室谷さん、うちの会社、そろそろ基幹システムを入れ替えたいんですけど、補助金って使えますか?
使えますよ!埼玉はむしろ補助金の活用がしやすい県で、さいたま市・川口・川越あたりの製造業では、ものづくり補助金やデジタル化・AI導入補助金の申請実績がかなり多いです。
ほんとに?でもどれが自分に合ってるか、さっぱりわからないんですよね(笑)
それは正直みんなそう言いますよ(笑)まず「ソフト中心かハードも含むか」で大きく分かれるので、そこから整理しましょうか。
埼玉県のIT・設備投資補助金 主要4制度の比較
大きく分けると、国の補助金と埼玉県・市区町村の補助金があります。国の主力は4本で、①デジタル化・AI導入補助金(旧IT導入補助金)②ものづくり補助金③小規模事業者持続化補助金④大規模成長投資補助金です。埼玉県独自のものは別に紹介しますね。
簡単に言うと投資規模で使い分ける感じです。クラウドや会計ソフト導入なら最大350万円のデジタル化・AI導入補助金、生産設備とシステムを一体で入れたいなら最大4,000万円のものづくり補助金、販路開拓目的なら最大200万円の持続化補助金、大型設備投資なら最大50億円の大規模成長投資補助金、という棲み分けです。
さすがに中堅・中核企業向けですが(笑)でも埼玉は圏央道沿いに大型物流倉庫が集中しているので、大規模自動化投資で活用している事業者もいます。
| 補助金名 | 補助上限額 | 補助率 | 主な対象 |
|---|
| デジタル化・AI導入補助金 | 350万円(通常枠) | 1/2〜3/4 | ソフトウェア・クラウド・AI導入 |
| ものづくり補助金 | 4,000万円 | 1/2〜2/3 | 設備・システム一体投資 |
| 小規模事業者持続化補助金 | 200万円 | 2/3 | 小規模事業者の経営改善 |
| 大規模成長投資補助金 | 50億円 | 定額 | 中堅企業の省力化・大型投資 |
まず一番間口が広そうな、デジタル化・AI導入補助金から教えてください。
これは2026年度から「IT導入補助金」から「デジタル化・AI導入補助金」に名前が変わりました。中身は同じで、中小企業・小規模事業者がソフトウェアやAIツールを導入するための補助金です。会計ソフト、受発注システム、在庫管理、クラウドサービス、セキュリティソフト、RPAツールなんかが対象ですよ。
そうです。通常枠だと1機能で最大50万円、2機能以上で最大350万円、補助率は1/2から3/4まで。さらにインボイス対応の電子取引類型だと補助率が上がります。補助金の申請はIT導入支援事業者を通じてやるので、埼玉のさいたま市にも対応している支援事業者がけっこういますよ。
入りますね。セキュリティ対策推進枠というのがあって、ウイルス対策やEDRソフトが対象になります。補助上限は小さいですが補助率が高いので、セキュリティだけ先にやりたい事業者にはこっちが向いてる。
ものづくり補助金って、製造業じゃないと使えないんですか?
名前がちょっとミスリードなんですが、製造業以外も使えますよ。サービス業や小売業でも申請できます。ただ埼玉は製造業・物流業の集積が全国でも有数なので、特に活用件数が多いですね。
生産管理システムの導入、IoT設備の取り付け、検査装置の入れ替え、3Dプリンタの購入なんかが典型例です。補助上限が最大4,000万円で補助率1/2〜2/3というのが強みで、設備とソフトウェアを一体で申請できるのも使いやすいポイントです。
事業計画書の作成が一番の山です。認定支援機関との連携が申請要件になるので、埼玉県内の商工会議所や税理士、中小企業診断士に相談するのが現実的な進め方です。埼玉県産業振興公社でも補助金申請の伴走支援を受けられます。22次締切分はDBにも掲載されていて、詳細は
ものづくり補助金のページで確認できます。
ざっくり40〜50%くらいですね。事業計画書の精度で大きく差が出ます。「埼玉県産業振興公社の伴走支援を使う」「認定支援機関と早めに連携する」というのが採択率を上げるコツです。競争は激しいですが、ちゃんとした計画書を書けば十分勝負になる数字です。
ありがとうございます。次の補助金も教えてください。
持続化補助金って聞いたことあります。これもITに使えるんですか?
使えますよ。持続化補助金は販路開拓・新規顧客獲得を目的にした補助金なので、ホームページ制作、ポスレジ導入、簡易的なクラウドPOS、決済端末の導入なんかが対象になります。
基本は最大50万円、特定の枠では最大200万円です。補助率は2/3で、小規模事業者(従業員20人以下、サービス業は5人以下)が対象です。IT導入補助金より金額は小さいですが、申請のハードルが低く商工会議所がサポートしてくれるのが埼玉での使いやすさです。
埼玉県商工会議所連合会や各地の商工会が窓口になってるので、まずそこで相談するのが一番スムーズです。
IoTとか自動化ロボットを入れたいんですが、専用の補助金ってあるんですか?
何種類かあります。まず中小企業省力化投資補助金というのがあって、人手不足解消のために省力化設備を導入する補助金です。カタログ掲載型という制度で、あらかじめ登録されている設備・機器から選んで申請できます。
そうなんです。従来の補助金みたいに一から計画書を書く必要がないので、事務負担が小さい。搬送ロボットや自動仕分け機、無人搬送車(AGV)なんかが登録されています。圏央道沿いの物流倉庫を持つ企業では需要が高いですよ。
さっき出てきた大規模成長投資補助金、詳しく教えてもらえますか?
これは中堅・中核企業向けの補助金で、省力化等の大規模な設備投資を支援します。補助上限50億円という破格のスケールで、補助率は定額です。具体的には、製造ラインの全面自動化、大規模なデジタルシステム刷新、複数拠点にわたるIT投資なんかが対象になります。
規模が大きいぶん、要件も厳しいですけどね(笑)従業員数や売上規模の基準があって、大企業は対象外です。詳細は
大規模成長投資補助金のページで確認できます。
公表はされていないですが、圏央道沿いの大型倉庫や、さいたま市周辺の製造業で活用事例が出てきていると聞いています。
国の補助金はわかりました。埼玉県や市区町村の独自の補助金って何かありますか?
いくつかありますよ!まず埼玉県独自のものだと、
埼玉県民間事業者CO₂排出削減設備導入補助金があります。省エネ設備やゼロエミッション設備を導入する際に使えて、最大500万円、補助率1/2です。IT化と省エネを同時に進める場合に組み合わせで使えます。
あとは市区町村レベルですが、さいたま市のDX推進補助金、戸田市のDX補助金、熊谷市産業DX推進補助金なんかが実績として出てきています。熊谷市はクラウドファンディング型という面白い仕組みで、ふるさと納税を活用してDXプロジェクトを支援する取り組みもやってます。
へぇ、クラウドファンディング型なんですね。面白い!
越谷市のビジネスパワーアップ補助金は、市内中小企業の成長的な取り組みに広く使える補助金で、IT導入もその対象に入っています。
あと設備投資系では埼玉県の設備投資促進資金(人手不足対応特例)という融資制度があります。厳密に言うと補助金ではなく低利融資ですが、限度額1億5,000万円、固定金利年1.2%程度で、DX推進目的の設備投資に使えます。補助金と組み合わせると自己負担をかなり圧縮できます。
融資と補助金を組み合わせるんですね。それは確かに強力だ。
- 埼玉県産業振興公社(048-711-6870):DX推進支援・補助金申請の伴走支援を実施。ものづくり補助金の事前相談にも対応
- 埼玉DX推進支援ネットワーク(saitamadx.com):県内の補助金・助成金情報を横断的に掲載
- 埼玉県商工会議所連合会:認定支援機関として補助金申請をサポート。各地の商工会議所が窓口
IT補助金・設備投資補助金の申請の流れ
一番重要なのはGビズIDの事前取得です。補助金の電子申請には必須なんですが、取得に1〜2週間かかるので、申請期限の直前に気づいても間に合わない。「補助金を使おうかな」と思った段階で先に取っておくのが鉄則です。
もう一つ、ものづくり補助金は認定支援機関との連携が必須で、IT導入補助金はIT導入支援事業者を通じての申請が必要です。どちらも「補助金名 + 埼玉 + 認定支援機関」で検索すると対応している機関を探せます。
本当に。補助金の公募は突然始まって、1〜2ヶ月で締め切りになることも多いです。「いつか使おう」と思って情報収集だけしている企業は毎年チャンスを逃してます。
1GビズIDを取得する(公式サイトから申請、発行まで1〜2週間)
2埼玉県産業振興公社または各地の商工会議所に相談する
6公募期間内に電子申請する(Jグランツまたは専用ポータル)
採択後に導入するんですね。発注・購入は採択後じゃないとダメなんですか?
そうです!これは超重要で、交付決定前に発注・契約・入金してしまうと補助金の対象外になります。「早く始めたくて先に発注した」という失敗が毎年出るので、必ず採択・交付決定後に動いてください。
- 補助金申請中に「もう買ってしまいたい」と先に発注すると補助対象外になる
- 見積書の取得はOKだが、発注書・契約書・入金はNG
- 「申請さえすれば通るだろう」という楽観も禁物。採択されなかった場合のリスクを想定しておく
制度によっては使えます。例えば、ものづくり補助金でIoT設備を導入しながら、別途デジタル化・AI導入補助金でクラウド会計を入れる、という組み合わせは原則OKです。ただし「同じ設備・ソフトに対して2つの補助金を重複申請する」のは禁止です。
あと埼玉県の設備投資促進資金(低利融資)と補助金の組み合わせも効果的です。例えば1,000万円の設備投資をする場合、補助金で500万円補填して、残り500万円を低利融資で調達する、みたいな資金計画が立てやすくなります。
後払いになることは要注意ですよ。補助金は原則、先に費用を払って、後で補助金が振り込まれます。大きい金額だと支払いから入金まで半年〜1年かかることもあるので、そこはつなぎ資金が必要になります。
後払いなんですね!それは資金繰りに気をつけないと。
ものづくり補助金の場合、事業実施期間が終わって実績報告して、検査が通ってからやっと補助金が振り込まれます。規模が大きいほど、つなぎ融資との組み合わせを最初から考えておくことが大事です。
埼玉は補助金の相談環境が整っていて、産業振興公社・DX推進ネットワーク・商工会議所の3機関がちゃんと機能しています。まずはどれか一つに相談して、自社の投資計画に合った補助金を絞るのが一番の近道ですよ。
正解です!補助金は「タイミング」が全てなので、使うかどうかわからなくてもGビズIDだけは先に取っておく、それだけで動けるスピードが全然違います。
埼玉全体の補助金をもっと調べたいときはどうすればいいですか?
埼玉県の補助金・助成金一覧ページで探すと、このページに掲載されていない地域密着型の補助金も見つかりますよ。目的別に絞り込みができるので、ぜひ活用してみてください。