら速やかに対応することが大切です。
はい、gBizIDプライムアカウントが必須です。gBizIDはデジタル庁が提供する法人・個人事業主向けの共通認証システムで、Jグランツを通じた補助金申請で広く使われています。
審査で原則2〜3週間かかります!これは本当に重要で、通知が来てから慌てて申請しようとしても、gBizIDがなければ手続きができません。なので、助成金を利用している事業者さんは、事前にgBizIDを取得しておくことを強くすすめます。
先手必勝ですね!助成金を受けた時点でgBizIDを持っていることが前提条件みたいなものか。
そうなんです。新規のBCP助成金などを申請するときもgBizIDは必要なので、すでにお持ちの方がほとんどですが、念のため確認しておきましょう。
| 要件 | 内容 |
|---|
| 前提条件 | 対象4助成事業のいずれかで助成金の支払いが完了していること |
| 申請資格 | 公社から申請窓口URLの通知を受けた事業者であること |
| 電子申請 | gBizIDプライムアカウント保有が必須 |
| 対象エリア | 東京都・茨城県・栃木県・群馬県・埼玉県・千葉県・神奈川県・山梨県(1都7県) |
gBizIDプライムで行う電子申請フロー
絶対に守ってほしいのは「財産処分は事前承認が必要」というルールです。承認申請→承認→処分→結果報告という順番を守らないと、せっかく受けた助成金を返還しなければならない事態になります。
gBizIDがすでにある場合は書類準備から申請完了まで10日前後が目安です。gBizIDの取得から始める場合は、取得に2〜3週間かかるので合計で4〜5週間は見ておきましょう。期限に余裕を持って動くことが重要です。
「審査に通る」というより、手続き不備で差し戻しにならないようにすることが大事な視点です。特に注意すべき点を整理しましょう。
ポイント1: 管理台帳を事前に整備しておく
助成金で取得した設備の取得日・設置場所・耐用年数・稼働状況を記録した管理台帳を作っておきましょう。財産処分申請の際にこの情報が必要になります。
ポイント2: 不明点は早めに設備支援課に相談する
「この場合は申請が必要か?」という判断に迷ったら、電話(03-3251-7889)で早めに確認しましょう。事後になってから相談するよりも、事前相談のほうがスムーズです。
ポイント3: 状況報告は定量データで準備する
BCP対策の運用状況・LED導入による電力削減量・サイバーセキュリティシステムの稼働状況などを、数値で示せるよう日常的に記録しておきましょう。報告書の品質が審査に影響します。
管理台帳か。日常的に記録しておく習慣が大事ですね。
そうです。「事業完了したから終わり」ではなく、助成金で取得した設備はその後も継続的に管理する意識が経営者として大切です。BCPなら有事の際に実際に使えるか、LED照明なら所定の節電効果が出ているか、定期的に確認しておきましょう。
財産処分を検討したとき、どの程度の期間「処分制限」がかかるんですか?
設備の種類によって異なりますが、一般的には耐用年数に基づく一定期間(5年前後が多い)の処分制限がかかります。具体的な制限期間は各助成金の交付決定通知書や、公社からの通知に記載されています。設備を廃棄・売却する前には必ず確認を。
5年って長いようで、設備の老朽化で入替えが必要になるケースもありますよね。
そうなんです。そのためにあるのが「財産処分申請(承認申請)」なんです。正当な理由があれば承認してもらえるケースもあるので、勝手に処分せずに必ず申請を。「面倒だから黙ってやってしまおう」が最悪の結末につながります!
処分申請の対象になる設備って、具体的にどんなものですか?
各助成金で導入した設備が対象になります。それぞれの助成金で補助された設備のカテゴリはこんな感じです。
| 助成金事業 | 対象設備(処分申請が必要なもの) |
|---|
| BCP実践促進助成金 | 自家発電設備・蓄電池・安否確認システム・データバックアップサーバー・耐震補強設備 等 |
| LED照明等節電促進助成金 | LED照明器具・デマンド監視装置・進相コンデンサ・インバータ制御装置 等 |
| サイバーセキュリティ対策促進助成金 | UTM機器・EDRソフトウェア・ファイアウォール・ウイルス対策ソフト 等 |
UTM機器はリース期間が終わるとか、後継機種への移行ってよくありますよね。IT系の設備は入替えサイクルが早い。
まさに!サイバーセキュリティ機器は技術進化が速いので、3〜5年で更新するケースが多いんです。IT企業さんがよく陥るのが「リース期間終了→自動返却→事後に公社から指摘」というパターンです。リース契約の終了前に、財産処分に該当するか公社に確認しておくことをすすめます。
なるほど。製造業だとLEDの交換、IT企業だとセキュリティ機器の入替え、それぞれ注意が必要なんですね。
そうです。BCPの設備だと、自家発電設備が老朽化したり、事業所の移転でそのまま持っていけないケースも出てきます。移転の際には設備の移設・廃棄のどちらも財産処分に該当する可能性があるので、移転計画を立てた段階で公社に相談してください。
消耗品として処理済みの物品、助成事業以外で購入した設備、助成金の交付決定前に購入した設備、個人使用目的の設備などは対象外です。ただし「これは対象外だよね」と自己判断するのはリスクがあるので、不明な場合は必ず公社に確認する習慣をつけましょう。
この手続きページは事後の手続き専用ということですが、BCP対策や省エネ・セキュリティ対策をさらに強化したい場合、新しい補助金を利用することはできますか?
もちろんできます!この手続きは「事後管理」の話なので、新たな補助金申請とは別軸の話です。BCP関連なら中小企業庁の事業継続力強化計画認定制度を活用することで税制優遇や融資面での優遇を受けられます。
令和8年度のサイバーセキュリティ対策促進助成金は現在も募集中です(第1回: 令和8年5月13日〜19日)。IPA(情報処理推進機構)のセキュリティアクション二つ星を宣言している都内中小企業者が対象で、助成率1/2、上限500万円です。既存の設備の保守・更新費用も対象になるケースがあります。
BCP助成金の新規申請も今年度始まってるんですか?
令和8年度BCP実践促進助成金の第1回が令和8年5月13日から19日の受付を予定しています!単独型500万円・連携型1,000万円という規模感は変わりません。既に1回使っている事業者でも、要件を満たせば再申請可能です。詳細は
令和7年度 第2回BCP実践促進助成金のページもご参照ください。
LED照明等節電促進助成金は製造業限定ですが、今年度から「
過去にLED助成金を受けた事業者でも、まだ受けていない事業所(工場)であれば申請可能」というルール変更がありました。複数工場を持つ事業者にとっては追い風です。
令和7年度 第2回LED照明等節電促進助成金の詳細もご確認ください。
幅広い支援が続いているんですね!この事後手続きをきっかけに、次の補助金活用を考えるのもいいかもしれません。
手続きを始めるにあたって、基本情報をまとめてもらえますか?
2029年末まで受付が続くんですね。長い期間の事後管理窓口なんだ。
そうなんです。5年程度の報告義務があるケースを考えると、2020年代前半に助成を受けた事業者が2029年まで手続きするというスケジュール感です。「もう何年も前の話だから大丈夫」とは思わないでください!
設備支援課が総合窓口です。電話番号 03-3251-7889 に問い合わせると、BCP・LED・サイバーセキュリティどの助成金の手続きについても案内してもらえます。まずここに相談するのが一番確実です。
はい!実際に問い合わせが多いポイントを7つ整理しました。
まず「この申請窓口は新規の助成金申請に使えますか?」という質問は多そう。
ダントツに多いです!答えは「いいえ、使えません」。この窓口はあくまで既に助成金支払いが完了した事業者の事後手続き専用です。BCP助成金やサイバーセキュリティ助成金を新規に申請したい場合は、それぞれの公募窓口から申請してください。
「どのような場合に財産処分申請が必要ですか?」という質問も多そう。
助成金で取得した設備を耐用年数経過前に売却・廃棄・転用・貸付する場合です。事業所の移転に伴う撤去なども該当する場合がありますので、少しでも「該当するかも」と思ったら公社に事前確認をしてください。
助成金の返還を求められる可能性があります。これは本当に怖い話で、数百万円の返還になることも。「もう使ってないから処分していいだろう」という判断は絶対にNGです。
gBizIDを持っていない場合はどうすればいいですか?
助成事業の種類によりますが、一般的に助成事業完了後5年程度の報告が求められます。具体的な期間と頻度は公社からの通知に記載されています。
「事業者変更申請はどんな場合に必要ですか?」も聞かれそう。
会社の合併、事業譲渡、法人名の変更、代表者の変更など、助成金交付を受けた事業者の基本情報に変更が生じた場合に必要です。変更が生じたら速やかに申請を。後回しにするほど手続きが複雑になります。
公益財団法人 東京都中小企業振興公社 企画管理部 設備支援課(電話 03-3251-7889)です。BCP・LED・サイバーセキュリティのどの助成金に関することでも、まずここに連絡すれば適切な窓口に案内してもらえます。
財産処分を公社の承認なしに行った場合や、状況報告を期限内に提出しなかった場合、助成金の一部または全額の返還を求められる可能性があります。公社からの通知は必ず確認し、不明点は早めに問い合わせてください。連絡先: 設備支援課 TEL 03-3251-7889